第104集

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○○です。

大変遅くなってしまいましたが、○○先生を始めとされるSapporo Live2004
の実行委員の先生方、ご成功おめでとうございます。見応えのあるライブでしっかり
勉強させていただきました。
 特に、術者の皆さんがいかにCypherに対しての可能性と限界を如何に設定さ
れているかも興味のあるところであり、今後の手技の方向性を探らせていただけた…
と感謝しつつ佐賀に戻りました。
 浮かれた顔して病院に戻ってビックリ!三週間前にBMSを留置した患者さんがパ
ナルジンが原因であると思われる血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)に伴う意識障
害で緊急入院となっておりました。  緊急血漿交換を行うことで徐々に状態は改善
してきてはおりますが、まだまだ先は長い状態です。

 確認したところ、パナルジンとの関与が強く疑われたTTPは5年間で56例、う
ち7例が亡くなられたとのことでした。年間約100万人の方がパナルジンを内服さ
れている事を考えると目をつぶるしかない数かも知れませんが、患者さんを目の当た
りにすると、今暫くはDESを使用するための条件を守って使おうと心に決めた次第
でした。

 『Cypher』本当に色々考えさせてくれるStentですね。

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○○です

パナルジンというお薬は本当にある意味で怖いお薬です。
発売以来、これが原因で亡くなった方がいなかった年が一年もない、というある意味
ですごい薬です。ただ、一方でそれでも使われるのは、抗血小板作用が別格に強いか
らでもあります。現在のところ、日本で使用できる抗血小板薬で本当にSATを予防で
きるのはパナルジンだけであると私は信じています。(プレタールのSAT予防効果は
正直なところあまりないのではないかと疑っています)
ただ、だからこそ、その同等性が証明され、ほとんど副作用がないクロピドグレルが
ほとんどの国で標準薬として使われているのでしょう。
ところで、○○先生のところでは、BMSに対するパナルジンの投与期間はどれくらい
なのでしょうか?我々の施設では以前にもお知らせしたのですがSafety and
Efficacy of Ticlopidine for Only 2 Weeks After Successful Intracoronary
Stent Placement
Circulation, Jan 1999; 99: 248 - 253.
というpaperが出てからパナルジン二週間投与(飲みきり)にしたところ、以後20
00例以上のステント留置、パナルジン投与でも特に問題はおきていませんし、
SATも1%未満です。ただ、もし先生のところで二週間飲みきりでTTPが起こったのな
ら我々も考え直さなくてはいけません。
ちなみに下記サイトでクロピドグレルとパナルジンの比較した文献を見ることができ
ます。有名なものばっかりですのでほとんどはご存知かと思いますが、よかったらご
参照ください。とにかくこの世界標準の安全な薬を早く投与したいものです。
http://circ.ahajournals.org/cgi/search?journalcode=circulationaha&fulltext=
ticlopidine+and+stent&x=32&y=8

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○○です。

パナルジンの副作用のTTPは私も経験があります。
7年前、Palmaz-Schatz stent を植え込んだAMIの患者さんで

26日目にいきなり下血、血小板3,000となりました。
恥ずかしながら、TTPの診断がつけられず、2日後に多臓器
不全で死亡されました。確か、日本で○○例目だった、と記憶
しています。
ひどい肝障害も1例経験があります。他院の紹介でPCIを施行
した症例で、4週間後にパナルジンを中止するように手紙を出し
ていたのですが、6週間のんでおられたようです。GOT, GPTの
上昇はさほどでもありませんでしたが、Al-p が2000以上、
Bil 30まで上昇し、回復までに3ヶ月かかりました。

前に、○○先生も書いていましたがパナルジンの中途半端な
前投与(約2週間)の方がかえって危険な気がします。
それで、私の所では、前投与をやめようかなと考えています。

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○○です。

皆様、ご無沙汰しております。
いつもの(久しぶりの)ご相談です。

78y.o. male
OMI of A-S
risk factor) HL,DMです。
以前LAD#7でMIを起こして以来、poor LVでCHFのため2回ほど挿管されています。
今回も心不全で緊急入院されました。
昨年11月にLAD#7のISRに対しCBを行い今回F/U CAG行ったところ
RCA#3 distal bifucationにdelayを伴ったnew lesionをきたしていました。
bifucationというより3分岐です。
DMもあり本来ならCypher2.5mmでY-stentとしたいところですが
#4PDと#4AVはかなりの角度で分岐しています。
Bxはそこそこの屈曲病変でも長めに置けば意外と収まるものだと思っているのです
が、
90°を超える病変は厳しいと思います。
今回のcaseは#4PD,#4AVいずれも90°近い角度で分岐しています。
どちらかと言えば#4PDの方が少しゆるいでしょうか?

今のところ#4AVはS660、#4PDはCypherでY-stent、小さなPLは一応wireだけ入れてお
く・・・
なんて考えているのですが、いかがでしょうか?
true bifucationですのでPOBAだけではうまくいきそうにありませんから
やはりY-stentだと思うのですが・・・どうでしょうか?



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○○です。

私の意見としては4−PD確保主体です。末梢病変でありPD以外はそれ程環流域も大
きくないようですし。近位部のbifurcationと同じ扱いをしなくても宜しいのではない
でしょうか?ステント+POBAでは不足かしら?消極的すぎます?

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○○です

○○先生お久しぶりです
私も4PDにまずしっかりとCypher(?)を入れて
側枝(4AV, PL)はまずPOBAで反応を見たいと思います
どうしても閉塞するとか、Delayになるとかの場合以外は
多少の狭窄はそのまま様子をみます
結局Cypherでもこの血管経でYにしたら側枝の成績は
良くないと思います

ちなみに、ここにCypherを持って行くのも結構大変じゃないかなと
心配になります

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○○です

○○先生症例提示ありがとうございます

勉強になります
Bxの側枝へのアプローチは、側枝へのwire recrossが難渋したり
wireは通過してもstent strutをバルーンが通過しなかったりで
何度か苦労した思いがあります
ですので私自身はCyperをいれる場合は最悪側枝がつぶれても構わない
ということを念頭においてます(もちろんつぶさないよう努力しますが)、
側枝を確実に保護したい場合は現在でもDriver等のBMSを使おうと思ってます
この症例の場合、4PL,AV領域がどれだけか判断しづらいですけど
4PL,AVが大きくなければ4PDにcypherを置いてしまうでしょうし
私なら病変の屈曲も高度であり、S660、血管径が許せばDriverを選択しKBTするかも
しれません
BMSはresteを考えると辛い面もありますが、
○○先生の言われたパナルジンの問題、Bxというstent designのこともあり、
私としてはなかなかCyper一辺倒になれないところです

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○○です。

 ○○先生・○○先生ご返事ありがとうございました。
ご質問いただいたパナルジンの投与期間につきましては、これまでStent留置直後か
ら開始し4週間で中止としており、この間、肝機能異常などの異常値が出現した時点
で主にプレタールに変更し計4週間の投与で中止しておりました。 ○○先生のご指
摘通り、二週間で中止にしておけば発症を防げたかも知れません。今後再検討する必
要があると考えています。

 一方、期待のクロピドグレルも「Thrombotic Thrombocytopenic Purpura
Associated with Clopidogre(N Engl J Med 2000; 342 : 1773 - 7 )」にあるよう
に300万人を超える服用者の中に11人のTTP発現が見られており、何といずれ
も内服開始から二週間以内に発症してるとの報告もあります。 
 発症率はぐっと減ってはいるものの、起こるときは早いよって事でしょうか?
今後DESが主流になって行くのでしょうが、まだまだ改良の余地が沢山ある物なの
だと認識して使用してゆきたいと考えております。

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○○です。

皆様早速のresありがとうございます。

画像が悪くて申し訳ありませんでした。delayでfillingが悪いに加え、
少し画質を落としすぎました・・・
実は#4AVは#4PDと同じくらいか、少し小さいくらいです。
(RCA3:以前のhealthyなころ)

前述の通り心不全例ですのでなんとか、#4PDと#4AVは取りたいと思います。
良く見ると#4AVは分岐直後の#4PLから分岐しているように見えますし、
(RCA4:昨年11月)


#4AV起始部にも狭窄がありそうなので
(RCA5)


POBAのみではきれいになりそうにない気がしてましたのでY-Stentかな・・・
と思っていました。
もちろん流れてればOK!のつもりならばCypher+KBTでいいかな、と思うのですが、
どうしてもantegradeからのfeedingにしたいと思いましたので。

でも皆様おっしゃっれるようにPOBAできれいになるかもしれませんので
まずはI-Stent+KBTを行い、#4AVの開存が危うくなってくればY-Stentというのは
いかがでしょうか?

ところでDES+BMSでY-Stentする場合にはやはり組織へのdrugの移行性を考え
DESが下になるようにDES→BMSの順にY-Stentすべきなのでしょうか?

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○○です。
RCA3を観ると確かに大きな悩ましい4AVですね。○○先生の気持ちもわかる様な気がし
ます。現状のRCA5からはflowが悪いせいか、詳細を私は読み取れませんがRCA4を参考に
推測すると#3とPD、AVそれぞれが分岐する部位の小弯側にplaqueがありますが、それ
らが進行したもののようです。かつPD、AVの順に少しoff-setした出方をしています
し、やはり私はPD中心のPOBA+STENTを選択すると思います。○○先生の仰るような事態
も想定されますのでAVにもwireは置きますが。左心機能保持の面から主治医としてはハ
ムレット状態に陥られておられる事と思います。

ところでAVflowがより悪いとして、#3−AVにSTENT、PDはストラット越しにPOBAはあ
りでしょうか?どなたか教えてください。

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○○

ところでDES+BMSでY-Stentする場合にはやはり組織へのdrugの移行性を考え
DESが下になるようにDES→BMSの順にY-Stentすべきなのでしょうか?

これは、大変むずかしい問題ですよね。結論はでないと思います。最初は僕もそう考え
たのですが、Cyperのsideの空きが3mmしかないと、そこからBMSを通過させると、そ
の後に高圧KBTをしても、ステントがそこで変形するし、大きなサイドブランチだと、
サイドのosの部分のステントが病変を抑えていない可能性がつよく、これが、cyperの
分岐部に対しての欠点なのですがね。だから、僕はBMSを先にいれて、高圧で植え込ん
でサイドのosをしっかりと広げるようにしています。
で、○○先生が危惧する、ことがおきるか、確かめようと思います。
ですから、僕はBMSからで、成績だしますので、DESからやって、成績だす先生を希望し
ます。

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○○です。

パナルジンの副作用の話を聞くと、Cypherに対して少し腰が引けてきます。

素朴な質問があります。
1,このネットには脳外科の先生方も参加されていますが、脳外科領域では循環
器領域よりはるかに多くパナルジンが使用されていると思います。脳外科の先生
がたもパナルジンの投与には神経質なほど採血(2週間おき?)を実際にされて
いるのでしょうか?

2,パナルジンの副作用が心配なら、いっそのこと昔に戻ってワーファリンとい
う手はないのでしょうか?
ワーファリン+Cypher の組み合わせについて知見を持っていらっしゃる先生は
おられませんか?

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○○です。

パナルジンの副作用は、でたら、やめればいいと思っているので、あまり困ってませ
ん。

当院では、高圧拡張とパナルジンがでてから、SATが経験していないので、すでに30
00人以上にパナルジンを長期投薬(3から6ヶ月)しています(ここでけの話です
よ。これは、紹介病院が多いために、そのようにしました。)これは、当院にパナルジ
ンの副作用の報告があったのが、1例です。劇症肝炎、もう一例は、自己免疫肝炎で、
結果パナルジンは関係ないといわれました。
そうすると、ワーファリン使用していた時代の出血などの合併症を考えると、どうなん
でしょうか?
パナルジンで、最初の2週間、ぼくらはいままで、一ヵ月後に採血していましたが、そ
こで肝機能怪しかったら、中断しています。
そのときに、困らないようにするためには、やっぱりステントをしっかりと広げておく
という原則が大切とおもっているので、IVUSガイドで、20気圧以上であいかわらず、
DESをひろげています。

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はじめまして。○○病院の○○と申します。
TRA-netに入会させていただきました。
私の施設ではTFIが中心で、今まで200例程度の術者をやってきました。
この場でいろいろと勉強させてください。よろしくお願いいたします。

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○○です。
ずっとROMでしたが、

> というpaperが出てからパナルジン二週間投与(飲みきり)にしたところ、以後20
> 00例以上のステント留置、パナルジン投与でも特に問題はおきていませんし、
> SATも1%未満です。

私ももう8年間この方法ですが、パナルジンをしっかり服用していれば、またステント
自体がしっかり拡張していれば、SATはほぼありませんでしたし、肝障害もありません
でした。私が前医より引き継いだ一例が約3週間目で黄疸が出現しています。(回復)
TTPは一例聞いていますが、残念ながら他院で亡くなられました。(一ヶ月投与されて
いました)

BXの時にIVUSで検討した結果より、CypherもBX並みに、おそらくは○○先生よりも大き
く拡張していると思います。

Cypherも特に「しばり」が無ければ、この方法でいいと思っていました。前投与
は....... 実はしていません。

今日の日野原先生(注 心臓病学会)の症例では数ヶ月たっても腹部のオペ前に抗血小
板剤止めたとたんに#6で血栓性閉塞起こしてました。あれはこわい。

やっぱり長期いるのかな?

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○○です。

心臓病学会のため、レスが遅れました。

私は、こういう病変こそ、V stenting というか、Kissing stentingでは と思いま
すがどうでしょうか? 78歳と高齢ですから、年齢的にも、超長期にわたっての
distal vesselへのアクセスを気にする必要はありませんよね。若年者の
non-protected LMTとは、まったくstrategyが違ってよいでしょう。とにかく、○○
先生が言われるように、確実に#4PDと#4AVを取ることが目標になります。それには、
V stentingが一番簡単な可能性が高いように思います。これだけ屈曲した血管の
distalで、CypherでY stentingするのは、実際かなり大変でしょう。ストラットを
バルーンがクロスするかどうか気になります。

V stentingなら、当然、8Frのシステムを使いますから、ロングシースにして(Aorta
の屈曲が強ければIron metal sheath)、AL1-SHでも入れておけばバックアップもき
わめて強くなり、Cypher行きそうに思いますがどうでしょうか? CypherのV
stentingが決まれば、再狭窄率もかなり低いように思います。前拡張は当然kissing
で行なうので、そのときのバルーンの持込が辛ければ、Driverにすればよいでしょ
う。

こんなこと書くと、また、大艦巨砲主義としかられるかしら?

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○○です。
皆様お忙しいところres有難うございます。

>これは、大変むずかしい問題ですよね。結論はでないと思います。最初は僕もそう
考えたのですが、Cyperのsideの空きが3mmしかないと、そこからBMSを通過させる
と、その後に高圧KBTをしても、ステントがそこで変形するし、大きなサイドブラン
チだと、サイドのosの部分のステントが病変を抑えていない可能性がつよく、これ
が、cyperの分岐部に対しての欠点なのですがね。だから、僕はBMSを先にいれて、高
圧で植え込んでサイドのosをしっかりと広げるようにしています。
で、○○先生が危惧する、ことがおきるか、確かめようと思います。
ですから、僕はBMSからで、成績だしますので、DESからやって、成績だす先生を希望
します。

確かにステントの構造を考えると○○先生のおっしゃられることが正しいように思い
ます。
でも、DESって少しでも浮いてたりするとresteの要因になったりしますよね。
もし、機会があれば私は”DESから入れる派”でやってみます。

実はすでに8フェモ予定です。SAL SHで行こうと思ってます。
大艦巨砲主義派ですから・・・

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○○先生がおっしゃられるようにkissing stentも考えたのですが、
以前、○○先生のLMTの症例だったかと記憶しているのですが、
kissing stentして手前のhaggingの部分がクロスしてV-stentというよりX-stentみた
いに
なった症例を拝見したことがあるような気がします。
これってあんまり気にしなくて大丈夫でしょうか?
分岐角度のきつい場合に高率に起こる気がします。

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○○です

○○先生、いつも困難な症例に敢然と立ち向かわれているようで、、、
個人的にはKissing stentの場合手前のhaggingの部分は末梢血管走行と同じように平
行になるかクロスするかの問題は、後々distal vesselのアクセスの時に関係してく
るだけのような気がします。以前紹介した症例は、3ヶ月後には再狭窄なく10月
にre-studyの予定なのですが、今のところ幸い追加PCIを必要としてはいません。で
ももしdistal vesselにPCIを行うときにはステントがクロスしているという知識は絶
対に必要だと思います。今回の症例は○○先生もかかれていましたが、4AV-4PD
にkissing stentを置いたあと慢性期にdistal vesselにアクセスする可能性はほとん
どゼロですよね! であれば手前のhaggingはどうでもいいかな?って思います。
やっていいことかどうか分かりませんが、kissing stentを置いた後に末梢に新規病
変が出来て、ワイヤーが手前haggingの部分をどうしてもきれいに通過しなかった場
合は最悪crushのようにつぶしちゃうのもアリ?とも思っています。

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○○です。

皆様サイファーを使用されていると思いますが、当院も徐々に症例を重ねており
ます。
症例は47歳男性、EAP(糖尿病、高血圧、高脂血症、喫煙)、右冠動脈の近位部
から遠位部にかけてサイファーを5本留置した症例です。
アンギオ画像(治療前、治療後)を添付します。
できるだけステントを長く使いたいので連結するステントのストラットは2mm程
度(可能な限りぎりぎりに位置づけした)の重なりであったことと、屈曲が強い
ところにステントの連結部がきてしまったことが気になっていました。高圧
(20気圧)でステント内をすべて拡張し、アンギオ画像、IVUS画像とも問題な
いと判断したため治療を終了しました。



LADに対するStaged PCIのために四日後に確認したときのアンギオ画像(四日
後)を添付します。
屈曲が強いところにあるステントの連結部に早期再狭窄を認めIVUSを施行しまし
た。そのときのIVUS画像(PRE)とコントラスト注入後(PRE− CON)を添付しま
す。画像から血栓と判断しパーヒュージョンバルーンで拡張しました。治療後の
アンギオ画像(四日後治療後)、IVUS画像(POST)を添付します。
以前よりアスピリンは内服されており、治療当日の朝からパナルジンの内服を開
始いたしました。先天的な凝固異常や血小板機能異常は認めません。
手技の問題点、IVUS画像、ステントストラットの重ねる長さ、屈曲部にステント
連結部が来てしまった場合、根本的なパナルジンの量(175cm、70Kgぐらい
の体格)に関してご意見お待ちします。




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○○です。

CypherのV-stentingは、7Frでもできなくはありませんが、結構きつきつで、ステン
トの最終位置を決めるのに苦労します。この症例では、RCAの末梢まで持ち込まない
とだめですから、やはり、8Frの大砲巨艦主義に賛成です。
○○先生からのCrush stentingについてですが、豚で生体実験した結果を先日の新行
橋ライブの前日の検討会で発表させていただきました。20気圧の高圧で一方を拡張し
たのですが、取り出したステントは完全に潰れていることは無く、1mm弱のスペース
として残っている部分もあり、血栓が付着していました。また、crushされたステン
トは、分岐部から突然crushされているわけではなく、なだらかな形で潰れていまし
た。おそらく、最も再狭窄が来るであろう分岐部の入口部は、ステントが浮いている
ことが予想されました。もちろん、この実験は全く正常な血管内で行ったので、動脈
硬化のある硬い血管では、違う結果が出る可能性があるとは思いますが、私には、あ
の固いcypherが完全に潰れてしまうとは思えません。Crushするぐらいならば、隔壁
が長く残っても、V-stentingのほうがよい選択だと思います。
ただ、この症例は、RCA4を見ると、4AV,4PD,4PLの3分岐のように見えるのですが、
4AV,4PDにV-stentして、4PLが潰れてしまうリスクはないでしょうか?幸い、この枝
だけが、入口部狭窄が無いようですので、可能性は低いとは思いますが、プラークシ
フトしてもKBTをするのは難しく、最悪、この一本を捨てる覚悟は必要かと思いま
す。

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○○です。

>kissing stentして手前のhaggingの部分がクロスしてV-stentというよりX-stentみ
たいになった症例を拝見したことがあるような気がします。

これは、RAO caudalからみるとLCxへ向けていれたステントが、LMTの後ろ側に回り
込んでいただけですし、ステント自体の拡張はそこそこだったので、問題ないと思っ
ています。この症例は、後のことはあまり考えず、いわば今回が決戦ですから、きち
んとCypherをいれて、薬の効きに期待するのだと思います。

>RCA4を見ると、4AV,4PD,4PLの3分岐のように見えるのですが、4AV,4PDにV-stentし
て、4PLが潰れてしまうリスクはないでしょうか?

確かにおっしゃるとおりです。もちろん、私はやったことはありませんが、ある外国
の友人が、9Frのガイドカテを用いて、Cypher3本で、LMT-LAD/LMT-OM/LMT-LCxに
kissing stentをしたCDを見せてもらったことがあります。キングギドラ・ステント
とでも言うのでしょうか? このかたも、9Frを持ち出せばできるのかもしれないで
すが。。。(RCAでは、誰もやらないでしょうね) 状況によっては、1本つぶれてし
まうのは、致し方ないのではないでしょうか?

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○○です。

○○先生、○○先生、○○先生、有難うございます。

なんとなくkising stentする勇気がわいてきました。
4AVにdeliveryできるかどうかが問題ですが・・・
ところでhagging部分の長さですが、どれくらいがいいでしょうか?
長ければ長いほどedgeのstressは少ないので2.5×23mm2本くらいでいいでしょうか?
まず、4AVにdeliveryを試みてどうしてもdelivery出来なければ4PDへ入れて+KBTにし
ようかと思います。
側枝がきれいにならなければ○○先生の逆バージョンします。

> ただ、この症例は、RCA4を見ると、4AV,4PD,4PLの3分岐のように見えるのですが、
> 4AV,4PDにV-stentして、4PLが潰れてしまうリスクはないでしょうか?幸い、この

> だけが、入口部狭窄が無いようですので、可能性は低いとは思いますが、プラーク

> フトしてもKBTをするのは難しく、最悪、この一本を捨てる覚悟は必要かと思いま
> す。
実は4PLに一応、wire入れておこうかな・・・とセコイ考えも持っていたのですが、
今は、最初から4PLはなかったことにしてしまおうかと思っています。

> 確かにおっしゃるとおりです。もちろん、私はやったことはありませんが、ある外

> の友人が、9Frのガイドカテを用いて、Cypher3本で、LMT-LAD/LMT-OM/LMT-LCxに
> kissing stentをしたCDを見せてもらったことがあります。キングギドラ・ステン

> とでも言うのでしょうか? このかたも、9Frを持ち出せばできるのかもしれない

> すが。。。(RCAでは、誰もやらないでしょうね) 状況によっては、1本つぶれて

> まうのは、致し方ないのではないでしょうか?
”キングギドラ・ステント”・・・シビレますね。
IVUSで見ると三つ巴になっているんでしょうね。

PCIは9/17予定です。
よろしくお願いいたします。

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○○です。

>長ければ長いほどedgeのstressは少ないので2.5×23mm2本くらいでいいでしょう
か?

CAG拝見すると、23mmの方が良さそうですね。ワイヤリングで4AVの分岐が、どのく
らい進展できるか? IVUSは術前に通るのか? といったあたりが気になります。 
ガイドカテですが、僕はSAL-SHはRCA近位部CTO用と割り切っていて、distal RCAでや
やこしいことをやるなら、通常のAL-SHで、できれば肩を超えたほうが安全と思いま
す。SAL-SHだと、Medtronic製なら1.5-2.0は必要で、多分、4AVあたりの末梢に一度
ワイヤを押し付けて、どのくらいのバックアップがあるのか、確認してからバルーニ
ングはじめると思います。もし、とても4AVを取りにくければ、手前の枝にいれてそ
うしたテストをするかもしれません。また、バルーンは、非常に通過性に優れたもの
ではなく、(特に固有名詞は出しませんが・・・)通常〜少し通過性に劣るものあた
りをつかって、Cypherで行けそうかどうか、感覚を掴もうとすると思います。

Kissing stentは、まず、やりにくい枝の奥まで1本目を入れておいて、2本目を病変
におき、そのあと1本目を引いて位置あわせをするのが鉄則と思っています。LMTのや
ばそうなKissing stentを何回かやった経験からすると、もっとも怖いのは、前拡張
のあと、ワイヤ・ツイストが起こることですね。ですから、手技を簡略化し、ワイヤ
のばらけやツイストを予防する意味でも、3本ワイヤは自分だったらやりませんね。
PLのflowは、神様のご好意に期待します。

○○先生の武運長久をお祈りいたします。

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○○です。

Kissing stentingですが(LMCAに4例の経験だけですが)かならずXの形になりま
す。これはワイヤの通過する部分から考えて特にLMCAのような入口部に近いとこ
ろでは必然だと思います。
この症例でのKissing stentingの問題はproximalの位置だと思います。造影で
#3mid distalの造影が不十分でよく分からないのですが3distalに病変があれば
急性期成績をちゃんと得るために長いステントが必要でしょう。
真ん中の枝は、このあいだLMCAからの3分枝のKissing Cypherでは端の2本で
kissingして真ん中はちゃんと(全く問題なく)残りましたから、この症例も大
丈夫に見えます。

手前の問題があればCrushも十分考えられると思いますがいかが???

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○○です。

私の実験系は、全く動脈硬化の無い弾性力に富んだ豚の血管を使っていますので、
crushされるステントが対側に逃げてしまったことも、完全に潰れなかった要因のひ
とつと考えています。Crushするには、しっかり動脈硬化(できれば石灰化があって
硬そうな病変)のあるところを選んで、必要最小限にとどめるべきと考えています。
 この症例では、#3distalのeccentric plaqueもカバーしなければなりません。
V-stentするならば、haggingする長さは、12−13mm程度ありそうですので、結構長い
のが、気になりますよね。隔壁によるSATが懸念されるならば、#3distalに3.0*13
を置いて、その中から、V-stent2.5*18二本を置くという手もありかな?とおもいま
す。たぶん、○○先生の意図も、crushされるステントは、頭を少しだけ本幹に出し
ておいて、最小限のcrushで済ませば、隔壁が残ることは無いということでしょう。
そうなると、一本は、2.5*18mm、一本は2.5*23mmということになります。また、潰す
ならば、プラークのある側の4AVのステントを潰したほうがよいと思いますが、4PL方
向のステントストラットが浮く可能性があります。
あすの○○先生の回答を心待ちにしています。頑張ってください。

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○○です。
 
これって、もしかするとSAT寸前のstentを偶然見つけているのでしょうか?だとする
と、大変貴重な症例かと思います。
IVUSで提示していただいた部分にはstent stradがしっかりと見えていましたが、そ
の前後にstent gapはなかったのでしょうか?(overlapしているようには見えません
でしたが)この血栓がstent stradのoverlapにできているのか、それともgapから発
生したのか、あるいはただ単にstent body内から普通に出てきたのか興味あるところ
です。もし、stentのbody内に普通に出てきたのであれば、もしかするとパナルジン
のdoseの問題かもしれませんね。海外ではすべて500mg分2のところが日本では
200mgが常用量ですよね。しかし、この方のように体格のよい方では足りないのかも
しれませんね。

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○○です。

皆様ご声援、ご指導有難うございます。
朗報がお伝えできるよう頑張ります。

ところで土壇場質問ですが・・・
> この症例でのKissing stentingの問題はproximalの位置だと思います。
  Haggingの部分のstent prox.edgeはそろえる必要があるでしょうか?
  ずれていても将来accessさえしなければ問題なさそうにも思いますが・・・
  そろえるとすればそれぞれのstentのdistal edgeのlanding pointは選べなくな
りますので
  悩んでいます。

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○○です。
いよいよ当日になりました。無事Kissing stentが終了することをお祈りいたします。
私としては、手技的成果と共にその後の患者さんの長期予後も知りたいのですが。宜し
くお願いします。では吉報をお待ちしております。

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○○です。

 ○○先生のcrush stentの実物はとても印象深く、新行橋ライブ前日の話題をかっ
さらうプレゼンでした。我々はDr.Columboのcrushという言葉に暗示をかけられたの
だと思います。Radial forceの強いCypher(velocity)がcrushという言葉でこちら
の都合に合うようにつぶれてくれるものではない。○○先生のModelはそのことを教
えてくれます。
 CRUSH STENT cannot be crushed.

 とても貴重な画像だと思います。いつか何かの学会やライブのシンポジウム等に登
場することを期待しています。たとえば、DCA clubからだと拍手喝采で迎えられる
のではと思います。

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○○です。

○○先生Resありがとうございました。
血栓らしきもの?ができていたのは#Aのオーバーラップしている部分だと思いま
す。オーバーラップは長さを稼ぐために最低限にしたので、もしかしたらギャップが
できてしまったかとおもいましたが、手技終了後はIVUSでもギャップがないと判断し
ました。「よしよし、上手くちょっとだけ重ねられたぞ。」と満足していたのです
が、#Aのちょうど心収縮にあわせて折れ曲がるところに接合部があたっており、も
しかしたら二つのステントが擦れているのかも知れません。折れ曲がるところにはス
テントのボディが当たるようににすべきだったと考えております。
パナルジンはこの日から400mg分2に増量しております。
BMSではここ何年もSATらしきものがなかったので、今回の症例がSAT寸前だと考える
と何が原因なのか…

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○○です。

私も大変、興味深く拝見いたしました。
貴重な症例かと存じます。

少し前に、Circulationに、Colombo先生からDES時代になって、Intraprocedural
stent thrombosis(IPST)の頻度が0.7%に増えたとの報告がありました(BMS時代は
<0.01%)。
予測因子としてはステント長であったとされています。
そのほか、術中のACTが250に満たなかったものが多かったともありました。

○○先生に伺いたいのですが、
1)パナルジンが投与されたのは手技当日の朝からとのことでしたが、パナルジンの
効果が発現されるまでの2日間はヘパリンのdivも併用されていましたでしょうか?
2)ACTは十分に伸びていたでしょうか?
以上の点、教えていただければ幸いです。

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○○です。

○○先生、Resありがとうございました。
DESにも慣れてきたので、び慢性病変のフルカバーを試みた最初の症例でした。しっ
かりポストをかけてIVUSで拡張を確認すれば、SATは起こらないという従来のBMSのス
タイルを安易に継承したためにパナルジン前投与や術後のヘパリンは使用しておりま
せんでした。この症例を経験してDESに対する注意が足らなかったと反省し、診断カ
テ直後からパナルジン前投与にプロトコールを変更しております。ACTは一時間半の
時点でOKでした。

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○○です。

大変興味深く症例拝見しました。Drugも大きな原因かもしれませんが、ステントの機
械的構造も関係していないでしょうか? というのも、BMSであれば、び慢性に狭窄
があるだけでなく、これだけ屈曲したRCAなら、BXを選択することはまずないでしょ
う。Driverとか、ツナミとか、comformabilityの優れたものになると思います。DES
ということで、無理やりCypherで冠動脈をstretchしたことが、CAGやIVUSの画像では
解明できないレベルで、何らかの悪影響を及ぼした可能性はないでしょうか?

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○○です。

○○先生、ありがとうございます。あのプレゼン、ほとんど当日に作ったものなの
で、ボロが出ないかとひやひやものだったのですが、もっと綺麗な形にして喋らせて
もらおうと思います。
crush stentの実物写真を添付します。重いファイルですみませんがこれ以上落とす
と返ってわかりにくくなりますので、あしからず。

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○○です。

皆様、お世話になりました。
結果報告です。

8Fr.Launcher SAL1.5SHで開始いたしました。

予想以上に4AVはwiringが難しく、結局、4PDと4AVをそれぞれ
1.5mmのバルーンで拡張してwiringの余地を作ることでなんとかcross出来ました。
2.0×20mm×2本でKBTしたのち、4PDへIVUSしました。
IVUSはとても強い抵抗がありましたが、なんとか通りました。
抜くのが大変で4AVにはやってません。
Cypher 2.5×23mmを出しましたが#1のcalc.で全く通りません。
GrandSlamも出しましたが全くだめでした。
PDだけは死守したかったので5Fr.子カテを入れてなんとかPDへ入れることには成功い
たしました。
4AVのflowは保たれていましたのでstent prox.の浮いている部分に3.5mmでPOBAする
ときには
AVのwireを抜いてPOBAしました。抜けなくなりそうでしたので・・・
すると、見事にtotalとなり、2度とcross出来ませんでした。

結局Kissing Stentなんて夢のまた夢・・・という結果でした。
せっかく、ご指導いただいたのに面目ございません。
しかし、次回に役立てたいと思います。
有難うございました。

これから5時間かけて鹿児島へ出張なものですから取り急ぎ御報告まで。



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○○です。

○○先生、お返事ありがとうございました。
私たちもパナルジンはなるべく診断カテ直後から投与するようにしておりますが、術
前日や術日の朝から開始となってしまった場合には効果発現までの2−3日間はヘパ
リンをdivしてから退院としております。
勿論、これで大丈夫かどうかは、今後データを積み重ねていかなくてはなりません
が。

それと、○○先生がおっしゃっているように、比較的急性期のstent thrombosisに関
しては、drugの影響より他の因子の影響が強いのではと考えます。
SATではないですが、屈曲したRCAでstent fractureした例も、Rotterdamにいたとき
に目の当たりにしました。
また、RCAのISRに対して、Cypherを4−5個いれてstent thrombosisとなった例もあり
ました。
なので、より複雑病変を治療するようになっていることも大きな要因と考えます
が。。。

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○○です。

実際にCrushをしました。その結果のIVUSを添付します。
この症例は元々Pentaがproximal-mid LADに入っていてそこからの石灰化の強い
D2のロータブレータ+バルーン後の再閉塞で、wire通過させた後CypherでPenta
jailのD2とproximal-mid LADにもう一つCypherを入れてCrushをしています。
つまり、○○先生の例とは全く反対にCrushしやすい状況、外側にステントがあ
る、という状況ですが、添付の画像を見てもらえれば分かる???と思いますが、
03Crush171943-50.jpgと04CrushKBT175009-50.jpgの画像の10-12時方向がcrush
されたCypherの部分で、特にKBT後は0.5mm強の厚みに、元のPenta+Crushした
D2のCypher2枚+LAD Cypherの1枚、の合計4枚のストラットがあります。
僕の症例からは現実にはCypherはよくCrushされる、という結論です。



Cypher stent was finally crushed almost completely. だと思います。

さらにD2の入口部もLADも非常にいい急性期結果でした。Crushはダメと思ってい
ましたが自分でしてみるとCypherなら十分「あり」の治療だと思いました。
以上、報告でした。

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○○です。

○○先生、実際の臨床例での提示ありがとうございます。
オリエンテーションがよくわからないのですが、00pre150128-50の画像で、6時方向
から出ているのが、D2でしょうか?となると、潰したのは、LADのステントとなりま
すが・・・。大きなseptal brunchでしょうか?もしかして、D2からのpull back?
11時からD2が出ているのだとしましょう。
確かに、04CrushKBT175009-50.jpgの画像では、よく潰れていますが、
04CrushKBT175007-50.jpgの10−12時はどうでしょう?1mm近くあるのではないです
か?
私は、豚での2回しか経験が無いので、あまり大きなことは言えませんが、取り出し
たステントは、写真で示したように、よく潰れている部分と、そうでない部分があり
ました。そうでない部分でも、1mm前後にはなっています。04CrushKBT175007-50.jpg
の10−12時は、あまり潰れていない部分ではないでしょうか?冠動脈を切り出して、
ステントから、剥ぎ取る作業をしていたときに目に付いたのは、crushされたステン
ト内の血栓でした。心停止してから、作業を行いましたので、その際についたのかも
しれませんが、この手技を行う際には、十分な抗血小板療法、ヘパリン投与が必要と
感じました。また、GWの再通過は可能でしたが、new balloonの通過は困難でしたの
で、これに、KBTができる可能性は、低いと思ったほうがよさそうです。
Crushするステントの長さを短く、crushをかける部分は、できるだけまっすぐで、硬
いところを選ぶことも必要かと思います。ただ、crushされたステントは、分岐部入
口部で突然潰れているのではないことは事実ですので、その部分のstrutは浮いてい
る可能性があり、DESの恩恵を受けられない可能性を考慮しておくべきだと思いま
す。

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○○先生、お疲れ様でした。

不成功症例を詳細に報告することは、なかなか勇気のいることです。いい勉強をさせ
ていただきました。
ところで、8FrGCのなかに、5Fr子カテの手技なのですが、以前、Radiguideで同様の
手技をして、GC内に血栓が出来たとの報告があったので、当院では、71の6FGCにしか
使用していません。でかいGCなら大丈夫なのでしょうか?

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○○です。

ちょっと分かりにくかったですね。
> オリエンテーションがよくわからないのですが、00pre150128-50の画像で、6時方向
> から出ているのが、D2でしょうか?となると、潰したのは、LADのステントとなりま
> すが・・・。大きなseptal brunchでしょうか?もしかして、D2からのpull back?
> 11時からD2が出ているのだとしましょう。
6時の枝はseptalです。

> 確かに、04CrushKBT175009-50.jpgの画像では、よく潰れていますが、
> 04CrushKBT175007-50.jpgの10−12時はどうでしょう?1mm近くあるのではないです
> か?
04CrushKBT175007-50はseptal枝を見せている部分で10-12時はちょうどD2の分枝
部になりますのでcrushできていなくて当然の部分です。

> ただ、crushされたステントは、分岐部入
> 口部で突然潰れているのではないことは事実ですので、その部分のstrutは浮いてい
> る可能性があり、DESの恩恵を受けられない可能性を考慮しておくべきだと思いま
> す。
これは間違いない事実だと思います。同じことがYでも起こり、それがCにしろY
にしろ再狭窄が生じる原因だと思います。
だからKissing(Pとは言わないこととしました、外人さんにはKissingが一番通
じたので。。。)に期待しているんですけど。。。

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○○です。

>04CrushKBT175007-50はseptal枝を見せている部分で10-12時はちょうどD2の分
>枝部になりますのでcrushできていなくて当然の部分です。

この部分が、なだらかにしか潰されていない部分と私が指摘したところだと思いま
す。1mm前後に浮いた状態のステントにSATが起き易いなどのclinical eventがおきる
のかどうかは、わかりませんので、完全には潰れないという事実が、臨床的不利益に
つながるのかどうかは今後の検討課題となると思います。

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○○です。

> 4AVのflowは保たれていましたのでstent prox.の浮いている部分に3.5mmでPOBAする
> ときには
> AVのwireを抜いてPOBAしました。抜けなくなりそうでしたので・・・
> すると、見事にtotalとなり、2度とcross出来ませんでした。
ここはもうちょっとならなかったでしょうか?
3.5mmバルーンが4AVにかかるかどうかはある程度予想されたんじゃないでしょう
か?となるとAVのwire recrossの努力は必要だったんじゃないでしょうか。この
AV-PLの領域はかなり大きく失いたくないですから。

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○○です。

○○先生、励ましのお言葉有難うございます。
正直、resがあってホッとしてます。

手技中は、かなり時間がかかってしまったこともあり、
後になって考えるといろいろと反省する点もありました。
せっかく、子カテでCypherが一本入ったので、頑張って同じ要領でもう一本
4AVにもtryすべきだったな・・・と思いました。
4PDのCypherの脇から4AVに2mmのballoonで隙間を開けておいて
Cypherをもう一本入れて4PDのCypherでcrushしておけばよかったなぁ・・・
と後悔しています。
あのときはPCI開始後4時間が経過していましたので頭が飽和してまして、
4DPにCypherが入っただけで大満足してしまいました。
いろいろと反省させられる症例でした。

今後の症例に役立てます。
有難うございました。

> ところで、8FrGCのなかに、5Fr子カテの手技なのですが、以前、Radiguideで同様

> 手技をして、GC内に血栓が出来たとの報告があったので、当院では、71の6FGCにし

> 使用していません。でかいGCなら大丈夫なのでしょうか?
確か、7Fr.8Fr.はOKと聞いたことがあるように思います。
distal lesionは5Fr.子カテの長さが足らなくなるので8Fr.のY-coneはとった方がい
いと思います。
ポタポタとゆっくり程よく逆血があります。
5 in 8はありだと思います。
6 in 8も見たことがありますが、6Fr.はdeepが苦しい場合が多いような気がします。

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○○です。

○○先生、○○先生、貴重なご意見ありがとうございました。
ご指摘のように屈曲したRCAに長くCypherを入れることがSATの要因であることを念頭
において、今後のPCI戦略を考えたいと思います。
兵庫県ではすでにSATが数例起こっているとの情報もあり、個々の症例を抗血小板薬
と病変形態の両面から検討する必要がありそうです。

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