第124集


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○○と申します

一つ教えていただきたいのですが
今更ですが、カテ後の透析についてです.
いろんなお話を伺ったり、ものの本を見ると、その効果が否定的のようですが、
その一方で当院では全例にカテ後(診断カテ、PCIともに)透析患者さんは透析を行
っております.
腎障害の予防効果、またそのほか、軽いところでは蕁麻疹、嘔気、嘔吐からアナフィラ
キシー予防の観点までふくめて、
腎機能障害の方から、慢性透析施行中の方までカテ後の透析に関しての方針を教えてい
ただけませんでしょうか.
私としては翌日に透析を行う方針に切り替えを目指したいと思っています.
そのための根拠など知りたいと思いまして
よろしくお願いいたします.

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○○と申します

以前の病院(○○の病院)では透析患者さんに対して年間100例ほど
CAG,PCIを行っていました。そのとき腎臓内科の先生にお聞きした話です。

@体内に造影剤が残った時間と、その後の造影剤アレルギー発生リスクは相関しない
(らしい)
A100-150mlの造影剤使用に関して、4時間の血液透析にて約80%の造影剤が体内より
排出される(らしい)
B非透析患者においてCr>1.5の患者では、心機能にもよるが前日より1000-1500mlの
生食でhydrationしておく  
 とカテ後の腎機能障害増悪が予防できる(らしい)

以前の病院では「15イチゴの法則」というのを自分で作って実践していました。
非透析患者にてCr>1.5ならば生食1500ml事前に点滴し、造影剤150mlを超えないよ
うにする。
もし150ml以上の造影剤使用したときは腎機能、尿比重に注意していく。ただし、C
rが上昇しても
10日から2週間以内(1.5週)に改善することが多いので積極的には血液透析は行わない。

15という数字をキーワードとして腎障害の予防に努めていました。

透析患者では透析日にカテを行うことが多かったので当日透析としていましたが、
透析前日の患者は極端に造影剤が多くない限り翌日行っていました。
それで特に問題は生じませんでした。
透析患者において体内に1日間に造影剤をどれだけ残しても良いかは結論が出ませんで
した。

経験則で申し訳ありませんが、翌日透析でも何も問題は生じませんでした。

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○○です。

現時点ではHDをすることのadvantageがあるというデータは少なく、全体の流れ
は完全にnegativeです。HFについては最新のpaperでは結果がいい、ということ
でpromisingかもしれませんが、今のところは???だと思います。

○○では、
腎機能障害ならminimum contrast PCIをして、simple lesionなら10ml程度、ロー
タブレータやCrushとかしても20ml程度でPCIをしています。CAGの方が造影剤が
必要で問題になるぐらいです。CAGは20-30ml使ってしまうので。。。
透析患者さんはvolume overになってなければ翌日透析です。うちの透析室の
capacityがあまりないので一般的な透析のスケジュールは、透析病院で透析後に
夕方入院、翌日CAG/PCIしてその次の日の朝退院して透析病院で透析、という感
じです。これでほとんどトラブルないです。

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○○です。

当院は透析設備がないので、腎障害例での対応についてお話します。
Cr3〜4までの場合、○○先生と同意見で、前日から1500ml程度のhydrationをした上
で、
なんとか造影剤を節約してCAG, PCIを行っています。
もともと診断カテではLVGをほとんど省略しているので、CAGのみならせいぜい40ml
以内で収まります。PCIの場合は、IVUSを活用し、Excelsiorで選択的造影しながら
stent位置決めしています。これだとcomplexでなければ10ml程度で終ります。

さらに、使用造影剤をヨード370ではなく300にしています。
最近のFPDを導入している施設であれば、画像処理プログラムの改良で300でも十分
検査が可能です。実際の画像を解析して地方会にも発表しました。
370よりもさらに障害が減らせることは、マチガイナイ!と思ってます。

以前は腎障害例では必ずCHDFを行っていましたが、この2〜3年は全く行っていません。
もちろん、その後のCrを追跡していますが、+0.5以上増えた症例はありませんでした。
N-アセチルシステインについては、最近否定的な論文も出ていてevidence不足と
思われるためまだ使ったことはありません。

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○○先生、○○先生、○○先生、ありがとうございました.
わたしもminimum contrast PCIは常にやりたいと思ってますが
まだまだそれに対する自信も持てず、踏み込んでません.
基本的には使用量を少なくするのがよいとは思いますが.
ちなみに、minimum contrast PCIの時に使用するIVUSは、何を使われるのでしょうか?
Volcanoはどうもpull backがうまくいかないし、やはりCIVISなんでしょうか

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○○といいます。
はじめて意見させてもらいます。

慢性透析患者に対しては、当院腎臓内科は、CAGあるいはPCIに使用したvolumeの問題だ
けと言い切っています。したがって、すでに透析が導入さ
れていれば腎保護を特別することはなく、volume
overによる心不全傾向の心配があれば(あるいは、元々心不全がある場合)直後に透析
を行いますが、それ以外はregular透析しか行いません(カ
テが、透析日であっても非透析日であっても)。自尿が減って患者さんが寂しい思いを
するかもしれませんが。
つぎに、慢性腎機能障害患者(非透析患者)に対する腎保護策ですが、当院では、
JAMA. 2004 May 19;291(19):2328-34 "Prevention of contrast-induced
nephropathy with sodium bicarbonate: a randomized controlled
trial."に従って、生食ではなくメイロンを使用しています。ペーパーを読んでもらえ
ばわかりますが、基本的には、当日入院およびカテ前から
200ml/hでの点滴ですが、心不全傾向の患者には前日入院ゆっくり点滴としています。
もちろん使用造影剤は極力少量にとどめますが、Cre値は、た
しかに変化しません。
この補液プラスアルカリ化は、当院腎臓内科も支持していますよ。いかがでしょうか。

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○○です。

○○先生、メイロンに関してはpositive paperはどの程度でしょうか?ちょっと
前に調べたときには数が少なかったか、positive/negative混在であったか、で
まだ弱いな、と思った記憶があるのですが。。。

miniCon PCIでのIVUSは、というかうちでは基本Bostonなので現状Bostonが多い
です。ステント長さを決めるにはBostonが最もしやすいですから。ただ腎機能が
悪い人には石灰化病変が多いこともありBoston以外が使いやすい場合もあると思
います。その時にはmarker wire併用ですね。
で、もう一つ追加です。15ml程度の造影剤使用でもCINが起こる症例は起こって
います。両方ともCr2-2.5程度の人でした。その二人は両方ともその後の追跡時
のCrもやや高めです。

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皆様いろいろありがとうございました
ちなみに昨日PCIした透析患者さんは結局今日の予定通りのHDまで問題なく経過して
おります
JAMAの文献もまだ読んでませんでしたので読んでみます
当院IVUSはterumoとVolcanoしかないのですが、できるだけ活用して
さらに造影剤減らしたいと思います

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○○です

○○先生、15mlの造影剤でもCINが起こるんですか?
う〜ん、CINの定義が怪しくなってしまいました。
コレステロール塞栓との鑑別はどうなんでしょうか?

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○○です。

そうなんですよ。コレステロール塞栓との鑑別は明らかには不明ですが、僕の経
験したコレステロール塞栓症例はCrの増悪ももっと大きく戻りも悪かった感じが
します。ですから僕の印象では造影剤のfirst passの影響は15mlでもあるのかな、
という感じです。

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はじめまして。
今回新たに入会させていただきました○○と申します。

1999年3月○○医科大学(現○○大学)を卒業し、現在○○医科大学循環器内科に勤務
中です。
PCIの世界はまだまだ駆け出しの状態ですが、いろいろと勉強させていただきた
いと思いますのでよろしくお願いします。

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○○です。

○○先生、返事が遅れましてすみません。paperの数を聞かれると、申し訳ないですが
positive/negativeとも勘定はしていません。最
近のreviewですが、Nephrology Dialysis Transplantation 2005 Aug;20(8):1542-50
[Lights and shadows on the pathogenesis of contrast-induced
nephropathy: state of art]
にあるとおり、補液±メイロンが現在とりうる現実的予防策といったところです。先日
のJAMAのpeparからメイロンの使用をはじめ日常カテではいい
感触であったため書き込みしましたが、全国展開の書き込み対し弱いpositiveではまず
かったかなとやや反省しております。失礼いたしました。

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○○です。

いえ、失礼だなんてとんでもありません。僕こそ不確実なことを先生に確かめて
もらうことになり、申し訳ありませんでした。
ただうちでメイロンを試そうという話になった時にあまり根拠が強くなさそうだ
な、と感じたことがあったので書かせてもらいました。うちの小規模データでは
メイロンの効果は、うーん、といったところでした。つまり悪くはしないけどメ
チャクチャ効果的かどうかは。。。というデータでした。

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○○です。
Tra-netの皆さんにご教授して頂きたいことがあり、メールしました。

cypher植え込み後三ヶ月が経過していない症例において、AAAの手術を行うことと
なった場合、抗血小板療法はどのようにしたらよいのでしょうか?
パナルジンを中止して、ヘパリン点滴に変更して抗凝固を行なえば、ステント内血栓
症は回避できるのでしょうか?また、なにかきちんとしたプロトコールはあるので
しょうか?
ご教授のほど、宜しくお願い申し上げます。

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すみません、画像貼付を忘れてました。



○○です。
症例について、ご相談させてください。
症例は85歳、女性。DM、HTあり、以前他病院でLAD及びRCAにRota→CY(2.5mm)と治療
を受けておられます。
今回、CHFにて当院に入院されました。CHF改善後のCAGは、LADに90%以上の再狭窄、
RCAのOSに90%、LCxにも狭窄病変を認めます。
あんまり体力がなさそうな方で、つかまり歩きでトイレにやっと行ける状態です。
LVGでは前壁〜心尖部でhypo.の所見であり、LADへのPCIはぜひとも行いたいところで
す。
LADに対しては、POBAのみを考えておりますが、実は、経過は不明ですが、LADにて
perforationをきたしたとのことなんです。
perforation後の冠動脈に対してのPCIは危険でしょうか?IVUSで危険(再
perforation)の回避はある程度予測がつきますでしょうか?

ご経験豊富な先生方に、ぜひご教授いただきたくご相談申し上げます。
どうかよろしくお願いいたします。

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○○です。

僕自身はRotablatorによるPerforationを生じたことはないのではっきりしたことは
いえませんが、IVUSによる観察をある程度詳細に行えば同定できる可能性はありと思
います。
しかし、現在Perforation後の仮性瘤もないようですし、しっかり修復されているの
ではないでしょうか。
通常にPCIを行っていただいても問題ないと思われますが。

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○○です。

Perforation siteに再PCIの症例もありますが危険な目にあったことはないです。
治癒が進んでいる状況では問題は生じにくいと思います。
ただperforationに至る要素がまだそのままあるのであれば問題がある可能性は
ありますのでIVUSでチェックすることは有用でしょう。
それと前医の、本当にperforationしていたのかどうか、それも非常に気になる
ところです。聞けたら聞きたいですね。

ps. Cypher入れないんですね。。。

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○○です.
○○先生の言われるとおり,私も3例のcoronary rupture に対
し再狭窄時にPCI施行いたしましたが,特に問題はありません
でした.rupture 後のPCIでは充分な拡張が得られず,再狭窄
は必発のように思います.rota によるruptureかstent留置時
のruptureなのかどちらなのでしょうね?ROTAにてrupture後にstent
留置したとしたら、かなり勇気がいったことでしょう!どちら
にしても3ヶ月以上経過して創傷治癒しているとしたら通常通
りにPCIされて問題無いと思います.私も最初のrupture症例のre-PCI
時は○○記念病院のDrの相談し,特に問題無いとアドバイスを
受けて治療いたしました.strategy としては,stent-in-stent
とするならば再狭窄を考えcypher留置が望ましいかもしれませ
ん.ただ,先ほど述べましたようにROTA後のrupture であれば拡
張が不十分であったことが考えられ,POBAでも良いかもしれま
せん.その為にも,IVUSは必須ではないでしょうか?しかし,患
者の background を考慮した場合にはcypher留置が望ましいか
もしれませんね.私の経験した3症例は、その後再々狭窄認めず
,経過良好です.PCIが成功することを陰ながら応援していま
す.○○先生,頑張ってください.CY(2.5)というのはcypherの
ことですか?

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○○です。

coronary rupture後の再狭窄に関しての私見ですが、当院での成績ではBMSの
coronary rupture後は再狭窄していません。ruptureする程大きく拡げていたからでし
ょうか?
ruptureしてでもbigger the betterなのでしょう。
仮に再狭窄しても時間が経っているのであれば通常通りのPCIで良いと考えます。BMSな

大きいの、SESならそれなりに。

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○○先生、○○先生、○○先生、○○先生
ご教示ありがとうございます。
ちょっと肩の荷がおりました。安心してPCIを行いたいと思います。
IVUSでしっかり確認し、POBAのみか、ステントが十分に拡張していれば、
サイファー(CYはサイファーのことです)の植え込みを考慮したいと思います。
実はステントがしっかり拡がっていなかった場合が、ちょっと怖かったんです。
高圧拡張では再ruptureしてしまうのではないかと...。

結果は来週以降になりますが、ご報告させていただきます。
本当、助かりました。ありがとうございました。
これからも、ご相談させていただくことが多いと思いますが、宜しくお願いいたしま
す。

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TRA-netの皆様へ

○○大学第一内科の○○と申します。
先輩からTRA-netのことを聞き新規登録させていただきました。
うちの施設ではPCI件数が少ないため、浅い経験に皆様の経験をプラスさせていただ
き、良いPCIができるようにと思っています。
失敗の経験など相談させていただくことがあると思いますがよろしくお願いいたしま
す。

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広島県○○市で循環器科をやっております○○です。

地方の病院でボチボチとPCIをやっております。
オペレーターとして年間100件ぐらいやっております。
最近8年間で1000件ぐらいです。
色々な情報交換の場ですばらしい場と感じました。よろしくお
願いいたします。

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○○です。

皆さんにご意見をお聞きしたいと思います。

症例は糖尿病治療中の20歳代 女性です。
飲酒後の夜間就寝中に胸痛発作を訴え来院されました。
II, III,aVFでST-T上昇を認めミオコールスプレーを行ったところ症状、心電図変化も
改善。
胸痛でhyperventilationとなっていたものの動脈血ガスで代謝性アシドーシスのみとな
っていました。
案の定?ダオニールとメルビン内服中でした。
幸い心筋マーカーも上昇していなかったのでそのまま入院しwash out後にCAG施行しま
した。
VSAと思って行ったところ意外にも?RCA#2 90%, LAD#7 75%狭窄を認めました。
PCIそのものが大変であることはないのですがDESにするかBMSするかでdiscussionがあ
りました。

若年女性であり今後妊娠の可能性がありパナルジン内服継続は困難なのでひとまずBMS
留置。
糖尿病治療中であることからやはりDES留置。

無論 冠拡張薬内服治療とCABGも案としてでましたが妊娠の可能性や美容上からいずれ
もなくなりました。

今のところBMS留置し再狭窄を来たした場合、その時点で再度説明をして納得の上でDES
留置かCABGを考えています。

患者さんと家族には十分説明した上で再入院していただいた時点でBMSとDESの選択をし
ていただくこととしました。

皆さんのご意見はいかがでしょうか?ご意見宜しくお願いします。



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○○です

非常に悩ましい症例です
○○先生の言われるように、DESよりになりそうですけど、
やはり、パナルジン、プレタールなどの継続は妊娠には
問題ありそうだと思います
血管径もありそうですし、IVUSでプラークがそこそこなら
今回はBMSでしっかりと広げると思います

CABGは20代の女性にはしたくないですね・・・

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○○です

○○先生 お久しぶりです
AAAの手術が待てなくて、外科医がどうしても抗血小板薬の
中止を要求されるようでしたら(うちでは腹部外科も含めて中止を要求されます)
パナルジンをプレタール(100mg)3T 8時間後とか4T 6時間毎に変更して
手術前まで飲んでもらってます
オペの2日前から中止してヘパリン投与でしょうか

ちょっと古いですけど日循のガイドラインにもそうありました

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○○です。

若年女性の場合は妊娠、出産だけでなく月経の問題もあると思います。
添付文章では禁忌ではありませんが慎重投与とあり、過多月経の可能性がある
ようです。
閉経前の女性にパナルジンを処方したことが、ほとんどありませんので実態は
わかりません。
Afでワーファリンを処方していた方は、月経前に内服を中止するように指示を
していました。
それでも結構な出血量だったそうです、男にはわかりませんが。

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○○です.

ステントありきで議論がなされているようですが,添付された写真では右冠動脈の狭窄
は75%程度のように見えます.発症状況から見てもやはりspasmの関与が大きいのではな
かと思えるのですが,如何でしょうか?エルゴメトリン負荷またはアセチルコリン負荷
はなされたのでしょうか?かなりの若年でもあるため観血的治療をするならPOBAで終了
という選択もありかと思います(斎藤太郎先生が出されたGIPSI trialでは,パーフュ
ージョンバルーンを用いたロングインフレーションによるPOBAの成績はステントに匹敵
するというデータもありますし).また運動負荷による虚血またはST上昇発作の誘発が
ないようなら投薬による経過観察もありかと思いますが,DMベースでこの狭窄度ではや
はり近い将来インターベンション治療は避けられそうもないですね.

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○○です。

DES使用にして出血危険性のある時点、例えば出産などに抗血小板をコントロー
ルする、具体的には効果が切れやすいプレタール+アンプラークに変更して出産
前に止めて出産、というのは非現実的でしょうか?
出産自体はある程度薬物によるコントロールもできそうですし、一概に非現実的
とは言えないとも思えますが。。。

この程度の病変でもBMSいれて再狭窄の悪循環に入ったら後悔する気もします。。。

ちなみにIVUSでプラークは多かったんですか?多かったらよりDESよりになる気
がします。

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○○

以前30歳女性のLAD osの病変にDCA施行したことがあります
若年女性で月経、妊娠、出産を考え将来的にdrug freeにできれば思い、幸いにも病
変が局所だけでしたので、、、
現在再狭窄なく、drug freeとなっています

この症例でも右冠動脈にはDCA可能ではないかと思います
LADは近位部の屈曲もあり難しそうですが、DCAを得意とされている先生なら、、、
という気もしました
再狭窄のリスクはありますが○○先生の言われるPOBA同様、
異物を入れない治療をまず考えるというのもありかなと思いました

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○○です。
私は○○先生のご意見に賛成です。
再狭窄が来た場合にBMSを考慮すると思います。

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○○です。
○○先生。ご無沙汰しております。
ご助言、有り難うございました。今回の症例はAAAの手術が待てないわけでもなく、
紹介先の心臓血管外科医がcypherに副作用がない場合、原則三ヶ月間パナルジンを投
与することを知らないようでしたので、その旨を連絡して、もう一度手術時期を再検
討してもらうようにしました。どうも、cypherを植え込んだ循環器内科より全くイン
フォメーションがないようでした。
開業し、PCIをお願いする立場となったのですが、このようなことがあると施設に対
する信頼感が正直低くなってしまい、今後の紹介をためらってしまいます。

あと、若年女性のPCIについて諸先生方のdiscussionを読ませて頂いたのですが、バ
イアスピリンは出産予定ー妊娠12週以内の妊婦に対する投与は禁忌となっており、
その他の抗血小板剤も妊婦に投与した際の催奇形性の否定がされていません。また、
ワーファリンも催奇形性が証明されています。ですから、もし、妊娠を希望される女
性であれば、DESはもちろんのこと、BMSであったとしても、治療の結果、妊娠を最悪
あきらめてもらうことをきちっとICしておかねば、訴訟を起こされる可能性が高いと
思います。

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○○です.

判断に困る症例ですね.極めて若年の女性に対するPCIで問題
になるのは,これまで出されているように月経と妊娠ですよね
.特に妊娠の問題を考えるとき大切なことは,患者さんの背景
と思います.@若年発症糖尿病であるにもかかわらずインスリ
ン治療でないのは2型糖尿病なのでしょうか?また糖尿病のコ
ントロールはどうなのでしょうか?糖尿病のコントロールが不
充分だとしたら,それだけで十分 High risk pregnancyとなる
ので産婦人科との連携が必要ですし,患者さんの厳格な治療態
度が望まれます.また内服薬としては,NTG製剤,もしくはCCB
は使用可能ではないかと思います.勿論,使わないにこしたこ
とはありませんが!アスピリンに関しては,抗リン脂質抗体症
候群による習慣性流産に投与していました.従って,禁忌とは
ならないように思います.どちらにしても産婦人科のDrと相談
され,産婦人科医よりriskの説明をしていただいた方がよいと
思います.私たち循環器科医師がお産をコントロールするわけ
ではありませんから.ただ,12年ほど前は(私が産婦人科医を
目指していた頃)産婦人科の場合,各施設によって治療方針が
異なるようなので,その点は考慮していただければと思います
.A現在,子供さんはいらっしゃるのでしょうか?子供さんが
いらっしゃる場合は特にですが,拳児希望がない場合には,通
常のPCIを施行すればよいわけです.結論は充分に患者さんと
話をされ方針決定するしかありませんよね.ただし,女性の心
変わりには注意が必要でしょう.一般的にPCIのみ考慮すると
現段階では,○○先生の御意見に賛成でmedicationもしくはPOBA
なのだと思います.緊急性はなさそうですし!長くなり申し訳
ありませんでした.

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○○です。

ご意見ありがとうございます。
今回は診断カテでIVUSは行っていません。
IVUSカテを通過して問題が起きないと思いましたが検査前に余程のことがない限りPCI
は行わない約束でしたので。

VSAを予想していたのでエルゴノビン負荷を用意していましたが明らかな病変があり
ISDN
icでも狭窄は解除されなかったので行いませんでした。

POBAで済めば良いのですが実際に行ってみないと分からないでしょうか。
薬物療法ですが妊娠中、出産時等の体液の変動を考慮すると虚血発作を起こす可能性が
高いと思います。

DCA aloneの意見も出ていましたが今回の診断カテで穿刺してシース挿入の時点で患者
さんが泣き出してしまい軽いsedationをかけたくらいでした。
awakeでDCAをしてdiscussion中の会話を患者さんが聞いて落ち着いていられるか疑問で
DCAは候補から外れました。
当院のBOSSも無理でしょうとのことです。

糖尿病治療は内科主治医が入院中にインスリンへ変更しています。

JACC 2005; 46: 1670-6の論文を読むとDES留置したら4年間は妊娠はできないのではと
思います。

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○○です.先ほどは,書きかけで間違えて送ってしまいました.
おばさんの意見を述べさせて頂きます.

閉経前の女性に対する抗血小板薬の投与については,何段階もクリアするべき問題点が
あるので,少々整理してみたいと思います.

1.Regel:量的には個人差がありますが,アスピリン・チクロピジンは明らかに量の
増加を招きます.例えば自分の場合,Regel前後でHbは0.5〜1程度下がりますが,量の
多い人はHbで1以上は下がります.これに抗血小板薬が入った場合,経血量の増加と期
間の延長は必須であり,Regel開始数日前から抗血小板薬を中止するのが望ましいと思
います.ワーファリンについてもRegel中は中止としますが,中止後すぐにINRは下がら
ないので,かなりの量の出血があります.

2.妊娠:@バイアスピリン:妊婦に対しては治療上の有益性が危険性を上回ると判断
される場合にのみ投与(動物実験で催奇形性・妊娠期間延長・胎児発育過度の報告あ
り)
Aパナルジン:投与しないことが望ましいという,玉虫色の表現になっています.
Bプレバール:投与しないこと(動物実験で異常胎児の増加・出生児の低体重および死
亡児の増加)

3.自然分娩:バイアスピリン:出産予定日12週以内の妊婦には投与しない(妊娠期
間延長・動脈管早期閉鎖・子宮収縮抑制・分娩時出血増加などの理由による)

4.妊娠分娩経過について:妊娠・分娩は正常に経過するのが当たり前と考えられてい
ますが,場合によっては流産・早産などもあり得ますし,また最も厳しいのは分娩合併
症である前置胎盤・胎盤早期剥離などです.つまり,分娩時における出血は場合によっ
て致命的になることがあります.モチロン,予定分でしたら一時的にヘパリンコントロ
ールとすることは可能ですが,予期せぬ合併症が起こった場合は非常に厳しい結果とな
ります.

5.授乳:バイアスピリン・パナルジン・プレタールとも,動物実験で乳汁中への移行
が報告されています.

以上をふまえた上での私の考えですが,RCAは血管径も大きそうなのでcutting
balloonでまずは処置したらどうでしょうか.もし最初からstentを留置する場合には
BMSで,Visionを選ぶと思います.モチロン,IVUSガイドで行います.

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○○です。
 多くのinterventionistは通常のPCI後で女性の月経に悩むことが少ないという現実
は、PCIの対象が大部分高齢者である事を物語っています。この若年女性の方は診断
カテに際しても泣き出してしまっているとのことですが、同年代の女の子が楽しく遊
んでいるときに自分は高齢者が罹患する様な疾患のためカテ台に乗っているという現
状を全く受け容れられていないのでしょう。この状況で、彼女が求めているのは、血
管を治療してくれる医師ではなく、自分を通常の女の子の世界に連れて行ってくれる
白馬の騎士か神様というところでしょうか。
 年齢と冠動脈所見を考慮すれば、かなり厳しい予後であることは間違いなく、risk
 factor 管理の徹底は必須です。糖尿病を筆頭に、肥満? 喫煙?、経口避妊薬の
使用? についてこの女性のお友達よりも遙かに厳密なcontrolが必要であることを
認識していただく必要があるのだと思います。現時点でDESやBMSを入れて抗血小板療
法を開始すれば、月経のたびに多くの出血に悩み新たな被害者意識を持ってしまうの
では?
 落ち着いてカテーテル治療を受けられるまでに受容された時に、改めて予後を含め
ての話し合いが出来るのだと思います。主治医としてはそれまで大変な労力となると
思いますが・・・。
 閉経前の女性であり、leaving no foreign body という点でcutting balloon、
DCA、perfusion balloonの優位性を認めつつも、多くのinterventionistにとっては
再狭窄に悩まされてきた長い経過があり、DESという選択肢が浮かび上がってくるの
でしょう。主治医と患者の十分な信頼関係が確立できれば、POBA後の再狭窄でPCIを
繰り返しても、またdissectionのためやむを得ずstent留置しても理解してくれるも
のと思います。
 IVUSとrepeated PCIが保険で認められるのが日本の良いところですよね。健闘を
期待しています。

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○○といいます。

PCIを行うことで話が進んでいるようですが、私は、○○先生の意見に賛成です。添付
された写真を見る限り、RCA90%、LAD75%もないようにみ
えます(1方向のみなのでわかりませんが。この写真がそれぞれもっとも狭窄が強く見
えるviewなのでしょうか?)。少なくともこの狭窄だけでSTが上
昇するとは考えられませんから、spasmの関与が強いのではないでしょうか(でなけれ
ば、血栓の関与ですが、とられた処置からも否定的ですよね)。う
ちは、迷う症例には負荷心筋シンチを施行していますが、この程度の狭窄に負荷シンチ
をしても、虚血が誘発されないことのほうが多いです。若年であるた
め、PCIが本当に必要かどうかの検討が必要ではないでしょうか。
ところで、脂質はいいのでしょうか。ほかの長期内服薬はありませんか。また、妊娠の
話の前に、結婚はされているのでしょうか。自由にsexしたいのか
(不意の妊娠があるのか)、birth
controlが可能なのかによっても薬物はかわってくると思います。もし、PCIが必要であ
れば、それぞれの成績・必要薬物の話(BMS、DES、
cutting-POBAなど)をした上で治療を決めます(個人的には若年女性故にcuttingあた
りから勧めると思いますが、患者さんによって、
repeat PCIがもっとも嫌、長期薬物内服がもっとも嫌、さまざまですよ)。いかがでし
ょう。患者さんが納得できる治療ができるといいですね。

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○○です。

 ○○先生とほぼ同じ意見です。 PCIの必要があればPerfusion balloonによる長時間
拡張を第一選択として、出来るだけstentを入れない方針で臨みます。 確か、GIPSI 
trialの時は合計で15分程度拡張していた
と思いますし、慢性期の結果もbinary restenosisはあるものの再治療を必要とした症
例はそう多くなかったように記憶していますし、再狭窄が来たときに治療方針を再検討
することも可能です。

 糖尿病もありますし、しっかりと内服治療も行う必要があり、スタチン、ARB、ある
いはアクトスのような薬を用いた積極的な介入(いわばBlood Intervention)は欠かせ
ないと思います。 

 僕の少ない経験では20代後半の女性でLADが99%狭窄を来していた患者さんはPOBA
のみで少なくともここ8年間は症状の再燃無く経過しています。 もちろん背景が違い
すぎるために参考にはなりませんが、このケースでもいかにしてPCI施行さらにstent留
置を先延ばしに出来るか検討する事も、我々の大切な課題であると感じています。

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○○です。

 おそらくは出産を経験していない若年女性と思われること、DMはあるが腎機能低下
はなさそうなことから、受胎制限をした上で、まずはアスピリンと抗狭心症剤の投
与、ついで冠危険因子の是正を行い、内服治療で落ち着いているなら半年ないし1年
後に病変の再評価ではどうでしょうか?それでも病変の進行が認められるなら、
Simpson-Robertの時代からPCIを行ってきた私としては、POBA(可能ならPerfusion
Balloonでしょうが最近製品が少ないので…)を行い、閉塞性の解離ができなければ
POBAのみで終了。Bail out stentingが必要ならBare metal stentを留置する。POBA
のみで再狭窄がきたなら再POBAを行ってはいかがでしょう。若年者の血管でおそらく
問題となるような石灰化もないと思われますのでPOBAに対する反応はけっして悪くな
いと思います。もちろんIVUS guideで行いますが。

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○○です。

皆さんから多くのご意見ありがとうございます。
stent implantationすると非難を浴びそうな勢いですが.....

症例について追記です。個人情報保護法もあるのでちょっとあいまいでしたので。
本患者さんは既婚で10歳代ですでに出産され幼児期の子供さんが一人います。
数ヶ月前に堕胎されています。
リスク因子はDMとsmokingのみで入院中に調べた限り脂質代謝異常は認めませんでし
た。

加えて腎機能は良好です。
メルビンのwash outで入院後数日間ミリスロールとシグマート、ヘパリン点滴を行って
いました。
今回のattack前に階段や坂の上りでの労作で胸部圧迫感があったそうです。
救急搬送記録を見直しますと搬送時、救急外来担当内科医が2回ミオコールスプレーを
使用したものの効果がなかったとのことでした。
従って私が到着し3回目のミオコールスプレーが効いたようです。

○○先生のおっしゃられるように特にパナルジン、プレタールについては出産時の出血
はもちろん胎児臓器形成異常、妊娠経過中の問題があります。

”重い”メールにならないようにとしていたのでRAO viewを添付しておりませんでし
た。

追添付します。



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TRA-net会員の皆様

本日、TRA-netに登録させて頂いた○○市立病院 循環器科○○と申します。
病院は、○○県県北で、○○市より北に40kmに位置する中核病院です。

自分はまだPCIの初心者です。いろいろ御指導、御鞭撻の程よろしくお願い申し上げ
ます。

今まで、自分はTRIを左橈骨動脈approachで学んできました。なかなか右橈骨動脈
approachを主体とする病院が多い中で、異端かもしれませんが様々な御意見をお伺い
できればと思っております。

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○○です。

以前にご相談のあったMDCT装置の件です。北米放射線学会で見てきました。
学会前から噂されていたことではありますが、今回の学会のほぼ唯一最大の目玉
は、予想通りシーメンス社のデュアルショットCTで、それ以外に目新しい大きな
進歩はありませんでした。各社の情報は下記のホームページを参照ください。高
原先生のホームページは、今後も情報が追加されていくはずです。

http://www.e-radfan.com/
http://teleradiology.jp/MRI/index.html

また下記のHPでも様々な情報が得られます。RSNA2005のレポートです。
http://www.schering.co.jp/medical/woln/index.html

デュアルショットCTは、管球を2つ積んでいますから、半分の時間で撮像が可能
です。これはストラトンという特殊な管球だからこそできることで、この管球は
冷却効率が著しく高いというか、ほぼ不要なので、メーカーも最初から5年間保
証をしています。ですからヘビーに使っても管球が飛んで多大な出費を強いられ
るリスクがありません。ただ問題は、このストラトン管球を積んだCTが、まだか
なり高額だということです。いくら管球の交換が不要で維持費が安くつくとはい
え、元の値段があまり高ければ意味がありませんものね(^^ゞ 発売されて1年
がすぎ、数が出たことで、今ならどのくらい実売価格が下がってきたか、私はよ
く知りません。

それからシーメンス社の画像については、賛否両論の最も激しいメーカーかもし
れません。これは企業のアドバイザーの好みも大きく反映しますし、施設による
使い方の違いによっても大きく異なってきます。

私は「32列×2か、リアル64列か」というのは、あまり意味のない神学論争だと
個人的には思っています。エンジンの形式や排気量だけで車の良さを評価できる
わけではないのと同様です。それからメーカーがデモで持ってくる写真には十分
に注意する必要があります。現実に撮像されたデータを本社や研究所でお化粧を
していることが稀ではありません。また美しい絵をとるために、特に馬力を上げ
て撮像して、CAGよりも被曝量の多い64列も、現実に存在しています。

いずれにせよ、先生のところと同じような症例数をこなしている、同じような規
模の病院の実際の稼動状況を見学し、その施設の画像を見て判断されるのが、最
も良いと思います。そしてその際に、先生がご購入される予定の装置のスペック
が、見学される病院の装置のスペックと同じであることの確認が、何よりも重要
なことの一つです。広告塔のようになっている施設で最高級の装置を見学させて
良い印象を与え、価格の問題からスペックの劣る格下の装置を「画質だけならこ
れとほぼ(全く)同じですよ」と、誤った情報で装置を売ろうとするMRは極めて
多数います。これは詐欺まがいです。

以上、お役に立てば幸いです。

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○○先生 Tra-netの皆様、ありがとうございます。
北米放射線学会のレポート、シーメンス社のデュアルショットCTの情報ありがとうござ
いました。
○○先生のおっしゃる「32列×2か、リアル64列か」というのは、あまり意味のない神
学論争だと個人的には思っています。エンジンの形式や排気量だけで車の良さを評価で
きるわけではないのと同様です。と、いう事をしっかり頭にいれて、今後導入されるCT
の能力を最大限に発揮させる事を考えて行こうと思います。
ちなみに当院にはシーメンスの32列×2が導入される事になりました。まだまだ判らな
いことばかりで、実際の導入後は、試行錯誤をしていく事になると思います。Tra-net
の皆様、また、今後心臓の領域に於いても、○○先生のような放射線専門医の御意見を
戴く事が多いと思います。今後ともご指導のほどよろしくお願いいたします。
ありがとうございました。

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○○です。

少し遅くなりましたが若干の反論を。

> ○○先生のおっしゃる「32列×2か、リアル64列か」というのは、あまり意味のない
神学論争だと個人的には思っています。エンジンの形式や排気量だけで車の良さを評価
できるわけではないのと同様です。と、いう事をしっかり頭にいれて、今後導入される
CTの能力を最大限に発揮させる事を考えて行こうと思います。

この点です。僕の話は16列をベースにしていますので32 vs 64とは少し違うかも
しれませんが、多列の有利さはかなり大きいものがあります。
それは現状のCTの問題点からの推測ですが、16MSCTできれいに見えない要素は
バンド内の問題とバンド間の問題に分けられ、バンド内の画質悪化は時間分解能
・体動などに依存、バンド間の問題は心拍変動に依存、ではないでしょうか。
ただし多くの場合バンド内はかなりきれいに画像ができています。
ということは、多列化してバンドの幅が大きくなることにより一つのバンド内に
入る情報が多くなる、つまりはきれいな画像が取れる、それから撮像時間が短く
なることで心拍変動が少なくなってバンド間の問題も少なくなると思われます。。。
でも専門家でないので全くダメな意見かもしれませんが。。。
ただより多列化してwide band、short exam time、この効果は絶大、だからこそ
32*2か64かが気になりますしかなり64の方がいいと思っています。神学論争より
は身がある話と思います。。。


さて、もう一点のこれは質問なんですが、Dualshot CT、本当にadvantageは大き
いのでしょうか?何列なんでしょう?時間分解能が飛躍的によくなるのは分かり
ますが、そのadvantageがどの程度か、○○先生、教えてください。

> >良い印象を与え、価格の問題からスペックの劣る格下の装置を「画質だけならこ
> >れとほぼ(全く)同じですよ」と、誤った情報で装置を売ろうとするMRは極めて
> >多数います。これは詐欺まがいです。

CTの営業さんは本当にひどいです。こっちが無知なことをいいことにはっきり言っ
て詐欺まがい、はいっぱいいますしいっぱいあります。なにかできますか?って
聞いたら「できます」って言っておきながら買った後で、良心的なところ?は買
う前に「やっぱりできませんでした」なんてことは何度もありました。

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9月に入会してからROMとして隠れておりました。3年前から腹部/骨盤部や頭部のDSAを
原則としてtransradialに切り替えて実施しています。入会したもののいつものメール
のやりとりはtransradialとは無関係の内容ばかりで実は少しがっかりしています。

話題となっているシーメンスのDual Source CTの国内1号機は豊橋ハートセンターに入
るそうです。うらやましいですね。

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○○先生、○○です。少し言葉遣いに問題があったようで、申し訳ありません。

○○先生の理論に全く反論はありませんし、ポテンシャルには確かにその通りで
す。ただ当たり前のことながら、あくまでも重要なのは「ルチーンで撮像されて
いる画像の質」だと思います。それには、ディテクタの数以外にも夥しい数の要
素がからんできます。したがって私は、「どちらの方が理論的に優れているか」
よりも「どちらの装置の画像の方が、自分の臨床や研究に、より寄与するか」を
重視して機種選択されることをお勧めしたにすぎません。私はRadFanの編集委員
をしていて多くの方のご意見をお聞きしますし、学会出張は多いですし、遠隔診
断ビジネスにも深く関わっているものですから、色々な機種についてのご意見を
よく伺います。結論的に言えば、どのメーカーでも、賞賛する意見と批判する意
見の両方を聞きます。ただ同じ機種名でも、細かなスペックの違いや使い方、オ
プションによって、評価は全く異なります。そういう訳で、書きましたように、
実際に同じスペックの施設のルチーンを比較見学して、最終的に決められること
をお勧めしたのです。

デュアルショットCTについては、高原先生のHPに書かれている以外のことは、ま
だ良くわかりません。スペックなどはメーカーのHPにもう少し書かれています。
しかし、まだ稼働しているのは殆どチャンピオンデータ取得用の施設ばかりなの
で、それこそ真の有用性が評価されるのは、まだもう少し先でしょう。デュアル
による時間分解能の向上が256列との比較でどうなのか、結局最終的にはどの方
向性がより有用なのか、私には良くわかりません。ただ、高原先生が書かれてい
るように、いつの日にか256列でデュアルやトリプルが登場する時代がひょっと
して来るのかもしれません。私は個人的には、エネルギーサブトラクションがで
きるのが面白いと感じているのですが、その臨床的有用性は不明です。

メーカーの営業の問題は、彼らへの報酬が業績連動型の度合いを強めるに従って、
ますます酷くなってきていますね。メーカーによっては、歩合性がかなり強いよ
うです。どこかの業界と違って、装置に関しては今や内外価格差はありません。
ですから、どこもかなり厳しいはずです。だからといって詐欺まがいの行為をし
ても良いということにはなりませんけど、薄利多売だから必死になっています。
とにかく営業の人への要望を、口約束ですませることは絶対に避けるべきです。
文書化して署名捺印を求めておくことが必須です。私は昔、国立大学で多くの機
種選定に関与していましたので、先生がおっしゃるような問題には何度も遭遇し
ました。

それから、ついでで申し訳ありませんが、この場を借りてお詫びさせて下さい。
ものすごく遅くなってしまいましたが、例の青森の報道被害の件です。

数人の方からメールをいただき、私が存じている記者に、私の意見も添えて送り
ました。その方は医療問題の担当者であり、私たちの思いを良く理解していただ
き、「自分自身も今後の報道のあり方について深く考えさせられました」という
コメントをもらい、「メールはすべて、必ずあの記事を書いた担当者に送ります」
という返事もいただきました。しかし残念ながら、記事を執筆した直接の担当記
者からは最後までお返事はいただけませんでした。その後も半年ぐらいにわたっ
て数回催促したのですが、やはり新聞社の方針であるのか返事はもらえませんで
した。時間が随分とかかってしまっていたこと、またその後に医療業界でも個人
情報の保護に関する厳しさが増したことから、経緯について報告するチャンスを
逃してしまいました。本当に申し訳ありませんでした。ただ、少なくとも皆様の
思いは、間違いなく担当した記者には伝えられておりますし、あの会社も医療関
係に関して医療担当者たちの書いている記事は、他社と比べると好意的ではない
かという思いは持っております。勿論、明らかな医療ミスが批判されるのは当然
ですが。

以上、長文で申し訳ありませんでした。

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○○と申します。

はじめまして。
インターネットでIVUSの検索をしていた際に、○○集というタイトルとめぐり合ったこ
とがきっかけで過去のログを拾い読みさせていただいておりました。
当院でも、DCA・ロータ・IABP挿入時などの特殊例以外はTRAを用いています。
入会初回に届いたメールがMSCTの話題で、興味深く読ませていただきました。
つい半年前まで研修医で、PCIも超初心者ですが、今後ともどうぞよろしくお願い申し
上げます。

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○○です。

○○先生、多分、先生の考えておられることと僕が考えていることは基本的には非
常にoverlapしていると思います。で、僕の考えでは先生の言われる、
> も重要なのは「ルチーンで撮像されて
> いる画像の質」だと思います。それには、ディテクタの数以外にも夥しい数の要
> 素がからんできます。
この点において、現実問題として最善かつ最高の解決法はより進んだ多列化なの
ではないかと考えていますが、素人のprivate limited impressionに基づいてい
るので間違いも含むかもしれないと心配もしています。
来年にはGEと東芝の64列を使える環境に異動しますのでその後、実際に使ってか
らまたfeelingを報告したいと思います。
今後もいろいろ教えていただければ幸いです。

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○○労災病院 循環器・呼吸器内科の○○と申します。

○○大学卒業で現在3年目です。

まだまだ未熟者ですが、こちらに参加させていただいて

たくさん勉強させていただきたいと思います。

また、質問させていただくこともあるかと思いますがよろしくおねがいいたします。

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○○です。

最近、Late DES thrombosisを生じた例がいくつか報告されています。
そのためか、USAでもClopidgrel + Aspirinを3-6ヶ月で中止せずに6ヶ月-1年間継続
する例や、より長期にDual Antiplateletを継続していく例が増加しているようで
す。
患者の服薬Complianceが良好で、かつSide effectがなければよいのでしょうが、他
の疾患、特に外科手術を行わなければならない状態で休薬した場合に血栓発生リスク
が高くなりStent thrombosisが発生しているようです。

そこでTRA-netの皆様に御教授を得たいのですが、Angio上の病変形態、血管経、長さ
だけでBMS or DESの決定をしていらっしゃるのか?IVUSによる観察でのMorphology、
EEM、LesionよりProximalのLumen diameterおよびDistalのLumen diameter、Lesion
Lengthで決定しているのか?おそらくIVUSを使用していると、BMSで十分な拡張が得
られ、TLRも十分な許容範囲に入っていると思われるのですが、いかがでしょうか?
ちなみに前勤務先でのDRIVERの成績はbinary restenosis 13%程度、TLR8%程度であっ
たということです。

個人的には、Polymer basedのDESには数々の欠点があり、将来的な不安、特にLate
DES Thrombosisが非常に気になる(よって自分の冠動脈にはDESは入れて欲しくな
い)ため、患者さんにも現在のところIVS上3.0mm以上のBMS(DRIVER)を留置すること
ができればそうしています(特に患者からDESを要求されない限り)

皆様方はどういう指標でBMSとDESの使い分けをしているのでしょうか?なにか基準が
あるのならを御教授願いたいと思っています。
施設間の相違はあるでしょうが、今後の指標として行かしていきたいと思っておりま
す。

よろしくお願いいたします。

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○○です。


ご提示させていただいた症例のご報告です。
皆様のご意見を元に本患者さんに説明を行いました。
無論、妊娠や胎児に対する影響も含め説明し患者さんには一旦退院され10日間家族会議
も開き考えていただきました。
結果、DESを希望されました。
DES留置後のパナルジン内服によるmenseの問題や妊娠、胎児形成異常の危険性も含め親
や伴侶にも再度説明した結果でした。

IVUSをみるとややeccentricですがほぼ全周性のplaqueを認め29mm長でした。
血管径3.5mmでありBMS4.0mm径の留置は危険でした。
plaque full coverを行うことにしcypher 3.0-33mm direct stentingして3.5mm
shortbaloomで後拡張しました。

PCI自体は難しいものではありませんでしたが若年女性へのPCIについての適応を含め悩
ませる症例でした。
皆様のご意見が非常に参考になり患者さんにもさらに詳しい説明と提案ができました。
ありがとうございます。



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○○です

○○先生 興味ある症例で勉強させて頂きました
pre IVUSではRuptured Plaqueの様にも見えます

若い人(特に女性)でもHigh Risk症例にはVSAではなくて
この様なPlaqueがあることもあるのだと再認識いたしました

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○○です

当院では基本的にはACS以外にはDESを使用しております
もちろん術前などにはBMSを使用して、2週間以内に
抗血小板を中止してから手術をしてもらうことはありますが・・

内服ですがパナルジン内服出来ない人にはプレタール300mg 8時間毎
もしくはプレタール 400mg 6時間毎に変更して問題は生じておりません

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○○です。
 熟慮され、十分に説明された上の結論であり、十分納得できるものと思います。こ
のような症例は、一施設で多く経験できる症例ではないので、共有できることをとて
も有り難く感じます。貴重な症例の提示、有り難うございました。今後は大き
なdatabaseが必要ということですね。
 ところでJSIC registryはかなり入力が大変そうですが、皆様はいかがされていま
すか? 当院では、カテ室にwebの配線の工事を行っているところです。専用のPCを
購入しました。何とか年内に間に合いそうです。

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