第107集

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○○です。
ただいま地震で交通機関が麻痺する中、CCTから戻ってきました。

諸先生方に質問があります。
新規にパナルジンを処方するとき、TTP、agranulocytosis、肝障害等の頻度を患者に聞
かれたらどの位と答えているのでしょうか。第一に聞いてもはっきりしたデータが無い
ようですが。

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○○です
Tra-netの皆様、CCTお疲れさまです。
Lenox Hill 時代のDr.Issam Moussaの報告(チクロ1390例)では
(1999Circulation)、パナルジンによる1ヶ月までの副作用は10.6%に発現し、投薬中
止に至ったものが3.3%のようです。副作用の内容は(0.3%の顆粒球減少、6%の皮
疹、4.4%の消化器系)と報告されています。TTPに関しては報告されていないようで
す。参考になれば幸いです。

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○○です。

CCTのLMT bifurcationのセッションでPark先生が非常に興味深い症例を提示されていま
した。LMTにkissing stentされた症例で6ヶ月F/Uではどうもなかったのに1年後にLMTの
なかの
stentでできた隔壁のなかに血栓?かと思われるスリットができていました。という
か、血管壁からは離れた場所だったので血栓としか考えられないと思いました。
この症例を見て、特に○○先生の症例の症例では最初に○○先生が言われたように
(DCA+)BMSがよいのではないかと考えました。理由は、CypherではやはりEEMが5.7も
ある血管壁には密着できず、その場合Park先生の症例のように(少しsituationは違い
ますが)浮いているmetalにかなり後から血栓がつくことがあるのなら、怖いのではな
いか、ということです。この方の今後のQOLを考えると、(運動はアドレナリンを増加
させ血小板を活性化させますので)いつまでも血管から浮いていて血栓症の可能性のあ
るCypherよりはDriverの様な広がるステントを広げるだけ広げといて6ヶ月で多少
Lumenが狭くなってもstentが血管壁に埋まりこむう方がよいのではないでしょうか。
BMSなら、F/Uしてある程度のLumenが取れていて(おそらく取れるとおもいますし)運
動負荷
(BOKなら運動は可能になるのではないかと思います。でも、DESであればもっと待った
ほうがいいでしょうし、パナルジンかクロピドは(運動を続けるあいだは)ずっと続け
たほうがよいと思います。

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○○です。

> Lenox Hill 時代のDr.Issam Moussaの報告(チクロ1390例)では
(1999Circulation)、パナルジンによる1ヶ月までの副作用は10.6%に発現し、投薬中
止に至ったものが3.3%のようです。副作用の内容は(0.3%の顆粒球減少、6%の皮
疹、4.4%の消化器系)と報告されています。

これはすごく実際の印象にあってますね。ありがとうございます。

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○○ です。

これも遅レスですが。。。
大きなLMのCypherの入れかたではedgeの位置を工夫して浮く長さを短くすること
が大事だし、これは十分可能だと思います。だから3.5を使ってMLD4.0ぐらいの
ところにproximal edgeをおけばKissing Cypherのようなことは心配しなくても
いいでしょう。Driverでrestenosisになった時のほうが嫌です。

運動をされる方であれば抗血小板剤は僕も続けると思います。それとマラソンは
かなりの脱水と血栓性の亢進をもたらすと思うのでさすがにやめたほうがいいの
では、と話をすることも考えます。でもこれは最終的には本人さん+家族の決定
に任さざるを得ないところもありますので難しいですが。。。

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○○です。 メール文字化けしていたみたいで済みません。
又、文字化けしないといいのですが、、

○○先生の御指摘の“内腔の大きなLMにIVUSを見てDESを入れてバイパス死亡以
上の問題を起こすとは到底思えませんがいかがでしょうか。いずれにしても低い
確率と思います。” という先生の意見には私も賛成です。9月のTCTでDr
Colomboが発表したデータでちょっと気になる報告があったので、一応提示しま
す。
○○先生の質問の答えになっているといいのですが、、、、
Late Thrombosisに関しての情報です。9月末のTCTでDr Colomboが発表された、
TAXUS22年F/Uデータ(Stent Thrombosisの発生頻度)です。

control BMSTAXUS SRTAXUS MR
<=1day0.00.8(1/131)0.0
2day-6mo0.00.00.0
6mo-1yr0.00.8(1/130)0.7(1/134)
1-2yr0.00.8(1/129)1.5(2/131)


ちなみに、SIRIUSの2年F/U では、いわゆるLate Thrombosis(30日以降〜2年)
が0.4%です。(SIRIUSではBMSにも0.6%生じています)。
プロトコールではTAXUSIIで3ヶ月、SIRIUSで6ヶ月のクロピド投与が行われてい
ます。この結果をどう解釈すべきか私も解りませんが、こういう背景があって、
クロピド投与の時期が1年と長くなったのかもしれません。参考にして頂ければ
幸いです。

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はじめまして。私、S58年卒の中年医師です。実はまだTRAでのインターベンション
は未経験です。いい止血キットがでてから、まあ慣れたfemoralでいいかとTFAを続け
てきましたが、やはり患者さんの満足度はradialが上かなと感じるようになり、TRA
をtryしようかと思いはじめてきています。いろいろ勉強させて頂きたいと思います
ので、よろしくお願いいたします。

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○○です。

皆さんにご意見頂いた症例のPCIを行いました。

7Fr.TFI、ガイドカテジャドキンス4.0ショートチップ
1、LADのみにワイヤークロスし、IVUSで観察。
2、カンタムマーベリック4.5-8mmにてLMT長を計測し、Driver 4.0-9mmを選択。
(前拡張はしていない)
3、ステントを12気圧で拡張後、IVUS。
4、カンタムマーベリック4.5-8mmで後拡張を行い、IVUS。
5、さらにカンタムマーベリック5.0-8mmで拡張後、IVUSし、終了。




Cypherを使用しなかった理由
1、Cypherは3.5-18mmより短いのが手に入らず、LMTを越えてLADまで入れなけれ
ばならない。その時にCX側をどうするか?
ステントのストラットを拡張せずにそのままにするのか、KBTで拡張するのか?
 狭窄がないLADやCXにバルーンをかけてまでCypherを使用する意義があるのか?

2、先週の土曜日、湘南鎌倉病院にて木村先生(京大)、○○先生、○○先生、
○○先生を交えてお話したときに、Cypherの長期成績で、アスピリンを切った後
に閉塞を来たした例が数例あると聞き、「いつまで経ってもストラットが内膜に
覆われない例もあるのかな?」と考え、LMTにCypherを入れるのにチョットだけ
ためらいが生じてしまったこと。(すでに数例は入れているのですが・・・・)

3、やはり木村先生が、パナルジンの副作用は1ヶ月から2ヶ月目に一番多く発現
すると言われたので、25日間パナルジンを飲ませている今回の症例では、
Cypher留置直後に副作用が出る可能性があること。(だから木村先生もパナルジ
ンの試し投与はしていない。せいぜいステント留置の3日前からの投与が安全と
言われていました)


DCAを選択せず、BMSのみにした理由
1、プラークが柔らかそうなので、ステント径4mmを確保できれば
12mm2以上となるので再狭窄率が低いと考えられる。

2、例え再狭窄が来てもバルーンやカッティングで凌いでいれば、来年6月には
「クロマチー」ではなくなるようだし、短いCypherも手に入るかもしれない・・
(9回裏、クロマティ-が敬遠のボールを打ってサヨナラ二塁打にしたシーンを覚
えています。Cypherとは関係ないですが)

結局LMT os で、4.6x3.9mm(14.1mm2)でした。
IVUSの動画は重いので、ホームページからダウンロードするようにしました。
時間がかかると思いますが根気よくダウンロードしてください。

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○○です。

○○先生、素晴らしい手技だと思います。BMSを用いてLMTにのみstentingするならステ
ントの径、長さの選択はこれしかないと思います。ステントは正円によく拡がっていま
すし、positioningもばっちりです。ただCAG上では全く狭窄は認められませんが、プレ
のIVUSでLMTからLAD just にかけてCXの対側にプラークが少しあるのが気になっていま
した。ポストのIVUSでもステントのdistal edgeはこのプラークの中にありますから、
厳密にはlesion full coveragenにはなっていませんが、CX入口部をjailしないように
位置取りをするには仕方ないと思います。いずれにしても、もし再狭窄がくるならedge
ではなくてやはり元々の狭窄部位だと思います。BMSではありますが、これだけ見事な
手技で終了して再狭窄になったらちょっと悔しいですがBMSの限界だと思います。

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○○です

○○先生 IVUS上も素晴らしい出来だと思います
Cypherにこだわらず、BMSを使用された事も賛成です
ついついLMTにはCypher にこだわってしまっていますので
勉強になりました

やはりこの病変だとステントぽんが一番楽だし、私もステントぽんって
終わります

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○○です。

ご相談です。

70y.o. male
AP
risk factor : HT

画像がないですが、dominant RCA#90%に対してCypher 3.5×23mm×2本で既に治療済み
です。
LADのlesionもCypherを使おうと思っているのですが、OM, D1, D2と3本のbr.がからん
でします。
D2はStent+KBTで良いと思うのですがOMとD1はそれ自身に狭窄があるので
こちらにもそれぞれCypherを入れようかと思っています。
ところでCrash stentとY-stentの差は
@本幹をjailすることで本幹MSAを小さくする可能性があるかどうか、
ABr.のMSAを小さくするかどうか、
B本幹recrossで手間を取る可能性があるかどうか、
Cbr.へのTVRが困難となるかどうか
などを個人的には考えています。
本症例のように本幹の血管径が3.0mm位ならY-Stentがいいかな?と思っているのです
が、

そうするとOMとD1の2箇所でしなくてはならず、結構手技が煩雑になりそうです。
今のところOM,D1はY-stent、D2はStent+KBT(もしくはStentのみでKBTなし)でどうか
な?
と考えているのですが、いかがでしょうか?

今までにこのような症例に遭遇したことがありませんので皆様のアドバイスをいただけ
れば幸いです。



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○○です。

D2は、起枝部に病変がなさそうですから、放置。D1とOMも血管径が細いのでわざわざ
YやCrashをやらなくても、Stent+KBTで、どうしてもひどい解離ができたときだけ
provisional stentではダメでしょうか? 側枝の径が、2.5mm以下であれば、Yや
(私は嫌いですが)Crashといった手の込んだ手技でなくて十分と思います。

LADは、distalに3.0mm、手前はLMTから3.5mmを入れたいところですが、ちょうど、D1
が出ているところで重なりそうな予感がします。正確に、IVUSで長さを計って、分岐
部でのCypher2枚重ねは回避しないといけませんが、Cypher自体のバリエーションの
関係で、時に困難です。なんとも辛いところです。

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○○です。

本幹主義でよいのではないのでしょうか?
特にCrashは何例かやってみましたが、ワイヤーのre-crossはそんなに難
しくはないのですが
バルーンのcrossに結構難渋します。
D1やOMは血管径がそんなに無いように思いますので、stent+KBTが最も良い方法
かなあと思います。

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○○です。

○○先生の指摘するとうり、最近はホンカンにjailすることで、ホンカンステントの
MSAを3以上とれないということと、最近は3は最大ということで、ストラットの穴が中
心におけないような場合は3も取れないということに気づいて、cypherに関してはYは
してません。全部○○先生のいうとうりに、ホンカン主義のcrushです。30例近くしま
したが、バルーンの選択がよければ、かならず、final KBTができます。(とい
うか、crushは必ずしないとだめですがね。)
結論は、OMは、crush,あとは、provisional stenting(reverse crush)ですね。

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○○です

私も本幹命です
可能ならLADにD2, D1をJailしてCypherを入れて
D2は大丈夫そうだから、まずワイヤーはD1で
後は横穴あけてKBTで終わりにしたいです
D2はつぶれなければ放置で如何でしょうか?

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○○です

cypherによるYステントと本幹のみのKBTでは長期成績に差があるような報告はないと思
います。crushに関してはやや成績が悪いのではないでしょうか?よって、Provisional
に本幹に植え込み、側枝が悪いようであればYにするというstrategyが現在の基本と考
えています。Yは面倒なのが最大の問題ですが。

この基本方針で問題になるのが、ワイヤーリクロスができるかどうかで、側枝の角度が
問題と思います。この症例だと、OMとD2は容易にリクロスできそうですが、D1は90度く
らいの角度があり難しそうです。ですから、D1のみ例外で最初からY(しかも側枝先の
ステント)で、あとは本幹主義のだめならYの方針とすると思います。

もし全部Yだったら、1回のYでワイヤーリクロス3回ですから、3X3で9回のリクロスで
すね。頑張ってください。

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○○です。

ご無沙汰しています。10月より○○先生に拾ってもらい、仮入部期間が終ったと思い
ますので転勤の挨拶いたします。
○○先生をはじめTRAネットの常連の○○先生、○○先生、○○先生、○○先生にご
指導いただきながら少しずつ新しい環境に慣れてきました。もともと○○病院の○○先
生組であったせいか、熊本出身ではない
のですが○○先生、○○先生の熊本組に入れてもらってます(?)
 未熟者ですが、今後ともよろしくお願い申し上げます。

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○○です。

○○先生、radialist.comのほうで、Tra-netの過去ログが100集になりましたね。お
めでとうございます。

これほど続いたのも、ここまでメンバーが増えたのも、過去ログをきちんとした形で
アップし続けた先生のご尽力の賜物と思います。今後も、メンバー全員にとって、有
益な情報交換の場でありつづけることを期待いたします。

ところで、最近写真が載っている中国の病院ですが、PCIに行かれたのですか? よ
ろしければ、旅のご印象でも、聞かせてください。

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目指せ、262!

<○○>への華麗な転身に驚いています。熊本のあまり綺麗とはいえない焼き鳥屋が似
合っていたので、横浜での生活が想像できません。○○の影響か、イチロー並みの打率
で急性冠症候群を急患で呼んでしまっているらしいですね。ご活躍を祈念しています。

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○○です。

僕もこの症例なら本幹手技ですね。この程度の枝ならつぶれなければそのまま、
つぶれたらKBTと思います。どうしようもなければreverese Crushでしょうか。
特にD1(真ん中の枝)。
Crushは外人のCrushは悪そうですがYよりやり方の差が出そうです。だからしば
らくはCrushをして結果を見てみようと思ってます。Yは面倒なこととVelocityの
構造からくる制限(○○先生の指摘にあるとおり)がありある程度以上の大きさの
分枝には限界があると思います。

あ、あと最初に本幹のIVUSで側枝側にどの程度の固そうなプラークがあるかをチェッ
クしておいてよほど固そうならCrushを考えるかもしれません、つまりKBTでの結
果が悪そうなら。

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皆様、早速の多くのアドバイス有難うございます。

crushの良いところとして本幹にあまり影響を与えず側枝の開存が得られるところでは
ないこと思います。
そんなに大きな枝ではないけど詰まったら辛い⇒後のことは考えず流れていればオッケ


という側枝に良いのではないかと思います。
DをKBTで粘った挙句にwireを抜いたとたんにdelayになり、recrossしようにも出来なく
なったこともありました。
minorでもMIになると辛いです。
D1はなんとなくKBTで乗り切れそうな気がしないことと、○○先生のおっしゃるように
recrossは難渋しそうなので
OMはstent+KBT、D1はcrush、D2はflowよければそのまま手つけず。
を第一選択にいきたいと思います。
あと、○○先生がおっしゃられるようにステントの継ぎ目重々気をつけます。

分岐部病変のとてもよい勉強をさせて頂きました。
有難うございました。

ところでお恥ずかしいのですが、教えてください。
reverese Crushというのは・・・
本幹にステント入れた後に側枝にステント入れて側枝のステントをcrushする・・・
ということでよいのでしょうか?
普通のcrushと比較してどうなのでしょう?
手技的なこと初期成績、遠隔期成績(の予想)など教えていただけないでしょうか。
よろしくお願いいたします。

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○○です。
reverseCrashは本幹のステントを側枝のステントでcrashすることです。
これはワイヤーのre-crossが側枝の角度きついと非常に難しくなり、また
バルーンもcrossできなくなることがあるので
角度の浅い本幹側のステントをcrashすることで、その後の手技
をやりやすくするという方法と思います。
そうですよね!○○先生

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○○ です。

ごめんなさい、僕の書いてる名前が間違ってる可能性が高いですね。
僕のイメージは○○君の書いたとおり、後から側枝にステントを入れてそれを本
幹側から再度crushする、という方です。
でももともとのreverse crushは○○先生の言うとおりの気がします。

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○○です。

そうです。100集になりました。

皆さんからのメールを○○を付けて公開して、TRA/TRIに興味のある方へ
のメッセージや勉強の場を作ろうという、荒っぽい手法を実践して5年になりま
した。
このネットへの勧誘活動は基本的にはしていませんが、この過去ログを読んで”
面白そうだ”と入会希望者が断続的にあり、現在のところ○○○人になり
ました。

皆さん、今後ともよろしくお願い申し上げます。


中国の写真ですが、9月に瀋陽に行って4つの病院を回り、9例のTRIを施行
してきました。私が行ったのは、症例数年間100〜300程度の病院でしたが、
すべての病院にIABPがありませんでした。
中国ではPCIは病院にとっても、「術者個人」にとっても大変おいしいものだ
そうで、そのため「術者」は若い先生には絶対に技術を教えないそうです。
7000万人の人口(リョウネイ省)に対して、カテ室は30だそうです。
「中国のカテ室事情」については先月の九州ライブのコメディカルセッションで
動画を交えてプレゼンしましたが、大受けでした。面白い話もたくさんあります。

10月に行かれた「○○・○○の中国珍道中」でも変なエピソードがたくさんあっ
たそうですよ。

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○○

コロンボがPCRから使いだしたreverse crushは、○○、○○両先生のいう方法です。ス
テントをホンカンにいれて、KBTをしたあとに、分枝にステントをいれて、ホンカンの
バルーンでクラッシュします。この方法だと、original crushでは○○先生
がいうように、分枝の角度がつよいと、KBTができないことがあり、その原因として、
分枝にワイヤーがリクロスするのに、ステントストラットが2枚がふりなので、このリ
ヴァースだと、ステントは一枚なので、Yと同じようにワイヤーのリクロスが簡単なた
めに、編み出された方法ですが、スライドにあるように、コロンボは、いつのまにか
provisinalにあとで、分枝にステントをいれるときに、する方法にかえていました。
PCRでは、reverse crush後のKBT後に分枝の奥のストラットがホンカンにうきでてくる
ので、あぶないという先生もいました。



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○○です。

鎌倉ライブからもう一つのお知らせです。

 鎌倉ライブでは、皆様のTRI症例の中でも”これこそTRIの真骨頂”とい
う皆様秘蔵の”お宝”を募集します。集まったお宝が多い場合は、こちらで一次鑑
 定を行い、「本選会場へ」持ち込むお宝を3〜4症例決定させていただきます。

 本選は12月11日(土)、20時から横浜のホテルで行われる鎌倉ライブの
パーティの中で、”TRI鑑定団2004”として行われます。
ここで鎌倉ライブお抱えの 世界に名だたるTRI鑑定士の先生方が、その真贋
や価値を判定され、最も価値の高かったお宝には、”いい仕事してますね〜〜〜”
のお言葉と、”Radialistof the year"の称号、さらに記念品が授与され、
Radialistとして永遠に称えら れます。

みなさん、この機会に是非秘蔵のお宝を”TRI鑑定団2004”に出品されま
せんか?

 出品は、簡単な症例紹介、TRIの手技の説明、苦労したところ、自慢したい
ところなどを明記し、シネCDと共に提出することになりますが、出品希望
 の方はその前に○○までメールでご一報ください。

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○○です.

Yは面倒なこととVelocityの
> 構造からくる制限(○○先生の指摘にあるとおり)がありある程度以上の大きさの
> 分枝には限界があると思います。
ただしreversed Crushステントの場合は,優先させる本幹へのアクセスは2枚のストラ
ット越しになる(Yの場合は1枚のストラットですむ)ので
すよね? ストラット2枚越しと1枚越しの場合,あまり差はないのでしょうか??

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○○です。

近頃tight proximal LCXの患者さんを続けて診ましたが、失敗
の連続で、ここで皆さんのご意見をお尋ねします。

二つのケース(写真1,2)で皆、proximal LCX total
occlusion
にワイアは刺さりましたが入りませんでした。ワイアは最初はintermediate,
その後、うちのボス先生がCrossIt-400を試してみましたが同
じでした。GCはいつも使っている5Fr/6Fr XB3.5, バックアッ
プをあげる為にtransport catheter (Excelsior) をつかいま
した。

結局、一番目の患者さんは高齢で、LAD CTO とRCA lesionは解
決できたのでそのまま退院、二番目の患者さんは triple vessel
total occlusion, LV dysfunction (EF=20%)
で CABGになりました。

tight proximal LCXはバックアップが難しい難題とかんがえら
れます。そこで、経験豊かな先生達のご意見をお尋ねします。



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○○です。

Circum lesionの際、右TRIではAL2を使用してカーブを伸ばすのはいかがでしょ
うか?。LCAに入ったら、ちょっとガイディングを引くといい感じのバックアッ
プが得られることが多いと感じています。

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○○です。

私も少し危ない手技なのではないかと感じました。
本幹のステントの内側に側枝のステントを押し付けることになると思いますが、
直後はうまく押し付けられていても遠隔期に浮いてくる可能性が十分あるのではないで
しょうか?
crush直後でも十分に押さえつけられていなくて、何かのdeviceを通すときに引っ掛け
てめくれてしまったら
最悪の事態になるような気がします。
今回の症例のように本幹に2本のCypherを使用する場合にreverce crushしたstent
prox. edgeを
2本目のステントで押さえつけてしまえば、その危険性はなくなりますので”あり”な
のかもしれませんが、
普通の分岐部にはちょっと怖い気がします。特に将来TVRがある可能性のある方は特
に・・・
・・・と個人的には思うのですが、いかがなものでしょうか?
意外と大丈夫なものなのでしょうか?

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○○です。

LCx入口部のCTOですから、太いカテで磐石の足場でやるほうが良いと思います(そ
れでも、とても難しいケース)。LMTの太さによりますが、可能ならLCx入口部直前
まで、XBやEBUのtipを、LMTとまったく同軸に入れたい状況です。ガイドカテ以外の
要素で、サポートを増す手段としては、8Fr 65cm Iron Metal Sheathという手があ
ります。もちろん、足からしかできませんが、これを入れると、シンプルな形状のガ
イドカテでも、信じられないくらいのサポートが得られます。

また、静止画だけなので、詳細はわかりませんが、まったくstumpがないのであれ
ば、マイクロから入れたワイヤが、正しくLCx本幹に穿通していることをIVUSで確認
したほうが、成功率は上がるでしょう。そういう意味でも、太いカテが良いと思いま
す。Terumo IVUSなら7Fr、CIVISなら8Frが必要です。

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○○です。

本幹側がある程度大きければ大丈夫のように見えました。IVUSでも。内腔に石灰
化が突出している感じでまず大丈夫でしょう。ちゃんと潰したストラットをまた
めくり上げるなんてまず無理と思いますし。

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○○です。

ガイドカテーテルは僕もALを選択すると思います。それとやはりwireですよね。
Conquestの入り込みやすさ、が非常に威力を発揮する状況だと思います。韓国で
は使えないんですよね。。。
この領域だけは日本の有利性を感じますね。。。なんか変な優越感を感じて屈折
しそうです。

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○○です

趣味の為に(?)back upの弱いモノを使用する事が多いので、私もCXへのアプローチ
は苦手としております。

私が困った時に時々やる事は...

(1)ワイヤーを何本か入れる
本幹ではなくCXの枝に一本はいるだけで分岐部がのびて少し良い事があります。
false lumenに入ったワイヤーがCXをのばしている為に二本目のワイヤーが操作性が
非常に良くなり上手くいった事もありました。
(調子に乗って3本以上ワイヤーを入れると何がなんだか解らなくなって困った事も
有りましたが...)
5Fr使用時にはLADに一本入れておくだけでも結構良い事もありました。

(2)子カテを使用
それ自体でもカテーテルが硬くなりback upが強くなりますが、できれば5Fr子カテを
少しdeepしてCXの途中まで入れる事が可能であればかなり頑張れます。

(3)tornusを使用(○○では使用出来るのでしょうか?)
硬いsupport catheterとしてback upは強くなります。
でも、あまり長く使用していると、内腔に血栓が付くためか操作性が悪った事があり
ました。

ワイヤーはやはりコンクエストだと思います。back upが小さくても良く刺さってく
れます。すみません。

○○先生のケースはとても難しそうで、根性無しの私は太いカテを最初から持って行く
とは思いますが...

ご参考になれば嬉しいです。

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○○です。

沢山の先生達から教えていただいて誠に嬉しい気持ちです。

太いガイドカテがもちろん良いでしょうが、ガイドカテ自体の
バックアップは6FrXBでもそんなに不足気味では無いと考えま
した。

問題はguidewireがCTO lesionに対してまるでtight blunt angle
branch ostial total occlusion
の様に横の方に力が入るため、鋭いguidewireでも真っ直ぐに
同軸の方向に進まず、横に跳ねてしまう事だと考えました。

うちではALはXBよりバックアップが弱いとされており、LCAは
皆、RCAも難しい時はXBカテを使います。でも、ALを使って、CTO
直前までカテを入れて試すのがまず一番よさそうで、次には試
してみます。

大き目のOver-the-wire balloonでproximal LCXにアンカーを
かけてguidewireを押すのはどうでしょうか。

Conquest は入荷されるそうですが、私の病院では好む先生が
無くて在庫はありません。(私が多く使うようになるかも?)intermediate
wire
で通過できないと普通CrossIt-400が使われます。

Tornus はまだ入っていません。硬い病変の時、ローターはワ
イアを換える必要があるので、ワイアを換えずに使えるデバイ
スがあったらとっても助かると思います。

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○○です。

ワイヤリングの技術的な面をいうと、Conquest でも、Miracle 12でも、このLCx入
口部はかなり大きめに曲げないと、突き刺さりません。さりとて、そのままCTOを通
過させようとすれば、曲げが大きいので、まずfalseにはいります。ですから、ワイ
ヤが突き刺さった状態で、何とかマイクロをCTOの中にいれることを考えます。少し
でも、マイクロもさされば、一旦大きな曲げをつけたワイヤを抜去して、CTOのチャ
ンネル探索用に、小さくDoubel-bendをつけたものに変更し、あとのチャンネルを探
します。

このマイクロを突っ込む過程では、サポートを稼ぐため、一本目のワイヤは意図的に
falseに深く突っ込む方法もあろうかと思います。通常のマイクロが食い込まなけれ
ば、トルナスを使うのがよいでしょうね。やはり、ワイヤの操作性の面から見ると、
通常のマイクロが入るなら、そちらを優先したいです。

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○○です。

reverse crush stenting についてですが、
(1) 本管にstenting
(2) 側枝にstentingして本管側のstentをcrush
(3) 側枝側stentのストラット越しに本管側にワイヤーをrecrossしてKBT
というのがコロンボがPCRで見せた手技だと思うのですが…(リアルタ
イムに飛ばした映像を東京のG社のラボで見ていました)。

どなたか、reverse crush といわれている手技の現在の定義を教えて
いただけませんか? よろしくお願いします。

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○○
PCRのbifurcationのセッションでコロンボがだした症例は、ホンカンにステントし
て、KBTをして、だめなら、側枝にステントして、それをホンカンのバルーンいれて、
クラッシュして、最後にfinal KBTで治す治療でした。
今回スライドでも、コロンボが、分岐部に対しては、provisionalにホンカンをステン
トして、だめなら、reverse crush stentingをするという書きをしているので、○○、
○○先生の定義では、無理と思います。
○○先生の定義は、ホンカン、分枝というの逆ですが、ステントを同時にいれておかな
いといけないので、provisinalにはできませんから、やはりその手技はクラッシュとい
うのではないでしょうか?
コロンボが好き勝ってにいってる手法ですから、どこで定義がかわるかわかりません
が、僕はこの方法を聞いたときには、DESならでは、方法なので、感動しました。
いかがでしょうか?

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○○です.

本日LADseg7のCTOを治療しました.病変はD1と細い中隔枝がほぼ同時に分岐した直後で
のCTOで,対角枝とは反対側に断端らしきnotchみたいなものがありました.通常に
Wireを挿入すると中隔枝に入ってしまうのでそこにWireを留置したまま,notchらしき
ところをMagicFAでまさぐりましたがなかなか突破口が得られません.その時○○先生
がいわれていた“分岐部の法則”のことを思い出し,思い切って対角枝側(notchと反対
側)すなわちガイドワイヤーでふさいだ中隔枝の根本あたりを強引に?まさぐってみる
と少し中隔枝に入ったあたりからLADの突破口が見出され,その後はConquestProに変更
しすんなり治療完了した症例を経験しました.いやはや“分岐部の法則”いや“落合の
法則”はスゴイと実感させられた症例でしたが,,これは一般的な法則として知られて
いるのでしょうか?

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○○です
 皆が遭遇する非常に興味ある一例だと思います。 D1とseptalとnotchの位置関係
を詳しく知りたいので、静止画でいいですから載せてください。

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○○です。

皆様、ご指導有難うございます。

本幹crushってアリなんでしょうか?
とっても罪悪感に苛まれそうですが・・・

先日のbifurcatin×3の御報告です。
昨日、行ったのですが当直をしておりまして御報告できませんでした。

最初に、お詫びいたします。
この度も”また”・・・完遂できませんでした。申し訳ございません。
先にもお書きしましたように先週末にRCAへCypherを入れています。
それからTiclopidineを開始していましたが、今回LADのPCIのために再入院して頂きま
したところ
な、な、なんと全身蕁麻疹だらけでした。幸い、肝機能は動いていませんでしたが。
(小生はというと・・・前日の夜から何度もシュミレーションしてconcentrationを高
めていたのですが・・・)
というわけで急遽、Driverへ変更になりました。
大きなLAD本幹にBMSでY-stentをするのは気が進まなかったので
結局、Stent+KBT×3にしました。
distalからDriver3.0×24mmを入れてD2、D1の順にKBT(側枝はM2 2.25×20mm)。
distalのDriverへoverlapさせて手前へDriver3.0×18mmを入れて
LMTをQuantumMaverick4.5×8で拡張して最終OMと12atmKBTを行い終了しました。
実は思っていたよりもずいぶんと綺麗に終われたので結果的にはcrushも
必要なかったのかな???って感じです。

前回も同じことを書きましたが完遂は出来ませんでしたが、とても勉強になりましたの

今後に生かしたいと思います。
有難うございました。



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○○です。

○○先生、
ワイヤー3本でKBTを繰り返しているようですが、システムはTFIの7Fr.
でしょうか?

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○○です。

> ワイヤー3本でKBTを繰り返しているようですが、システムはTFIの7Fr.
> でしょうか?

2年前の鎌倉Liveでもpresentationしたものですが・・・
例の"半端モン"シリーズの6.5Fr.です。
もちろんTRIです。
これならradial刺しても罪悪感は少ないです。
7Fr.は少し罪の意識に苛まれますが・・・っていうか入らない人も少なくないですし。

CypherやDriverのSDSを使ってKBTもラクラクです。
詳しくは今年の鎌倉でももう一回presentationする予定です。

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○○です。

○○先生、レスが遅くなってスミマセン。私の雑学がお役に立ったようで、とても嬉
しく思います。

>これは一般的な法則として知られているのでしょうか?○○先生?

さて、どうなのでしょうか? こればっかりは、私がお答えするのは、少々難しいで
す。

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○○です。

 ○○先生 お疲れさまでした。
この病変であれば、僕も本管主義で行ったと思いますし、Cypherが使えない条
件があり、PCIするのならばやはりDRIVERを選択しただろうなと考えていま
す。
 それに僕はDESとは言えやっぱりCrushについては消極派です(本当は実際に見たこ
とがないので、大きな事は言えないのですが、、感覚的にどうも、、、Reverse…に
ついては○○先生の解説を読ませていただきなおさら腰が引けました。出来上がりを
見たこともない人間の意見では説得力がないですね  <(_ _)> )。

 ところで、この患者さんはDRIVERが約40mm入ってしまったわけですが、チ
クロピジンが使えない! そうなると抗血小板剤はアスピリンとプレタールって事で
対応されているのでしょうか。
 総ステント長を考えると少し不安になります。 ○○病院の○○先生は、
『ステント後は全員アスピリン+プレタールにしていてSATを起こしたことはない』
と仰っていたのでそれでも良いのかなとも考えます。
 しかし、患者さんの状態が待てる安定型の狭心症であればβ-blockerを中心とした
内服治療で、時が来るのを待つ(『クロまち』)ってのも一つの選択肢になったかな
とも考えます。

 色々考えさせていただきました。

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○○です。
CTOの○○先生のクロス理論はいつもつかっていますが、CTO時の分岐部の理論っ
て、なんですか?教えてください。

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○○です.このスレッドの言い出しっぺなので簡単に前ふりさせて頂きます.

断端にとっかかりがなくツルツルで何処をつつけばいいの?といったようなCTOは時に
遭遇しますが,閉塞直前にD1などの分枝がある場合,ガイドワイヤーを通すべきエント
リーポイントは枝側にあることが多い....という法則です.すなわち分岐部におけ
るプラークの分布パターンとしては枝と反対側にある場合が多く,それが進行して閉塞
すなわちCTOとなるとすれば,最後まで残る本幹は枝側にあることが多いであろうとい
うことです.これは○○先生が自身のCTOの症例を全て再検討した結果から得られた
“法則?”ということで,とある講演会でお話しされていたのを聞かせてもらったので
すが,CTOビギナーの自分としてはとても印象深いお話でした.もし一般的な常識?で
あれば申し訳ありません.詳細は○○先生のレスに期待して頂ければと思います.

○○先生のリクエストにお答えして症例をアップします.遅くなってすいません.
画像17:ガイドワイヤーは中隔枝に入っている.D1と反対側にnotchがありそう.その
あたりを長い間つつくも,手応えなし.
画像33:“落合の法則”を思いだし,2本目のGW(Conquest Pro)でD1側をまさぐる.
画像36:すると少し中隔枝に入ったところからLAD方向への突破口?が見えた?
画像46:これが“当たり”で本幹のgetに成功した.





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○○です。
colomboが使用しているクラッシュは、standard crush, reverse crush(provisional
crush)
, step crush(これは、TRIでのクラッシュですよね。)で、○○先生のは、inverted
crushというそうです。

○○先生ありがとうございました。分岐部の法則は、DCA時のあの法則の応用なのです
ね。了解です。



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○○です。

11/7当直、11/8重症患者さんのため今帰宅しました。
ご返事が遅くなりました。
urticariaはでているのですが、血液データーは異常ありませんでしたので、
H1-blocker内服して頂き、頑張って2週間くらいはTiclopidineを続けるつもりです。
幸いにもurticariaは改善傾向です。
クロ待ちですが、いつまで待つか分かりませんし・・・
この患者さんはそこまで待つ余裕はないと思いましたので・・・
そう考えるとticlopidineが今がstent(BMS)入れる良い時期と判断し入れました。
BMSなら2週間も入ればOKでしょう。
○○先生の”パナなしOK”という心強いポリシーもお守りになっています。
というわけで、ただいま、ticlopidineで頑張っています。
2週間くらい頑張ればDESもCilostazol(50mg) 4T 4×に変更しても許される?
というか・・・仕方ないかもしれません。

今のところ、そのほかの患者さんも含めてurticaria出ていても血液検査で
肝機能障害などが出ていなければH1-blocker内服しながらticlopidineを
継続してもらおうかと考えているのですが、これは許されるのでしょうか?
それとも早急に中止すべきなのでしょうか?

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○○です。

レスが遅れまして、すいません。分岐部の法則についてご紹介します。

LAD入口部のDCAをやっていると気がつくことですが、IVUS上、plaqueはLCxの反対側
にあります。もし、高度狭窄が進行して、CTOになるとすれば、plaqueの分
布は基本的には変わりませんから、真腔はLCx側に存在することになります。つまり、
こうした分岐部病変におけるplaque分布を踏まえれば、側枝
分岐部におけるabrupt typeのCTOで、ワイヤを刺入すべき部分は、側枝の付け根(と
いっても、側枝が出る分、本幹は少しtaperがかかるはずですから、1mmくらい内側で
しょうか?)で、刺入の方向は、側枝と反対側になるわけです。

fig2-1は、PL分岐部のLCx CTOですが、PL方向からIVUSで閉塞した本幹を確認したう
えで、この原則を踏まえて、浅く大きめに曲げたMiracle12grで、proximal fibrous
capを穿通しました(fig2-2)。PLは、左房枝側から回り込むことがありますが、閉塞
したLCx本幹から見て、LADと同方向に分枝することも、もちろん、確認していま
す。こうしたCTOのproximal fibrous capは非常に硬いですから、Miracle3程度では
まず穿通は不可能なので、最初から、Conquest Proとか、Miracle12grを使います。
Conquest ProはDouble-bendにしますが、単にproximal fibrous capの穿通だけを考
えれば、浅く大きめに曲げたMiracle12grが最強ではないかと思います。ただ、こう
した曲げで、CTO内のチャンネルを選択するのは不可能なので、穴だけあけたらさっ
さと抜去し、Double-bendに曲げたConquest Proに入れ替えました。この症例では、
途中の小さなPLに入ったので、さらにparallelにもう1本、Conquest Proをいれて、
(短いshort cutはありましたが)遠位部冠動脈に進めることができました
(fig2-3)。



次の2例は、IVUSが使えなかった環境での手技ですが、こうした法則を活用すること
で、何とかなった症例です。fig3-1は、1st major septalが分枝した直後のLAD CTO
です。Conquest Proも、すべてseptalに滑り落ちてしまうので、floppy wireをsepta
lに入れた後、2.0mmのバルーンを拡張し、septalを遮断して、このplaque分布を踏
まえた方向に穿通を計ったところ、Conquest Proはseptalに滑り落ちずproximal
fibrous capを穿通しました(fig3-2)。そのまま、bi-plane透視下で操作したとこ
ろ、遠位部冠動脈まで進めることが可能でした(fig3-3)。



fig4-1は、対角枝分岐部直後のLAD CTOです。側副血行は、よく発達したconus
branchを経由しているので、Transitを超選択的に入れて対側造影をしました。やは
り、Conquest Proも、Conquest 12grもすべて対角枝にすべるので、同様に側枝遮断
を使いました(fig4-2)。ガイドカテは、JLしかなく、サポートも不足がちでしたが、
側枝遮断したバルーンシャフトを少し引くと、anchor balloonの作用が働くので、サ
ポートは劇的に強化され、どこかに(?)ワイヤを突き入れることは可能です。最初
の側枝遮断のバルーン位置は、対角枝内ですこしdistalすぎて、Conquest 12grは
false内を進んでいるのがお分かりになると思います。そこで、側枝遮断のバルーン
位置を若干手前にずらすと、Conqust 12grはdistal fibrous cap直上に進み
(fig4-3)、これを穿通することができました(fig4-4)。



この側枝遮断のテクニックは、余裕をもって、(ワイヤ操作性のよい)マイクロ1本
とSOEバルーン1本が入らないとできませんし、また、procimal fibrous cap付近での
穿通状態をIVUSで確認する場合は、マイクロをいちいち南都法で抜いているとワイヤ
も一緒に抜けかねないので、マイクロをそのままにした状態での観察が良いと思いま
す。ですから、Terumo IVUSでも、7Frが必要です。

なお、こうした手技ができるようになったのも、IVUSを見ながらPCIをやってきたお
かげです。まったくのIVUSの素人で、かつIVUSが好きではなかった小生に、その意義
を啓蒙され、また、読み方を懇切丁寧に教えてくださった、○○先生や○○先生に、
この場を借りまして、御礼申し上げます。

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○○です。

○○先生の分岐部の法則、大変わかりやすくて参考になりました。
ところが、先日第6回CTO研究会の冊子を読んでいたら加藤大先生
の執筆されたものに、CTO末梢断端がabrupt型の場合は常に心筋側
が穿通のための至適部位であるとありました(図1、2)。
図だけ見てると側枝側から通り抜けてるように見えますが、文章内では
はっきりと上記のように書かれており側枝のことは一言も述べられていま
せん。
これってCTO出口に関しては分岐部の法則はあてはまらないということ
なのでしょうか?
単純に考えるとCTO出口に関しても側枝がある場合は側枝近傍を狙うのが
筋かなとも思うのですが、○○先生はどうお考えになりますか?
筋違いかもしれませんが、ご教授いただければ幸いです。



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○○です。

○○先生、レスありがとうございます。ご指摘のイラストは、大変有名なものです
が、CCICの頃からプレゼンで使われていたと記憶しています。時代的には、Conquest
が登場する前で、Parallel wire techniqueやPenetration strategyも確立していな
かった頃ではないでしょうか?あくまで、経験と技術に乏しい人間の私見と思って以
下の記載をお読みいただければと思います。

>、CTO末梢断端がabrupt型の場合は常に心筋側が穿通のための至適部位である

ひとつの問題は、proximal fibrous capとことなり、末梢断端の形状を、abruptと
taperedのどちかかと判断するかはより困難と考えます。冊子の同じあたりに、末梢
断端の形状がtaperedの場合は、distal fibrous cap直上の一点狙い、という(これ
もまた)有名なイラストがあったかと思います。心筋側で比較的広い範囲を穿通点と
認識すると、やはりワイヤが遠位部断端を超えてsub-intimal spaceを這う危険性が
高くなると感じています。穿通力が強大なConquestシリーズを使え、さらには、
Parallel wire techniqueや(少なくともsingleでやるにしてもconcept的には)
bi-planeの考え方が登場した現在においては、私個人は、すべてのCTO末梢断端は
taperedと基本的には認識し、頂点の直上1点狙いがあくまで基本であると考えており
ます。場合によってはre-entryを狙わざるを得ない場合もあるし、昨日のfig2のLCx
のようにshort cutしてしまう場合もありますが。。。 

>CTO出口に関しては分岐部の法則はあてはまらないということなのでしょうか?

CTO出口に関しては、意識してplaque分布を考えたことは残念ながらありません。も
し、IVUSにお詳しい先生で、何かご存知の方がいらっしゃったら、是非、御教授くだ
さい。CTO出口では、plaque分布より、それまでのCTO自体の血管構造、特に石灰化が
あればそれによって、操作可能なワイヤの方向が、入り口に比べてはるかに制限を受
けるので、CTOと本幹・側枝のなす角度のほうが、より規定因子としては強いと考え
ます。当然、CTOに対して、角度が浅いほうに穿通するほうが容易です。典型例は、
CTOの好発部位であるmid LADのクランクの場合ですが、対角枝を狙うほうが容易な場
合が少なくないかと思います。RCA末梢も、4:1くらいの確率で、4PDを先に狙う
ほうが有利と思います。できれば、本幹を直接狙うのか、側枝にいったん入れるの
か、それによって、CTO内部でのワイヤ操作の方向も異なりますし、parallelの打ち
込み方も違ってくるので、そこは偶然や感触でやるのではなく、あくまで意図した操
作をしたいと思っています。私のコンセプトは、Penetration strategyですから、あ
くまで、意図した方向にbi-planeで合わせた上でワイヤを進めることにあります。も
ちろん、最後に苦し紛れにConquestでDrillingをやって上手く行くこともありますか
ら、なかなか理想通りにはなりませんが。。。 こんな回答でよろしいでしょうか?

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○○です。

○○先生new consept CTOの理論ありがとうございます。
○○先生の心筋側からの穿通をはかるという概念は、○○先生の指摘とうり、IVUSもな
く、パラレルも、penerarionもない、時代の考え方です。
僕なりの解釈は、心筋側側は、心筋に養う血管がたくさん入っていくので、血管の固定
がよく、穿通するときに、逃げにくい。これと同じことが、分岐部でも、血管の固定が
よいので、穿通しやすい。
これは、falseができて、trueに戻したいときには、この原則が役に立ちます。
CTOの入り口がうまくtrueをゲットできないときは、多くは石灰化とか、固いFCにて、
ワイヤーがはじかれているのが、ivusガイドやりだしてから、よくわかってきました
が、昔はそのような症例も、falseつくりながら、治療していたわけで、それを成功さ
せるためには、心筋側から入るのが、成功率が高かったという、経験側から来ていると
思います。
いまの、ivusガイド、penetrationテクニックの時代では、とくに、パラレルワイヤー
のひとつのメリット、末梢血管の固定ということができるようになったので、その必要
性はすくなくなったのかもしれません。
コロンボが、subintimal CTOなるやりかたを発表しているので、そのときに、falseか
らtrueに戻すときに、役に立つと思います。

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○○です。

○○先生のお考えは、とても納得が行きます。Parallelのメリットのひとつとして、
遠位部冠動脈の固定があるのは、まったくその通りだと思います。

私も、遠位部冠動脈の近位端をこえて、false内にワイヤを進めてしまった状況にな
り、collateralの造影が悪くなってもっと先でre-entryというときは、側枝か心筋側
の固定の良いところを狙うようにしています。LCxのre-entry症例も、そういえば、
心筋側から入っていますね。ただ、最近の手技はほぼConquestなので、どちらかとい
うと、一回ワイヤを戻して、何なら数分まってcollateralの回復を待つようにしてい
ます。それで、新しいルートをparallelで狙うほうが、成算が高い印象があります。

あと、IVUSガイドのある程度の部分は、bi-planeで代用できるような印象があります
が、どうでしょうか?

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○○です。

○○先生、早速のレスありがとうございます。
「規定される因子のより多いCTO出口で、penetration strategy、
parallel wire techniqueを駆使してdistal fibrous cap直上の一点を狙う」
考え方がよくわかりました。
加藤大先生は同じ文章内でparallel wireやConquestについても言及
されているのですが、その上で心筋側にこだわる理由とは何なのか、
自分なりに考えて、distal fibrous capを穿通する際の逃げが心筋側は
少ないということなのかと思っていましたら、○○先生の心強いメールが
届きました。

今後のCTO開けにとても参考になりました。
ありがとうございました。

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○○
○○先生のbiplane法も、ivus法も両方取り入れて、研鑽している私ですが、
IVUSガイドは、いろいろな使いかたがありますが、そのひとつにfalseの入り口の手前
から、ワイヤーを入れなおすという、やりかたは、ivusガイドならではと思いますが、
ワイヤーの穿通をどちらに刺すかは、結局ivusでみても、僕はそれをアンギオという
か、透視上でどちら側に穿通させるかという風におきかえるので、結局biplaneという
やり方と同じになると思います。というか、その場合はivusを見てますが、biplaneの
ほうが、ワイヤー全体のタワミとか、力のかかり具合が、透視で確認しやすいので、
ivusよりやりやすいと個人的には思っています。
しかし、ivusガイドは、本当に今年のCTOの目玉と思ってます。
ここは、○○先生の登場でしょうか?
○○流のCTOのやり方は、まさにpenetrationを極めることによって、どこまで成功率を
あげれるか、興味深く見てます。もっともっと極めてください。あと、biplaneは、ど
この病院でもできないのが、唯一の欠点でしょうか、ivusの方が、汎用性があるのでし
ょうか?

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はじめまして、○○です。

平成三年に○○大学を卒業し、循環器内科に入局しました。卒後五年目よりカテを始
めました。transradialからCAGを始めたばかりの頃に久留米市で齋藤滋先生の講演会
があり、その後にハウステンボスでの○○先生やキムニー先生の講演を拝聴し、徐々
にinterventionも開始し、今に至っています。

先日、○○病院での福岡トランスラディアル研究会に参加させていただき、早速登
録の手続きをとらせていただきました。どうかよろしくお願いします。

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○○です。

○○先生、ありがとうございます。

>あと、biplaneは、どこの病院でもできないのが、唯一の欠点でしょうか

確かにおっしゃるとおりなのですが、sigleでも、患者さんをセンターポジションに
おいて、I.I.を動かすだけで、テーブルを固定したまま多方向からの観察ができるよ
うにします。さらに、その角度をプリセットしておくと、切り替えが非常に早くなる
ので、結構、biplane的につかえます。ただ、それでも、フットスイッチひとつで切
り替えられるbiplaneとはやはり違いますが。

>ivusの方が、汎用性があるのでしょうか?

ひとつ、また、質問なのですが、先生はCIVISとTerumoの、どちらを使用されるので
すか? CIVISはなかなか入らないし、Terumoは入ったとしても、画像がよくない
し、さりとて、両方あけるわけにはいかないし。。。 コンソールが片方しかない施
設も多いのではと思います。また、CIVISであれば、8Frが必要になりますから、複
雑そうなCTOはすべて8Frで開始する必要がでてきますね。どのように、この2つの
IVUSを使い分けるか、是非、ポリシーを教えてください。

私は、造影剤節約のため、できるだけ7Frでやりたいし、また、ワイヤ通過後は
1.5mmバルーンによる前拡張のあとで、できるだけ、病変を観察したいので、CTOの場
合は、通過性とプロファイルを優先して、Terumoが多いです。

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○○です。

○○先生と同じで、テルモが第一優先です。
ただし、DCAを考えているCTOは、civisで入ります。
テルモのivusガイドとCVISのivusガイドでは、ivusの画像を現在の透視画像で、何時か
ら見ているかという方向を定めるときに僕は、ワイヤーバイアス法で、見ている方向を
決定するので、その情報が、テルモでもう一本ワイヤーをいれたりしても可能ですが、
すごくやりにくいです。
この方法は、false からtrueを抜くのに、縦方向の情報のみならず、乖離のエントリー
部分を同定するので、ivusガイドでpinpointにワイヤー向けれます。
でも、テルモでやって、falseの入り口がわかったら、パラレルで入れなおしは結構う
まくいくので、ここまでこだわった症例は、まだでていません。
ちなみに僕は、CTOは、自分の病院ではアシストを使えることもあり、 8フレンチで
入ります。その理由には、ivusガイドの変更も可能ですし、DCA,通常のクラッシュ
もできるし、楽チンです。とういうのが表向きですが、本当の使用理由は、8フレンチ
のバックアップで、マイクロカテーテルをつかって、inter miracleを操作するとい
う、CCTグループの達人の先
生方の方法が、slow drillingと称するゆっくり病変部にワイヤーをまわしていれてい
く方法には、最適なバックアップなんだと理解できるようになったからです。それよ
り、弱いバックアップだと、まわしても挿入できないので、fast drillに
なって、クルッテすべって、false作成というイメージができつつあります。
最先端の落合penetrationテクニックも十分理解しながらも、POBAじゃないけど、old
CTO techのやり方も、skill upするために、tryしています。
CTOって、楽しいですよね。

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