第117集


************************************

○○です。

○○先生、実験データを大変興味深く拝見させていただきました。
「ガイダント社で作成されたポリビニールアルコール(PVA)製の冠動脈模型」と
いうのは、どのような形をしているのでしょうか?心臓の形を再現し、その上に冠動
脈が作ってあり、バルーン操作などをシュミュレーションする模型があるとは聞いて
いたのですが、その模型のことでしょうか?熱湯で溶かして、ステントを無傷で取り
出すというのは、すばらしい発想だと思います。
ご存知かも知れませんが、FlatなビニールチューブでのCrush stentのファントム実
験は、すでに論文になっています。(Ormiston JA, CCI, 63, 332-336, 2004) 
Y-stentついては、私の知る限り、論文はないと思います。
昨年の鎌倉ライブ、今年の熊TRAでも発表させていただきましたが、私のブタのin
vivo実験のcrush stentでも、ステントがよじれる様に潰れ、分岐部にstrut free
spaceが大なり小なりできることを報告しました。私が過去にこのメーリングリスト
で「なだらかに潰れる」として、本幹部分で突然crushされるわけではないことを強
調してきました。(このことは、論文にして、CCIにacceptされました。6月のイン
ターベンション学会にも報告予定です。)前述のOrmistonも、同様の実験結果で、分
岐角度が直角に近くなるほどその傾向が強くなり、final KBTを行っても、strut
free spaceが残存してしまうことを示しています。最近は、ColumboもTCTでのSlide
にこの論文の一部の写真を使って、final KBTが必須であることを強調しています。
○○先生の実験が、立体的な心臓模型でのファントム実験だとするならば、ステント
の潰れ方や、よじれ方に影響を及ぼす要因として、Ormistonが挙げた分岐角度に加
え、分岐部が存在する部分の心筋の曲率(心臓は、楕円体に近いので、部位により曲
率が異なります。)も挙げられると思います。
私個人としては、LMTのcrushは、LCXがlateral方向に流れていく、#12が主枝のよう
なLADとの分岐角度の浅いものについては、良い適応と考えていますが、逆に、#15ま
で発達して、LADとの分岐角度が直角に近いものは、血管造影上、綺麗に見えても、
strut free spaceが残存している可能性が高く、避けるべきものと考えています。

************************************

○○です。

>> ですから多少くびれてもstent strutが浮くという心配は要らないような気が致し
ます。
> 一度拡張しておいて後でストラットを引っ張るので浮いているリスクはあると思
> います。しかもその部位は一度拡張しているのでdamage+ですよね。それが心配
> です。
全く感覚的に思っているだけなので正しくないかもしれませんが、
Plaqueってredistributionするのではないかと思っていました。
ですから最後にある程度高圧KBTをするとくびれにもplaqueが入り込んでくれるので
は・・・
どうでしょうか。IVUSで見る限りは浮いてるような気はしないのですが。
もちろんreferenceには依存する問題と思いますがcrushも同等ではないでしょうか。

>> それに引き換えCrushの場合は枝の内側が浮きやすいので
>> appositionの問題だけならばY-stentにadvantageがあるような気が致しますがい
かがでしょうか。
> ??? Crushで内側が浮くというのは???どこの部分でしょうか?これこそ最
> 初のstentの拡張の仕方とその後のKBTの仕方によるとは思いますが、IVUSで見る
> と浮いてないと思われます。
以前、○○先生のmodelで話が出たような気がするのですが(間違っているかもしれ
ません。)
crushされたステントの股の内側のことです。側枝から見て本幹側のstrutです。
final KBTなしでは浮きやすい部分のことです。
ここが浮くかどうかはwireが通るstrutに依存するというdiscussionがなされていた
ように思うのですが・・・。
結果的にCrushの側枝はstrut越しの拡張になりますので本幹にステント留置した段階


本当に股の部分が浮いているとすればfinal KBTを行ってもappositionは取れない可
能性もあるような気がします。
側枝のバルーンはくびれて拡張するはずですので。
これはYのくびれ理論に少し似ているのではないでしょうか。

> 光藤先生のdriverのbifurの写真でもbifのproxの部分に隙間が開いている部分が
> ありますよね。あれは問題じゃないかな、と思います。
スミマセン。これをもう少し説明していただけないでしょうか。
物分りが悪いものですから・・・

よろしくお願い致します。

************************************

○○です。

○○先生有難うございます。

> ほぼ全例 IVUSガイド下でCypher を植え込んでますが、LADjp2.5mmでOKとい
> うケースはあまりないと思います。まだ症例数は少ないですが、再狭窄例はステ
> ントの不十分拡張か、プラークのカバー不十分のどちらかに大別できます。LAD
> 入口部はやはり3.0から3.5mmは必要なので、Yステントにした場合のストラット
> が中空に浮く恐れがあります。
> ですから、LMTのYステントはやりにくい状況なのですが、実際問題としては、ス
> トラットがしっかり3mm広がるのであれば、多少浮いていてもflow limitting
> にはならないし、大丈夫だのでは?というのが自分なりの仮説です。
> あと、kissingをした場合は、どうしてもLMTのステントは楕円形に広がっていま
> す。LMTをしっかり確保したいケースでは、4mmや4.5mmのバルーンで後
> 拡張を追加しています。

referenceが3.0mmを超えるLADの場合にはもちろんYは選択しづらいと思います。
特に3.5mmを超える場合には(一部でdead deviceと呼ばれていますが)DCAでdebalking
して
LCxになるべくplaque shiftしないようにして可能であればI+KBTで終了するというのも
ありかな、と思います。
ただし、LADとLCxの両方にstentを必要とするような症例は<3.0mmも少なくはないので
は?
と思うのですが。(少ない経験でこんなことを言うのもおこがましいですが・・・なん
となく・・・です。)
どうでしょうか?(BMSではありえないでしょうが、”Cypherなら”という意味で、で
す。)
LADのreferenceが>3.0mmのような症例でLCxへもstentが必要な症例にCypherで治療し
ようと
思うとやはり現実的にはCrushしかないのかなぁ・・・という気がします。
少ないかもしれませんが、LAD、LCx共に>3.0mmでいずれにもstentが必要とされる症例
は…
どうすればいいのでしょうか?

************************************

○○と申します
TRA-Netらしい話題で盛り上がっているところに恐縮ですが,
標記の件につきご教授いただければ幸いです

当院は心カテに普段イオパミロン370を使用していますが,
昨日の緊急カテのときに,イオパミロン300を使ってしまいました
何しろCPAOA症例で,カテラボに直行しており,
コメディカルの方々がたくさんサポートに来てくれましたが,
カテラボにいるドクター/オペレータは私ひとりで,
カテ・PCIしながらIABP・ペーシングまで開始した状況でしたので,
(挿管は前医でしてもらってました)
いつもと違う造影剤を使用したことに全く気づいていませんでした

当院の緊急カテでは,とりあえず病棟の看護師さんがつき,
カテラボの看護師さん(内視鏡室の看護師さんです)はコール後に
駆けつける形です
このためその看護師さんがやってきて,しばらくして
気づいてくれました(しきりに謝っておられ,かえって恐縮でした)
その後,いつも通りのイオパミロン370に交換して
手技を続けたのですが・・・

ばたばたしていた状況なので,評価は難しいと思いますが,
今回の印象だけで考えると,300でも違和感はなかったです
ちなみにフラットパネルではありません

他のご施設では,造影剤濃度はいかがでしょうか?
腎機能に与える影響はどの程度変わるのでしょうか?
コストに差が出るものでしょうか?
(後発品に換える方がコスト的には有利なのでしょうか・・・)
勉強不足で誠に恐れ入りますが,
関連文献/資料についてでも結構ですので,
ご教授いただければ幸いです

************************************

○○です。

私は、頚動脈ステントをやっております。造影剤の能書をみると370は脳血管造影
は適応外になっております。300は脳血管造影の適応となっています。現在保険適
応外の手技ですので非常に慎重にやっているので300を使用しています。頚動脈は末
梢血管であり脳血管ではありません。ですから370でも良いのです。もし同じように
運用するなら、たとえば鎖骨下動脈造影は造影剤は椎骨動脈を通って脳血管へいきま
すから300を使用しなければならないということになります。しかし、LITA造影のと
きにわざわざ300に変更はしません。鎖骨下動脈のPTAのときは皆さんどうしてま
すか?

腎臓にたどりつくころには十分薄まっていますので、造影剤総量 X ヨード濃度が
腎臓への影響になると思います。したがって、370で少なく使用するのと、300
でたくさん使うのであれば腎に対してはあまり差はないのではないでしょうか。

さて、造影性に関してですが、やはり370の方が良く見えます。注入が上手な方であ
れば差はないと思いますが、初心者に注入させると差は明らかです。

************************************

○○です

当院でもイオパミロン300でCAG, PCIを行ったことがあります。
昨年からFPDに変わり、高感度になりました。ひょっとしたら300でも問題なく造影でき
るのでは、という○○先生のささやきに刺激されて、試みに十数
例ほど行ってみました。シネ装置は島津Safireで、自動注入器ZoneMasterを使って、注
入条件を370の時と同じにしました。そうすると、
大ざっぱに8割くらいの症例では、あまり違和感を感じませんでした。のこり2割は、造
影不十分と判断し、注入条件を変更(総注入量を増加)して再度撮影
しました。最終的にはほぼ全例診断に足りると思われる画像が得られました。
この結果を受けて、当院では、造影剤300vs370の比較試験を連休すぎから行う予定で
す。
最近のFPD、IIは、10年前と比べて高感度なので、300では造影できないということはな
いと思います。
このあたりは、○○先生がファントムを作成して検討されています。

************************************

○○です.

白熱した論議にすっかり乗り遅れてしまいましたが,○○先生の実験系と同じくファン
トムで分岐部病変にCypher(Bx velocity)でCrushやY-stentをするとどうなるかを実
験しましたので
発言します.

結果は

・ Crush:本管はよく広がる(当然ですが),しかし,側枝に関しては,Angio
上よく広がっている様に見えても,あまり広がっていない場合があるので注意を要す
る.これは側枝へのアクセスが二枚重ねの部分を拡張しなければならないことに起因し
ます.そして,○○先生・○○先生がおっしゃるようにCrushされるステントの位置を
コントロールできないために血管壁に圧着できない隙間が出来る.
(添付した一枚目のスライドは本管のステントを割って側枝を覗いたものです)

実験ー1.pdf

・ Y-stent:本管・側枝ともそこそこ広げることは出来る.でも,Cypherを用い
たY-stentでは本管・側枝ともに最大3mm径以上に広げることは決して出来ないしそれ以
上を期待しても一部にナプキンリング状に締められた部分が残る.従って本管側枝とも
に3mmを超える径を持った分岐部への治療には向いていない.
(二枚目のスライドはY−stentを横から見ています.strutが引き延ばされてる
のが分かると思います)
でした.

その事からCypherでは径が3.0mmを超えるような分岐部病変,特にLMTの治療には向いて
いない!というのが僕の結論です.CrushはY-stentと比較してとても簡単な手技である
と考えますが,DES時代となった今,再狭窄率が許容できる範囲の手技となりうるかに
関しては,○○先生・○○先生がおっしゃるように長期予後を見ないと不明かと思われ
ます.
 本院で行った1例の結果を添付しますと,LMTではありませんが大きなLADとD1の間で
CypherでY-stentをした症例は8ヶ月後も入れた直後と同じ結果が得られておりさすが
Cypherと感心しています.(臨床像でもナプキンリングは残りますが,要はこれが臨床
的に問題になる血管径かと言うことだと思います).

 以上,長々と書きましたが,「LMT病変に関してはCypherでは未だ片付かない」って
のが僕の思うところです.

 今後も繰り返し検討を追加する予定ですので,結果が出たら再度ご報告いたします.

************************************

○○です。

ファイルサイズが大きくて申し訳ありません。
これでも、必要ないものは削ったつもりです。

さて、造影剤300による冠動脈造影ですが、

<目的>
フラットパネル初期のコントラストと、画像を良くするためにソフトをバージョ
ンアップした後で比較をしました。ですから、どちらもフラットパネルです。

<実験>
実験系は写真にあるように、銅板の上に3本のチューブを載せて、それぞれ造影
剤の370、300、200を入れました。これを撮影して、コントラストを比
較しました。
銅板の厚さでエリアが分かれていますが、Bエリア、Dエリアあたりが、心臓や
肺野の撮影とほぼ同じ条件のようです。
コントラストのグラフの見方ですが、基線より鈍角で下がっている場合は、銅板
と造影剤の境界が明瞭でないと判断します。すなわち、基線から急峻に下がって
いる方が、造影剤チューブのエッジがクリアーだと言えます。また、より深けれ
ば深いほどコントラストが良いと言えます。

<結果>
結果で注目すべきは、
1,造影剤200は基線より明らかに鈍角に下がっており、エッジがぼやけてい
ると考えられ、300や370と比べて明らかに落ちる。
2,BエリアやDエリアにおいて、バージョンアップ前の370と比較して、バー
ジョンアップ後の300方が、グラフがより深いので、コントラストが良いと言
える。

<結論>
この実験の結論としては、ソフト的なバージョンアップをした結果、以前の37
0による造影よりも、バージョンアップ後の300による造影の方がクリアーに
見えると言える。

そして、実際に4Fr.の手撃ちによる造影を、同条件で同じ人に370と300
で行いました。結果は300でも370と全く遜色ありませんでした。

また、この実験を通じて得たモノとして、
1,造影剤の粘調度が全然違うので、300では全然抵抗が少なく、ボーっとし
て撃っていたら造影剤が多く入ってしまいます。これでは造影剤のセーブにはな
りません。
2,同じ事で、抵抗が少ないので、強い力で撃ったら、最初のショットでカテが
跳ねてしまうことがあります。始めチョロチョロ中パッパで撃ってください。

早い話が、300には300の撃ち方があるということです。でもすぐに慣れま
す。
ちなみに造影剤300でも保険は切られませんでした。

************************************

○○です。

○○先生教えてください。

> ・ Y-stent:本管・側枝ともそこそこ広げることは出来る.でも,Cypherを用
いたY-stentでは本管・側枝ともに最大3mm径以上に広げることは決して出来ないしそれ
以上を期待しても一部にナプキンリング状に締められた部分が残る.従って本管側枝と
もに3mmを超える径を持った分岐部への治療には向いていない.
> (二枚目のスライドはY−stentを横から見ています.strutが引き延ばされて
るのが分かると思います)
> でした.
後からステントを入れた枝はナプキンリングになっているのは明らかですが、
先に入れた枝に関してはナプキンリングになるのでしょうか?
先生のスライドを拝見すると内側のステント(後で入れたステント)は開ききっておら
ず浮いているように見えます。
しかし、外側のステント(先に入れたステント)はそれなりに広がっているように思え
ます。
とすれば先にステントを入れた枝に関してはYの前にステントをしっかり拡張しておけ

ナプキンリングの問題は考えなくても良いのではないかという気がするのですが…

どうでしょうか。

(同じ話題で引っ張りすぎの感もありますがご容赦ください。)

************************************

○○です。

自分も、先においたステントは血管にきっちりappositionすると考えて、Yを作りまし
た。
結果は・・・。
先に留置したステントも、後で穴あけしたときに変形します。
その後、もう一つステント入れて、そこから side開けて、最終的にKBTします。
Cypherのsideが3ミリ開くとしても、それが側枝の真ん中である訳はないでしょう。
今回、自分が開けた穴はかなり変位していたのでしょう。
最終的には、最初に留置したステントの分岐部がhazinessを来しました。
これが許容できるかどうかは、慢性期の結果待ちです。
でも、高齢者だし バイパスになったら 悲しいですね。
Yは共倒れのリスクがあるように思います。
となれば、本幹だけでも維持する方針で、Crushでしょうか?
実験がどうであれ、現時点でCrushに血栓性閉塞のリスクが高くないのであれば、
Crushがいいのではないでしょうか?
経験豊富な先生方 その辺いかがでしょうか?
だって、AMIにステント入れることは もってのほかだったじゃないですか?
飛躍しすぎ?? (^_^;)\(・_・) オイオイ
LMTはBMSで、Yという選択肢も十分あり ですか?

************************************

○○です.

 ○○先生・○○先生,,,連休中だというのに,,僕と同じく何処にも行くところが
ないのですね (T_T)’’’

 僕が考えている範囲でお答えします.
今回,さらに添付したスライドはKissingをした後の画像です. ちなみに4×3mmの実
験モデルで先に3mmの枝の方にステントを留置しています.そしてステントの長軸方向
に3.0mm,側枝に向けては4.0mmのバルーンで時間をかけてかつ力一杯拡張しています.
 
 画像から分かりますように,この時点で既に血管壁から浮いて(きっちりapposition
出来ずに)見えると思います. この穴を通してもう一本のBx Velocity (Cypher)を挿
入して,→拡張→さらにワイ
ヤーを通し直して→最後のKissingをするわけですが,結果としてそれぞれ1回closed
cellを拡張することになりますから,両分枝ともにこの部分の最大径は3mmになり,
apposition出来るか否かは血管径に対しての使用したステントのデザインにのみよるこ
とになります.
>> しかし、外側のステント(先に入れたステント)はそれなりに広がっているように
思えます。
>> とすれば先にステントを入れた枝に関してはYの前にステントをしっかり拡張してお
けば
>> ナプキンリングの問題は考えなくても良いのではないかという気がするのですが…
>>
 ○○先生の言われるとおり外側のステントに関しては先に広がっているのですから見
かけの血管径は稼げます.でもその中に径3mmの輪っかが浮いているような状況になり
ますよね. 確かに見かけ上ナプキンリングではありませんが血管壁から浮いている場
合には問題となる可能性があると思います.

それと
> Cypherのsideが3ミリ開くとしても、それが側枝の真ん中である訳はないでしょう。
>
> 今回、自分が開けた穴はかなり変位していたのでしょう。
 ですが,Bx Velocityは本管と同じく側枝も多少時間をかけると結構上手に変形して
くれます.それが許容範囲なのかどうかは未だ何とも言えませんが, ○○先生の症例
は確認造影時も治療直後と変わらない結果が得られると思いますよ(希望的観測を含め
た意見です).

実験ー2.pdf

************************************

○○です

最近のLMTへのCypherYstentの話題大変興味深く勉強になりましたがまだ経験はありま
せん
それどころかLMT病変へのPCIはまだ手がけたことがありません。(恥ずかしながらそん
な技量も根性もありません)

そんななか最近LMT症例を経験したのでtra-netの先生方のご意見を受けたくて今回メー
ルだしました。

antero-septalAMI(onset不明)の70歳台男性で他院にポリペク入院中VT出現(血圧低
下ほとんどなし)とのことにて紹介搬送となった方です。
来院時VTはおさまっていて血行動態は安定しており(BP=130/80)胸痛もなく、CPK=250
troponinI=3.0 エコーで前壁中隔akinesis
しかも他院入院時EKGですでにV1-4でabromalQ+で当院搬送時と同じEKG所見でした。
よって少なくとも3日以上前発症のAMIとの診断で気楽に心臓カテーテル検査を行った
ところ、
たしかにLAD#7-#9分岐部 subtotal+delayでしたがなんとLMTにも90%を認めました。

@AMIでも時間が経過しており血行動態も安定していること
ALAD末梢へのcollateがRCAより発達していること
BLMT病変へのPCI経験がほとんどないこと(一番の理由です)
よりIABPのみ入れて心外で緊急CABGを行ってもらうことになりました。

そこで先生方に質問ですが

この症例について
@PCIすべきだったのか?または十分PCIできる症例なのか?
APCIする場合はまずLCX/HLをしっかり血行再建し後日LAD治療する方針でいくのか?
Bそれとも一度にLCX/HL/LAD病変を全て治療してしまうのか?
などにつき教えてください。

よろしくお願いいたします。



************************************

○○です。

○○先生の以下の文書は、ファントムのステント留置と、実際の血管の留置での違いを
指摘しているのではないでしょうか?
血管のコンプライアンスの問題(全体および局所の不均等なコンプライアンス)で、こ
のようなことがおきるのではないでしょうか?
sideの穴の位置がちゃんと真ん中にないときは、かなり悲惨な状況になりそうだといつ
もおもっています。これが、bxのYの問題ですよね。
だから、ホンカンを大切にするので、クラッシュのほうがいいと思っています。○○先
生が、書いていたとうり、僕もBXのプラットフォームこそ、DESとしては、いいと思っ
ています。それを最大限効果的にできるのが、クラッシュである考えています。


> 先に留置したステントも、後で穴あけしたときに変形します。
> その後、もう一つステント入れて、そこから side開けて、最終的にKBTします。
> Cypherのsideが3ミリ開くとしても、それが側枝の真ん中である訳はないでしょう。
>
> 今回、自分が開けた穴はかなり変位していたのでしょう。
> 最終的には、最初に留置したステントの分岐部がhazinessを来しました。

************************************

○○と申します
○○先生,○○先生,○○先生
コメントをいただき,ありがとうございました

○○先生には実際のデータまでお示しいただき,
たいへん参考になりました
「保険が大丈夫」というお話は,
私にとっては「悪魔のささやき」に聞こえます・・・

ヨードが300でも,たくさん使用すれば
腎機能への影響は出るとのことですが,
総使用量が370とあまり変わらないようにできれば,
腎機能への影響は軽減可能ということですね
今後検討してみたいと思います

************************************

○○です.

 ○○先生・○○先生のご指摘の意味がやっとわかりました. 恐らく僕がやった症例
がたまたまうまくいったのかも知れません. しかし,IVUSでの観察結果からは時間を
かけて圧をかけると例え中心をヒットしていなくとも生体の中でも結構良く変形してく
れるステントであるとも思っています.
 またしつこくファントムの話になってしまいますが,Bxは他のステントと比較すると
かなり縦方向には変形しにくく「引きつれ」も起こりにくいように感じます. 16気圧
30秒で穴を空けるとそれなりに穴の部分だけ変形してくれます.

 それと,Crush,YあるいはTのいずれも本管と同じく側枝を無視できないときに用い
る方法ですから,「本管をキープ」ではなく,「両方ともキープ」が目的です. そう
言う意味でCushされた方の血管はした方の血管と比べ再狭窄のリスクがずいぶん大きく
なるように思われ再治療も難渋しそうに感じます.
 とは言っても,Crushでの治療をしたことがないのでその慢性期の経過については分
かりません.
 勿論,より良い方法であると分かれば多用すると思います(変わり身は早いので,明
日にでも方法を修正します).その結果を教えていただければ有り難いです.

************************************

○○です。

○○先生のご指摘のように、
私がたまたまうまくいかなかったのか、○○先生がうまくいったのか・・・・。
ただ、BMSであれば、5%程度で起きるtechnical error はBMSの持っている限界に覆い
隠されますが、
Cypherであれば、そうはいかなくなる と言う意味合いもあると思います。
ちなみに 今日の緊急ではDriverでYを作りましたが、とっても楽でした。
RCA#3のbifurcationだったからかもしれませんが。

○○先生、私も 迷わずCABGに回すと思います。
自分の技量では、うちの手術以上の結果を出す自信がないですから。

************************************

○○です

私も連休どこにも行かずにお仕事組です。

○○先生、連休というのにひどい症例...お疲れ様でした。

この時点でどうしてもPCIというのでしたら、8Frを突っ込んで、LADにワイヤーを入れ
た瞬間に2mm程度のバルーンで道を造っておいてから、HL/CXにもワイヤーを突っ込ん
でLMTの処理を(私ならたぶんLAD側に一本ステントで後はキングギドラ・キッシング)
行い、その後にLAD/D1の処理を行うんでしょうけど....LMTにワイヤーを入れた瞬間に
血行動態が悪くなりそうなひどい症例ですし、私は根性無しなのでCABGに回すような
気がします。

************************************

○○です。

Primary PCIをやっていると時々LMTやLAD/LCX bifurcation
lesion
を経験します。経験少ない私のポリシーは、ステント一つで凌
げられればPCI(あとでprovisional Yステントをすることはで
きます)、ステント二つがどうしても必要ならば、IABPを入れ
て、とにかく血流だけをキープできればカテラボのボスのelective
PCI
に回します。AMI直後のCABGの成績はあまり良くないので、す
ぐCABGには送りません。

> @PCIすべきだったのか?または十分PCIできる症例なのか?

Primary PCIの時点を過ぎたので、PCIでもCABGでもいいと思い
ます。術者のポリシーと経験で決まるでしょう。

> APCIする場合はまずLCX/HLをしっかり血行再建し後日LAD治
療する方針でいくのか?
> Bそれとも一度にLCX/HL/LAD病変を全て治療してしまうのか


Multivessel PCIの順番のポリシーですが、殆んどの先生達の
意見はCulprit lesion優先でしょう。

私だったら、LMTをまたいで3.0mmステントを入れて(2本目のguidewire
でprotectionしますが、LCX osはあまり狭くならないと思いま
す)、mid LADだけにもう一つステントを入れると思いました


でも、実際にカテテーブルの前で立っている術者の判断が一番
確実です。私は、いわゆる'OEM PCI'として、他の先生達の患
者さんをPCIする時が多いですが、後ろから助言(○○先生、あ
まりやり過ぎるな、など)が聞こえてくると気がぬけてしまい
ます。

************************************

○○先生、○○先生、○○先生ご指導どうもありがとうございました。

もっとPCI修行を積んでLMT病変に対しても自分の治療スタンスを作り突然のLMT病変に
遭遇しても慌てず判断できるようになりたいと思います。

ところで○○先生の「キングギドラ」は○○先生のスライドでもみたことがあるのです
が、あれはLMT-LADにstentを入れた後で行うのでしょうか?

ステントストラットをうまい具合にワイヤーがHL/LCXと順序よく別々に通すのにはなに
かコツがあるのでしょうか?
またBalloonはLMTでは3本になるのでいくらLMTでもLAD/HL/LCXジャストサイズの
Balloon3本では過拡張になるような気がするのですがunder sizeにするのか、それと
も低圧なら大丈夫なのか?
非常に興味あるのでもしよければちょっとだけでも教えてほしいのですが・・・


沖縄はもう梅雨入りです・・・蒸し暑い日が続いてます

************************************

○○です。

先週、Angioplasty Summitへ行って、沢山LMT見てきましたが、ほとんどがCrushでし
た。個人的には、かなりCrushを見直しました。Cypherはストラットが3.0mmまでしか
開かないという欠点がありますが、今後、デザインが改良されれば、手技は一番簡単
で、標準化されうるのではないかと思えるようになりました。

ただ、LMT-LADのcross-over + KBTで済めばそれに越したことはないので、Crushの慢
性期成績が出るまでは、Debulkで何とかなりそうなものはそうしたいと思います。
LMTの場合、LCxに何らかの狭窄があって、処理しないといけない場合は、LAD方向優
先という方針に拘らないほうがよいと考えています。LMT-LCxの分岐角度が急峻だっ
たりして、LMT-LADにCypherを入れたあとモノが行かなくなったら最悪でしょう。で
すから、LADを優先する以外にも、LCxを先にしあげる、(昔出しましたが)最初に
LAD方向にDCAしてからLCx方向にまずステントを入れる、同時に作る(Crushあるい
はKissing)などなど、臨機応変にやるようにしています。逆説で、手技的には後だ
しジャンケンですが、どうにもならなければ、reverse Crushもなくはないだろうと
思います。

そこで、役に立つのが、何度目かになりますが、LCx方向へのIVUSです。LCx入口部
の正確な把握もできますし、IVUSが入れば通常Cypherは持ち込めるので、よほど入口
部が悪くない限り先にLCxを作るとよい(また、それが可能な)場合が殆どだからで
す。AMIではありませんが、最近のu-AP症例をお出しします。お若いFHの方で、CABG
をすると近位部はすべてCTOになってしまうことが予想され、長期的に、後々困るだ
ろうと考え、PCIにしました。LMT-LADに造影遅延を伴う高度狭窄がありますが
(fig1:AP caudal, fig2: LAO caudal)、LCxもdiffuseに悪い方です。システムは
8Fr(Mach1 FCL4.0)で、IABPは入れていません。IVUSはLCx途中まで入りました
(fig3)。幸い、LCx入口部には5mm弱くらい足場をとれそうなので、先にLCxを
Cypherで作りました(fig4)。この体勢に持ち込めば、LMT-LADのシンプルなケースと
同じです。あとは、LAD方向へのステント植え込みでplaque shiftさえ起こさなけれ
ば、cross-over + KBTで終われます。足場の有無の正確な判断が大切と思いました。

2.0mmでPOBAしたのですが、DCAが入らないので、2.0mm burrでRotaをしたあと
(fig5)、DCAで入口部付近だけ心外膜側から手前を削りました(fig6)。そのあと、
LMT-LADにCypherを入れましたが、幸いPlaque shiftはなく、KBT(fig7)して仕上がり
ました(fig8)。やはり、plaque量の多い人は、今のところ、ある程度DCAするのが安
心ではないでしょうか? Crushにするほうがずっと簡単だったでしょうが、手間隙
かけただけのことはあって、最後のできはまずまずです。慢性期の造影が終わったら
またご提示します。



************************************

○○先生ご指導ありがとうございます。

やっと最近先生の本を買うことができて(amazonで買いました)
今読んでいるところですが、理論的に書かれているのでとても勉強になります。

今回のメールを見てから改めてその本のbifurcation lesion , LMTの項目を読んでみま
した。

たしかにLMT病変に関してはもっと修練を積んでDCAも臨機応変に駆使できるようになっ
てから手をつけようと改めて思いました。

今後ともよろしくお願いいたします。

************************************

○○です。
○○先生のロタDCAでplaqueシフトを防いで、治療するというコンセプトが見事にで
た症例ですね。症例提示ありがとうございました。
この症例であるならば、○○先生が指摘されるとうりにLMTからLCXのosが正常に
みえる(FHなのであとでくる感じはしますが)ので、LMT-LADのstent+KBTでいけそう
ですね。reverse crushを避けたいという気持ちで、DCAを
持ち出す先生のポリシーはさすがです。
ぼくは、クラッシュ、リバースクラッシュばかりでやってますので、通常どうりにLM
T−LADステント+KBTで治療します。クラッシュの成績がもう少しででるので、楽
しむです。いまのところ、一例reverseのosに一例狭窄がスリットみたいにきたのがあ
りました。KBTしていたのですが、やはりストラットがあたってなかったんでしょう
ね。当然、その治療はホンカンにでるかでないかで、cypherをポンといれて、簡単に手
技は終了しました。
クラッシュではホンカンは再狭窄はこないとおもうので、sidebranchが再狭窄きたとき
の治療がこのようにcypherいれるだけで、根治できれば、たとえ再狭窄があったとして
も、問題はなく、シンプルなクラッシュはいいと思ってます。ただ、KBTができない
症例があると、あとあと困りますね。

************************************

○○です。

クラッシュするときに、GWのリクロス、finalKBTをするために、気をつけていること
ありますか?
僕は、クラッシュされるステントを20ATMでちゃんと広げておく、あと、クラッシュす
るステントも20気圧でしっかり広げておくことが、バルーンの通過性をよくするとお
もっていますが、いかがでしょうか?ワイヤーはなんとかすればはいりますが、以前
は、クラッシュするステントは、16気圧ぐらいであまりあつをかけずに、sideのステ
ントをあまりつぶさないようなイメージでやっていましたが、一例はいらない症例があ
り、ホンカンを20気圧で拡張しなおしたら、はいった症例があったので、そのあと
は、両者とも高圧でやってます。
あとは、クラッシュされるステントは多めにホンカンに出すようにしています。(これ
は再狭窄予防ですが)

************************************

○○です

私もそんなにLMTの症例をやるわけではないので何が本当に正しいのかよくわかりませ
ん。

○○先生、コメントをお願い致します。

> LMT-LADにstentを入れた後で行うのでしょうか?
私はそうしております。

> ステントストラットをうまい具合にワイヤーがHL/LCXと順序よく別々に通すのにはな
にかコツがある
> のでしょうか?
コツではないのですが、LMTのときにはワイヤーを惜しまず新しい物を出すようにして
います。

> またBalloonはLMTでは3本になるのでいくらLMTでもLAD/HL/LCXジャストサイズの
Balloon3本で
> は過拡張になるような気がするのですがunder sizeにするのか、それとも低圧なら大
丈夫なのか?
> 非常に興味あるのでもしよければちょっとだけでも教えてほしいのですが・・・
HLは所詮HLだと思っていますので、2mmのballoonを選択しています。でも、LAD/CX
のBalloonで両方向から挟まれ潰れやすいと思っていますので、同時拡張時にLAD/CXよ
りちょっと高圧にしております。
LAD/CXのballoonサイズはjust sizeでやっております。

************************************

○○です。

 この症例に限ったことではないのですが、すでに前壁がMIに陥り、
心機能が低下している例で、LMT病変の場合どうされますか?

仮にCABGを拒否して、どうしてもPCIを希望された場合、
LCXの大きさによってはCX側メインでステント置くのはどうでしょうか?

まあ、どちらが先でも同じ結果が得られる術者の方はいいのですが。

小心者の私はCX側を先にやったほうが安全かなと思ってそうしてます。

ただこの症例はCXも大きくなく、HLが大事なようにも見えますので
このやり方はうまくいきませんね。

すみません話題引っ張りすぎました。

************************************

○○です。

○○先生から振られてコメントするのもおこがましいですが…御指名ですので。

私は”そんなに”どころか数えるほどしかLMTは触ったことがありませんが、
一度だけキングギトラ体験があります。
LMT-LADへI-stent後のrestenosisでした。HLは厳密にはLCxからの分岐でした。
ですからwireingはOMのつもりで行いました。
twistが問題になりやすいので@一番大切な枝A一番難しい枝B一番簡単な枝
の順にwiringしました。ただしLMTの狭窄が3本のwireを許容すれば@とAは逆にしてい
たでしょう。
使用balloonは3.0mm,2.5mm,2.5mmだったと記憶しています。
balloonの位置はLCx take offを#11とOMのballoonでhagging、LMTを#11とLADのballoon
でhaggingするように
HLのballoonのみ少しdist.へずらして拡張しましたのでLMTの径はあまり気になりませ
んでした。

HLとは言えどもLADかLCxかのいずれかに偏っているcaseが少なくないように思いますの

それを見極めることがwiringの鍵かもしれません。○○先生のcaseはLAD typeですね。

balloonの径に関してですが3本のballoonがLMTに対してcoaxialにtwistなく拡張され、

balloonとballoon間のstentが引き伸ばされて平面化した形で拡張されたと仮定すれば

添付のfig.1の如くなるはずです。
LMTの半径をR、balloonの半径をrとすれば3本とも同サイズのballoonなら
2πR=2πr+2r×3
の方程式が成り立ちますから2.5mm balloon×3本ならLMTは4.9mm相当に拡張されるはず
です。
(たぶん間違ってないと思いますが)ご参考までに…。
KBTもそうですが、stentを不自然な形に変形させる必要があるでしょうし、
strutによってballoonの拡張が妨げられる可能性は高いですから、
個人的にはやはり高圧拡張が必要なのではないかと思っています。

○○先生、こんなところで許していただけますでしょうか?

************************************

○○先生詳細なご指導本当にありがとうございます。

実はこの症例もしPCIになったら「キングギドラ」をしようかと考えていました。
でもどういう風にしたらいいのか本当に迷いました。
plaque siftを防ぐにはDCAがいいと思うのですがこの症例ではとても自分の技量では危
険と判断しました。
最初は○○先生のご指摘のように自分もLMT-LCXへstentを入れてまずLCXをしっかり確
保してからと考えましたが、
やはりLADは大事でしょうとの意見があり、それならばHLも確保したいのでいわゆる
「キングギドラ」でKBT行おうと思いました。

実はIABPを入れた時右common iliacの蛇行が強くlong sheathも折れて入らず結局左ソ
ケイ(これも蛇行強かったですが)からなんとか入れたので
ソケイからのapproachは困難と判断し、Brachalより7Fで行こうとしていたのではたし
て7Fでキングギドラが可能なのかどうかも分からず焦っていました。

心外もAMI症例なのであまりやりたくないようなことを言ってましたし、手術にするか
PCIにするかで家族も迷っていたようでしたので
その間ずっとPCIのシュミレーションを自分なりに立てていました。
結果的には幸か不幸かCABGになりました。

今回の先生方のご意見やご指導は非常に勉強になりました、ありがとうございます。

************************************

TRAネットのみなさまがた、
 LMT-PCI、 LMT-stent と白熱する議論の中、トピずれで間の抜けた質問ですみませ
ん。 すでに解決済みの質問かもしれませんが、書き込みさせていただきます。
 TRIの際、アプローチをする右上肢を右腕ないし左腕を伸展しかつ肘関節より遠位側
すなわち前腕を外転(回外)する。手関節を伸展位にする。この肢位が長時間(1hr
<)続くと、肩関節、肩甲部の痛みを訴える方が(特に高齢者)多いように思います。
 先日も89歳男性で2VDのUAP−LAD/D1の分岐部でDES+KBT,IVUSで一時間以上かけてし
まい、右肩甲部の痛みをうったえたため、RCAまで手がけることができず後日となりま
したが、
 @あらかじめ鎮痛剤・シップでもはっておくか?
 Aシースを挿入後は前腕を少し内転位にもどして、肘関節をほんの少し屈曲位にして
おくか?
 誤解ない様、申し添えますがPCI中の肩関節や肩甲部痛に狭心症症状もふくまれまし
ょうが、それを除外した上で整形的な痛みにどう対処すべきか、いわゆるTRIの「良肢
位」があるのか?皆様の御意見、アイディアをいただけましたら幸いです。(余り迫力
のない質問ですみません)

************************************

○○です。

 整形外科的に伸展位を維持できない方は、他のアプローチが望ましい場合は別とし
て、

2)の方法をとっています。
患者様が楽な肢位をとれるよう、腕の下に布や枕を置いています。痛みが我慢できない
場合は
そのつど鎮痛剤を投与しています。

************************************

○○です

私も基本的にはAの方法で手技を行います。
補足しますと、私はシース挿入後に前腕を十分に内転させ肘はやや屈曲し、軽く「気を
つけ」のような体勢になるまで、腕をのせている板ごと上肢を体幹によせてしまいま
す。つまり上肢は体幹にほぼ沿った形となります。
患者さんにとってはずっと腕を伸ばしているよりは楽でしょうし、この肢位でもカテー
テル挿入や操作に困ったことはありません。

蛇足かもしれませんが、この肢位で行うもう一つのメリットは、手技のしやすさです。

○○先生が書かれているように、通常の前腕の穿刺位置では、前腕が体幹から離れ気味
のことが多いため、ややもすると手技中の術者の手元が空中遊泳になっているような不
安定な位置になることをよく経験しました。
でも上肢を体幹に沿わせていると、PCI中のワイヤー等の操作を行う位置が、術者にと
って患者の右大腿部すぐ手前(患者からみて右大腿部すぐ右側ー全て右橈骨アプローチ
の場合ですが)になるので、手技中におけるカテ台上のフラットな場所が確保されます
(私はここを play ground と呼び、常にできるだけ flat な状態を確保し手技をす
るように若い先生には指導しています)。
つまり術者の手の位置もカテ台に乗せた状態で行えますので、安定した操作を行うこと
ができます。
あらかじめ患者をカテ台の中心からやや左側に寝かせておいたら(これも右橈骨アプロ
ーチの場合ですが)、 この play ground はさらに広がります。
やはり手技中はすこしでも steady な状態で行いたいと思いますので・・・いかがでし
ょうか。

PCIの前にまず体勢を整えてって思ってます。この場でもっともなことを言ってしまい
ましたが・・・。
(以前にどなたかが、すでにご指摘されていたらすみません)

************************************

○○です。
○○先生大変でしたね。
追加ですが、
キングギドラは、8frでもきつかった印象があります。当院でのキングギドラ予定は
すべて、9frでやってます。
足の蛇行がつよい場合、末梢の治療をやりだしてから、色々なデバイスがあることに気
づきました。そのひとつとして、今回のケースのようにシースが折れるなら、アロース
ーパーフレックスシースを使えばいいし、もしシースが入っていかなければ、ます、診
断カテーテルを通過させて、アンプラッツワイヤーというとてつもなく固いワイやー
(ボストン)に交換して、アローシース、この二つの組み合わせで、かなりいけます
よ。

最後に、AMIでは、キングギドラまで、考える必要はないと思います。AMIの治療目標
は、まず救命ですからね。

************************************

○○です.

○○先生に同感です.LMT-AMIの症例ならば,まずはいかに速やかにLMT病変の処理を行
うかでありると思います.側枝は必要ならワイヤーさえ通しておけばいかにでも処置は
出来るかと思います.
ちなみに先週経験した45歳LMTのAMIは,前吸引にて(フィルターが目づまりするような)
ノリのような血液が引けたので,directでステント置いて,deflationと同時に7Fガイ
ドカテから吸引しましたが,相当量のdebrisが回収でき,slow flowが全く生じずに済
みました.入口部近くの病変の場合,ガードワイヤーを通す時間が(余裕)がなければ吸
引してみるのも血行有効かもしれません.

************************************

○○です。

このたび5月より長年お世話になった○○病院を離れて、妻の実家のある北海
道札幌市に赴任致しました。子供の体調を考えての転勤だったのですが、環境がよく
食事もおいしいので、自分にとっては体重が心配な今日この頃です。
○○時代には○○先生を始めとして○○先生、○○先生、○○先生、○○先生(そう
いえば全員TRAのメンバーでした)には大変お世話になりました。これからもよろし
くお願いいたします。また北海道の諸先生方にはこれから大変お世話になると思いま
す。北海道(の夜を?)を盛り上げる一員となるよう頑張りますのでよろしくお願い
いたします。

************************************

○○です。

○○先生、crush stentのコツ伝授ありがとうございます。

二つほど教えてください。

1.Crushされるステントを長めに出すとのことですが、どのぐらいの長さなので
しょうか?

Columboの原著では、5mm程度となっていましたが・・・。

あまり長すぎると、crushするほうのバルーンとの軸がずれてしまって、Xの形になっ
てしまうことがあり、crushが甘くなってしまうことがあります。

再狭窄予防というのは、3枚重ねの部分での再狭窄が少ないことを期待しているのだ
と思いますが、逆に、内膜が張って来ない可能性が高いareaを増やしていることにも
なり、late thrombosisのriskは高まることになります。

2.  crush stentを行った患者さんも、パナルジンは、3ヵ月後に中止されますか?

************************************

○○です。

クラッシュするときに、GWのリクロス、finalKBTをするために、気をつけているこ
とありますか?

僕は、クラッシュされるステントを20ATMでちゃんと広げておく、あと、クラッシュ
するステントも20気圧でしっかり広げておくことが、バルーンの通過性をよくする
とおもっていますが、いかがでしょうか?ワイヤーはなんとかすればはいりますが、
以前は、クラッシュするステントは、16気圧ぐらいであまりあつをかけずに、side
のステントをあまりつぶさないようなイメージでやっていましたが、一例はいらない
症例があり、ホンカンを20気圧で拡張しなおしたら、はいった症例があったので、
そのあとは、両者とも高圧でやってます。

あとは、クラッシュされるステントは多めにホンカンに出すようにしています。(こ
れは再狭窄予防ですが)

************************************

○○先生、○○先生ありがとうございます。
おっしゃるとおりAMIの場合は自分の出来うる速やかに行える手技を組み合わせるべき
ですね

本日のAMI症例は38歳男性で、obesity/HT/HLとともに睡眠時無呼吸症候群にて自宅で
夜間BiPAPを施行している方でした。SASとIHDの関連は以前より聞いてはいましたが今
回が初めての経験でした。

tra-netの先生方今後ともご指導よろしくお願いいたします。

************************************

○○です、○○先生の質問に答えます。
たぶん、長めで結局5mm程度になっていると思います。再狭窄予防という意味でのシテ
キは先生の指摘どうりの意味です。
高圧で、final KBTをするかぎりは、内膜がはらなくても、大丈夫という考えはもって
いますが、リスクを増やす可能性は否定できないので、パナルジンは、基本的に一年間
はのんでもらうつもりです。

************************************
 
○○です。

> あまり長すぎると、crushするほうのバルーンとの軸がずれてしまって、Xの形になっ
> てしまうことがあり、crushが甘くなってしまうことがあります。
押しつぶされ方に関してはモデルとreal coronaryはかなり違います。real
coronaryの方が抵抗が強いのだと思います。Xになることに関しても特に問題な
いと思います。

> 再狭窄予防というのは、3枚重ねの部分での再狭窄が少ないことを期待しているのだ
> と思いますが、逆に、内膜が張って来ない可能性が高いareaを増やしていることにも
> なり、late thrombosisのriskは高まることになります。
それはどの程度考えるべきでしょうか???
実際にCrushをして側枝もきちんと拡げて symptom drivenで戻ってくる人は本当
に少ないです。Bifurcationに関しては後からステントを入れることを考えれば
最初からCrushしておくことは有力なoptionだと思います。

> 2.  crush stentを行った患者さんも、パナルジンは、3ヵ月後に中止されますか?
うちでは現在全症例継続投与にしています。この点はcontroversialですが。

************************************

○○です。

○○先生、○○先生レスありがとうございます。

パナルジンの継続投与に賛成です。毎度ブタ実験で申し訳ありませんが、血管内視鏡
で見たcrushされたステントの写真を添付します。血管内膜の地肌が見えないほど、
網目状のメタルが重積しており、血栓ができやすいことはお分かりになると思いま
す。果たして、こんな金属塊に本当に内膜が張るのかしらんと思ってしまいます。ヒ
トの冠動脈でも同じ状況はありえるのではないでしょうか?
確かに、crush stent は、final KBTをしっかり行い、strut appositionを良好にし
て、十分な抗血小板療法を継続している限りには、良好な予後を得られると予想され
ます。ただ、抗血小板療法をやむなく中止せざるを得なくなる状況(緊急手術や、脳
出血、出血性胃潰瘍)では、thrombosisに、より気をつけなくてはなりませんし、そ
の期間は、通常のstentingより長いと予想されます。これは、循環器医にとっては、
ちょっとストレスに感じるのですが・・・。
私自身は、側枝が特に重要と思われ、分岐角度が浅いものに限定し、潰す長さは5mm
と決めてcrush stentを行っています。



************************************

○○です。

5月4日のJAMAにコロンボ先生のラボからDESのthrombosisについて以下のようなpaperが
出でいました。
Incidence, Predictors, and Outcome of Thrombosis After Successful
Implantation of Drug-Eluting Stents
結論から言いますと、DESではBMSより血栓性の合併症が多く、またSATと同じ
くらい(一ヶ月以降の)Late thrombosisがある、また、その原因として抗血小板薬の
中断がリスク
のひとつである、という話でした。私はLMT DESなどをのぞき今まで結構パナルジン
を3ヶ月で中止していましたが○○先生が言われるように特に血栓症の怖そうな症例で
は副作用が無いのなら続けるべきではないかと考えるようになりました。皆さんはどう
お考えでしょうか?

Context Traditionally, stent thrombosis has been regarded as a complication
of percutaneous coronary interventions during the first 30 postprocedural
days. However, delayed endothelialization associated with the implantation
of drug-eluting stents may extend the risk of thrombosis beyond 30 days.
Data are limited regarding the risks and the impact of this phenomenon
outside clinical trials.
Objective To evaluate the incidence, predictors, and clinical outcome of
stent thrombosis after implantation of sirolimus-eluting and
paclitaxel-eluting stents in routine clinical practice.

Design, Setting, and Patients Prospective observational cohort study
conducted at 1 academic hospital and 2 community hospitals in Germany and
Italy. A total of 2229 consecutive patients underwent successful
implantation of sirolimus-eluting (1062 patients, 1996 lesions, 2272 stents)
or paclitaxel-eluting (1167 patients, 1801 lesions, 2223 stents) stents
between April 2002 and January 2004.

Interventions Implantation of a drug-eluting stent (sirolimus or
paclitaxel). All patients were pretreated with ticlopidine or clopidogrel
and aspirin. Aspirin was continued indefinitely and clopidogrel or
ticlopidine for at least 3 months after sirolimus-eluting and for at least 6
months after paclitaxel-eluting stent implantation.

Main Outcome Measures Subacute thrombosis (from procedure end through 30
days), late thrombosis (>30 days), and cumulative stent thrombosis.

Results At 9-month follow-up, 29 patients (1.3%) had stent thrombosis (9
[0.8%] with sirolimus and 20 [1.7%] with paclitaxel; P = .09). Fourteen
patients had subacute thrombosis (0.6%) and 15 patients had late thrombosis
(0.7%). Among these 29 patients, 13 died (case fatality rate, 45%).
Independent predictors of stent thrombosis were premature antiplatelet
therapy discontinuation (hazard ratio [HR], 89.78; 95% CI, 29.90-269.60;
P<.001), renal failure (HR, 6.49; 95% CI, 2.60-16.15; P<.001), bifurcation
lesions (HR, 6.42; 95% CI, 2.93-14.07; P<.001), diabetes (HR, 3.71; 95%
CI, 1.74-7.89; P = .001), and a lower ejection fraction (HR, 1.09; 95% CI,
1.05-1.36; P<.001 for each 10% decrease).

Conclusions The cumulative incidence of stent thrombosis 9 months after
successful drug-eluting stent implantation in consecutive "real-world"
patients was substantially higher than the rate reported in clinical trials.
Premature antiplatelet therapy discontinuation, renal failure, bifurcation
lesions, diabetes, and low ejection fraction were identified as predictors
of thrombotic events.

************************************

○○先生、○○先生
 ベーシックな質問にお答え戴きありがとうございます。
 その後の患者様ですが、昨日あらかじめ湿布をはってRCAにDESいれました。
 今度はKBTやstent strut 越しののGWクロスなどおまけがなく40分程度でですませま
したので、肩の痛みも訴えず無事終了しました。長時間に及びそうな時(KBTなど)は
「良肢位」を保とうかと思います。
 今後ともよろしくお願い申し上げます。

************************************

現在○○大学大学院1年目(卒業4年目) ○○と申します.
3月末までは,済生会○○総合病院で心カテもさせていただいていました.
この3〜4年間は心カテをする機会はないかと思いますが,
このメーリングリストでいろいろとお話を聞かせていただき
勉強させていただければ幸いです.
よろしくお願い申し上げます.

************************************

○○です。

皆様のお知恵を拝借させてください。

20代 y.o. male
resk factor:(-)
2年前に心電図異常を指摘されシンチを行ったがnegative。
最近、運動中にsyncope(ただし、episodeはvasovagal reflexに近いようです)を来た
し、
V1,2でsuddle backに見えるということでPilsicainide負荷、EP目的で入院。
いずれもnegativeであった。
しかし、coronaryは#7:CTOでした。
そのほかの枝もところどころatheroscrelosisのように見えるところもあり
とてもハタチの血管には見えません。
何らかの基礎疾患があるはずだと思うのですが、いかがでしょうか?

よろしくお願いします。



************************************


○○です

数年前になりますが、当院でも22歳男性でサッカーの試合中にCPAとなり搬送された症
例を経験しました。幸い、bystander
CPRがすぐに行われ、到着した救急隊がVfを確認して除細動を行い、蘇生に成功してい
ます。
蘇生後のECGはBrugada様の心電図所見で、最初はBrugada症候群かな(でも労作時にVf
が起こるのは変?)と思いました。すぐに緊急カテ
を行ったところ、たしかLAD#6)CTO,
RCAとLCXにも高度狭窄があり、良好なcollateralが発達していました。低体温治療が行
われ、神経学的にも後遺症なく回復し、CABGが行
われました。
この症例、術中所見でLAD近位部に動脈瘤を認めています。成人川崎病後遺症ではない
かと考えています。現在はお元気で、またサッカーの練習を始めてい
ます。
川崎病の冠動脈瘤は、内部が閉塞していたり、壁在血栓があったりするので、angioで
は分かりにくいこともあると思います。この点からはMDCTや
MRIが有用ではないでしょうか。

************************************

○○です。

○○先生有難うございます。
こういった内容はきっと○○先生がお詳しいのではないか…と思っておりましたので
期待通りでうれしいです。

coronary CTは予定しております。
ただし、angio上はあまりにも川崎病らしからぬように見えます。
そのほかに原因としては何が考えられるのでしょうか?
risk factorもないですが単純な動脈硬化もありうるのでしょうか。
最終的にはDCAでの組織診断で有力な情報が得られないかと期待しています。

何はともあれ、現段階では治療もさることながら基礎疾患の検索が患者さんの生命予後

大きく影響すると思われますのでそちらを優先したいと思っています。
似たような症例のご経験をお持ちの先生いらっしゃいましたらご教授お願い申し上げま
す。

************************************

○○です。

先日こちらのカテカンファで同様の若年ケースがありました。

大学内をジョギング中に突然倒れてCPRとなった23歳の男性(人種は不明)です。こ
の人は一般的な冠危険因子はなく、健康のため運動もしていたのですが、幼少時に川
崎病の診断を受けて治療暦があったのですが途中で通院を自己中断しその後何の症状
もなく経過してました。蘇生後のCAGでは冠動脈瘤を含む三枝病変(RCAはsubtotalで
その他も高度狭窄)でした。結局この人はCABGとなったのですが、若年のケースでは
川崎病はやはり原因の一つとして重要です。ただし○○先生のケースでは冠動脈瘤は
なく、確かに形態的には川崎病らしくないですね。
こちらに来て驚いたことの一つに若年から本当に皆恐ろしいくらいに肥満であること
と高脂血症の合併が多いことです。そのためか男性では30歳位で動脈硬化による高度
の冠動脈狭窄があることはそんなにめずらしくありません。日本ではまだそこまで進
んではいないと思いますが。

************************************

○○です。

以前、○○病院にいたときに20才の女性でCABG後の人をみました。
その人は組長の娘で、小学生の時からシャブを含むあらゆるクスリをやっていた
そうです。

参考になりませんネ・・・・・
スンマセン。

************************************

○○です

ところで、CTOの治療方針はどうされるのでしょうか。
若年ですし、この先50年以上の年月を考えると、ステント治療には不安が残ります。私
としては、動脈グラフトが一番じゃないかと思いますがいかがでしょ
う。

************************************

○○です。

実は基礎疾患の検索のため大学病院へ転院となりましたので
治療に関しては当院の希望は反映されないかもしれません。
個人的には組織診断に興味があることもありDCAはどうかと思います。
DCA aloneでresteがないのが一番いいと思うのですが、stentもそんなに問題になるも
のでしょうか?
CABGは万が一問題が発生してからでも間に合うのではないかと思うのですが、どうでし
ょう?
ただ、CTO自体結構難しそうなのでそこがまず問題かもしれません。

************************************

○○です。

○○先生ありがとうございます。
やはり動脈硬化も何らかの原因があって起こるはずだと思います。
米国での若年者の冠動脈疾患もやはりrisk factorが若年からあるからなのでしょう。

今後の長い人生のためにも動脈硬化の起こった原因が解明されることが重要だと思いま
す。
もちろん冠動脈だけでなく全身の血管の評価も必要だと思います。
今回は根性がなく大学にお願いしてしまいましたが・・・

ちなみにこの方、クスリはやってません。
健全な若者でした。

************************************

○○です。

つまらないことかもしれないのですが、教えてください。

80y.o. male
AP
LAD/D1分岐部にaneurysmがあります。
aneurysmは分岐の股の部分から発生したと思われ、
結果的にaneurysmにD1が生えているような形になっているようです。
LADへ普通にステントを入れようと思っているのですがどうでしょうか?
D1(aneurysm)はそのまま残りそうです。

何か注意点があったら教えてください。



************************************

○○です。

D1の分枝部の状況はIVUS見ればよく分かりますよ。
この症例のD1はこぶの先に狭窄がある? でもしD1が大きくて何とかしようとか
考えるとちょっとややこしいかな?あとLAD7dにも狭窄あるし。

************************************

○○です

IVUSしてD1の瘤の末梢に狭窄がなければ瘤は無視してLADにだけ
瘤の部分と#7の2カ所にステントを入れて終わりだと思います
D1の先にも狭窄があったら○○先生の言われるようにややこしいですね
瘤の先に狭窄があるようだったらその部分にだけ分岐部にかからないように
ステントいれると思います

************************************

○○先生、おはようございます。○○です。

先日はお相手できずに申し訳ありませんでした。

瘤一般に関するコメントですが、
瘤に接する部分の狭窄は硬くて拡がりにくいことが少なくないと思います。
炎症などが絡んでいることが多いからかも知れません。

後拡張にセミコンの大き目のバルーンを選択すると、
瘤内部の拡張部分でばかり拡がって、
両端の狭窄部ではあまり拡がらないことになるかも知れませんので
バルーンの選択には注意します。

また、あくまでも瘤ですので余りに高圧をかけるのは好きではありません。
硬そうに思えるときにはあらかじめロタを使ってみることもあります。

分岐に関するコメントは皆さんと同様です。

************************************

○○です。

LADとDxへのワイヤー操作が意外と難しいかもですね。2wireでLADにstentなんで
しょうけど、Dxはまちがいなくjailすると思うので、そのあとは、ケースバイケースで
すかね。
自分なら、2wireでPOBAして、cypherいれて、Dxがジェイルしたら、KBTで、だ
めなら、reverse crushするかな?それとも、最初からクラッシュにするかな難しいと
こです
ね。
基本的に瘤にcypherって、なんとなく、いやな感じがするけど、どんなもんなんでしょ
うね?

************************************

○○病院の○○です。
当院では、この1年で同様の症例が3例ありました。1例はLMT
lesion(+), 1例は○○先生と同様のlesion, 1例は有意狭窄なしの小さな瘤でした。
前2症例はCABGを行ってもらいました。文献ではCovered stentを使った症例もありま
した。
実は6月の循環器九州地方会で症例発表予定なのです。
Ruptureする頻度とか自然予後とか調べている最中ですが、通常のステント治療という
のはどうなのでしょうか?
僕もぜひ教えてほしいと思います。

************************************

○○と申します。
 
今回は経験豊かな先生方にご意見をお伺いさせてください。
78歳・女性の方ですが、昨年11月にRCA #3のAMIで他院で#3(Driver 3.0),
#1(NIR3.0)にステント留置されている方です。
今月、動悸のため当院救急搬送されました。ECGはsinus tachycardiaだったので
すが、血圧が180-200, 心拍数が110-120程度で
UVaVF, V4-6でST低下を認めました(胸部症状は全くありませんが)
確認造影を行っておられず、当院で施行したところ#3のステント内が50%、#1の
ステントは再狭窄認めずでした。
しかし、RCA入口部に90%狭窄を認め、Cypherを12atmで留置したところ心電図変
化と共に胸部症状・血圧低下を認めました。
一時60-70台まで血圧低下し、なんとかノルアドで底上げしつつconusをwire
recrossしたところでflowもわずかにみられるようになり、
心電図も落ち着いてきて血圧も120程度で安定し始めました。
そのあとtornus, 1.5oでPOBAしたのち本幹と#3 ISRに対して高圧拡張して終了
としました。
以前のstentでjailしていたconus branchを一応、protectしておいてよかったで
すが、このようにconus branch閉塞で血圧が低下し、pre-shockに陥るような
状態までなるものなのでしょうか。別に留置前・後で硝酸薬も投与していません
し、flowの低下も認めていません。
いろいろ調べてみようとしましたが、文献なども見つからず皆さんのご意見をお
聞きしたく呈示させていただきました。
 
宜しくお願い致します。
 
また、その他の枝などでこうしておいた方がいいぞという教訓などあればお教え
いただければ幸いです。



************************************
 
遅ればせながら、入会のご挨拶をさせていただきます。

私は ○○と申します。

平成10年○○大学卒業後、他施設で研修後3年ほど前より心カテの指導を受け、

現在○○徳洲会病院で診療をしております。

以前よりこのメーリングリストの存在は先輩医師より伺っておりましたが、

今回改めていろいろとお話を聞かせていただきたいと思い、入会申し込みさせていた
だきました。

まだまだPCIを始めて間もない者ですが、よろしくお願い申し上げます。

************************************

○○です。

○○先生、○○先生、○○先生、○○先生、○○先生有難うございます。

@予想以上に硬い可能性がある。
Awire crossが難しい可能性がある。
BD1を拾おうとすればややこしくなりそう。
CaneurysmにDESは???
といったところでしょうか。
確かにD1はaneurysmからの分岐部に狭窄があります。しかもそれなりの潅流域はありそ
うです。
ただし、かなりのへんちくりんな蛇行をしておりとてもcrossが難しそうです。
D1には申し訳ないですが、そのままってことで我慢していただこうかなぁ…とやや逃げ
腰です。
もう一回シネ見てみて考えます。
あと、あんまり拡げすぎないことでしょうか。

なんとなく…ですが何か落とし穴がありそうな気がしましたのでご相談しましたが、
すっきりしました。
皆様、有難うございました。

************************************

○○です。

TRA-net の諸先生方

このたび、 TRA-net に参加させていただくことになりました。
日頃おとなしいPCIを中心にしていますが、TRA-netで刺激を受けて、
ますますPCIを積極的に考えられるようになりたいと思っております。
よろしくご指導のほどよろしくお願いいたします。

************************************

○○です

心電図は激しくV1-3でST上昇し、conus branchの閉塞所見を示しています。Brugada類
似で、不整脈のBrugada専門の先生たちは、conus領域の電位に興味があるようで、EPS
のときに私にConusに電位を取るためのワイヤーを入れてほしいと依頼されています。
(まだやってないですけど)
さて、この症例は、血圧低下したときに脈拍はどうでしたか?bradyでしたか、それて
もtachyでしたか。bradyであれば、胸痛に起因する副交感神経反射の類を考えますし、
tachyであれば心拍出量低下を考えます。でも、その下に立派な右室枝がありますか
ら、このconusで右室の全般虚血からlow outputになるとは考えにくいと思いますが。

************************************

○○です

○○先生ありがとうございます。

私も最初は迷走神経反射かなと思ったのですが、心拍数は入室時が70程度、
閉塞〜退室までが80前後であまり変動はありませんでした。
症状は以前AMIのときのような下顎の痛みはなく、頭痛と胸部圧迫感でした。
冷や汗もかかれていませんでした。
モルヒネ投与(1/2A)もしましたが変化なく、wireがrecrossできてflow改善とと
もに血圧が再上昇したような感じでした。
心拍数があまり変化がないのが、どうしてなのでしょうか

************************************

○○ です
はじめまして。このたび入会させて頂きました○○と申します。
当院は北海道の○○にあり。症例はあまり多くありませんが、末梢血管も含めて積極的
にインターベンションを行っております。PCI初心者ですので、この場でたくさん勉強
させて頂きたいと思っております。宜しくお願い致します。

************************************

○○です。

メチャ遅レスでごめんなさい。

コイルですが、トルネードってやつの2mm-3mmというやつ、長さは2cmのものを使っ
てましたがちょっと長すぎるので今手元には長さが2mmと5mmのストレートの毛羽
つき、ってのを用意してもらってます。ただ用意してから使う機会がないのでこ
れで大丈夫かどうかは???です。
2mmだと短すぎるかも、です。

pseudoaneurysmには使ったことはないです。

************************************

○○です。
当院では保険請求で造影剤を削られることが多く、院長より造影剤の使用に関して後発
品の使用の提案がありました。
私は造影剤に関しては今まで一般品の使用経験しかなく、これまでの担当症例でもアレ
ルギーが原因と思われる死亡例も5例ほどあり、なかなか使用にふみきれません。どな
たか、ジェネリック使用に関しての使用経験、副作用の頻度、メーカーより副作用等に
関して適切なfollow-upが受けることができるのか、等の情報がありましたら、御教授
お願いします。

************************************

○○です

当院ではDPC導入により心カテに関して造影剤は
ジェネリックに切り替えましたが特に副作用はありません
確かにMRさんの訪問は滅多にありませんが・・・
それで困るような事はありません

************************************

○○です。
当院は2000年10月よりスタートした新しい病院です。
開院当初よりジェネリック(オイパロミン370;富士製薬 100mlで薬価7009円)
現在まで心カテ約4800例、PCI約1700例ほどやっていますが、重篤な合併症は
経験無く、
特に不自由は感じていません。
なぜジェネリックにしたかと言うと、近隣のカテ施設との患者集めで競争
するときに、当院の方が支払いが安い!!
TRIからやるよ!! 土曜でもいつでもお望みの時間にいたしますよ!! などな
ど・・・・・
特徴のひとつにしたかったからです。
DPC導入してら(おそらく来年?)外来カテ中心にしようと思っていますので、
このまま行くと思います。

ところで○○先生のところのジェネリックの薬価はもっと安いですか?

************************************

○○です。
DPCになっても、入院のカテーテル検査のときだけのときに、造影剤がマルメになる
だけなので、いまのところ、薬剤差額などを考えると、消費税が5%であれば、正規品
のほうが、メリットが大きいと判断していますので、まだつかっていませんが、消費税
が上がると、10%になると厳しくなる可能性がありますね。
ただし、心臓カテーテル以外の検査の造影剤はマルメになるので、ゾロにかえている病
院が多いですね。ですから、300のゾロは結構使用頻度も多いので安全と思います。
CAG用のゾロをつかうとこは、以上の理由から少ないと思うので、これからなんでし
ょうね。当院もコニカのイオパミロンのゾロを検討しましたが、利益がすくなくなるの
で、やめました。

************************************

○○です。

> 私は造影剤に関しては今まで一般品の使用経験しかなく、
これまでの担当症例でもアレルギーが原因と思われる死亡例も5例ほどあり、・
・・

○○先生、この5例はどのような経過だったのでしょうか?
もしよろしければ教えて頂けないでしょうか。
(いわゆる急性期の造影剤ショックによる死亡ですか?)

************************************

以下のような5例です。
1.19○○年頃post CABGの患者さんで、以前にも心カテ時に造影剤を使用後に肺水腫を
合併し、CCUで6ヶ月間respiratorの装着、離脱を繰り返し、その後軽快し、外来f/uと
なっておられました。anginaが再度出現し、以前の使用したものと異なる造影剤で心カ
テを施行後、3日後に突然高熱が出現し、ARDS、DICを合併して7日後に死亡されまし
た。

2.19○○年頃にAPの患者さんで、PCI後1回目の造影剤使用時は問題なく経過されました
が、f/uで造影後に間質性肺炎を合併し、ステロイド投与にて一時は軽快したものの呼
吸不全にて死亡されました。

3.20○○年頃にUAPの疑いで心カテ施行した患者さんで、造影剤を使用した直後、呼吸
困難感が出現し、喉頭浮腫による気道閉塞となり、経口挿管は気管支鏡を用いても不可
能で、気管切開術を緊急で施行してもらいましたが、呼吸不全で死亡されました。

4.20○○年頃にAPの患者さんにPCI後初回投与時は問題なく経過し、1週間後にstagedで
残存病変のPCI時に造影剤投与後に、気道が閉塞し、気管内挿管を施行し、respirator
の装着を施行しましたが、肺炎を合併し、敗血症で死亡されました。

5.19○○年ごろAPの患者さんで、心カテ時に投与した造影剤アレルギーによる肺水腫で
死亡された症例がありました。(この症例は私の担当症例かどうか記憶はあやふやです
が、以前担当した、予後調査での記憶で造影剤アレルギーによる肺水腫で死亡されたこ
とは記憶しています。)

************************************

○○です

  当院ではDPC導入により心カテに関して造影剤は
  ジェネリックに切り替えましたが特に副作用はありません
  確かにMRさんの訪問は滅多にありませんが・・・
  それで困るような事はありません

************************************

○○です

うちもオイパロミン370を使用しています
具体的な時期は忘れてしまいましたが、1年半前から
使用しています
(といっても最近はオイパロミン300も多くなっています)
またPCIの造影剤はマルメになりませんので、一般品を
使用するようにしていますが、アシストを使用している関係で
時間外の緊急のみとなっています

薬価は○○先生と同じですが、納入価は大学側が
教えてくれません・・・?

ちなみに当院でもDPS導入時に外来カテを提案したのですが
カテ後の患者さんのスペース、人件費の問題で
大学から却下されました・・・・?

************************************

はじめまして。○○付属病院の
○○と申します。netへの参加をご承諾して頂きまして、
誠に有難うございます。まだ卒後4年目でして、いろいろと
ご指導頂けます様何卒宜しくお願い申し上げます。

************************************

○○です。

当院では、冠動脈造影で請求していたのですが、ワイヤーも含め結構査定
されました。
現在は、手技料は全く請求せずに使用したワイヤーなどを請求し、こういう理由
でfailureしましたと書いています。
一応ワイヤー2本とマイクロカテはOKです。

************************************

○○と申します。

○○病院の○○先生にご紹介頂きました。
この度は承認頂きありがとうございます。
まだまだPCI歴も浅い若輩者ですが
いろいろと勉強させて頂きます。

今後とも宜しくお願い致します。

************************************

○○です。
PCI不成功の時の保険請求はどのようにされているのでしょうか。特にCTOの際のワイ
ヤー不通過の時などでPTCAballoon、Stentは使用しないときは『冠動脈造影』あるい
は『冠動脈形成術』のどちらで保険請求されていますか?

************************************

この度新規に入会させて頂いた○○病院循環器科の○○と申します。

昭和63年卒で心カテは平成2年にSones法で始めました。その後現在まで心カテから離
れることなく十数年経ちましたが、Deviceが増えれば増えるだけPCI Strategyの決定
に悩まされるようになっています。この会を通じて色々と精進できれば嬉しく思いま
す。宜しくお願いいたします。

************************************

○○です。

一部の自治体で、不成功の場合はPCI手技料が査定される話は聞いています。ですか
ら、(そうした状況では)○○先生の対応はもっともだと思います。

しかし、健康保険は成功報酬の概念に基づく制度ではないと思います。PCI不成功で
手技料を請求できないのであれば、例えば、徹底したリンパ節隔清にもかかわらず、
病理で治癒切除を行えなかった進行がんの手術手技料はどうなるんでしょうか? 手
技料は、医師・コメディカルの人件費、設備や機械の減価償却費、消耗品代などを一
括した費用と認識しています。 放射線被爆や医療訴訟のリスクなども含んでいるの
だと思います。私が勤務した病院の所在地は首都圏の2都道府県に限られますが、バ
ルーンやステントの数がゼロでも、“ワイヤ不通過”で症状詳記をした上で、PCI手
技料、ガイドカテやワイヤなどの特定医療材料費は請求してきました。もちろん、ワ
イヤの数が多くなれば、それなりにコストは査定されることはありました。

術者ふくめ全員が成功させようと思ってPCIを行うのですし、手技の本質上100%成功
ということはあり得ませんから、査定に成功報酬の概念を用いるのは、多くの矛盾を
含んでいると思います。

************************************