第127集


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○○です

60歳代の男性で、エコー上inferior+lateralのOMI所見。CAGをしたところ、RCAとLCxに
奇妙なアンギオ所見を認めました。枝が絡み合っているような感じで、血管内にトウリ
ョウ像を認めます(石灰化ではないようです)。特にRCAで著明です。これは、何らか
の炎症性変化なのか、動脈硬化性変化?なのか・・・。リスクはHT,DM、喫煙がありま
す。アンギオ所見と(血行再建するとしたら)今後の方針について、ご教授頂けると幸
いです。



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○○です

特発性冠動脈解離ではないかと思います。

 古い文献ですが(徳島の日浅先生のものです)、ルーチンCAGの0.3%前後にはみられ
るとか。発生機序としては、炎症性(若年性のもので妊婦が多い)、変性(中膜壊死;
若年性)、動脈硬化性(成人)とおおまかに三つのカテゴリーに分けられるようです。
この患者さんは、動脈硬化性でしょう。
 当院でも4例ほど経験があります。一例はLAD, LCXの長い解離で、run-offが良好であ
ったのと無症状であったので、保存的に経過観察としています。5年間event freeで
す。もう一例も経過観察中です。
 あとは、RCA ostial一例とLAD takeoff一例で、どちらも虚血症状がありPCIを行いま
した。LAD takeoffの症例では、lipid coreが抜けたような空洞から解離が繋がってい
ました。BMSを留置して2年で、経過良好です。
 もしPCIをされるのであれば、IVUSは必須です。変なところにGW入れたくないですか
ら。

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○○です

2年ほど前に当院で経験した特発性冠動脈解離のIVUS像です。
59歳、女性。30歳ころから高血圧、高脂血症があり、最近はDMも指摘されていました。
喫煙歴はありません。小脳出血の既往があります。
LAD justのsoft plaqueの中に、ぽっかりと空いた解離腔が見えます。
Zeta 3.5-18をdirect stentしました。slow flowなく手技を終了しています。



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○○です。
すこし教えて頂きたいのですが、○○先生は、IVUS画像で@特発性冠動脈解離と、Aよ
くある無症候性の動脈硬化のplaque ruptureのぬけがらと、どのようにIVUS上、区別
(鑑別)されていますか?先生の症例は本当に@なのでしょうか?

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○○です。

これは以前TRAnetでも話題になった『ジャックと豆の木』では
ないでしょうか。閉塞した冠動脈が再疎通する際に複数のチャ
ンネルが形成されてレンコン様になったものではないかと思い
ます。

虚血がなければ放置します。

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○○です

○○先生 コメントありがとうございます。
文字コードがUTF-8になってました。
機種依存文字が混じるとどうもおかしくなるようです。

JSIC地方会のポスターセッションの時は「違うんじゃないの?」という意見が
少なかったので、待ってましたって感じです。

この症例、LAD justの部分はplaque ruptureの抜け殻と思ってます。
その空洞からdistal方向にしばらくトンネルが続いてます。このトンネルは
近位部は両端が丸くて解離とは考えにくいのですが、末梢側は両端が鋭角で
内腔はほとんどつぶれたようになっていて、拍動により血流信号がわずかに
観察できます(IVUS画像8番目の外膜側0-1時方向です。矢印が抜けてました)。
また、末梢にはあまりlipid poolがないことも考慮し末梢側は解離と考えま
した。

先生のご意見をお聞かせください。

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○○です。

私の私見を書かさせてもらいます。
アンギオもIVUSも静止画像のみなので、誤解(読み違え)しているかもしれませんが、
IVUS4がLADのほぼjust-proximal付近ですよね、で、IVUS8がDxを分岐したdistalですよ
ね。IVUS6は明らかに血管径(EEM)はproxより大きくなっていますよね(かなりpositive-
remodeling)。さらにIVUS6ではplaque ruptureの抜け殻の周りの9時〜12時付近にも
lipid-poolと思われるsoft-plaque像が見えると思います(IVUS7の8時〜11時も)。
IVUS6では、明らかなfibrous-cupを認めず、lumenと交通しているように見え、その抜
け殻(cavity)が、IVUS7のDxの分岐部まで続いて、その付近でアンギオ上もIVUS像も止
まっている様に見えます。先生が御指摘のdistalの断端ですが、IVUS8では、ほとんど
lipid-plaqueがないため、cavityが小さくて”鋭角なcavity”に見えているのではない
でしょうか?
proxがrupured plaueで、disがdissectionと考えるよりも、もっと簡単に、長軸方向に
massiveなlipid-poolのplaqueがあり、thin-fibrous-cupであった、IVUS6付近で、
ruptureを起こし、distalに沿って、plaqueの内腔のlipid-poolのみが剥がれてlumenに
飛んでいった。と考える方が、reasonableと思います。一般的にRupturedplaqueのIVUS
像で、cavityがdisruptionした場所より、proxもしくはdistalまでcavityのみ続いてい
ることが比較的良くあると思うのですが如何でしょう。この場合は自然冠動脈解離とは
言わないと思うのですがいががでしょうか?
またIVUS像でMLAは4cm2 以上ありそうに見えますが、○○先生の御指摘の如く虚血は認
められたのでしょうか(PCIの適応は)?
すごくつっこんだ内容になってしまい申しわけありませんでした。私の読みは間違って
いるでしょうか?

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○○です。

○○先生がご呈示になった症例は、○○先生のご指摘通りだと思います。
当院でも、同様のCAG所見を数例経験していますが、代表例を添付します。
この症例は、健診で前壁中隔OMIの所見を指摘された症例です。



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○○です。

○○先生、○○先生、新天地で頑張ってください。そのうち見学に行かせていた
だきます。
”時計台の〜〜〜”とくると、”恋の町サッポロ〜〜”とつながりますね。
(年齢がバレますね)

私も5月末で退職し、6月からは「プチ開業」をする予定です。

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○○先生

○○です。

詳細なコメントありがとうございます。
先生のご指摘のように、プラークの破綻像と考えたほうが自然かもしれませんね。
でも、cavityがかなり長く(小さな分枝を超えて)続く場合はどうなんでしょうか。
最初、このIVUS像をみたとき、どうなのかなあと悩みました。

手持ちのかなり古い文献を読んでみると、この疾患の原因として"動脈硬化"を含めてい
るものが多くみられます。先生のご指摘を受けて、あらためて検索してみると、最近は
"動脈硬化"を外しているようです(アブストラクトだけからの判断ですが)。
IVUSで血管を見ることがあたりまえになったということでしょうか。

この患者さん、もともとPATがありワソラン等が処方されていました。以前は発作時の
症状は動悸のみでした。しかし、発作時に胸痛とともに、前胸部誘導で2mm以上のST低
下を認めるようになったことが診断のきっかけです。CAGを行ったところ、LAD takeoff
の病変を認めました。トレッドミル等は行っていません。PCI後は動悸発作はあるもの
の、胸痛はみられません。

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○○です。
以前にも、トラで、ありましたが、DESって、結局、飲めるなら一生2剤併用ですよね。

でも、逆に一生飲ませるということは、大変なことではないかと考えています。
DESがでたときには、2剤の併用は3ヶ月と聞いていましたし、できれば、半年。でも、
欧米の先生方は、保険がゆるせば、一生飲ませるということ。
この背景には、LASTが2年すぎても、起こる報告があり、とくにロッテルダムの報告で
は、バイアスピリン単独の症例でも、生じています。で、逆に2剤投与していると生じ
ていない。
いまの現状では、DESの抗血小板2剤併用は、一生である。と考えていいのではないでし
ょうか?
となると、PCI後に一生抗血小板を併用させることにたいするリスクを考えると、BMSが
やっぱりいいのかなと、思ってきています。
たしかに、劇的に再狭窄はへりましたよね。でも、一生抗血小板を飲ませる
の???????
いままで、AMI以外は、DESでしたが、BMSも一生薬を飲ませなくても、いいといいう
か?手術などのときに、気軽に内服を切れるというメリットは、かなり大きいと思いま
す。ロッテルダムでは7人のLASTのうち2例が死亡していますから。
みなさんの意見を聞きたいですね。こんなこと、聞けるのはここぐらいしかないので、
楽しみにしています。

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○○です

DES+一生2剤併用か、BMSの使用かは術者の思想によるような気がします。
当初DESが出たとき僕の思想は、従来ステントポンで終われた症例は同様にBMSを
挿入。これだけでも7割前後はTLRなくいけるので再狭窄例のみDESinBMSという双方
のいいとこ取りを考えていましたが、あまりにも強烈なDESの成績を実感して、ほぼ
全例にDESを挿入しています。BMSの場合の再狭窄、DESの場合の抗血小板2剤併用、
双方にリスクがありインターベンションという言葉の意味が介入である以上、術者が
どちらのリスクを背負うか?ということではないでしょうか。
まだまだ先の話ですがオーバスネイチのジェノス(EPCキャプチャーステント)が世
に出ればどちらも解決ということでしょうか?

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この間の症例。
直腸癌、胃癌の合併した症例で心電図異常からCAGを行いました。
LADのCTOです。幸い心機能は問題なく、medicationで
APはコントロールされていましたので、DESを予定して消化器の
手術を先にしてもらいました、手術はうまくいきCTOも無事拡が
りました。もちろんDESを使用したのでチクロピジンを投与して
います。

2週目の再診時です。
患者:「先生、免許の書き換えやろうとしたら、白内障で更新できない
と言われましたよ。来週手術やるんだけど眼科の先生からこれとこれや
めるように言われたんだけど。」
といって、パナルジンとバイアスピリンを見せました。

飲んベイ:「hogehogeさん。この薬は最低でも6ヶ月飲ん
でいただくなくてはなりません。もしやめちゃうとせっかく入れたステ
ントに血の固まりがついちゃってまたフザガッチャイマスよ。」

患者:「それじゃ免許の書き換えに間に合わねーじゃねえか。」

飲んベイ:「眼科の先生に、絶対にこの薬をやめないでと紹介状を書い
ておきますから。」

患者:「せっかく元気になったのに車に乗れねーなんて、どうしてくれ
るんだい。」

飲んベイ:「.......」


どうもCypher使うとFull coverでStentの本数多い
し、まずはBMSでやっておいて後でre-steが来たら
SpotでSESかな?
なんて考えてます。

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○○です。

皆様、ご無沙汰しております。
現在、特訓中につきなかなかnet上で発言する機会がありませんでした。
一部の先生方には多大なる御心配していただきありがとうございました。
先日も○○先生が来て下さいました。思いがけず九州の先生会えてとてもうれしかった
です。
ご心配なく。元気でやっております。

早速ですが、御質問です。
先日、腎臓内科の先生からshunt PTAを依頼されました。
正直、一回も経験ありません。
つきましてはapproach、システム、device、止血方法等、ご教授頂けませんでしょう
か。

症例は静脈の吻合部近位部狭窄です。

よろしくお願い致します。



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○○です。

再びDESの話がでてきたので…。
○○先生の抗血小板薬を一生にという話がありました。
○○先生のレスの中に術者の思想、インターベンションという介入をする限りはどち
らかの責任を負うとありました。
次のレスの中に直腸癌、胃癌術後にDESを留置したら自動車免許更新云々という話題
が出ましたので追加して。

当然冠動脈インターベンションは患者の冠動脈に対して機械的な手術的な介入を行う
のですが、例えばBMSの場合は最低6ヶ月、長くて12ヶ月の間で再狭窄を来さなけ
れば、抗血小板剤のうち一剤(パナルジン)は中止できるでしょうし、手術もできる
でしょう(さらにアスピリンも中止しても)。さらに言うなら、CCIの文献だったと
思いますが、BMS留置の後大きな手術の際にどのタイミングで抗血小板剤を中止して
安全に手術可能か?そのWindowは?というのがColombo先生のところからでていた気
がします。正確には記憶しておりませんが4−6週が安全ではなかろうかという結果
だったと思います。ということは最低でも4週待てば比較的大きな手術も受けられる
ということです。当然チクロピジン、アスピリンともに一時中止可能であるというこ
とです。手術が無事終わってアスピリン、パナルジン再開し約9ヶ月後に再狭窄がな
かったら少なくともパナルジンフリーになりアスピリンだって必要があれば中止可能
な状態です。つまり、言いたいことは最大で9ヶ月から1年の間フォローして大丈夫
であればいつでも手術を受けられる体制になる。その後、少なくともチクロピジンは
なくなり、アスピリンのみになれる。
ということは、その時点で患者の心臓に対する不安材料はかなり軽減なり消去なりさ
れる。

一方、DESを留置すると2剤併用(アスピリン、チクロピジン)もしくは3剤(アス
ピリン、サルボグレラート、シロスタゾール)でDES留置数ヶ月間(これもどこまで
待てば良いか不明)はおちおち手術にもいけない。さらに一生2剤もしくは3剤併用
の可能性がある。1年をすぎて慢性期に入っても抗血小板剤を減らすとLate
Thrombosisが起きるかもしれないので手術の際は躊躇する。

両者を比較してみると、同じ冠動脈インターベンションを行っているのだが、BMSの
方は比較的短期で決着がつく(再狭窄がなければ。再狭窄があってもパナルジンは一
時的には中止できる可能性が十分にある)。これに対してDESは一生その患者に起
こってくることを監視していなければならない。患者が大手術を受ける際には抗血小
板剤を中止して良いか???さらにフォローCAGでLate Malaposissionを見たら抗血
小板剤の中止が困難になるかもしれない。こうなると抗血小板剤の中止は極めて困
難。結果、手術ができないか、著しく出血の危険が高い状況で手術をしてもらうか、
やむなくヘパリンに置き換えて手術が終わって無事帰ってくるのを祈るかということ
が起きてしまう。もっというと、抗血小板剤の中止ができないから本来内視鏡的に胃
癌切除、大腸ポリープ切除を行ってきたのが困難になる。本当に一生ついて回る問題
である。

本来患者を楽に良くしてあげよう、狭心症をなくしてあげてQOLを上げてあげようと
思って行われていたことが、逆に患者の生活(手術を含めて)を制限する結果になり
はしないか。心臓は治った、けれど手術は困難?になった。これが本来の患者のため
の医療なのか私にははなはだ疑問です。ましてSide branchに対してCrush、Reversed
Crush、DK-crush、その他のものすごく有効とはいえない手段でしかSide branchがか
らんだ治療しかできない不完全なDESを用いている現在では、その疑問がますます強
くなってきます。

幸い日本では、IVUSの使用が保険で認められています。またDCAの上手な先生方も沢
山います。○○先生のようにPTCRAのエキスパートもいます。器用で上手な日本の先
生が技術を駆使してPCIを行えばDESとまでは行かないでしょうが十分に低いTLR率を
達成できるのではないでしょうか?BMSだけではなくそれらのDeviceを駆使してPCIを
行いDESとどのくらいの差があるのか、予後の管理がどのくらい楽になるのか(患者
の負担(金銭面も含めて)、医師ともに)を検証していかなければいけないんではと
思います。もっともより良いDESが開発されればそれで良いのですが。

以上、長々と書いてしまいましたが、これが現在私が思っていることです。

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○○です。

追伸です。

ところでDESを留置した患者全員を対象に6ヶ月でアスピリンを残してそれ以外のチ
クロピジンetcを中止するといったいどんな結果になるのでしょう?最も知りたいと
ころですが…。

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○○です。

> 以前にも、トラで、ありましたが、DESって、結局、飲めるなら一生2剤併用です
よね。

そう言いきれるのかどうか、私は疑問に思っています。

SIRIUSやTaxus IVといったpivotal trialにおいて、クロピドグレルはDES植え込み後
3・6ヶ月投与でした。確かに、late thrombosisは散発的に生じていますが、3年程度
のf/uでは、(sab-acuteとlateを加えた)ステント血栓症の総発生率は、DES=BMSで
あり、MACE発生率は著明な再狭窄予防効果とあいまって、依然としてDES<<BMSです。
DESのMACE回避率がBMSにcatch upしてくるきざしはありません。

私は、パナルジンを長期投与するのにどうしても抵抗がありまして、SIRIUSなどに相
当するシンプルな症例では、3ヶ月でやめています。RCA CTOなどで33mm×3本と
いったfull metal jacketにした症例は1年投与しますが、そこでアスピリンのみにし
ています。どうしても、生涯2剤併用したいのは、LMTでのcrushなどに限られます。
複数のDESによるbifurcation stentingはステント血栓症の独立した危険因子とされ
ているからです。自施設では、AMI以外はほぼ全例(はいる限りは)Cypherですが、
幸い、late thrombosisはありません。

IVUSでappositionをしっかり確認して植え込みをしていること、たとえば、IIbIIIa
inhibitorの大規模前向き臨床試験は日本では陰性だったように、血液凝固性ないし
は血小板機能にはある程度の人種差があるらしいことから、欧米の成績がそのまま本
邦にはあてはまらないのでは、と考えます。

確かに、DESの場合、ここまで待てば非心臓手術に際してアスピリンも切って大丈夫
という、いわゆるwindowがどのくらいになるのか、誰もしりませんし、今後の課題で
あることは確かですが、この問題は、EPCまでいかなくても、生体吸収性ポリマーに
よって解決できるのではないでしょうか?すでに、Biolimetrics ステントは、アジ
アを中心にかなり使われています。このステントの慢性期データがわかれば、ある程
度解答がでてくるんじゃないでしょうか?

前にも出たと思いますが、DESの功績のひとつは、BMS時代とことなって無理をして
acute gainをとりに行かなくなったことで、合併症、とくに冠動脈穿孔が激減したこ
とです。ですから、私自身はDESによってPCIは非常に安全なものとなったし、長期間
の有効性も証明されている、と考えています。慢性期の非心臓手術に際して最適な抗
血小板療法は不明なのはその通りですが、自分が虚血性心疾患になれば、迷うことな
く今ならCyperにしてもらいたいです。

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○○です。

angioを見ますとcoronaryで言う「type A」みたいな病変ですのでnterventionは
全く問題ないと思います。
シャントPTAのapproachは経静脈的、逆行性approachが原則です。軽く駆血帯をして
肘部辺りより手先に向かって4Fシース(当院では日本シャーウッドの3cmのショート
シース)を入れます。ワイヤーは.025でも.018でも.014でも何でもいいのですが必ず吻
合部から動脈中枢側に通してください。吻合部が越えづらかったらgoodmanのM1カテ等
のguideを使うか、吻合部の抹消を指で圧迫してみると入ることもあります。
バルーンは各ガイドワイヤー対応のmonorail,OTWが出ていますので好みでいいと思いま
す。
私は.014のsasuga 75cm(Boston)を良く使います。CBAもありますがシースが6-7Fとなり
ます。
より低圧でよく拡がりますが再狭窄率はあまり変わらないような気がしますので通常の
バルーンでindentが取れない時以外は私は使っていません。
止血に関してはただ抜いて押さえるだけです。静脈なので簡単に止まります。後はHD後
と同じで止血のテープを張って終わりです。
coronaryをやっているものからしてみると手技的には全く問題ありません。楽ですよ。
ただけっこう痛がりますのであらかじめ少し痛いですよと言っておいた方がいいです
ね。ドルミカムを少し使うとその時は痛がっても、術後は忘れていることが多いようで
す。

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○○です。

当院は、AMI含め、なんでもDES病院の一つですが、抗血小板剤に関しては基本的に6ヵ
月でパナルジンは中止・バイアスピリン1錠です。
Subacute & late thrombosisは今のところ有りません。

たしかに、BMSよりは無理をしてacute gainをとりに行かなくなったと思いますけど、
しかし、stentを挿入する事には変わりないですので、少しでも大きめのgainを取った
方が良いと私は思っています。
Veloctyですので、末梢に問題なけれはステントバルーンで20〜24気圧、そこで膨らみ
が悪ければ同じ径の高圧バルーンで26〜30気圧とメキメキしております。

もと血管径があるからといって過拡張にする、いわゆるツチノコは、昔から嫌いだっ
たし、流石に見なくなりましたが...。

つい先日、同僚が患者さんに、抗血小板剤のお話含めてBMSとDESを平等にムンテラし
たところ、「そりゃぁつまりにくい方だべ(←津軽弁)」と一笑されたとか。
私も自分がPCIを受けるのであれば、DESを入れて欲しいと思っています。単純病変で
あれば自分でも半年でパナルジンは飲むのを止めます。

ところで、厚生労働省の「パナルジン3ヵ月」の基準や根拠はどこから出たモノなので
しょうか?
詳しい先生教えて下さい。

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○○です

○○先生と同感です。私は、チクロピジンはcypherの能書に書いてあるとおりLMT以
外は3ヶ月で基本的に終了ですが、とりあえず現在まではlate thrombosisは1例の
み。これもRCAの長いCTOでcypher full metal4本でしたが、全く症状なしで
follow-up CAGをとってみたら詰まっていたというものでした。BMSの頃にも時々見か
けた状況です。SATもLTもBMSとあまり変わらない印象です。

さて、歴史を振り返ってみると冠動脈疾患の治療はPCIとCABGがありました。ARTS研
究でもBMSでのPCIとCABGは死亡などのイベントに有意差はないものの、再治療(TLR)
を加えてはじめてCABGが勝ちになるものでした。論理的にはDESを使って再治療を減
らしたので多枝病変にもPCIが成り立ちます。BMSを使っている限りは多枝病変はCABG
に勝てません。
「再狭窄はイベントではない」、こう決めてしまえば多枝病変もBMSで治療する論理
がなりたちます。しかし、この理論は世界では通用しないものと思います。

多枝病変、LMT病変に関しては、DESを使ったPCIとCABGの対決はまだ終わっていませ
ん。DESが心配なのでBMSというのでは理論的ではなく、DESが心配な場合の多枝病変
はCABGなのではないでしょうか?

ということで、BMS時代と比べて3割くらい減ったかもしれませんが、まだまだ結構
CABGに送っています。

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○○

前にいた病院で良くシャントPTAを経験しましたので参考になればと思います。

前の病院は透析患者数が110名程度で、ドライウェイトをかなり絞っていたので
シャント不全は数が多かったように思えます。穿刺は可能な限りローテーション
していましたがシャントの使える部位が少ないとなかなかローテーションできなく
なる人もいました。そのような人がシャント不全になっておりました。

シャント不全(自己血管の内シャント)が起きた場合。
シャント造影に関して、私はトンボ針(18G)を使ってシャント側Brachial a.より
造影剤を注入し吻合部、狭窄ポイント、鎖骨下静脈まできちんと造影します。
今回○○先生が提示された症例では、吻合部は問題なく穿刺を頻回に行ったと
思われる部位での狭窄です。それより中枢側の静脈の様子は分かりませんが。
シース挿入は、狭窄部より中枢の静脈でシースの先端が狭窄部のそばまで行くようにし
ます。
狭窄部のそばであるとwireを短く切って操作しやすくなるので(放射線被爆のことはあ
まり考えませんが)
そうしてました。使うバルーンはモノレール型が短くしたwireでは使いやすかったで
す。

助手がいてwireのおしりを持ってもらえるならどのバルーンでも良いかと思います。
wireは吻合部を少し超えていれば問題ないと思います。
バルーンで簡単に膨らむ場合は問題ありませんが、時にバルーンに「くびれ」が出来て
しまうような
ケースがありました。血管壁が肥厚している時、血管外(周囲)組織が肥厚している時、
血栓がシャント狭窄
の原因と考えておりますので、「くびれ」が出来た場合は血管外(周囲)組織の問題だと
思います。
このような場合はバルーンでは解決できないこともあります。患者にかなりの痛みを伴
ってプッチと
拡張することもありますが、基本的に狭窄部直上を皮膚切開して丸メスで血管周囲組織
をそぎ落としていました。
初めてこれを経験したときは、カッティングバルーンも使用しましたが駄目で、シャン
トをその場で作り直そうと
考え皮膚切開をしました。せっかくだし静脈を出来るだけ長く使いたかったので目の前
で血管を見ながら
バルーンを拡張してみたら血管周囲組織がシャント血管を取り巻くように硬く帯状に存
在していました。
これを丸メスて削ぎ落としてあげたらバルーンが無事に膨らみました。
3-4例これを経験したことがあります。一昨年の3月に行われたブラッドアクセス研究
かで発表したかったのですが
忙しくて出来なかったです。
何回も同じ場所の穿刺をしていると炎症性の変化で血管周囲組織が硬くなってしまうの
でしょうか?

PTAが終了したらシースから逆血させて、エアーを抜いてシースから造影剤を入れま
す。
強い力で注入すると吻合部までうつります。
そのあと透析をしなくちゃいけない患者の場合は、シースをおきっぱなしにして脱血を
可能にしておきます。
返血はどこか静脈を捜してやってもらいます。

こんな感じでやっております。

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○○です。

(1)現在韓国ではAMIを含めて殆んどDESが使われており、こ
ちらで発表された色々な報告を見るとSAT率は大体0.5〜1
%だと思われます。うちの病院ではこの2年間20名で1%弱
ですが、1/3は他の病院から運ばれたので、実質0.67%で
しょう。3名が死亡しています。LASTは3名で、DES2名 BMS
1名、幸いにこれらはみな生存しています。

(2)SATは、薬を飲み忘れたなどの特別な場合を除き、殆ん
どAMI/ACSの患者さんで発生しました。それで○○先生も語ら
れましたが、bifurcationなどのステントが絡まる複雑な術技
は、AMI/ACSでは避けるか、または2-stageでやっています。bifurcation
PCI
がSATの独立危険因子なのは論文にも出ていますね。

(3)うちでは aspirin は life-long, clopidogrel は 6
month (
ただし bifurcation stent は 9 month) です。3 month使
う施設もあります。

(4)手術が必要な場合は なるべくそのまま手術をやった後
でPCIをしますが、left main /prox LAD tight lesion また
は severe 3-vesse disease などは 術前 PCI をやります。
癌など至急で、生命に関してPCIより重要な場合は BMS を入れ
て、1−2 month 後 手術 (clopidogrel
は1ヶ月ですが、coronary lesion
が安定するにはもっとかかると思っていますので)、他のはDES
を入れて6 month 後手術です。ただし、peripheral vascular
surgery
の様に aspirin/clopidogrel を止めない手術はDESを入れて
1週で手術に送ります。

(5)DESを入れた後で、major surgery が必要になったら、
一応6ヶ月待った後aspirin/clopidogrelを止めて手術に送り
、手術後すぐaspirin/clopidogrelを始めます。今まで10数
名を送りましたが、SATは1ヶ月後に送った1名だけでした。DES
を入れた後手術のお陰で発生した人為的なSAT率のデータを多
施設で集めれば面白いデータが出ると思われます。

(6)Cypher/TAXUS を追ってDESの開発が盛んですが、これか
らは患者さんの状態によって色々なDESが選択されるかもしれ
ません。すなわち、restenosis が一番問題なISRやleft
main/proxLAD/bifurcation
病変ではとにかくneointimaが少ないCypher,ステント通過が問
題なcalcified/tortuous病変ではTAXUS Liberte, もっと複雑
な病変で手術予定だったりAMIやSATの過去歴があったらEndeavor
(preliminary data
を見るとSATが無く、clopidogrelの使用が少なくても良い可能
性があります)が使われるなど、’DESの天下統一’でなく、
’DESの戦国時代/住み分け’時代になるかなあと、勝手に考え
ています。

実はCypherがもっと曲がりやすくてstrut cell がもっと拡が
ったら一番良いと思ったりしていますが。

(7)Orbus technology の antibody-coated R-stentは、以
前Kutryk先生に会ってたずねたら、最初は液相状態のCD34
antibody
を使ってかなり苦労し、その後では固体のCD34 antibodyで臨
床試験中で、clopidogrelは1ヶ月使用するそうです。コンセ
プトは大変良いですが、JACCに発表されたデータを見るとBMS
の様にneointimaはかなりあるようです。わたしだったら、antibody
の代わりにG-CSFで物量作戦でEPCをおくるのがもっと簡単だと
思われます。なお、4.5mm までside
strutが開くR-stentはbifurcation
には最適で、これにRapamycinを一緒に塗ったらCypherより良
いステントが出来るかも知れません。きっとこのアイデアも実
験中でしょう。

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○○です。

○○先生、○○先生早速のresありがとうございます。

○○先生、
> シャントPTAのapproachは経静脈的、逆行性approachが原則です。軽く駆血帯をして
>
肘部辺りより手先に向かって4Fシース(当院では日本シャーウッドの3cmのショート
シース)を入れ
ます。ワイヤーは.025でも.018でも.014でも何でもいいのですが必ず吻合部から動脈中
枢側に
通してください。吻合部が越えづらかったらgoodmanのM1カテ等のguideを使うか、吻合
部の抹消を
指で圧迫してみると入ることもあります。

Q: これは、病変が吻合部であっても動脈であっても静脈であっても原則は静脈アプロ
ーチってことなのでしょうか?
また、病変が吻合部や静脈なら中枢側へwiringする意味はどういうことなのでしょう?


○○先生、
皮膚切開、血管周囲組織剥離は画期的ですね。
自分では出来そうにありませんので腎臓内科の先生に言ってみます。

ちなみに、お使いのシースの長さ(○○先生は4F,3cmですね)、
お気に入りのwire、balloonなどを具体的に教えていただけないでしょうか。
それと、患者さんの体位はどうされていますか。
普通にカテ台に寝ると穿刺方向が足側なのでやりにくいと思うのですが、逆に寝てもら
うのでしょうか?

そのほか、コツなんかもあったらお願い致します。
よろしくお願い致します。

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○○です。
いろんな先生の意見を聞いて、勉強になりました。
なかでも、○○先生の>
(5)DESを入れた後で、major surgery が必要になったら、 一応6ヶ月待った後
aspirin/clopidogrelを止めて手術に送り手術後すぐaspirin/clopidogrelを始めます。
今まで10数名を送りましたが、SATは1ヶ月後送った1名だけでした。DES を入れた
後手術のお陰で発生した人為的なSAT率のデータを多 施設で集めれば面白いデータが出
ると思われます。

このことが重要なんでしょうね。
また、○○先生の症例では、約DES症例の0.5%強の症例が、後々大きな手術をし
て、内服をとめたことになりますね。
これに内視鏡の手術など加えたら、1%くらいになるのでしょうか?
その内服をきらなければならない人たった1%の人のことが、解決すれば、DESでい
いと思います。
この1%に対して、○○、○○両先生の意見が意味があると思います。
数字の上では、内服を中断しなければならない確率が1%の発生であり、また、LAS
Tにいたっては、0.5%以下の発生である。それは数字では小さいのですが、主治医と
しては、誰が入るかわかりませんし、その中に入った人にとっては、100%であるわ
けですよ。ここらへんが、生命を預かる医者として、数字を扱う数学者とは、違うんで
すよね。でも、医者は科学的でなければならないとも思いますが、悩みますね。
そこを考えると、○○先生の意見は、非常に大切な部分をついていると思います。
DESが全盛(僕もAMI以外全部そうですが)のこの時代に、いままでは、BMSを
つかうなんてと考えてましたし、一部の病院では、儲けおよび再狭窄のために、やって
いるのではと、考えていました。
(その根拠には、坑血小板は、1年で切れるものと信じていましたので、DESもBM
Sもかわらないと思っていました。しかし、一生のまなきゃならないというデーターが
出始めると、話が別です)

DESの一年過ぎのLASTのデータおよび内服中断時のリスクの評価がしっかりされ
ていない現状では、そのリスクに対して(数字的には、極めて低いですが、僕にとって
は大きな問題です。)は、自分が治療をうけるならば、○○先生の言うとおり、再狭窄
の高い病変で、多肢病変なら、DESで、手術をさけていただいて血小板のリスクを背
負いたいと思います。手術が前提にならないような通常の病変には、BMSで、治療し
てもらいたいと思います。

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○○です

> Q: これは、病変が吻合部であっても動脈であっても静脈であっても原則は静脈アプ
ローチってことなのでしょうか?
また、病変が吻合部や静脈なら中枢側へwiringする意味はどういうことなのでしょう?

原則静脈アプローチです。その方が止血も楽です。CTOなどでは経動脈的に行くことも
あります。
上腕に小児用の小さいマンシェットを巻き、体血圧の20-30mmHg高い圧で圧迫しま
す。

それでシースより造影すれば動脈側も含めて全て映ってきます。
病変はどこであっても必ずワイヤーを吻合部を越えてU字型を示すように動脈側へ挿入
すべきです。
今回の症例では吻合部を越えなくてもよさそうですが、原則は吻合部越えです。そうし
ないと解離等で
吻合部が詰まった時にワイヤーを通すのに苦労する可能性があります。
ってなところでしょうか?

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○○
ACC2006で、レオンがSRIUSで、LASTの4年の報告をしたとききましたが、詳細わ
かる方いますか?
DES0.8%、BMS0.6%で差がないとのことで、LASTは、DES特有のものでは
ないらしいという情報がはいりました。
といえども、薬の問題がね。

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○○です。

ご無沙汰しています。最近すっかりROMしてました。

以前 ○○先生が 言われていたことですが、
BMSとDESとで 急性期・慢性期とも、LASTのリスクは変わらないのでしょうか?
 DESもSESとPESで違うのでしょうか?
  ACCのデータを含め、明らかになるのが楽しみです。

ところで、最近の事件で

市立川崎病院でミス、患者死亡
2医師を書類送検
 二〇〇三年十一月、川崎市川崎区新川通の市立川崎病院で心臓カテーテル検査などを
受けた同区内の女性(70)が死亡した医療事故があり、神奈川県警川崎署は三日、業
務上過失致死の疑いで、担当の内科医(43)と総合診療科の研修医(31)の二人を
横浜地検川崎支部に書類送検した。

 調べでは、二人の医師は同月三十日午前十一時半ごろ、心筋梗塞(こうそく)による
心臓冠状動脈閉塞を患っていた女性に心臓カテーテルと冠動脈形成術を行った際、血管
に挿入したビニール製の管(ロングシース)の操作を誤り、小腸周辺で血管を損傷さ
せ、同年十二月十四日に出血性ショックによる多臓器不全で死亡させた疑い。

 同署は、女性が急性心筋梗塞を患い、血管が通常よりもろくなっている可能性があっ
たのに、導入用チューブが十分に到達していない状態でカテーテル管を挿入したとみて
いる。

 女性は同年十一月三十日に胸の痛みを訴え、救急外来で急性心筋梗塞と診断され、右
脚太ももの内側からカテーテルを挿入、血流を良くするための冠動脈形成術を行った。

 術後、女性は比較的安定していたが、十二月一日午前零時ごろから未明にかけて急に
不整脈や嘔吐(おうと)などの症状が出て心停止状態になり、昏睡(こんすい)状態が
続いた末、同月十四日に死亡した。



って出てましたが、どういう事でしょうか。

なんか、最近 医者がよく捕まってますが・・・・。

AMIで死亡した症例まで訴えられるとは、恐ろしい気がしますが、そんなにひどかった
のでしょうか?

ロングシースを使うような症例だったわけですよね。

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○○です。

訂正します。
訴えられたわけでなく 書類送検(刑事事件扱い)されたわけですよね。

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○○です。本日も、栃木県の研修医がIVH挿入の際の医療過誤で業務上過失致死と
して逮捕されたと聞きました。また下記のホームページも参考にしてください。
http://www006.upp.so-net.ne.jp/drkato/

実は数年前から、私の後輩で米国で働いている医師から、「早めに日本の法律を
何とか整備しないとこのような事態が生じたら大変だよ」と警告を受けていまし
た。慈恵医科大学の青戸病院で生じたような事件などに対し、一般の方が刑事事
件として処罰されるべきだと考えるのは仕方のない面もあると思います。しかし、
それが極端になれば、あらゆる医療事故が刑事事件の対象となる恐れも有してい
ます。さらには当然生じうる合併症についても全て警察沙汰になりかねないので
す。

米国は、極めて高額の医療訴訟や第三者機関が、医師の医療行為の妥当性につい
て厳しくチェックしていますが、その一方で、通常の医療行為によって生じた過
誤について、警察が介入することはありえないようなシステムになっているとの
ことです。つまり、医療上のミスは通常、民事事件にはなっても刑事事件とはな
らないシステムになっているとのことです。

早いうちに日本医師会や学会などが声をそろえて抗議しないと、大変なことにな
ってしまう可能性があります。

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○○です。

以下の質問にお答えしたいと思います。

Q.ちなみに、お使いのシースの長さ(○○先生は4F,3cmですね)、

>僕の場合は5cmを多く使っていました。バルーンのサイズに合せて使用していまし
たので
太さはさまざまです。3cmのほうがいいと思います。5cmだと抜いて使う場合もあ
りました。

Q.お気に入りのwire、balloonなどを具体的に教えていただけないでしょうか。

>wireは特にこだわりを持っていなかったです。バルーンはcordisのバルーンが一番の
お気に入りです。
なんとなく使用感がcoronaryでいうボストンのマーベリックの様な感じがあるからで
す。(バランスがよい)

Q.それと、患者さんの体位はどうされていますか。普通にカテ台に寝ると穿刺方向が
足側なのでやりにくいと思うのですが、
逆に寝てもらうのでしょうか?

>体位は心カテの場合と同じくしております。左シャントが多いので左上肢を開き気味
にして体位を取ります。
狭窄のあるシャントは静脈穿刺と変わりありませんので、注射器をお尻につけたサフロ
ーにて穿刺しwireをすすめます。
いかに静脈を膨らませるかは点滴をとる時と同じ発想でよいと思います。僕は主に駆血
帯を使用しております。

Q.そのほか、コツなんかもあったらお願い致します。

>許されるかどうかはご判断に任せますが、シャントは体表から触れる血管で、静脈な
のですから、肘の静脈から中心静脈ラインを
入れるのと同じで、特にwireを必要としない場合もあります。cordisのバルーンのよう
にやわらかいものはwireを使わずに
すすめる事もできます。通りにくかったらwireを使っても良いのではないでしょうか?
内膜の肥厚している静脈は結構丈夫ですし。
シャントPTAは(も)シンプルに行うべきだと考えております。

失礼します。

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○○です。

http://medj.net/drkato/

私も署名しましたが、黙っていると大変な事態になりそうです。

最初は産科医が逮捕された。私は産科医ではないので黙っていた。
つぎにメジャー系外科医が逮捕された。私はメジャー系外科医ではないので黙ってい
た。
そしてマイナー系外科医が逮捕された。私はマイナー系外科医ではないので黙ってい
た。
ついにインターベンショナリストが逮捕された。私は声をあげて抗議したが時はすで
に遅かった。

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○○大学循環器科の○○と申します。平成6年○○大卒です。今までも過去ログや、入
会済みの先生のPCからモニタリングして勉強させていただいていたのですが、今回きち
んと登録させていただく事となりました。今後も色々と勉強させていただければと思い
ますので何卒宜しく御願いいたします。

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○○です。

Leon先生のデータではないのですが、ACCで下のような発表がされていました。DESの方
がLASTが多いという内容でしたが、他の先生方はNが少ないし有意差のないところも多
いので結果は疑問だ、というdiscussionがされていました。(詳しい内容は量が多いの
で添付ファイルにしております)ただ、海外では少なくともクロピドグレルを1年間は
飲ますようにしているところが増えている、ともありました。やはり、日本でもクロピ
ドが認可されれば内服期間も少しずつ長くなるのでしょうか?


BASKET-LATE: High cardiac death and MI rates in DES-treated patients fuel 
late stent thrombosis debate 
 
March 14, 2006 
Shelley Wood

 Atlanta, GA - Using a drug-eluting stent (DES) in 100 patients may avert 
five target vessel revascularizations (TVRs), but at the price of three late 
deaths/MIs related to increased late thrombosis, a new analysis suggests. 
Outside experts caution that the study, while provocative, was too small to 
be definitive.

 
Dr Matthias E Pfisterer 
 
Presenting results of the Basel Stent Cost-effectiveness Trial-Late 
Thrombotic Events (BASKET-LATE) during a late-breaking clinical-trials 
session here at the American College of Cardiology 2006 Scientific Sessions, 
Dr Matthias E Pfisterer (University Hospital Basel, Switzerland) acknowledged 
that his study was underpowered to detect major differences in thrombosis-
related events. Still, he insisted, the indisputably increased thrombosis 
risk with drug-eluting stents warrants new strategies to prevent late 
thrombosis.
In the short term, Pfisterer told heartwire, longer dual antiplatelet therapy 
might be the best temporary solution. In the long term, new stents with 
bioabsorbable platforms or polymers may solve the late thrombosis problem. 
Testing for clopidogrel resistance may also help avert stent thrombosis 
related to drug resistance, he added. 

A lethal trade-off 
Debate over the true risk of late thrombosis continues to dog drug-eluting 
stents. As Pfisterer noted in his presentation, delayed endothelialization 
following stent implantation is the proposed mechanism behind the widely 
acknowledged increased risk of late thrombosis with DES, although the actual 
real-world thrombosis rate is hotly disputed.
As Dr William O'Neill observed following Pfisterer's presentation, "The real 
question that clinicians are going to have is: are you really trading late 
restenosis, which is not a health hazard, for death or reinfarction? That's 
obviously a very important and worrisome trade-off."
 
 The real question that clinicians are going to have is, are you really 
trading late restenosis, which is not a health hazard, for death or 
reinfarction? That's obviously a very important and worrisome trade-off. 
 
As previously reported by heartwire, the original BASKET trial enrolled a 
relatively complex patient group and randomized them to a bare-metal stent, a 
paclitaxel-eluting stent, or a sirolimus-eluting stent. For BASKET-LATE, 
Pfisterer and colleagues followed the 746 patients who were MACE free at six 
months (when the main BASKET cost-effectiveness trial had concluded and 
clopidogrel was stopped) for an additional 12 months. The aim of BASKET-LATE 
was to define the incidence of clinical events related to stent thrombosis-
and the timing of these events-in patients treated with either a bare-metal 
stent or a DES. For the purposes of the analysis, sirolimus- and paclitaxel-
eluting stent-treated patients were combined in a single group, late stent 
thrombosis was defined as at least six months after PCI, and "thrombosis-
related events" encompassed angiographically confirmed stent thrombosis, 
sudden cardiac death, or a target vessel MI. 


BASKET-LATE results 
Somewhat to the surprise of his audience here today, Pfisterer showed that 
while MACE rates were no different between bare-metal-stent or DES-treated 
patients, rates of nonfatal MI and cardiac death/nonfatal MI were actually 
significantly higher in DES-treated patients. By contrast, and as expected, 
target vessel revascularization was higher in the bare-metal-stent group, 
although when only restenosis-related TVR was included, this difference was 
not statistically significant.
Major cardiac events between 7 and 18 months 
 


Outcome Bare-metal stent DES p 
Cardiac death 01.20.09
Nonfatal MI 1.34.10.04
Cardiac death/nonfatal MI 1.34.90.01
Restenosis-related TVR 6.74.50.21
MACE 7.99.30.53

 
To download table as a slide, click on slide logo below 
When event rates for cardiac death/MI as well as rates of TVR were plotted 
over the full 18 months after stent implantation, the curves for TVR rates 
for DES vs bare-metal stents separated at approximately four months, in 
keeping with observations from the major DES trials (p=0.02). For cardiac 
death/MI, however, the curves for bare-metal stents and DES were more or less 
superimposable until approximately eight months, at which time event rates 
for bare-metal stents appear to plateau, while the rate for DES continue to 
climb (p=0.06). Timing of thrombotic events appeared to be evenly distributed 
across the 12 months after clopidogrel discontinuation.
While the stent thrombosis rate was not statistically different between the 
DES- and bare-metal-stent-treated patients, in absolute numbers, 
angiographically documented late stent thromboses were twice as high in DES-
treated patients, while thrombosis-related clinical events were nearly three 
times as high. In multivariate analyses, the most important predictors of 
late cardiac death/MI were prior MI, initial need for GP IIb/III inhibitors 
(reflecting troponin-positive ACS patients, more complex lesions, or 
suboptimal revascularization) and DES use, Pfisterer said.
"With currently recommended antiplatelet therapies, one has to balance in real
-world DES use the benefit of lower TVR rates with the cost of an increased 
rate of late cardiac death/MI," Pfisterer concluded. He estimated this cost/
benefit to be 3.3 late death/MIs for every five TVRs avoided per 100 patients 
receiving a DES.
Asked why his findings appeared to depart so dramatically from pivotal trial 
results, Pfisterer emphasized that BASKET-LATE reflected a much higher-risk-
patient cohort, of whom almost 60% were unstable-angina or STEMI patients. 


More studies needed 
Discussing the results following the presentation, Dr E Murat Tuzcu 
(Cleveland Clinic, OH) charged Pfisterer of overstating his findings. 
"You have not shown a statistically significant difference in late stent 
thrombosis and thrombosis-related events [between the DES and bare-metal-
stent groups], but you make sweeping conclusions in that regard. Moreover, 
some of the presentation and outcome of late events could be influenced by 
their definitions as 'thrombosis-related events,' which were not 
statistically different between the two groups. So do you really think you 
can make those kind of sweeping conclusions? This is strikingly different 
from what we have seen in other studies."
Tuzcu also questioned whether nonfatal myocardial infarction at 200 to 300 
days after cessation of clopidogrel treatment could "confidently" be 
attributed to lack of dual antiplatelet therapy.
 
This is strikingly different from what we have seen in other studies. 
 
 In response, Pfisterer acknowledged that the major limitation of his study 
was that it was not powered to look for infrequent events. "In fact, if you 
wanted to do a study to look at these small differences, you would need a 
study with tens of thousands of patients, and such a study will most likely 
never be performed," Pfisterer said. "But we had the unique possibility to 
look at this phenomenon in our patient group, and in this sense, it is a 
valuable study. Yes, you can criticize the conclusions for being a little bit 
stretched, but it's what these data would suggest."
Commenting on the study for heartwire, Dr William Gray (Columbia University, 
New York, NY) said that the results were intriguing but pointed out that in 
many centers, physicians are already prescribing clopidogrel for one year. 
"The data are interesting," Gray stated. "Late-stent-thrombosis rate is 
important, and if you looked retrospectively across all the trials with follow
-up out to two years, the data are probably there, but it's probably not as 
profound as this. We're probably going to have to do something larger than 
this, and probably with longer-duration clopidogrel."
The clopidogrel requirement, however, raises a host of other issues, 
including clopidogrel resistance and drug cost. In some cases, patients may 
not be able to afford long-term clopidogrel therapy, and the potential 
increased risk of late thrombosis following drug-eluting-stent implantation 
may negate the benefits of drug-eluting stents if patients stop their 
clopidogrel early. 
"The cost of clopidogrel is not insignificant," Gray acknowledged. "It is a 
problem for some patients who we treat and it can influence our clinical 
decision-making as to what kind of stents we implant. In some cases, a bare-
metal stent may be the better option."



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○○です。

○○先生への質問です。
韓国ではAMI/ACSでもほとんどACSを使用で、SATは薬の飲み忘れなどの場合を除
きほとんどでAMI/ACSで発生しているということであれば、SAT率はAMI/ACSと
non-ACSで明らかに違うはずですが、各々どの位の数字になっていますか?
TYPHOON studyというAMIでのDES vs. BMSのMulticenter prospective
randomized studyでSAT率が3.5%程度で高い、と言われてましたが実際AMI/ACSな
らそんなものだろうと思いました。韓国のデータを是非教えてください。
僕自身はbifurcationよりAMI/ACSの方がよっぽど強い独立危険因子だと感じてい
ます。

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○○です。

○○先生、いつもTRAの知恵袋としてありがとうございます。
すごく興味深いないようですね。ただ先生も指摘されている通り結局抗血小板使
用を長くするというのが最善の対策になるでしょうし、それは僕らがすでに行っ
ていることでもありますよね。
あとTCTMDをみててCARISMAというClopidgrelのstudyがあってnegative studyな
んですが、Aspirin+Clopidogrel vs. Aspirin+Placeboで有効性と合併症で差が
ない、ということは逆に言うとClopidogrelの長期投与はそれほど大きな問題に
ならない+DES patientに対してはadvantageがある、と言う風に考えたのですが
いかがでしょうか?

ただ○○先生の送ってくれたpaperの最後の先生が言っていた、Clopidgrelを飲
み続けられる人でなければBMS投与も考慮する、というのは本当にあることかも
しれません。それを考えても日本は内服継続をしやすい(経済的に)ですし、し
かも血栓性は低いと考えられる、最もDESに向いている国・国民なのではないで
しょうか。。。

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○○
H14年○○大学卒です。
‘TRA-netに入ってないなんて相当損をしている’という、同僚の言葉で入会して勉強
させていただきたいと思うようになりました。よろしくお願いします。

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○○です。

○○先生、○○先生ありがとうございます。

頑張れそうな気がします。
結果はまた、ご報告します。

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○○です。

○○先生の指摘の
Clopidgrelを飲み続けられる人でなければBMS投与も考慮する、というのは本当にある
ことかも

その人が、クロピドを一生飲めるのかって?これって、一生のわからない問題ですよ
ね。
いままで、再狭窄の問題だけで、このことをあまり深く考慮せずに、なんでもDESとい
う発想に少し、自分自身すこし変化が見えてきてます。

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○○です。

胃癌の術後、白内障で手術をしないと免許の書き換えができない、
とのことですが、それは視力が低下したからなのでしょうか。
両眼で0.7以上無いと普通免許の書き換えはできないようです。
更新自体は理由をつけて申請すれば6ヶ月〜3年は延長できるようです。
もちろんその間運転はできないと思いますが。。。
(個人的には白内障で視力低下状態で運転するのは危険と思いますが、
 患者さんにとっては重要な問題なんでしょうね。)

医学的な内容ではありませんが。。。

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○○です。

SATの話は、昨年韓国循環器学会でもかなり話題になりました
が、発表された各施設のデータを見るとAMI後のDESでもSAT/LAST
の確率は1%弱で、BMSとあまり差がありませんでした。私ら
のデータと同じです。

確かにbifurcation、AMI/ACS、stent malappositionなどの場
合が少し多いですが、SAT/LASTの確率自体が少ないので、N>1000
位で無いと、統計的に差がでないでしょう。

Stable anginaで、薬を良く飲んだ患者さんで、IVUSでキチン
と確認した後でも起こります。ただし、いったんSATが起こっ
ても、その後で再発するのは私は見かけませんでした。いわゆ
るvulnerable plaque みたいな vulnerable blood のためで
しょうか。

昔はAMIでは生存心筋が少ないので、バルーンで血流だけ開け
れば良く、ステントはオーバートリートメントだと良く言われ
ました。でも、AMIでもステントの優位は確実です。その様にAMI
でもDESはBMSに対して優位でしょう。

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○○です。

僕の質問は、DES BMSでは差がなくて、DES BMSを含めて、planned caseとACSで
のAT+SATに差がありますか?という質問です。
有意差はでにくいでしょうが、それでも数値として差を感じるほどでないですか?
○○のデータでは(今度のJSICにapplyしてますが)ACSで
2%前後、plannedで0.5%でこの7年のデータで有意差が出る差になっています。で、
僕の印象と先生の印象(韓国ではAMI/ACSでもほとんどACSを使用で、SATは薬の
飲み忘れなどの場合を除きほとんどでAMI/ACSで発生している、と言う点)は非
常に一致します。だとすれば有意差はないとしても数値が大分違うと予想しまし
た。AMI/ACSで1%前後(実は今回別に企画したmulticenter registryでは1%弱で
した)でplannedはどの程度だったでしょうか?

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> 胃癌の術後、白内障で手術をしないと免許の書き換えができない、
> とのことですが、それは視力が低下したからなのでしょうか。
> 両眼で0.7以上無いと普通免許の書き換えはできないようです。
> 更新自体は理由をつけて申請すれば6ヶ月〜3年は延長で
> きるようです。
> もちろんその間運転はできないと思いますが。

一昨日、その患者さんが、4回目の採血に来ました。
眼科の先生が薬を飲んでいても手術オーケーとしてくれました。
無事免許の書き換えができそうです。ほっとしました。

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○○です。

私も先生のデータに同感で、真実にかなり近いと思われます。
私らのデータを大雑に調べたら、3分の4位がACSの様です。

でも、外国の論文ではちょっと違って、イタリア(columbo,
JAMA 2005)
とアメリカ(Waksmann, circulation 2006)はDESだけのデータ
で、AMI/ACSの比率も少ないですが、AMI/ACSはあまりSATに影
響はありませんでした。

Retrospective dataになりますが、これも多くの施設で集める
と面白いと思われます。SAT/LASTはかなりシビアな事態なので
、急死またはAMIで入院なので、PCI後ファローアップで30日
以内に死亡またはAMIで入院したケースを集めて整理すればい
いですね。韓国と日本両国で力をあわせてN>10,000を集めれば
かなりインパクト(アジアではこうだ!)があるでしょう。

スポンサーがサポートする研究人力があったらいいな、と思っ
てしまいました。

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○○です。

皆さんと同じようにクロピドグレルを待ち焦がれている一人なのですが・・・
少しだけ気になっていることがあリます。
ひとつは、クロピドグレルのDoseです。同じthienopyridineであるパナルジンは海外で
は500mgが標準ですが日本ではおそらくはmax300mgだと思います。しかし、クロピド
は海外と同じ75mgとなりそうです。先日血小板を専門とされている先生にうかがう機
会があったのですが、アスピリンやパナルジンがそうであるように日本人は抗血小板薬
は若干少な目がよいとおっしゃっていました。今でもパナルジン内服中の患者様の出血
には手を焼いているのですが、クロピド75mgでどうなるのか少し心配です。ただ、韓
国や中国で問題ないのであれば取り越し苦労かもしれませんが。
もうひとつはパナルジンとクロピドグレルの同等性です。ずいぶん前のCirculationで
同等といわれてから海外ではすっかりクロピドのようですが、下記paperのようにパナ
ルジンの優位性をうたう発表もあります。現在の日本のレジストリーで、かなり
thrombosisの比率が外国にくらべて低いのはあるいはパナルジンがクロピドグレルより
勝っているからではないかと、杞憂してます。そういいながらもクロピドグレルを待っ
ている今日この頃です。

Increased long term rates of stent thrombosis and mortality in patients
given clopidogrel as compared to ticlopidine following coronary stent
implantation.
Int J Cardiol. 2005 Sep 1;103(3):293-7.
PMID: 16098392 [PubMed - indexed for MEDLINE

************************************

○○です。

初投稿する4年目レジデントです。
先日、当院○○先生からのshunt PTA症例の提示について、たくさんの助言をいただき
ありがとうございました。昨日、PTAを行いましたのでご報告いたします。

体位は通常通りでshunt側上肢を真横に伸ばしてもらい行いました。
まず造影用動脈ルートを18G で穿刺し、続いてshuntに4fr3cm sheathで経静脈的・
逆行性にapproachしました。shunt中枢側を軽く手で圧迫しただけで問題なくsheathは
挿入できました。
wireはアクア(cordis)0.018inch1000mmを使いましたが、予想以上に追従性が悪く吻合
部が越えにくく、○○先生の(吻合部末梢を指で圧迫)でなんとか動脈中枢側へ入れる
ことができました。
balloonはsubmarine5.0mm(GETS)ではすべるため、slalom4.0mm(cordis)を選択。な
かなかindentationがとれませんでしたが、18atm後一度造影しました。もう一度20atm
でかけて終了し以下の仕上がりとなりました。
この「くびれ」が血管周囲組織なのかなぁと思ったのですが正しいでしょうか。血管周
囲組織と考え、これ以上の拡張は難しいと判断しました。
自分自身はモノレールものメリットはあまり感じませんでした。又、baloonは入れる時
は問題ありませんでしたが、抜くとき特にsheathに入るときは、このままぬいていいも
のかとためらう程の抵抗を感じました。
止血はshuntがつまらないように10分くらい指で圧迫し、その後は1時間、シーネ固定+
軽くガーゼでおさえていましたが、問題なく止血できておりました。
患者さんにはrestenosis率30-50%くらいと説明しましたが、どうなんでしょうか。
最後の造影ですが、一応動脈側からとsheath側からと両方行いました。たしかにsheath
からの造影ですと、中枢側を押さえてるとしっかり造影できましたが、動脈側からでは
薄い造影になってしまいました。
今回初めてshunt PTAに入り、○○先生のご好意で術者として参加できましたので、投
稿させていただきました。何か不備な点、改善点などありましたら是非是非ご教示いた
だけませんでしょうか。よろしくお願いいたします。

 pre
  14atm
 18atm
 20atm
 post(Aから造影)
 post(sheathから造影)

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○○です。結構ハードな病変、お疲れ様でした。

> まず造影用動脈ルートを18Gで穿刺し、
◎穿刺は20Gでも良いと思います。動脈が浅い所にある人な
らば22Gでも可能です。但し短針だとRA選択が難しいかもし
れませんが。
> wireはアクア(cordis)0.018inch1000mmを使いましたが、予
想以上に追従性が悪く吻合部が越えにくく、○○先生の(吻合
部末梢を指で圧迫)でなんとか動脈中枢側へ入れることができ
ました。
◎アームをCRかCAに振るか、患者さんの上肢を少しローテート
しても良いのではないでしょうか?またOTWBCを吻合部の直近
まで進めてwire先端形状を変えるのも一法です。
> この「くびれ」が血管周囲組織なのかなぁと思ったのですが
正しいでしょうか。血管周囲組織と考え、これ以上の拡張は難
しいと判断しました。
◎私もよく判りませんがそうなのかも。皮下に出血は生じませ
んでしたか?経験で申し上げて済みませんが、こういうタイプ
は血管病変周囲組織にもダメージを与えているので皮下出血を
伴うことが多い印象を持っています。出来上がりもリコイルを
生じており意外と早期に再狭窄が来るのではないでしょうか?
じゃあどうすれば良いのかと言われると、ご返事出来ない私で
すが。シャントで今回の部位ですと穿刺に使われ、安易にステ
ントは留置できないですし。私も悩んでいる部分です。
> 自分自身はモノレールものメリットはあまり感じませんでし
た。又、baloonは入れる時は問題ありませんでしたが、抜くと
き特にsheathに入るときは、このままぬいていいものかとため
らう程の抵抗を感じました。
◎シースを片手で押さえて、カテを回転させながら抜くと随分
とラクです。
> 患者さんにはrestenosis率30-50%くらいと説明しましたが
、どうなんでしょうか。
◎ウーーン!率としてはそれ位かもしれませんが、先に書きま
したようにその出現時期が、、、、
> 最後の造影ですが、一応動脈側からとsheath側からと両方行
いました。たしかにsheathからの造影ですと、中枢側を押さえ
てるとしっかり造影できましたが、動脈側からでは薄い造影に
なってしまいました。
◎造影剤は何をお使いになられたのでしょうか?私はイオパミ
ロン370をヘパリン入り生食と5:5の半分に薄めて5〜6cc
を1回の撮影に用いています。動脈側からです。この症例の様
な場合、血管周囲の組織を確認してみるのは確かに良いことか
もしれません。

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○○です。

ご苦労様でした。初の症例はいろいろ耳学問では知っていても大変なものです。
私もいまだに苦労しています。
まず通常のシャントPTAでは動脈のpunctureは必要ありません。上腕部を強く圧迫する
かマンシェットで圧迫して静脈に入れたシースから造影すれば静脈から動脈全てが造影
されます。
シャント閉塞等で吻合部で閉塞している場合ではどこが吻合部か分からない時があり、
動脈の同時造影が有効な場合があります。そして動脈からのアプローチも必要である場
合もあります。造影だけで良いのであればbrachialから中枢側(心臓側)にむけてサー
フローでも入れて造影すればいいでしょう。brachialからシースを入れて動脈側からア
プローチする時はGWが骨間動脈に入ることも多いので出来るだけ上の方から(肩に近い
方)からアプローチした方が簡単です。
wireも含めてperipheral用のdeviceは洗練されていませんので、場合によっては
coronaryのdeviceを出さざるを得ない場合もあります。正直言って格が違います。wire
が吻合部を越えない時はgoodmanのM1カテの先端の曲がったものがありますので便利で
す。バルーニングに関してですが確かに高圧をかけてもindentationが取れない事もよ
くあります。こんな時はcutting balloonが有効です。より低圧で拡張することが多い
です。ただしこれがどれ位reste率に影響するかは不明です。でも大切なのはresteしな
いことではなく(確かにreste率は超高率で先生の言われるとおり30−50%くらい
あるでしょう)、今のブラッドアクセスをいかに長く使えるかが問題なのです。
今では透析の技術が進歩し何十年も透析をしている人が増えています。その患者にシャ
ントがつぶれたからといってすぐにシャント再増設をするのはやはり問題があります。
シャント再増設にも限界があるからです。それなら今のシャントが少しでも
長く使えるようにPTAを行うのが患者にとって最もhappyなのではないのでしょうか。
「半年に一回PTAしましょう。」ぐらいの気持ちがあれが何の問題もありません。reate
を減らすにはやはりステントが有効だと思うのですが、今の所はconsensusが得られて
いませんし保険適応もありません(ここだけの話ですが入れてもそこからpunctureもで
き透析ができます)。まあいずれにしてもPCIより全く気楽に出来ます。ruptureしたら
「あーあ、破れちゃったよ。しょうがねえなー。」とか言いながらバルーンを低圧で拡
張し、指でrupture部を5分も押さえれば止まります。急性閉塞を起こしても患者は
「先生、苦しーい」とも言いません。術者にとって、これ程カテコラミンレベルの上が
らないinterventionはありません。こらからどんどん症例が増えていくはずです。そし
て誰がやるより循環器医が一番うまいはずです。みなさんがんばりましょう。

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○○です。

今回のテーマに関しては、以前、DESとそれ以外との使い分けについて
自分としての現時点での考えを述べ、今も特に変わっていませんので新たに
述べることはないのですが(○○先生からはそのとき今後も考え方が変わらずに
いくのか楽しみにしていますとのコメントをいただきましたが、今のところは変わらな

考えでやっています。)、先日の心血管インターベンション学会の近畿地方会で興味
深い発表がありました。
関西労災病院の○○先生がご発表されていたのですが、DES留置後(ISRに対して

留置の症例10例、De novo13例)で平均4.1±1.7ヶ月後に血管内膜性状を内視鏡

観察し、どちらも新生内膜に埋没していないステントが85%に認めたとのことです。
Nも少なく、follow期間も6ヶ月程度までですので、これで全てをいえるわけではあり
ませんが、
DES留置後の内膜はBMSとのものとは違うものと予想されます。(ちなみに質疑応
答の際、
BMSは完全に新生内膜面にステントが埋没にて観察が不可であったといわれていた記
憶があります。)

以前、このテーマで意見を述べたとき○○先生のご意見に対して以下のようにかいたこ
とがあるのですが、
DES留置後慢性期の新生内膜が従来のものと違うとするなら、またはその可能性がま
だ完全に
否定できないのが現状とするなら、DES留置は患者さんの背景(年齢、抗血小板剤が
長期にわたり内服できるのかなど)、
また高率な再狭窄が予想される病変(当院では以前かいたように治療後にとれると予想
されるIVUSでのlumen areaを
ひとつの基準としています。)に限っての使用としていきたいと考えています。

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> 最近の話題どおりBMSだとプラークができるから慢性期に動脈硬化進行によるス
> テント部の血栓性閉塞でない新規のAMIが起こることがあるわけですよね、それ
> がDESではないと思いませんか?
> 動脈硬化進行のAMIと投薬中止によるlate thrombosisと、どっちがコントロール
> できるか、それはlate thrombosisの方がコントロールできると思います。

上記のことが慢性期の現実とするならば、CYPHER表面の内膜は通常のものとは
違うものということですよね。僕も慢性期のことは不安はありながらも、一応将来
内膜は通常のものと同じように内膜ははっている、(病理解剖所見での結果も踏まえ)
と信じておりますのlumenが大きく取れないものはほぼ全例CYPHERをいれております。
なのでもし上記が現実とするなら、僕自身はさらにCYPHER留置はDESでなければ高率な
再狭窄が予想される症例にかぎって使用しなければいけないと思ってしますのが正直な
感想です。

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○○です。

○○先生がかわらずに、僕が徐々にかわってきました。(笑)
僕も再狭窄の高そうな病変で、薬が飲めそうな人に限っていこうとおもいます。
で、○○先生に質問ですが、たぶんLMTなどの病変も様ですよね。
ちなみにTVDだからといってDESを使用するなんてことはないのでしょうか?、○○先生
は、特別にDESを使用して、CABGを回避させようという考えはありますか?
そのバイパスになるリスクが回避されるのであれば、薬を一生飲ませるリスクよりメリ
ットがありそうで、DESが有効かなと思っていますが、どうでしょうかね???

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○○です。

○○先生、○○先生ありがとうございます。

おかげさまで比較的スムーズに終了することが出来ました。
indentationは取れたもののrecoilが強く、結局50%くらいで終了しました。
こんなものでしょうか。
でも血流は取れるようになりました。

> ◎私もよく判りませんがそうなのかも。皮下に出血は生じませ
> んでしたか?経験で申し上げて済みませんが、こういうタイプ
> は血管病変周囲組織にもダメージを与えているので皮下出血を
> 伴うことが多い印象を持っています。
結構痛みが出ましたが皮下出血はなかったです。

> ◎造影剤は何をお使いになられたのでしょうか?私はイオパミ
> ロン370をヘパリン入り生食と5:5の半分に薄めて5〜6cc
> を1回の撮影に用いています。動脈側からです。この症例の様
> な場合、血管周囲の組織を確認してみるのは確かに良いことか
> もしれません。
イオパミロン370だったと思います。

> 今では透析の技術が進歩し何十年も透析をしている人が増えています。その患者にシ
ャントがつぶれたからといってすぐに
> シャント再増設をするのはやはり問題があります。シャント再増設にも限界があるか
らです。それなら今のシャントが少しでも
> 長く使えるようにPTAを行うのが患者にとって最もhappyなのではないのでしょうか。
「半年に一回PTAしましょう。」ぐらいの
> 気持ちがあれが何の問題もありません。
その場しのぎの治療でも十分患者さんのためになると思います。シャントre-opeよりは
マシだと思います。
慣れればもう少しsimpleに出来そうですし。

○○先生、
M1カテについて教えてください。
何Frですか。先端はIMみたいなのでしょうか?

> reateを減らすにはやはりステントが有効だと思うのですが、今の所はconsensusが
> 得られていませんし保険適応もありません(ここだけの話ですが入れてもそこから
punctureもでき透析ができます)。
ちなみにEasyWallですか?

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○○です。

○○先生、ありがとうございます。
N > 100000のstudy、できればいいですね。。。なかなか難しいでしょうが。。。

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○○です。

○○先生ご苦労様でした。
自分自身のend pointはthrillが触れるようになる事としています。再狭窄はするもの
です。しなかったらラッキー
ぐらいの気持ちでいいのではないでしょうか。ちなみに原則としてワイヤーは吻合部越
えですが、今回の症例は
先生の得意なTRIでも良さそうです。
造影剤はうちではイオパミロンの300を生食でhalfにして使っています。解剖が解りづ
らい時はマンシェットで圧迫して
造影剤を打ち、シャントの全貌が見えた後、手を内や外に捻ると吻合部がはっきり写る
こともあります。
M1カテ(Goodman)は全サイズ4Frです。アングルとストレートがあり、対応GWはアン
グルが.025、ストレートが
.025と.035です。吻合部越えにはアングルが便利なので当院はアングルのみ置いていま
す。
.025対応のバルーンはごついやつが多いので.25で通した後.014にexchangeし、Sasuga(
Boston )に変更したりしています。
ステントはWallですね。でも本当に最後の手段と考えます。

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○○です。

先生からのご質問ですが、TVDでも、もちろんDESは使用しますし、できりかぎり
CABGを回避させたいと考えています。
TVDだからDES or non DESという使い分けではなく、患者背景(長期の抗血小板
剤内服可能かどうか、年齢など、)と病変背景つまりは高率な再狭窄が予想される症例
かどうかで原則きめています。主には治療後とれると予想されるlumenareaが10m
m2をこせそうかどうかとしています。また、CABGとDESとの関係ですが、CA
BGにまわる症例は初期成功をおさめることができない症例、または初期成功をおさめ
るに危険がかなり高く患者さんと相談しCABGをご希望された場合にかぎっていま
す。
DESは初期成功をあげるディバイスではなく、あくまで慢性期成績をあげるディバイ
スですのでDESの登場によってCABGが回避されるようになった割合は当院ではゼ
ロにちかいのでは思います。慢性期再狭窄が再三にわたっておきるためCABGへまわ
るものは少なかったのではないでしょうか。(血管径からPost lumenが大きくとれそう
にないもの、eccentricな石灰化病変などでlumenをおおきくとるのにruptureの危険が
高まりそうな場合はDESをいれていますのでTLRは低下していますが、CABGの
回避率はあまり変化ないと思います。)

当院でDESの登場でCABGが減った傾向をひとつあげるなら、LMTの際、血管
径、石灰化などでlarge lumenがとれないと予想されたものは(LMTにいたっては
non DESでいくなら12mm2はほしいと考えています。)再狭窄が高いことが予想さ
れPCIの選択肢をださなかったのですが、DESの登場後は患者さんとの話し合いで
PCIを希望される場合におこなうことです。
おそらく日本では、初期成功できないものに限ってCABGにまわしていたという施設
が多く、DESの登場でCABGの割合が減ったという施設は少ないのではないでしょ
うか。アメリカでは、たとえ初期成功はおさめても慢性期成績が悪いからとの理由でC
TOやdiffuse lesionなどCABGにまわしていたのがDESの登場でその言い訳が
きかなくなり適応をひろげた結果CABGとの比率に変化を生じているだけのように思
います。

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○○です。
○○先生ありがとうございます。

CABGの適応が、慢性期に再狭窄を考えて、まわしていた症例(LMT,CTO、TVDなど)が当
院は多かったので、DESの出現により、CABGの適応に変化がありましたので、質問しま
したが、先生の考えを聞いて、納得しました。
再狭窄をどの程度のイベントとして、とらえるかの考え方もあるんですね。
抗血小板の問題が解決したら、DESをどんどんまた使いたいので、みなさん、わかった
ら教えてください。

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○○です。

すでに○○先生と連名でアナウンスをしておりますが、本年3月
31日をもって○○内科学教室を退職し、○○病院 循環器センターに移籍いたします。
これからも、TRA-Netに参加される皆様とのディスカッションを通して、PCI技術を高め
ていければと考えておりますので、御指導いただけますよう宜しくお願いいたします。

これは○○大循内医局から発信する最後のメールとなります。

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○○です。

メンバー登録が400人を越えましたので、恒例のランキングの発表です。

メンバー登録5人以上の大学のみのランキングですが、ランク外とは前回4人以
下であった大学です。

北海道大学の首位固めと、関西医科大学の躍進が目立ちます。

また、登録メンバーがゼロの大学は前回より一つ減って
東京女子医大
東京医科歯科大
藤田保健衛生大
の3大学となりました。
全国80医科系大学のうち、77/80 = 96.25%  の大学出身者が登録しているこ
とになります。

<ランキング表は省略>

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○○です。

続きまして、卒業年度の分布です。
これによりますと、1995年卒が一番多いようです。

<分布表は省略>

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いつの間にか関西医大出身者が9人もいたのですね、知りませんでした。
まずは近いところで兵庫医大、その次は北大めざして今後も後輩達に頑張っていただき
たいと思います。

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○○です。

DESに走りすぎた(?)せいか、Rotablatorの施設基準であるCABGの年間症例数
30例をクリアできず(2005年1月から12月までで24例)、4月からRotablatorが使
えなくなってしまいました。
2005年度にすると32例でクリアできるのですが、社会保険事務局からはNoの答え
でした。再申請も来春、2006年1月から12月までの実績をもって届け出ないと不
可とのことです。
他の都道府県の先生方にお聞きしたいのですが、
1.毎年、CABGの症例数を届け出ていますか?
2.その期間は1月から12月までと限定されていますか?
3.再申請は年度替りでないと不可ですか?
社会保険事務局は我々の解釈を絶対に受け入れようとしません。他の都道府県は
こうなっているとの情報があれば助かるのですが・・・。

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○○です。
当院でも今年よりRotablatorの施設基準をはずれました。
先生の地域と同じです。
ただ一昨年より突然毎年届けるようにとお達しがありました。
それ以前は毎年届けてはおりませんでした。

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Tra-netの皆様へ

今回、はじめて栄誉あるTra-netに参加させて頂き、
ありがとうございます。昨年から、オブザーバーとして
会には参加させていただきましたが、やっと一人前になった気分です。

今後とも、PCIの知識、技術向上の為、色々と教えていただければ
幸いです。

TYPE-M (これが登録商標です、MUSICの名前は登録商標としては無理でした)の
3F診断カテーテル?.5Fシースレスガイドカテーテルこれからも宜しくお願いいたし
ます。TYPE-M 3F診断カテーテルは、福田電子から絶賛好評発売中、6.5Fは、多分
1-2ヶ月以内に朝日インテックから発売となります。
この製品に対する皆様の御批判をお待ちしております。

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