第122集


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○○です。

治療方針に困っている症例についてご相談です。

86歳男性、今年3月に心不全、腎不全(cre2.2)にて当院入院。安静、利尿剤投与で
改善し、患者は高齢のため、心カテは施行せず。

7月末に、夜間、胸痛出現し、他院入院。LMT90%をみとめ、準緊急にCABG施行
(LITA-#8, SVG-#15)。その後、術後リハビリ目的にて、当院に転院になったのです
が、添付されたCDを見てびっくり。LITAは#10につながっていて、しかも吻合部に
90%近い狭窄あり。幸い、LAD自体には、それほどsevereな狭窄はない(LAD os 50%強
ぐらい)ので、入院生活レベルならば、発作は出ないようです。今ならば、
protected LMTなので、安全にPCIできると思って、LMTにostiumからCypher 3.5/18ま
たは23を入れる予定にしていたのですが、パナルジンを前投与したところ、2日目か
ら38度の発熱を認め、トランスが100、300に上がりました。パナルジン中止
すると速やかに肝機能は改善し、解熱。わずか1週間で肝機能正常化しました。次に
プレタールを試したところ同じようにわずか1日の投与で同じ経過をたどりました。
薬剤中止により、速やかに改善するのも同じです。CT,USにて肝臓、胆嚢、膵臓を精
査しましたが、胆嚢摘出後で、胆管内結石はなし、malignancyの合併もなし。薬剤投
与と同じタイミングで肝障害が出現し、中止とともに正常化するので、薬剤アレル
ギー(しかも激烈)が疑われます。ただ、バイアスピリンはずっと入っていますが全
く問題ありません。転院時Cre1.4まで改善していましたが、発熱により1.7−1.8に増
悪しています。



どのような治療が考えられるでしょうか?

1. アンプラーグのアレルギーがあるかを確認後、問題なければDES留置。

2. これ以上のチャレンジテストは恐いので、アスピリンのみでDES留置。

3. 血栓症が恐いので、DESは使わず、BMS+アスピリンのみで治療。

4. ステントは極力避け、DCA aloneを心がけて治療。

5. 高齢なので、ベータブロッカーを加えて、medicationのみ。

皆様のご経験や知識を是非ご教授ください。

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○○です。

○○先生お疲れ様です。以前もこうしたCABG failureの症例のPCIをどうするか、議
論があったと思います。PCIでうまく行かないことがあると、医事法制的なトラブル
にいたる危険性が低くないケースと思います。まず、CABGをした外科医がどうこの所
見を認識しているかが問題でしょう。私でしたら、まず、その外科医がご本人・ご家
族に手術の状況をしっかり話していただきPCIの了承をとりつけ、また、外科医ご自
身から きちんとした依頼を受けない限り、PCIはやりません。βブロッカーで経過を
みて、もし、狭心症が起こってさらなる血行再建が必要であれば、準緊急CABGをやっ
た施設ですから当然PCIも可能だと思うので、そちらに再度転院していただき、(PCI
にせよ、re-doにせよ)きちんとした治療を責任をもってやっていただこうと思いま
す。

種々の状況から自分がPCIをするとすれば、さすがにパナルジン・プレタールの内服
後の状況をうかがうと、DESは使えないと思います。また、86歳ですから、それなり
に石灰化はあると考えるのが普通で、DCAは、2.0mmでRotaをしたあとでないと入らな
いかもしれないし、また、aloneでは終われないIVUS所見である可能性が高いと思い
ます。ですので、8Frいれて、IVUSをみたあと、1.75→2.15mmあたりのサイズでRota
して、BMSをいれて出来るだけ大きく仕上げるといったところでしょうか? 8mmない
し13mmのBMSなら、LCx入口部にかからない可能性もありそうですね。ただ、BMSで
あっても、LMTで術後はアスピリン単独というのなら、相当しっかりした術前の説明
とご本人・ご家族のご理解が必要と考えます。

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○○です。
 大変な症例、お疲れさまです。DCA aloneという選択肢は一見魅力的ですが、L-size
のアテロカテを用いてもworking rangeの都合上、このような大きなLMTであればRBPの
60psiで削り取ることはかなり難しく、200-220psiという圧が必要となるように思いま
す。
DCAのevidenceといえはABACASやDESIREということになるのでしょうが、これは現在の
flexicut以前のGTOというあまり削れないアテロカテの時のdataです。皮肉った見方を
すれば、IVUSによる確認をしっかりと行ったaggressive pobaのdataとも言え
ます。ちなみにexpertでもperforationの頻度は1/250でしたよね。腎機能が低下してき
ているこのようなcaseではやはりステントが現実的と思います。BMSでも4mm以上に広が
れば、再狭窄率はDESと比べても遜色なしとするdataを見かけますのでっやはりBMSが現
実的でしょうか。私個人としては、debulkingのdeviceが減っていくことに寂寥感を感
じますが、CCTにおいてもDCAはin dangerof extinction でしたね。radialで可能な
deviceが登場すれば、積極的に使うのに。
 前医の外科医に差し戻し審をしてしまうと自己弁護的に『必要なことは全てやり終え
ている。ここからはmedication意外にない』などと力説され
て、あとはよろしくという丸投げを受ける事もあります。patientのfamilyと十分な面
談の後、決定ということになるのでしょう。健闘を祈っています。

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○○です。

パナルジンもプレタールもダメならクロピドを個人輸入してもダメな可能性が高
いと思いますのでステントしてもアスピリン単独となりますよね。
LMの短いステントでしっかり広がれば実際はアスピリン単独でも大丈夫の可能性
は非常に高いとは思います。でも、医学的だけでないリスクも当然ありますから、
リスク・ベネフィットの話をして、本人さんと家族が「是非先生がいいと思うス
テントを入れてください」と言われたらCypher入れます。どうせステントならリ
スクはほぼ同じと考えますので。でも完全にそういわれない限りCutting
balloonが第一選択になると思います。

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○○です。

現状ACSに対するCypher使用は添付文書でも禁忌に分類されておりパナルジンの
適正な使用との記載に対してもその使用は制限されています。しかし、BMS自体
も添付文書上使用禁忌となっていること、その一方ステント使用が十分効果的で
あることが確認され一般的に使用されています。さらにBMSではACS/emergent症
例においても慢性期の血行再建が問題となる程度生じていることから現状のBMS
治療においてもさらに改善する余地があるとも考えられます。

当院では慢性期の血行再建率の低さというメリットを考え患者さん・ご家族に説
明した後Cypherを留置し現在までの時点では十分良好な結果を得ています。

ただしこの治療には上記の通りの問題点が存在していることもあり治療をしてい
る側がきちんとした結果を提出しconsensusを得ていかなくてはならないと考え
ます。そこで今回TRAnet IVUSnetの先生方で ACS/emergent症例に対し「非選択
的」にCypherを使用されている先生がいらっしゃいましたらその臨床結果を
retrospectiveに集積していきたいと考えます。是非ご協力ください。

なお、御連絡に関しましては僕個人のメールアドレス:
○○○○○○ に御連絡いただければ再度連絡させていただき
ます。
またこの問題に対するご意見も聞かせていただければ非常に参考になると思いま
すのでお願いいたします。

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○○です。

当院ではCABGも結構行っており、結果、たまにですが術直後のgraft failureを見
ることがあります。DESが使えるようになってからはそういった場合nativeにDES
を入れることが多くなったのですがBMSの時代には結構ITAをPOBAだけして様
子を見ることが多かったです。術直後の吻合部狭窄は内膜増殖とかではなく吻合そのも
のの問題であることが多い様ですので小さなballoonでそっと拡張すると結構慢性期に
見ても問題ない場合が多かったです。この症例の場合10番につながってしまっていると
いう問題はありますが(静止画でははっきりわからなかったんですが)もし10番の手前
に有意狭窄がなく、またLADそのものにも無いのであれば結構太いITAのようです
から逆行性の血流で虚血が出なくなる可能性もあるかと思います。また、術後抗血小板
療法もアスピリンのみで十分です。

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○○です。

○○、○○、○○、○○先生レスありがとうございます。

確かにご指摘の通り、PCIをするとしても、抗血小板療法はアスピリンのみですの
で、DESを使うにあたっては、十分なinformed consentが必要と考えています。LMT−
LAD crossover stentingになりますが、手技時間が圧倒的に早いのは、魅力です。
BMSを使うとなると、血管径が4.5−5.0mmはありそうなLMTですので、debulkingはし
た方がbetterと思っているのですが、腎機能の予備能は低く、造影剤の使用量が限ら
れています。不十分なdebulking やPerforationや腎不全の進行の可能性についても
十分ムンテラせねばなりませんね。血栓症については、1ヶ月を過ぎれば、アスピリ
ンのみで安心できるのと、○○先生ご指摘の通り、LCX jailを避けることができそう
ですのでよりリスクが低いと思われます。
○○先生のご指摘のLITA のPOBAも十分可能と思われます。(結構大きな#10で近位部
には狭窄がありません。返す返すも残念なのは、吻合部狭窄があることです。)現時
点では最も安全な方法であることは間違いなさそうです。ただ、再狭窄を来たしたと
きにLMTが閉塞してしまっていたら?と懸念しています。
各方法とも一長一短ですので、risk-benefitを患者さんサイドに十分説明した上で、
希望を取り入れた形で治療法を選択したいと思います。また、事前に心臓外科医とも
十分協議をしておくことも忘れず行っておきます。

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○○です。

LMTのPCI成績は、論文も出ているし、今年の韓国循環器学会で
も発表がありましたが、DESを使ってPCIがよくできたならば、CABG
と同じです。うちの成績をみても、BMS LMT PCI (N=65) では
、1年後TLR rate = 14%ぐらいですが、DES LMT PCI (N=67),
CABG LMT (N=165)
では1年後TLR rateは2%以下です。うちのDESでは、subacute
thrombosis
で死亡が一例ありましたが、TLRはありませんでした。

写真を見ると、サイズ4.5 - 5 mmのステントが必要だとおもわ
れます。それならば、BMSでも悪くはないと思います。LCX os
は避けて、LMT os-bodyを direct stenting できると思われま
す。でも、どんなに大きなBMSでもDESよりは結果がよくありま
せんので、出来るならば、DESを推薦します。もちろん大きな
バルーンでpostdilatationが必要です。

ステントが大きくでも、aspirin only ではthrombosis を避け
ることはできず、無理だと思われます。保険の適用なしで、個
人的に患者さんがclopidogrel を買えないのですか?

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○○です。

CABG後の症例は多くやってきました。手術後の手直しが必要ということは、「外科は
失敗したのか?」という点をあいまいにしては、家族と本人には次の治療に踏み切れ
ません。この例は、一応変な場所とはいえ、グラフトpatentと外科は判定するでしょ
う。しかも、術前にあった胸痛が、改善しているということは外科的に言えば手術成
功です。なかなか、説明が困難ではないかと予想されます。○○先生の意見に全く同
意です。

86歳ですから、血行再建の二つの目的である、1)虚血の改善、2)予後の改善のう
ち、予後についてはあまり考える必要がない症例です。もしリハビリ中に虚血がなけ
れば、やはりなにもする必要がない例だと思います。さらに薬剤アレルギーがありま
す。必要のない症例に副作用のはっきりした薬を投与することになるとインターベン
ション医の責任が問われます。

したがって、私なら内科的治療最優先。PCIは基本的にはしないという方針です。医
師の絶対やらないという態度をひっくり返すぐらい本人と家族に懇願されたときのみ
考えます。

ただし、AMIの場合はその限りではありません。AMIでしたら当然突撃でBMS植え込み
をやってくると思います。

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○○です。

○○、○○先生レスありがとうございます。

>ステントが大きくでも、aspirin only ではthrombosis を避け
>ることはできず、無理だと思われます。保険の適用なしで、個
>人的に患者さんがclopidogrel を買えないのですか?

Clopidogrelの個人輸入は可能です。しかしながら、ticlopidine, cilostazol投与に
よりわずか1−2日でAST, ALTが正常から100、300に変化していますので、
Clopidogrelについてもchallenge testが必要と思われます。正直な話、これ以上
challenge testするのはちょっと恐いのです。もし、抗血小板剤の肝障害の機序に詳
しい先生が居られましたら、この状況で、最もsafety marginの高い薬剤を教えて頂
けたら、と思っています。DES+Aspirin単独投与の長期データってあるのでしょう
か?BMS+Aspirin単独投与のデータからは、96%はSATを予防できるとは思っているの
ですが、正しいでしょうか?(大きくステント拡張できれば、もっと血栓症は起き難
いと思っています。)でも、late thrombosisのデータはないですよね。

>したがって、私なら内科的治療最優先。PCIは基本的にはしないという方針です。
>医師の絶対やらないという態度をひっくり返すぐらい本人と家族に懇願されたとき
>のみ考えます。

○○先生のお考えもよく理解できました。まずは、外科医と十分な話し合いを持ち、
虚血の評価を第一に考えたいと思います。

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解らないので教えていただきたいのですが。
この症例は86歳と高齢でワーファリンを使う気になれませんが一
般論としてステント後のワーファリンは認められていないのでしょうか?

僕自身はおそらく

 > 5. 高齢なので、ベータブロッカーを加えて、
medicationのみ。

としたいところですが。

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○○です。

○○先生レスありがとうございます。
本例は、SVGもつながっており、すでにwarfarinも入っています。(それも嫌だった
ので、当初はPCIを考えていたのですが・・・。こんなにたやすく肝障害が出る人なの
で、すぐにovershootしそうです。)
ステント後のwarfarin療法は、Leon先生の論文(N Engl J Med. 1998 Dec
3;339(23):1665-71.)により、出血合併症が多いこと、維持が面倒なこと、効果が
aspirin+ticlopidineより劣ることから、急速に廃れてしまったように記憶していま
す。でも、論文をもう一回見直してみたら、aspirin+warfarinのほうがaspirin単独
よりは、cardiac eventは少ないようです。(3.6% vs. 2.7% vs.
aspirin+ticlopidin 0.5%)

本日、手術をされた心臓外科部長とお話をしました。
添書には、全く記載がなかったのですが、ジピリダモール負荷シンチを術後施行し
て、明らかな虚血は認めなかったので、手術は成功と判断し、medicationのみでよい
と判断した。ACSのときのECG変化はV4-6であり、LCXへのバイパスが重要だと考えて
いる。前下行枝の末梢は、脂肪組織の中に隠れていて、太い#10につないだとのこと
で、CAGで狭窄に見えるところは、吻合部ではなく、その上の血管が折れ曲がってい
るところで、将来的には、太く成長すると考えているとのことでした。(だからで
しょうか?患者さんはwarfarin療法の必要性を強く指導されていました。)
シンチがnegativeならば、このアレルギーの状況下で、PCIをする必要性はないと思
われます。3、6ヵ月後の心臓外科受診とシンチによる虚血の確認をしていただく方向
で、患者さんと話し合いを持ってみようと思います。

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○○です

RES遅くて済みません。

当科でも、AMIに積極的にDESです。
SATなしです。

BMSでも数日間ヘパリンは使用し、抗血小板剤が十分効いてからの退院でした。
SATなしです。

DES vs BMSでは再狭窄は文字通りの桁違いです。
あたりまえです。

パナルジンが途中でダメになった時でも、アンプラーグ&プレタールで乗り切ります。
SATなしです。

パナルジンは大きな問題ですが、現在electiveなPCIにDES留置している施設でも、数ヶ
月のパナルジン対応テストをしていないのであれば、急性期のパナルジンも同じよう
なものではないかと思います。

とりあえず、子供の道徳の時間に習った「自分がして欲しいことを他の人にもしてあ
げなさい」と言うことを実行しております。幼少時の教育は体にしみついているもの
です。(だから、いつも態度が悪い?...反省)
自分ならAMIにもDES入れて欲しいです。

レトロでよいので、みんなで有る程度の数を集めて、「再狭窄率を除いては普通のス
テントと同じ」というエビデンスもどきでも出せればいいのかなぁと思いますが、無
力な私は夢を見るだけです。

マルチセンターというと私のような怠け者は身構えてしまうので、とりあえず、この
間の九トラ・○○先生のアンケートのような形で皆様に書いて頂くのはどうでしょ
う?○○先生?

追伸:○○先生、昨日のファイザーシンポジウムお疲れ様でした。すげーきれい
にIVUSでCRUSH見えたので説得力はあったと思います。

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○○です

ご相談したい症例があります。
56歳男性、高度肥満と高血圧、borderlineのSleep Apnea Syndromeがあります。
夜間の胸痛発作で来院されました。
来院時は症状は軽快していて、心電図はCRBBBでした。
Troponin-I 1.0と軽度上昇しています。
その他の血液生化学検査は異常ありません。
来院直後の心エコーではLVHと下壁から後壁がmild hypokinesisでした。

翌日心カテを行ったところ、右冠動脈の起始異常を認めましたが、左右冠動脈とも有意
狭窄はありません。また、すでにCa拮抗剤が投与されていたので、
Ergonovine負荷は行いませんでした。LVGでは壁運動normalでした。
心筋シンチグラム(MIBG+Tl
dual)では、Tlで下壁から後壁の軽度の取り込み低下、MIBGでは同じ部位に広範囲の取
り込み低下を認めました。
以上の所見から、RCAのspasmを疑い、Ca拮抗剤を増量し亜硝酸剤を追加して経過を見て
おりました。また、CABGのオプションもお話しました
が、このときは同意が得られませんでした。

退院後、外来で3ヶ月ほど加療していましたが、先日また同じ症状が出現。前回同様
Troponin-Iの軽度上昇を認めます。来院時は症状消失していま
した。
今回も心カテを行う予定ですが、RCAはCTでみるとPAとAortaに挟まれていて、
medicationやPCIでは改善は期待できないのではないかと考えています。
CABGを勧めようかと思いますが、以上の所見で手術適応と考えてよいのか、それとも何
か他の根拠となる検査が必要なのか迷っています。ご意見をお聞か
せください。

貼付写真はRCA LAO45、RCA RAO30, MDCT VR画像、MDCT MIP+MPR画像(MPRは上から
LAD, LCX,
RCA)です。



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○○です。
 患者さんのエピソードや検査所見を拝見した限りでは、解剖学的な因子より、純粋に
spasmによる虚血の要素が強いのではないかと思います。
 CABGに関しては基本的にはspasmのみが虚血の原因となっていれば、禁忌であると思
います(過去にspasmが虚血の原因となっている冠動脈にCABGの施行を試みてトラブッ
て訴訟となり、適応外の治療を施行したとして敗訴となった症例をどこかで聞いたこと
があります)。
 過去に私もひどいVSA(vasospastic angina)の症例があり、その患者さんはCa拮抗
薬、亜硝酸剤、シグマートを多量に服用していただきましたが効果なく、多量の
medicationを施行したにもかかわらず、頻回にブロックや胸痛発作で救急外来に搬送さ
れた患者さんがいました。最後に交感神経節ブロックを他院の麻酔科にお願いしたとこ
ろ、その患者さんの症状が軽快した旨を人づてに聞いたことがあります(その後患者さ
んは救急外来にいらっしゃらなくなり、詳細は不明です)。

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○○です。
当院では、PCI後の止血にAngiosealを使用していますが、
これまで安静3時間で、止血完了し安静解除としていましたが、
最近は、3時間でも止血されていず、2~3時間安静時間が延
長になる症例が多いような印象があります。
原因として、DES使用症例の増加とともに、パナルジンが術前か
ら投与されている症例が大多数であることが考えられますが、
他の施設では、止血完了までの時間など、どうなんでしょうか?
またcloserを使用されている施設でも、上記のような安静時間の
延長などの問題はありますか??

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○○と申します。
○○先生、大変ご無沙汰しております。お元気ですか?

当院でもPCI後の止血はAngiosealを使用していますが、印象で恐縮ですが
確かに先生の仰る通り安静延長を要する例が若干増えたような気がします。
これから背景など見直してみたいと思いますが、今記憶にある限りでは
いずれもパナルジンが事前に投与されていたように思います。
たまたま続いたことがあって、そのため記憶に鮮明なだけかもしれませんが
調べてみたいと思います。

Closerの方がいいのかなと話していたこともありましたが、その後またしばらく
問題なく、それっきりになっていました。どうなのでしょうか?

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○○です。

○○先生、遅くなりました。ごめんなさい。
ありがとうございます、一緒にデータをまとめましょう。詳しいことはまたメー
ルします。
他にデータを一緒にまとめようと思われている方、いらっしゃいましたら是非メー
ルください。

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TRA-netの皆様 初めまして
○○県○○市にある○○病院循環器科 ○○といいます。
施設としてはカテ1400〜1500/年、PCI 350〜400/年のところです。
私個人は、TRI:TRFは1:3〜4くらいで、いまだ、PCI 1000例を超えたところにい
ますが、素直に行かない症例にもあたり、皆様と情報交換
できれば幸いと思います。よろしくお願いいたします。

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○○と申します。
こんど当院に導入されるMRIの機種選定に携わることになり皆様に御相談です。

@循環器科領域の最新MRIの現状として、冠動脈は有意病変の有無が評価可能でCAGの
適応を決めうる、心筋バイアビリティ・心機能の評価はDelayed enhancement・シネMRI
などで核医学と遜色ない、末梢血管(下肢など)はIVDSA以上の精度で血行再建の適応
を決めうる、と認識していますが正しいでしょうか。
A循環器科領域での利用に際して必要十分な条件を満たす具体的な機種、あるいは機
種間の比較などデータ・印象などお持ちの方がおられましたらご教授いただければ幸
いです。

なお現在GEの古いMRIが稼働中ですが放射線科によると冠動脈は撮影不可能であり、
また放射線科医師(常勤)は心臓には殆ど興味がない模様です。ちなみにCTは4列で
更新はまだ先のようなので新しいMRIに寄せる期待が大きい状況です。

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TRA-netの皆様方へ。

初めまして。
東京都○○区にある○○病院循環器科の○○といいます。
TRA/TRIはほとんど経験がありません。現在の施設へ移りTRIを中心に行うこととなり
ましたので、改めて勉強させていただきたいと思います。経験豊富な皆様方にいろい
ろと教えていただきたいと思っております。
よろしくお願いいたします。

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こんばんは。
当院は機種が決まったばかりです。下肢の末梢血管などはシーメンス、冠動脈評価は
フィリイップスという感じでしたが、シーメンスが決算の締め切りが近かった?のか
逆転落札でした...ただ、冠動脈評価に強いフィリップスといっても昔のMDCTみたい
にβ遮断薬で心拍数を落とす必要があるようです。

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○○です。
当院は6月フィリップスのMRIとカゼの解析をいれています。
造影しないでも、冠動脈の狭窄の評価ができるという触れ込みで決定しました。
技師の努力のおかげで、最近は冠動脈狭窄をどんどんみつけてくれます。予想以上には
っきりと狭窄を同定してくれます。すごいのひとことです。
ただし、欠点は、解析を合わせると、技師がつきっきりで一日8件が上限なんですね。
ですから、○○先生の希望するバイビリティーとか、下肢のMRAとかは、残念ながら、
する時間がとれないんですね。
当院では、冠動脈MRAは、造影しないでの冠動脈狭窄の評価に重点をおいているので、
心臓ドックもしくは、健診で冠動脈石灰化の患者さんを優先しています。もし、余裕が
あれば、PCI後の2年目以上のフォローアップに使っていこうと思っていますが、ステ
ントがはいるときびしいので、来年フィリップスの64CTを購入したいと考えていま
す。

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○○です。

ちょっと恥ずかしいのですが用語の定義を教えてください。
Bifurcation lesionの分類は色々ありますが添付のものが Morice先生からのも
ので一般的かと思います。で、問題は最近いわれている"true bifurcation"です。
Trueというからにはこの分類のものは全部入るのか、それともこのうちの
Type1,2,4だけが入るのか?どなたか教えてください。Type3,4bisは実際は
bifurcationでないこともよくあるとか考えていると混乱してきています。



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○○です(重複レスポンスです、すみません)

私もちゃんと定義は知らないのですが
Type1, 2 ?, 4 をtrue bifurcationと呼んで、
CrushなりModified Tなり側枝側にもステントが必要なものを
そう呼んでいます Cross Overで終われるものは実際は
bifurcation病変ではないですもんね
ひょっとしたらきっちりとした定義はないかも知れませんね

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○○です。

昨年Morice先生らがHeartに書かれたレビューの中で、Type1のことをTrue
Bifurcationとされていました。分類された先生がこう書かれているのでType1のこ
とを言うのではないでしょうか?(私自身はいままで自信をもって使っていた言葉では
ないのですが)

EDUCATION IN HEART
  Coronary disease


Percutaneous coronary intervention for bifurcation coronary disease
Yves Louvard, Thierry Lefevre and Marie-Claude Morice

Heart 2004;90:713-722

 (中略)

Consequently, because of the risk of side branch occlusion, tight lesions
located in the main branch next to a bifurcation must be considered
bifurcation lesions. These lesions have been indexed.6 w37 w38 In addition
to type 1 ("true" bifurcation lesions), the Institut Cardiovasculaire Paris
Sud (ICPS) classification (fig 4)6 includes type 2 lesions where the main
branch lesion is located opposite a lesion-free side branch, type 3 with
stenosis located proximal to the bifurcation, and type 4 with stenosis
distal to the bifurcation in both branches, in the main branch only (type
4a), or in the side branch only (type 4b or side branch ostial stenosis).





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  Figure 4 Institut Cardiovasculaire Paris Sud (ICPS)
classification of bifurcation lesions.

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○○です。

 Trueと言うからには両方の枝にしっかりと狭窄があって、両方ともに何らかのインタ
ーベンションを加えなければならない病変だと思っていました(だからType1と4
だけ)。 でも学会等での発表を伺っているとそうでもないみたいだし・・・ ??
  
 何の足しにもならない発言でした。 すんません

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○○先生・○○先生・○○先生、ありがとうございます。
○○先生の話を聞くとoriginalはそのつもり、つまり三叉ですよね、だった、た
だ言葉が独り歩きして違う意味にも取られている、というところでしょうか。
とにかくありがとうございました。大分明確になりました。

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○○です

○○先生ありがとうございました。各社に得意分野があることがHPなどをみてもわか
る気がしました。あまり欲張らず何をしたいか(見たいか)絞ったほうがよいので
しょう。

○○先生ありがとうございました。大変参考になりました。ところでカゼの解析とい
うのが何か分からずお恥ずかしい限りです。

PS:先日は先生のRotaの手技を間近で見
れて本当に勉強になりました。難しい症例があればご相談させて下さい。


カゼというのは、画像解析装置です。CTではフィリップスので十分ですが、MRAはこち
らをつかわいと、いまのところ、最高の画質がでないそうです。

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TRA-netの皆様、はじめまして。○○と申します。
現在国立循環器病センター心臓血管内科で勤務しております。interventionに関わる機
会はまだ少ないですが、皆様との情報交換を通じて勉強させていただきたいと思います
ので、何卒宜しくお願いします。

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○○です.

○○先生の言われる“カゼ”は“アゼ(アゼモト)”の間違いではないでしょうか?
当院ではフィリップス1.5Tで心臓ドックを行っていますが,無症候性の人で心疾患をス
クリーニングしたい場合や冠動脈MD-CTをやったけど石灰化で評価できないような場合
は最適だと思います.当然狭心症疑いで来院されたの患者評価としても使い勝手はある
のですが,本来偽陽性が多いため,単独で評価するよりは他の検査(負荷心筋シンチな
ど)との併用や心MDCTによる追加評価を行い,総合的に判断しているのが現状です(疑わ
しきは罰せよの理論で全てCAGにまわしてもよいのでしょうが...).なので,胸痛
症状を主訴に来院され狭心症を疑うような方を対象患者としてCAGの適応を検討したい
ような場合は,やはり心MDCT(特に64列)の方が圧倒的に有用性があるようです.
心筋バイアビリティ・心機能の評価に関しては三重大学の報告では遜色ない診断精度が
あるとされているようですが,一般的にはそこまでのデ−タが出ていないのが現状のよ
うです.時間もかかりますし..時間にゆとりがないとなかなかそこまで行うのは厳し
いようです.
末梢血管(下肢など)に関してはIVDSA以上の精度はあると思います.石灰化が予想さ
れるような病変では部位診断として有用だと思いますが,やはりその精度はMDCTに劣る
と思います.

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○○
アゼでした。
無症状の心臓スクリーニングには最適ですよね。
やはり現状は、一日8件しかできないことが、問題ですね。
あと、MRAで異常なければ、大丈夫というお墨つきがだせるので、安心できます。
といっても、検査技師の技量により決定しますね。
胸痛の人は、典型的な症状であれば、スパスムの除外が必要にjなるので、カテーテル
にまわることが、おおいので、MRAは、件数がかぎられるので、しません。でも、来年
フィリップスの64いれるけど、
これって冠動脈であれば、一日30件くらいできるのかしら?

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○○です.

> でも、来年フィリップスの64いれるけど、
> これって冠動脈であれば、一日30件くらいできるのかしら?
それじゃ,技師さん辞めていきますよ,○○先生(笑).
当院では現在極力その日のうちに結果説明することを前提に撮影していますが,140−
150/月といったところです.結果を後日説明とし,心臓だけに特化すれば,撮影はその
くらいはこなせるかもしれません.ただ解析が...技師さんの給料を上げないと難し
いですね.

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○○です。
ありがとう○○先生。
それだと、当院のMRAとかわらない数字ですね。
やはり、解析が問題なんだ。ということは、64いれても、件数の増加はあまりきたい
できないんでしょうか?
千葉西の三角先生は30件できると豪語していたので、それって、つられすぎですかな?

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○○です.
徳洲会,いや千葉西恐ろしDESね.撮像だけなら出来ると思います.また64列になると
画像が飛躍的に良くなるため,基本的な画像構成にかかる時間は圧倒的に短くなりま
す.ただワークステーションの使い勝手が大きく影響するようで,その選定も重要かも
しれませんね.先生の力でワークステーションを数台買って,技師さんの労をねぎらっ
てあげれば問題ないかも...

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○○です。

久しぶりにTRAモノの質問です。

カテに使用するディスポのトレイセットを何とか安くできないかと考えている時
にふと思いました。

手首の消毒で一番コストが安い方法ってどの方法?
1,滅菌シャーレに滅菌綿球を入れ、術者がディスポの滅菌鉗子で消毒する。
  (これが一番コストが高いか?)
2,看護士がイソジン綿球を滅菌鉗子(金属)でつまんでさっさと消毒する。
  (これが安いか?)
3,イソジンにちゃぽ〜〜んと浸けた大きな綿棒で看護士が消毒し、そのまま戻
し、次の患者にも同じものを使用する。(これは乱暴でしょうか?)

みなさんのカテ室ではどんな消毒をされているでしょうか?
あるいは、どこまでシンプルにしても許されるものなのでしょうか?

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○○です

CCTでもお披露目させて頂きましたが、当院ではテルモの
スーパーカスタム、オールインパックのソリューションパックを
使用しております
キットを組むときにはその施設に合わせて組みますので
当院ではそのキットの中に綿球の入ったシャーレ(といっても
スーパーの総菜を入れるような入れ物ですけど)をいれて
います。 キットを開けたら看護師さん、もしくはMEさんが
その中にイソジンを入れてくれますので、後は術者が
さっさと消毒します その方が一番時間的ロスが少ないかなぁ
と思っています
キットの中にはシース、造影カテ、造影用のワイヤー
穿刺針まで入っています そしてトータルではすべての
物品を分けて出すより安いです!

イソジン綿球ですが、豆腐パックのような入れ物に
あらかじめイソジンと綿球が入っているものもありますよ
値段は分かりませんが・・・

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はじめまして。横浜○○の○○です。
見事なLMT/AMIの処理ご苦労様でした。

この症例CABG必要でしょうか?
充分内腔が確保できていればvery goodと思いますが。
これだけflowがいいとオペしてもグラフトやせ細りそうですし、
LVや全身状態も急性期それほど良くないでしょうから。
CABGはresteしてから考えるっていうのは如何でしょうか?

ところで写真ではいわゆるKissing(豚鼻、V)のようにも見えるのですが、
キュロットってYステントのことですよね?
私の頭の中ではTからVやらYやら更にはmodifiedまで用語が大混乱してます。

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○○です。

腰痛で苦しんでいる中、見事なbail outですね。
kissing stentでアスピリン、チクロピジンが飲め、flowが問題なければ、
SAT率が高いとは思いませんし、今すぐバイパスというoptionは無さそうに思います。

早め早めのrestudyでresteが来た時考えれば良いのではないでしょうか。

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○○です

○○先生 お見事な処置ですね
私も緊急時はLMTへのBMSのKissing Stentはありだと
思いますし、これで問題なければ今すぐのCABGは不要かと思いますが
如何でしょうか?
まずはPCPS離脱できてから一度CAGだけされてはどうでしょうか?

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Bifurcation stentの個々のtechniqueに関しては下記Reviewが参考になると思います。
Ioannis Iakovou, Lei Ge, Antonio Colombo.
Contemporary Stent Treatment of Coronary Bifurcations.
J Am Coll Cardiol 2005;46:1446-55.

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○○です。

この症例だったら、僕ならKissingからCrushに持ち込みます。Cypherなら。。。
Kissingだけだと慢性期にwire recrossに困る症例が出ますし、実際出ましたの
でKisshingで残すことは完全に止めました。

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○○です。
こちらは日増しに寒くなり、おとといは夜の帰りがけに雪虫を見ました。(この虫が
飛ぶようになると雪ももうすぐといわれております)
○○先生にお願いですが、Kissing stent resteのwire recrossに苦労した症例を
アップしていただけないでしょうか?僕も昭北時代に一度LMTbifurcationAMIで救
命のためにkissing stentを行った症例がいます。さいわいその方は再狭窄もなく現
在まで来ていますが、ステント挿入後もし再狭窄あるいは末梢の新規病変がきたら、
ワイヤーは大きめな反転とマイクロカテで、絶対にストラットを通さないようなシス
テムで行けば良いかな?と思っていました。この手技は待機症例で行うことはないと
思いますが、LMTAMIの時は許される手技だと思います。もし、過去にアップされてい
たらスイマセン。よろしくお願いいたします。

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たくさんのご意見ありがとうございます。
○○のご指摘どうりKissing Stenです。
実は私がやったのではなく、主治医は前日夜のカテでは補助循環のみで
翌日オペという考えだったようです。血圧がどんどん下がってしまうた
め相談を受け急遽kissing Stenとなりました。
通常であればこのまま慢性期なのですが、LADは狭窄の後拡張病
変で、CXとの分岐部あたりが全く浮いてしまっています。大きな
バルーンで拡張したのですが、図のように股のところがかなり浮いてし
まっていたのでCABGとしました。

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○○です。

CABG大丈夫ですか?Flow負けると思うけど。。。
ステントはBMS? Cypher?どっちでしょうか?

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○○です。

ちょっとすぐには出せないのですが。。。少し時間をください。
で、前にも書きましたが、僕自身4例のelective Cypher caseにKissingをしまし
た。全例に手技終了後にガイドをはずしてガイドワイヤを入れなおすことをしま
した。そうすると最初の2例は簡単に入ってよかったのですが、あとの2例は
recross testにも結構難渋して4例目は20分かかったと記載してました。それで
も3例目はKissing Cypherしたその先のLAD7に後でCypher入れてるのでいいかな?
と思ってましたが、その3例目がLAD入口部の再狭窄となってそのrePCIの時Crush
に持ち込もうとしたらIVUSはLM-LCXはいかなかったので分かりませんがアンギオ
ではLAD入口部以外は問題ないと思ったのにCrushしたとたんLCX入口部が詰まり
かかってかなり嫌でした。Wire crossは結構すぐできましたがトラブルになる予
感は十分しました。

と言うわけでやっぱりKissing Cypherはその後のrePCIを含めると決して有利な
手技とは思いません。緊急でKissingして血行動態が安定した症例は(実際1例し
てCCTにも出しましたが)KissingからCrushに変形させています。

3例目のrestenosisの時のアンギオ+IVUSを待ってもらえたら出します。

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そうなんです。急性期は良いが、慢性期はどうするのか?
私はCrushにあまり良い印象を思っていません。私の技術の無さ
故かもしれませんが、crushされれた枝へのwire recross
で結構とまどる事が多いような気がする事が原因です。とりあえず急性
期はkissingで時間を稼ぎ、その後は皆さんどうしているか知り
たかったのです。
幸い、この患者さんはCABG後、人工呼吸器も外れ、CKも
思った程上がらず、順調にリハビリを行っています。
最もCABGなしでも行けたのかな?と思っていますが....

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○○です。

遅いレスでどうもすみません。

(1)Kissing stent (V-stent)では、たしかに、二つのステ
ントの間が浮いて、その部分とcarinaにneointimaができます
が、ステントの内によほどのneointimaが無くて血流に妨害に
ならなければ問題にはなりません。BMS でもDESでもそうです
。ただし後でwireのrecrossingがむずかしいのですが、DESな
らばこれはあまり気にしなくてもよいと思われます。

私は20例近くのKissing stentをわたしのボスのGwon先生が
やるのを見ましたが、follow-up CAGでrePCIになったのはたし
か2例と記憶しております。(みなTAXUSですが)。

ステントが少し浮いていても慢性期になって血管内皮細胞が良
く付いていれば(late stent malposition)臨床的には問題に
なりません。(Hong, Circulation 2004)

(2)referenceが思えだせないんですが、一般的に長くて細
いグラフトをつなぐCABGをやると、相対的に短くて血流抵抗の
低いPCIよりもcoronary flow reserveはかなり悪くなるそうで
す。

よくできて詰まらない(DES)PCIならば、CABGの必要性はステン
トが通らなかったり使えない場合を除き、あまりないでしょう


(1)、(2)をあわせてかんがえると、CABGは必要ないとか
んがえられます。CABGをしてもグラフトが機能しないはずし、
万一、後でrestenosisになってCABGが必要になった場合、使え
るグラフトが減ってしまいます。

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○○です。

○○先生、今回の○○先生の症例でのステントはDriverだったそうです。
それからKissing Cypherの青でのwire recross、DESなら気にしない、と書いて
ますがこれはやはり納得できません。実際AMIになった症例はいませんが、今後
何らかの状況で急いで治療をしなくてはならない状況の可能性はlate
thrombosisよりはるかに高いと思います。僕は無視できないですね。

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○○です。

○○先生、皆さん DK-Crushってしってます?
Double kissing crushっていうんですが、sequential crush (step crushとか
balloon crushとかいうやつです)をして、その後にside branchにwire recross
してmainにCypher入れる前にKBTします。それからwireもう一度ぬいて、mainに
Cypher入れて、その後もう一度sideにwire recrossさせてKBTする、って方法で
す。ややこしそうに思いますが(実際1回分の手間は増えますが)2回のwire
recrossがsingle layer strutを通過させるだけなので非常に楽です。まず100%
に近くfinal KBTができます。さらにIVUSで検討しているとside branchの真ん中
にwireを通すようにすると本当にきれいに最終像が8の字になります。
ちなみにClassic vs. DKのスライドを作ったやつがあるので添付しときます。

これはかなりよさそうです。CCTで南京のChen先生が言われてて、それまでに僕
も同じことをしたこともあったんですが、もう一度考えてこの方法をしだして、
今まで6-7例しましたが非常にいいです。
スライド1-4を見てください。



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○○です

double kissing stentは私も以前○○先生に教えていただいて
Crushは全部この方法でやっています
まだ4.5例ですが、こなさなければならない段取りは増えますが
全例1.5mmのバルーン出さずにrecrossも出来ており、いい手技ではないかと思います

話は変わるのですが留置したCypherを慢性期に再拡張するといのは問題ないのでしょ
うか?
そんなケースは少ないと思うのですが、例えばCypherにてjailした側枝のflowが悪く
なり、慢性期にKBTしたいとか
stentのmalappositionで慢性期SATとなり再拡張したいとか、、、
そんな場合に気になるのが3ヶ月経てばdrugのreleaseはほぼ終わっているので
再拡張による内膜刺激にて内膜増殖がおこり再狭窄をおこさないのかということです
drugは放出し終わっててもまだ血管内にはその効果が残っていて大丈夫なものなので
しょうか?
では2.3年たっても?と考えるといかがなものでしょう?
ご意見頂ければ幸いです

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はじめまして。防衛医科大学校卒業後○○年目の○○です。今月
から現職に着任したばかりで、まだRadialのPCI経験も少ない
のですが、これからドンドン勉強したいと思っています。よろ
しくお願いします。

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○○です。

遅れましたが Kissing Cypher後のrestenosisの症例です。
76才男性、約1年前にKissing Cypher施行して無症状でrestudy、LAD入口部に再
狭窄を認めました。
WireはLAD, LCXに入れたのですがLCXにはIVUSが入らずLADからのIVUSでLM-LADの
ステント内からstrutを通過してLCXにwire crossしていました。最初からCrush
の形にすることを考えていたためLCXのwireは抜いてLM-LADに4mmのバルーンを進
めて拡張、LCX側のCypherをCrushしました。
その後のアンギオでLCX入口部が予想していなかった90-99%狭窄となっています。
Pre angioでは25%狭窄あるか?と言う程度です。
結局wire recrossしてKBTして LAD入口部には若干の残存狭窄残すも4mm 18atmま
で加圧していたので終了としています。

結局、ステント周囲に血栓かプラークか分かりませんがある程度のものが存在し
ていてバルーン拡張後シフトによってLCX入口部が狭小化した、と考えています。
もう少しシフトが強くなればLCXは閉塞していたかもしれません。そうするとか
なり問題となると思います。Wire crossもより難しくなりますし。
LCXへのwire crossも問題です。この症例では最初からCrushの形に持ち込むつも
りでしたからあまり粘ってませんが、粘ったとしてもどれほどの時間でwireを
LCXにちゃんと通過させられるか、非常に問題だと思います。

と言うわけで僕はKissing Cypherはしません。
○○先生、分かってもらえました???



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○○です
○○先生、夜遅くにアップしていただきありがとうございました。これをみると、確か
にKissingStentは問題点をはらんでいることが良くわかります。そうする
とLMTbifurcationのAMIはCrushCypherが一番よさそうですね?

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はじめまして、○○大学医学部循環器科の○○です。卒後8年目です。
PCIはまだはじめたばかりで、経験が少ないですが勉強したいと思います。よろしく
お願いします。

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○○です。

○○先生にご質問です。

1. この症例では、short LMTのように見えますが、kissing stentはほとんど
LM OSから始まっているのではないですか?ならば、guiding catheterは、どちらか
一方にしか向かないでしょうから、wire crossをもう一方にするのは、大変困難だと
思います。Kissing stentの適応の要件のひとつには、本幹が大きいことが上げられ
ており、手前にnative arteryを残すことが前提として考えられています。(J型にし
たwireのworking rangeが必要です。)急性期のやむを得ない処置ならば、仕方があ
りませんが、kissing stentは、LMTにある程度の太さと長さがある例に限り、できる
だけmetallic carinaを少なくするように留置すれば、wire crossは可能と思われる
のですがいかがでしょう?

2. LADの再狭窄とのことですが、IVUSでは、どの部分に見られたのでしょう
か?(angioでは、心外膜側のように見えますが・・・。)metallic carinaとの位置
関係はどのようになるのか教えていただければ幸甚です。私自身は、kissing stent
の再狭窄は、carinaの部分にlinearに来るという印象を持っています。先生の推測の
通り、LADの拡張により、linearな物体がLCXの入り口へシフトしたということだと思
います。

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62○○大卒 現 ○○病院勤務 ○○といいます。はじめまして。症例の応じて、最も
ふさわしいアプローチ、治療を行うというコンセプトは、全く同感するところです。最
近は腰痛があり、だましだましカテを行ってます。どうぞよろしくお願いします。

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早速ですが、自己紹介をいたします。

平成4年、○○大学卒です。
現在は、市立○○病院で勤務しています。

年間CAG総数  約550件、 昨年PCI総数  約110件程度です。

当施設の特徴としましては、比較的体質が古くて、今もPCIはfemoral approachが多く
て、実はTRAはそんなに多くはありません。
年間のPCI数が100〜110件程度で、TRAは、全体の20〜30%程度と思います。

以前からTRA-netのことは知っていて、気になってはいたのですが、何となく入会の機
会を逃したまま今日に至っていました。
DES時代になって、皆様、分岐部にはどういうapproachをしているのか、抗血小板薬は
どうしているのか、など、他の施設のやり方をいろいろ学びたいと思い、この度、入会
を希望させていただきました。

どうぞよろしくお願いいたします。

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ちゃんとしたお返事にはなってはいないのですが
抜歯時にどうするかは医事新報No4229p95に大阪大学
の森本先生が解答されていますが、抗血小板療法を中止して
抜歯を行い0.95%に重篤な血栓症が生じたとあります。

私の周囲でも、GIF前にワーファリンを休薬して脳塞栓に
なった方が2人、いらっしゃいます。いつぞや、ペーシング
学会の心房細動に関する講演で講演者に質問したのですが、
統計はないとの事でした。が、その後、私のところにも
抗凝固を一時的に止めて血栓症になった患者はいなかった
かという質問項目も含まれているstudyの調査票がきてた
ので、どこかにあるかもしれません。(書いて送り返そうと
したら返却先を紛失?したので返せず、どこの調査かも
分かりません..)

逆に、抗血小板薬を飲んでいなくても胃のbiopsy後、吐血
した人を2人ほど記憶しています(私が生検してない症例
ですが)。当然、動脈性ではないので保存的にみますが、
気持ちのいいものではありません。
もし、その方々が抗血小板薬を飲んでいたら、注意義務違反で
問題にする患者や家族もいるかもなぁと思いました。
数ヶ月前までは私も内視鏡当番があったのでGIFもしてましたが、
抗血小板薬を飲んでいる方はbiopsyはしませんでした。

一度ならず経験するといくら統計があっても二の足を踏みます。

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○○ です
順調ですよ@○○です
DK-Crushお見事でした。大変勉強させて頂きました。
Left Main/Bifurcationは別にして、CypherといえどもI+KBTでいいのでは?Twostents
にする必要があるのか?と疑問に思っていましたが、確実なAcute resultが得られ
chronic resultは最低限I+KBTと同等(できれば上回る)という考えで納得しました。
Acuteが確実!というところがtwo stentsの意義なんですね。これまでの報告で
thrombosisもちょっと多いみたいだし嫌だなと思ってましたが、ちゃんとひろげれば
thrombosisの率も許容範囲のようですし。Chronic resultだけ考えていたので、そんな
ことしなくてもと思ってました。
「順調ですよ」と思いましたが、大変失礼致しました。今度はretroを中核市から、
Conquest Pressure wire Pro (補足:必ず通るよう「順調ですよ」とプレッシャーを
与えるワイヤー) で宜しくお願いします。なおY先生の時間制限つきです。

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