第109集

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○○です。

皆さん、もうcypherをかなり使用されていると思いますが、ステントを入れられたこ
とのないAMIの症例には使われていますか?
Cypherのただし書きにAMIは禁忌となっています。がBMSの説明書もいまだにAMIは禁
忌のようです。先日、seg6 ostiumからtotalの症例にバルーンをかけてrecoilするので
justからcypherを入れました。
今までならballoon か cutting balloonで急性期は逃げて慢性期にDCAというパター
ンでした。逃げているのでほとんどresteしています。

私も本人や家族にcypherの説明をする余裕のないAMIにはできれば入れたくないと
思っていますがseg6 proximalのAMIだけは別だと思います。LMTのMIなら径の大きな
driverを入れようとも思うのですが、
seg6osのMIは必ずしも径が大きくないこともあり、またここに入れたステントにいい
思い出がないので、ここだけはACSでもパナルジンの副作用が10%近く?あることを天秤
にかけてもcypherでいたしかたないのではと思っています。

AMIにもcypherを使用している方はおられますか?

皆さんの意見をお聞かせください。

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○○です。

結論からいいますと、AMIに対するCypherの使用は現状ではあまりよくないのではない
かと思います。
パナルジンの副作用も問題なのですが、それ以上にパナルジンの作用出現が遅いことの
ほうが問題ではないでしょうか。クロピドグレルのは前投薬していない場合PCI直前の
300mgのloading doseでかなりの効果が期待できるよう
ですが(Siriusなどのプロトコールでもそうなっているようです)パナルジンの場合は
効果出現が24時間以上経過してからだそうですので留置時に抗血小板作用のない状態で
ある可能性が高いと思われます。
海外ではAMIに対しDESを使いBMSと同等の安全性が証明されつつあるようですし、よく
言われていることですがDESとBMSとのSATの頻度はあまり変わらないのも事実でしょ
う。しかし、残念ながらこれらのデータはほぼすべてがクロピドグレルを用いたもので
あり、AMI+パナルジン+DESではデータがないのが現状かと思います。さらに、いろい
ろなところから聞いた話ですが現在日本で報告されているCypherのSATにはかなりのAMI
症例が含まれているそうです。そもそもCypherがAMIにはあまり使われていないことを
考えるとAMI+パナルジン+DESではSATが増える可能性が予想されるのではないのでし
ょうか。AMIのPCIが再灌流とこれによる心保護、救命であるのを考えると(もしAMI+
パナルジン+DESでSATが本当に高頻度であるなら)今は
AMIにCypherは控えたほうがよいのではないかと考えた次第です。

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○○です。

先日とある会でLAD prox.のAMIにLM からCypherを入れ、LCxにplaque shift
を起こしたため、LCxにもCypherを入れ、Yにしていました。IABPも入ったため
翌日造影したら、LAD just prox.がhazyとなっており、結局STENT in STENTで
Driverを入れ、bail outしたという症例の発表がありました。その際もAMIにCyper
ということで、かなり議論がありましたが、やはり現状ではAMIにCyperは
まずいのではないかと考えます。この症例で、もしLMTにSATを起こしたら
たぶん助からないでしょうね。

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○○です。

非常にレスポンスをするのにためらう環境ではありますが、、、知っておられる
方もある程度折られると思い発言します。実はうちでは全例AMIにもCypherを入
れています。
結果的にAMIでSATはありませんが、これまでの当院のSATデータやACSと血栓の関
係からACSにCypherのみならずstentを入れればSATが起こりやすいことは間違い
ないと考えています。
ただBMSは通常入れられているわけですから Cyher vs BMSで何か差があるか?と
言うことになると思います。さらに日本の現状でクロピドがないことがどれほど
の差を作るか、その差とCypherを入れたことのrePCIの少ないことのバランスが
問題となるはずです。
まずACSですからpreloadingなしのパナルジン投与となるのである程度の症例、
うちでは5%以下程度、ですがパナルジンから投薬変更となる症例がでます。ただ
SATの多くが2wks以内から1mo程度で生じることを考えればむしろ初期にちゃんと
パナルジンが入ることは悪くない、とも考えられると思います。
SATではないですが、late thrombosis、と言う話も出るかもしれません。でも
BMSでもlate thrombosisはあります。僕は2例経験しています。これもCypherだ
から多いのか、よく見極めなくてはならない段階であってまだ確定的なことを言
うべきではないでしょう。

で、実際僕はどう考えてCypherを使っているか、実はうちのACSのTLR率が結構あ
りCypherのメリットがあると思われること、IVUSで評価することでSATをかなり
の部分ちゃんと減らせると予測できること、全体のパナルジン脱落率は5%程度で
あること、脱落例でもプレタールでのコントロールがある程度は可能と考えられ
ること、以上のことからCypherを使うメリットが大きいと判断しています。

ただ最初にも書きましたがこれは今の日本では非常にデリケートな問題です。しっ
かり考えて患者さんのメリットデメリットを考えて決定すべきと考えます。
逆に言えば、深く考えずにダメだ、と思い込むのも患者さんのためではないので
はないか、と思います。

またある程度の期間・症例数をまとめた後 non-Plavix下でのSAT状況として報告
したいと考えています。

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○○です

クロピド vs チクロピジンの話題にひとつ追加を。
わが日本にはGP IIb/IIIa inhibitorがありません。
留置後2ヶ月め以降のthrombosisならクロピド vs チクロピジン論議が中心になるでし
ょうが、留置後1ヶ月以内の話であれば明らかにGP IIb/IIIa inhibitorの仕事になりま
す。海外のデータでは
ACSの少なくても30-60%にGP IIb/IIIa inhibitorが投与されていますので、この点に
関してはそのまま日本あてはめることは危険と考えています。ですので現状でAMI+DES
で特別悪い数字が出でしまわないかなあと懸念している部分もあるのですが・・・です
ので○○先生、先生のところの1ヶ月以内のSAT率はいかがですか? 海外と遜色ないの
であれば、それこそGP IIb/IIIa inhibitorがなくと
も、IVUSなどのデバイスを駆使して手技を完遂している日本の勝利(?)かも。しかも
GP IIb/IIIa inhibitorは高価だし。そこに加えてクロピドとの差も出てないのであ
れば、手技の段階で決定される因子が、やはりかなり影響すると感じますがいかがでし
ょうか?(とすると結局の問題は副作用ってところになりますか・・・)

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先のメールにも書きましたがACSではSATは経験していません。
約50例のデータです。繰り返しますが、ACSのCypherを推奨しているわけではあ
りません。するからには根拠が必要で、僕が考える根拠はその施設のSATのデー
タがまとめてあり、原因が推測されており、IVUSなどより安全性を確保できる手
段が可能で、最終的にCypherを使うことが有利であると論理的に考えられる、と
いうことが必要だと思います。

もう一点の、2b3aに関して、ですがどうも日本では不要なのではないかと考えま
す。困る症例は非常に少ないですので。。。印象としてdistal protectionが必
要と思われる症例や病変のみが2b3aを必要とする、様な気がしています。。。こ
れは何の根拠もないですが。

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○○です。

おそらくAMI-Cypherについては各地で話題になっていると思われます。先日行われた
神戸大学の研修医勉強会でも各施設意見はバラバラでした。
文献を検討すると、○○先生が書かれていることが正論でしょ
う。つまり、AMI-DES−チクロピジンでSATが許容できる範囲であるかどうかは不明で
す。
したがってSATに関しては自施設でデータをとるか、クロピドグレルの承認を待つか
の何れかを選択することになります。

しかし、ACSで再潅流療法を行う意義は梗塞当該領域の心筋サルベージと患者予後の
改善が目的ですから、当施設ではSATを生じたときのダメージを考えると#6、#11、
#1にAMI-DES−チクロピジンは選択していません。また、当施設では年間ACSが60例
程度であり、自施設でAMI-DES−チクロピジンのデータを出せるころにはクロピドグ
レルが承認される可能性が高く、リスクを冒す意義はないと考えています。

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○○です

AMI + Cypher + チクロピジン(クロピド?)でのデーターが
ないのは事実だと思います 確かにSATは怖いです

うちでも今は使いたいけど、使っていないのが現状です
でも、○○先生の言われることももっとだと思いますし
クロピドがステントに使えるようになるのは何時の事になるか分からないのも
日本の現状です
BMSも、多施設のデーターが出てみなさん自信を持って使われるように
なったのもある意味事実じゃないでしょうか?
いっそのこと多施設でデーターとりませんか?  長期成績より
短期の成績でも十分じゃないでしょうか? 如何ですか○○先生

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○○です

誤解を招いてはいけないので申し上げておきますが、私もAMIへのCypherを推奨してい
るわけではありません。
合併症としてのthrombosisは十分議論されるべきです。ただその場合、クロピドばかり
でなくGPIIb/IIIa inhibitorが使用できないdisadvantageを考慮する必要はあるでしょ
う。
これは先日、湘鎌の齋藤滋先生も懸念されていたことですし、事実、海外でのPCIの場
で私もreopro等を使用してましたが、実際にNo reflowやslow flowに明らかな効果がみ
られます(日本ではニコ
ランジル冠注が使えるので、それはそれでadvantageとは思いますが・・・)。それと
IVUSも使用しないのでstent拡張や edgeの確認も行っておらず、そのようなある意味 
incomplete result
をGPIIb/IIIa inhibitorで成績が補われている可能性もあるのではと思っていました。
でも○○先生がおっしゃっているように、いつ出るかもわからんものを待っているだけ
ではなく、ですから日本は日本で、例えばでIVUSを挙げましたが、ストラテジーの工夫
でGPIIb/IIIa inhibitorが使用できないdisadvantageをcoverできる可能性があるのか
なーと感じました。私としてはIVUS所見は十分根拠の一つになる思いますし。

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○○です。

○○先生が言われているように非常にデリケートな問題と思います。
厚生労働省が明確にダメって言ってることをするのは覚悟が必要です。
 でも 、BMSの添付文書にも、いまだにACSはだめって書いてあります。
AMIにCypherを入れることの妥当性については、たとえばCirculation 2003. 208;
1927-29あたりから、論文の根拠は得られると思います。 
だから、入れるのか?
問題は、@BxVelocityというステントをAMIに入れるか?
     ADrug Eluting Stent  をAMIに入れるか?  との二つあると思います。

@に関して
あまり、BMSのVelocityは経験がないのですが、直線化しやすく、高圧が必要なステン
トと考えます。
他のステントよりは圧を上げなければいけません。
たとえば、Stent PAMIでno flowが多く、以後のstudyでは差がないのは、
ステント(PS vs. M-L)の性格と留置圧によるものの可能性があると思います
(CADILLACのdiscussion)。
低ー中圧で留置した場合には、血栓性閉塞のリスクを伴うVelocityをあえて、
AMI(ACS)に用いるメリットはあるのでしょうか。
IVUSガイドでDIstal protectionすれば解決します?

Aに関しては、薬剤の効く時相と血栓閉塞の時相は違うから良いような気がします。
 でも、ステント後1ヶ月経ても、局所に血栓は残っているのですよね。
  活性血小板からモロモロの物質が出てきて、これが内膜増殖の刺激になるならどう
なのでしょう?


@、Aを考えれば、Velocityに乗ってなければ、OKかな と思います。
 VelocityをAMIの第一選択ステントとして使われていた施設はございますでしょう
か?


いずれにせよ、現状でCypher入れて詰まれば 面倒なことになりますよね。
十分ICする暇のない、AMIに入れるのは どうかと思います。
どこかの大学病院では、AMIにCypher入れた後に、吐血して、調べたら、MKがあって、

話を聞いたら、黒色便がでてたって話を聞いたことがあります(熊本ではありませ
ん)。


AMI治療の目的は、まず適切なflowを速く得ることであり、
再狭窄予防のCypherを現状の日本で入れることには抵抗を感じます。
やはり、クロのloadingができる環境まで待ちたいです。

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○○です。

AMIには、bxを20気圧でいれてました。SATはありません。ただ、stent PAMIのデーター
でいわれるように、slow flowの発生は高率に経験しましたが、ニトプロの投与でTIMI3
まで改善
するので、問題ししたことはありません。ただ、それがどの程度の心機能の抑制に働い
たかは不明です。
ですから、BX自体は高圧でいれれば、経験的に問題はないと思います。

僕も、通常の治療にはcypherを積極的に行いますが、AMIの治療予防の目的は、○○先
生と同様、reperfusionであり、救命、心機能改善が目的であり、その先の再狭窄予防
はその次と思います。また、cypher自体は再狭窄以外の心事故はBMSとなんらかわりな
いので、死亡率をあげるSAT,ATをおこすと、再狭窄の予防という意味がなくなります。
個人的に一番やっかいなのが、厚生労働省の勧告もあり、これでSATもしくはATあれば
報告するわけですよね。これって、この医療情勢からすると、色々な先生方がいうよう
に、あえて使用するメリットはほとんどなくなると思います。訴訟があれば、負けるの
ではないでしょうか?


クロピドに関してですが、新しい薬(デバイスでもそうですが、、、)が導入される際
の“期待感”が、とても大きい様に感じています。クロピドの最大のアドバンテージ
は、パナルジンに較べ副作用の少ない事です。 

過去のクロピドとパナルジンの直接比較試験(ベアメタルステント)では、副作用の問
題以外で、クロピドがパナルジンより優れているというデータはありません(30日まで
の心血管イベント;SATを含め)。 少なくとも“同等”です。むしろクロピドが悪いと
いう報告が多いくらいです。アメリカを始め海外でパナルジンがクロピドに変わった理
由は1)副作用が少ない2)安いと思われる3)一日一回投与で患者のコンプライアンス
がいいと思われる4)効果発現が早い、からです。
DESでは確かに長期抗血小板療法は必須で、クロピドを最近では1年投与している施設も
あります(Late Thrombusの心配しているのかと思います)。副作用が少ないクロピド
がDES時代になりパナルジンにとって変わったのは当然の成り行きでしょう。 


従って、クロピドがあればAMIでも大丈夫というのは、ちょっと期待が大きすぎるのか
なと思っています。AMI時のローディングの問題もあるかと思いますが、AMI+DESがパナ
ルジンだから悪いという物では無いように考えます。もちろんAMI+DESに関しては、は
っきりとしたデータが無いので、AMI+DESを推奨する事も、否定する事も出来ません
が。

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○○です。

くるくる回したうちの2断面ってこと、であります。
phaseは基本的に日大の佐藤先生が提唱していらっしゃるP波にあわせる方法で行って
います。
R波から、大体 -340ms から -400msになることが多いです。
RCAなどで、これでもぶれてしまう場合は、微妙にずらしたphaseをつくったり、収縮
期にあわせたりして、bestのphaseを選ぶようにします。
なので、症例によっては、各枝で、違うphaseで判断するときもあります。
一つのphaseで綺麗で判断できれば、それで終了ですが、そうでない場合が困りま
す。4-5 phase作るときもありますが、どこで諦めるかは、そのときの体力しだいで
す(?笑)
最近は、なんとなく、この症例は、他のphaseで何とかなりそうかな、とか、いくら
phaseをかえても駄目だろう、とかいう感じがつかめつつあるような気もしますが、
客観的には説明できません。
PVCが一発か2発くらいなら何とかなりますが、洞性不整脈は意外と手ごわいです。

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○○です。

皆さんの意見を伺って大変参考になります。

AMI(ACS)にcypherを使用するのは今のところ賛否両論で厚生省の勧告が
ネックになっているようです。

私が悩むのはACSにcypherを使うか、ということだけでなくseg6 justの処理なんで
す。
ある程度時間の経過したAMIであればballoonで逃げてもそれ程気になりませんが、
今まさに症状の強い99%の場合balloonのみで終わるのは勇気がいります。
これまではballoon(cutting)で逃げていましたがそういう症例は手技終了直後から確
認まで
ずっと気になっていました。
DESのSATよりballoonのACのほうがどう考えても心配です。
ACSにDCAするのは大変ですし、BMSもやはり置きにくいです。
○○先生や○○先生の言われるように急性期はresteのことはそれ程考えなくてよい
というお話しは
私も同感です。しかしこの場所だけはresteしたときのことも考えなくてはいけない
のはないでしょうか?
resteの形態によってはopeせざる得なくなるかもしれません。(それでもしょうがな
いかもしれませんが)

皆さんの意見をお聞かせください。

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○○です。
>
#6の本当にos以外はBMSでいいですよね。
問題は、just osで、DCAしなきゃいけないようなケースと、complexにステントを入れ
なきゃいけない分岐部病変ですよね。
当院は、このようなケースは(稀ですが)、すべてICTして、1週間以上ヘパリン、バ
イアス・パナを効かして、3週間以後の慢性期に治療しています(DCAとかcrush stent
(亜急性期には、DES使ってます)。
reperfusionを維持するためなら、急性期にIABPもいれます。
心筋梗塞の治療の目的はreperfusionが優先なので、再狭窄も考えるなら、急性期はICT
でみで、再狭窄を考えたPCIは慢性期にというのも、考え方だと思います。

あと、DESのSATのほうが、はるかにバルーンのACより手ごわいですよ。SATはまちがい
なく、血栓が多くreMI生じる可能性きわめて高いですし、ここで生じたら、死亡率を高
めると思います。POBAのACは、解離がおおいので、サクっとなおりますし、IABPも効果
ありますしね。

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○○です.

○○先生のお気持ちはよくわかります.当院でも今のところAMIにDESはほとんど使用し
ておらず,BMS(ほとんどDriver)を使用していますが,やはりLAD osの閉塞によるAMIに
時々遭遇します.それらのほとんど
がLADjustか幾分LMTにストラットを出すような形でステント留置を行っているのです
が,最近2例きつい再狭窄を生じてしまいました.いずれも急性期には問題なかった
LCxosやLMTにまで狭窄が生じており,CypherのY-stentにするかバイパスに回すか悩ん
でいます(おそらくCypherになると思いますが).急性期にCypherを使用していたらこん
な再狭窄は生じなかったのではないかと...後になって後悔します.当院でもAMI-BX
でのSATは初期の1例だけで,最近まで何のためらいもなくAMI-BMS留置を行っていまし
た.おそらく現在の手技で行えばAMI-Cypherも,問題なく使えると思います.ただやる
からにはAMI-Cypherが安全に使えるという理論武装(自験例でも構わないので)が必要だ
ろうと思います.

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○○です。

まずVelocityをAMIに使う問題ですが、すでにレスもありましたがうちでも一時
期すべてVelocityを使っていて全く問題ありませんでした。IVUSデータから
Velocityが拡張しづらいステントであることは間違いないと思いますがサイズと
拡張圧の調整で十分な拡張を得られ、その結果と思われますが別にAT SATで困る
ことはありませんでした。AMIだから低-中圧で留置する必要もないと思いますの
でVelocity baseのCypherをAMIに入れることと血栓性は問題とならないと思いま
す。

AMIの治療目的は適切な血流を得ることに間違いないでしょうが、その後に起こ
る再狭窄を考えなくていい時代ではなくなってきていると個人的には思います。
特に後日再狭窄で困る病変にBMSを入れることには「個人的には」非常に強い懸
念を感じます。でも「個人的には」です。これには自分でのIVUSを見ているとい
う条件もつきます。

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はじめまして

 岐阜県○○と申します。

  TRI経験年数6年で症例数は150例程度です。

 ずっと以前から、TRA netを拝見させていただきましたが、
今回の入会を契機にいろいろと質問したく存じます。よろしく
お願いします。

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○○です。

○○先生の言われていることは、ごもっともだと思います。

AMIへのstentingに関しても、術前にIVUSして、危険なものはdistal protectionして、
高圧かければ大丈夫でしょう。当院はいまだ、緊急では Angio-oriented です(すみ
ません)。
全く経験則なのですが、アンギオと臨床像・preのThrombusterによる吸引所見のみ
でdistal protectionの有無を決めてます。基本的にはZetaかDriverを14気圧以上で
留置するようにしています。
ステント留置圧は予後規定因子であり、BMSなりに再狭窄率を低くするようには努力し
ています。


> AMIの治療目的は適切な血流を得ることに間違いないでしょうが、その後に起こ
> る再狭窄を考えなくていい時代ではなくなってきていると個人的には思います。
 ○○先生の言われるように、現在進行形の問題です。
問題は現時点でどうか?
 ということであり、クロのloadingができる時代になれば、多分こんなdiscussionは
なくなるでしょう。
  GPIIb/IIIaは期待できませんから・・・。
それまでどうするか。全く哲学的問題と思います。
  ただ、AMIは普通より色々面倒なことがおきます。
   吐血したり、癌が見つかったり・・・・。それを考えると どうかなって思って
ます。
でも、○○先生。是非エビデンスを出して、堂々と使えるようにしてください!
 他力本願の○○でした。

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○○です。

一点、paperの件で教えてください、非常に偉い○○先生(なんかこう書くと冗
談っぽいですが本当に尊敬してます...)。
ACS症例とSAT(ATも含んでもいいんですが)の関係のpaperで代表的なものがあれ
ば教えてください。どう見てもACSでSAT/ATが多いんですがpaperでチラッと探し
てもうまく見つけられなかったので。

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○○です。

今朝から、ガイダントがJJに買収される?というウワサがあるそうです。
何でも、どこかの通信社が速報したとか・・・・・・・・・

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○○です。

もちろん、Plavixですべては解決しないでしょう。
GPIIb/IIIaが全く期待できないこの国で、現時点で考えられるend-pointにはなるでし
ょうけど。
他の国に少しは追いつけるかな。ってとこです。
という意味です。

論文ですが、去年・今年のしか手元にありません。で、パットしか浮かびませんが
Circulation 2003, 108.2-5 のp3の右の段の下の方にそんなことが書いていますが、
もっと元の論文は手元になく解りません。ごめんなさい。


なんか、土曜日の忘年会がおもしろそうですね?

でも、偉くないです。

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自衛隊○○病院の○○といいます。現在は、地区病院で、一般内科をしています。カ
テに関しては、ねっからの初心者ですが、メーリングを通じて 見聞を広げたいと
思っています。よろしく お願いします。

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○○です。

12月7日付けのNew York Times・ビジネス欄に掲載されています
(http://www.nytimes.com/pages/business/index.html)。簡単に見れる見出しによ
れば、

Johnson & Johnson Decides It Needs Devices
By BARNABY J. FEDER
In negotiating to buy Guidant, Johnson & Johnson is looking for an
acquisition to increase its presence in the lucrative, fast-growing market
for medical devices.

なのだそうです。

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○○です.

○○先生ではなく,自分のpaperで恐縮ですが,
Jpn J Interv Cardiol 2004,19:250-255に
「チクロピジン2週間短期投与とシロスタゾール1ヶ月投与の
亜急性ステント血栓症予防効果の比較」の当院のデータで608例(内ACS259例)
で比較し,シロスタゾールがチクロピジンよりSATが多いと示していますが,
ほとんどのSATがACS例でelectiveは1例だけと示しています.
ちなみにこの間ACSでもBMS+チクロピジンではSATが1例もなかったので
AMIにもCypherを入れていましたが,10月にDM poor control+低心機能AMI例で
drugをきっちり投与していたにもかかわらず,立て続けに2例SATをきたしたため
現在はやめているところです.

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○○です

NY Timesの記事に関する少し詳しいコメントが出でいました。
もしよろしければご参照ください。

J&J may acquire Guidant Inc for $24 billion

  Dec 7, 2004 Shelley Wood

A report in the New York Times that Johnson & Johnson is in "advanced
negotiations" to buy Guidant Inc is reverberating through media sources and
stock markets across North America, despite no confirmation by either
company that the rumors are true. A front-page story by Andrew Ross Sorkin
and Barnaby J Feder on the supposed purchase appeared in the Times December
7, 2004.

"The deal, long speculated about in the industry, would give Johnson &
Johnson . . . a strong foothold in the fast-growing market for products like
defibrillators and pacemakers that manage heart rhythms. Guidant ranks a
strong second in that market to the leader, Medtronic," Sorkin and Feder
write. "The transaction would also strengthen Johnson & Johnson's position
in the multibillion-dollar market for stents."

The Times report claims that J&J is putting up more than $24 billion, a
figure that caused Guidant shares to jump 6% and J&J stock to fall 3%,
Reuters reports.

A spokesperson for J&J, Jeffrey J Leebaw, told the Times, "We don't comment
on rumor or speculation." Requests for comment to both companies from
heartwire were not immediately returned.

Earlier this year, J&J and Guidant surprised industry-watchers by announcing
that they had entered into a deal to copromote J&J's Cypher
sirolimus-eluting stent. As reported by heartwire, the terms of the deal saw
Guidant's sales and marketing team assisting with the promotion of the
Cypher in the US on a commission basis, while J&J gained access to Guidant's
Multi-Link VisionTM stent delivery system and its bioabsorbable stent
technology, currently still under development. As well, an announcement in
May 2004 by Guidant president and CEO Ronald W Dollens that he would be
retiring at the end of 2004 has only bolstered the scuttlebutt about the J&J
takeover.

An industry update released by Merrill Lynch analysts predicts that a
bidding war over Guidant (perhaps from a company like Abbott) is unlikely,
"given J&J's size and cash-flow power." But the report acknowledges that the
"formidable competitor" resulting from a J&J/Guidant combination would put
pressure on competing device companies, Boston Scientific, Medtronic, and St
Jude Medical.

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○○です

遅いレスですが、当院ではAMIには全員cypherです。
全く問題ありません。

能書をきちんと守れば、AMIにはBMSも禁忌ですから、BMSでSATになれば当然医師の責任
は問われます。
1992−1994年ころ、POBAによるAMIの治療成績をまとめましたが、このころでもショッ
クでなければ死亡率は1-2%ときわめて良好で、ステントを使うことで短期成績が著し
く改善したとは思えません。逆にステントでslow flowが増え逆に悪いかもしれないく
らいです。したがって、現在AMIにステントを使用している理由は再狭窄を含めた長期
成績の改善が主たる目的なのです。

SAT率はDESもBMSもどの文献を見ても同じではないでしょうか。だったら、より長期成
績の良好なcypherを使うのは私の中では当然です。

もしcypherがダメなのであれば、BMSもダメだと思います。AMIにはPOBAをするべきで
す。

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○○です。

○○先生の言われるとおりで、クロのloadingが必要なのはBMSも同様であり、クロ待ち
は理由にならないと思います。すみません。撤回します。

 POBA時代とステント留置とでは何が変わったって、手技時間が短くなっています。
熊本だけの風習かもしれませんが、POBAして10-20分待って、再造影して、詰まってた
らまた拡げて、でPOBAでは結構時間が必要でした。いまは、direct stentポンで終われ
ます。確かに、予後は変わらないか
もしれませんが、術者の負担=患者負担はステントで減っていると思います。
 医師の責任問題に関しては、解釈の分かれるところだと思いますが、医師の過失を問
えるかと言うところでは、標準的医療を施行して生じた事象で、予知可能であっても会
費不可能であった事象は過失は問えないと思います。能書通りでないので、訴えられる
でしょうけど、これだけエビデンスのあるBMSですから、標準的(平均ではない)医療
になると思います。ですから、最終的にはsafeとなると思います。これが、Cypherであ
れば厳しいと思います(現時点では)。個人的には、今回のdiscussionのなかでCypher
をAMIに使うことは良いかもしれないと思ってきています(すぐ人に影響されます)
が、標準医療になるには開拓者の努力が必要と思います。
 ただ、Cypherに対するICを救急外来に滞在する20分で、説明可能ですか?

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○○です。

いつも先生方の活発なdiscussionを拝見し、隣1mにおられる○○先生に「す
ごいですねぇ」とばかり言っています。先月、○○先生や○○先生はじめ、皆様に意
見を頂いた鎖骨下動脈瘤+狭窄の方の経過をご報告します。

当院での治療経験が無かったので、鹿児島県の○○先生にお越しいただい
て、右上腕動脈からPassager Biliary covered stent(径7mm/長さ20mm)をtargetの右
鎖骨下動脈に留置しました。

総頸動脈や椎骨動脈にステントがかからないように留置することに一番注意して行わ
れましたが、無事そのような事態にならず、上肢の血圧左右差も改善し退院されまし
た。多分今頃は元気に椎茸作りに精を出されていると思います。

またCovered stentが血栓で閉塞することを危惧しておりましたが○○先生のお話で
は径が大きくflowもいいのであまり心配無いのではないかとの事でした。今後は元々
内服されていたバイアスピリン100mgとワーファリンを継続し、1,3,6ヶ月後にCTで
followする予定です。



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○○と申します

今回のdiscussionとは関係ありませんが,
いつでもCypherを使えるご施設は本当に羨ましいです
当院のような,田舎の山奥で細々とやっている病院には,
ふだんからCypherが置いてないのはもちろんですが,
「この日にこのサイズのCypherを使いたい」とお願いしても,
希望通りにいかないこともありました
(患者さんに平謝りして,延期しました)

11月末のQPICの症例検討会で症例紹介をいたしましたが,
「PCIとPTAを一期的にする予定だったが,Cypherが
手に入らないためPCIは後日に延期した」
と申しましたら,会場から失笑をかってしまいました・・・
哀しいです・・・

愚痴ばかりで申し訳ございません
失礼いたしました

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○○です。

チクロピジンしか使えない環境下でのCypherの成績については、まだまとまったエビ
デンスはないですが、おそらく、SATが起こるとしてもしっかり植え込めば、その頻
度はいわゆる許容範囲内でしょうし、再狭窄率はBMSよりはるかに低いでしょう。そ
ういう意味では積極派の先生方の立場も、よく理解できます。

ただ、○○先生がおっしゃったように、厚生労働省の勧告や、講習会で繰り返し行わ
れた指導の重みは認識すべきでしょう。つまり、SATが0%ということはありえません
から、仮に許容範囲内の発生頻度であっても、SATで死亡例がでて、訴訟を提起され
た場合、非常に難しい状況になると思います。カテやPCI絡みの医事紛争に詳しい、
とある高名な先生から、“先生は若いころ、世の中で、随分はやくからAMIにBMSを入
れていたけど、今、CypherをAMIにいれて、そういうSAT絡みの訴訟が起きれば、現状
では100%医者側が敗訴するから、やめたほうが良いよ”と貴重な忠告をいただいた
ことを思い出しました。

確かに、再狭窄まで考えての治療が一番望ましいわけですが、AMIの緊急PCI前に、そ
こまでの詳細な説明を、時間をとって十分にできるようにも、また、突然AMIという
事態に直面した御本人・御家族がそこまで理解する心理的余裕があるとも思えませ
ん。待機例のように、医師-患者-家族の信頼関係を確立したうえで、複雑病変を手が
けるのと全く違います。

何か起これば、いかに医療サイドが善意にもとづいて、全力で最善の治療を行ったと
しても、それをまったく理解せず、結果だけをみて、事故やミスと誤解する人も少な
くない世の中です。AMIにBMSが試みられはじめた、1990年代中〜後半とは、日本の医
療を取り巻く環境は激変していると思います。

というわけで、ウチは、まったく迷いなくAMI(STEMI)はBMSにしています。積極的に
Cypherを使われている先生方に、SATがないよう、神様のご加護があることを心より
お祈りしますし、僕は自分の運は、もうちょっと別の分野にとっておきたいと思って
います(笑)。

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○○
○○先生に賛成です。

○○先生のゆうDesも、BMSも同じだという論理は、AMIじゃない人に関してはまった
くそのとうりですし、パナルジンの問題も同じだと思います。

やっとDESというすばらしい治療法と手にいれて、すくなくとも厚生労働省がチェック
してるわけですよね。
BMSでは報告いらなくても、DESではいるわけですよ。すくなくとも、ACSに対しては慎
重にする必要があるという考えです。パナルジンについては、JACCTの勧告であった、
厚生労働省がつよくいってるわけではないので、通常の治療についてはDESをどんど
んつかうべきです。

あと、BMSもDESも死亡率という意味での予後は差がありません。しかし、DESの植え込
み方がBMSとまったく同じように植え込まれているのならば、SATATはどう頻度で
しょうけど、DESの植え込みが低圧であったり、 IVUSをつかわ
ないで、AMIにつかうと、SATは増えますよね。BMSでの再狭窄は死なないけど、ステン
トのSATで死ぬことが多くなるのではないでしょうか?

でも、フロンティアの先生方が、リスクを犯して、成績をだしていただけることを祈っ
てます。

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○○です。

当院ではAMIは全例BMSです。

先日非常に迷った挙句にBMSを選択された患者様がいまして、BMSステント後一ヶ月でな
んと十二指腸潰瘍で下血されました。

十二指腸潰瘍になりやすい性格?だったかもしれませんが、不幸中の幸いかBMSですの
でその時点ではパナルジンは既に終了しており、バファリン(81)1Tのみでした。SATも
なく潰瘍も治癒しました。

また、現在待機的Cypher80例のうち既に2人に肝障害が出てパナルジンを中止し、プレ
タールに変更して事なきを得ています。

報告書も提出しております。なかには自分になぜCypherを使ってくれなかったのかとい
うAMIの人の意見もありましたが。

ステント自体は「BXに精通された術者」であれば、何の問題もないと思います。○○先
生の意見も理解できます。

先生方の中には実際に弁護士の方にお世話になっている人も居るかもしれません。

私は経験済みです。良かれと思ってしたことでも、全て行った行為と結果のみを検証さ
れます。

全てを背負って立つ気合?がなければBMSを選択せざるを得ない状況もあります。

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○○です。

法的問題をのぞいてはすっかり分が悪くなってしまったようなBMSですが・・・
どうしてもAMI-Cypherに踏み切れない理由にパナルジン以外に次のような私なりの理由
があります。
ます、本当にDESもBMSも同じか?という疑問です。ステントを同じいれかたでいれたな
ら同じなのかもしれません。しかし、実際使っている先生は同じご意見かとは思います
が入れ方がぜんぜん違いますよね。かたやthe bigger, the
better, かたやthe longe, the betterです。DESとBMSのdouble blindだった(すなわ
ちDESをBMSと同じ入れ方をした)SiriusではたしかにBelocityよりかなり低かったです
が8.6%のfailure of target lesionを認めており決して満足い
くものではなく、やはりlesioin full coverしてのcypherだと思います。IVUS-guide
spot stentを提唱されたColombo先生がDESではfull-metal jacketといってらっしゃる
ことからも明らかに使い方の違うステントだと思います。また、これもColombo先生の
dataですがBMSでは10000分の1未満だったelective症例での手技中の血栓症がCypherで
は0.7%あり、そのすべてがGPIIb/IIIa阻害剤不使用例であったとのことです。
Chieffo A, Bonizzoni E, Orlic D, Stankovic G, Rogacka R, Airoldi F,
Mikhail GW, Montorfano M, Michev I, Carlino M, Colombo A.Intraprocedural
stent thrombosis during implantation of sirolimus-eluting stents.
Circulation. 2004 Jun 8;109(22):2732-6
やはり、長くいれてしまうと血栓の危険が増えるように思いますし、さりとてBMSと同
じように入れて8.6%のイベントが生じるようではDESの価値が下がるように思います。
6番justのAMIにしても、たいがいはLMTまでplaqueがありますからCypherらしくLMTにか
けるべきなのか、さりとて元気なLADに向かってかけるのならともかくLADのAMIの真っ
最中にLCxにjailさせてもしLCxのflowが落ちたらと思うとEAPの時のように思い切れ
ません。
AMIにCypherを使用されている先生方はどういう入れ方をされているのでしょうか?も
しよろしければAMIに対するCypherの入れ方についてなにかコツがあればぜひご教授く
ださい。

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○○です。

> 法的問題をのぞいてはすっかり分が悪くなってしまったようなBMSですが・・・
いえいえ僕自身 現時点でのBMSがありえないこと、とは思いません。
それに現時点で何らかのtroubleになったときにはやはりCypherを使っている方
が問題が大きくなると思っています。
だからむしろCypherを使うべき状況の方がselectiveであるべきと考えます。

ただ○○先生の論点で
> SiriusではたしかにBelocityよりかなり低かったですが8.6%のfailure of
> target lesionを認めており決して満足いくものではなく、やはりlesioin
> full coverしてのcypherだと思います。
と書かれていますがnew SIRIUSや eCypher registryのデータを見るとこの8.6%
を基準に考えるのはやや問題か、と考えます。

> AMIにCypherを使用されている先生方はどういう入れ方をされているのでしょうか?
> もしよろしければAMIに対するCypherの入れ方についてなにかコツがあればぜひ
> ご教授ください。
うちのACSへのusual strategyは、まずaspiration、その後IVUS、IVUSでステン
トを入れる情報(サイズ・長さ・位置)を決定してCypherを入れる、と言う方法
です。aspiration以外はelectiveとあまり変わりません。径は末梢径が若干信用
できないし小さめですので問題ですが。。。

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○○です。

DESをAMIに入れる際に、edgeに気をつける必要があるので難しいのではないかとの質問
です。私はいつも皆様と反対のことを言いますが、私の意見です。

SIRIUSのデータは、注意深く見ることが必要です。edge restenosisは近位端でDES5.
7% BMS5.8%です。遠位端では、DES2.0、BMS5.5%で、いずれもDESの方が少ないので
す。
ただ、体部での著しい抑制効果に比べると有意差がないというだけで、ステントの端は
BMSを使うより、DESの方が注意が必要ないことがわかります。

ステントのedgeに関しては、私が1995年のAm J Cardiolで指摘したとおり、BMSの最大
の弱点でした。当時はPSSの間接ばかりが注目を集め、私のedgeに関する論文はあまり
脚光をあびませんでしたが、SIRIUSでようやく正しいことが証明されたと思っていま
す。

現場の臨床でも、BMSを使う方が私はedgeに注意します。DESになって、多少edgeの位置
決めが十分distalにすることで、簡単になったと実感しています。

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○○です。

鎌倉ライブが終了しました。TRAnet忘年会も盛り上がって久々遅くまで飲むこと
になりました。皆さんお疲れ様でした。

さて、今回の鎌倉ライブのTRIビアの泉と言うセッションでCypher Bifur問題が
盛り上がり自分の症例を反省したりして考えていて何点か発言を訂正?させてい
ただきます。

実は忘年会で怖い人たちから「先生は知らないうちに言うことが変わっていて困
る」と言われましたので今のうちにこの疑惑を晴らそうと…

とにかく、言いたいことは

(1) Crushではwireが通過する部分は選択できない、と言いましたが若干発言を
訂正させていただきます。実はCrushの一番の問題はワイヤがストラットの
distalめから通過してしまう(これは○○先生の指摘です)、これでside branch
ostiumの injury wall without drugを作ってしまうこと、と思います。そこで
Crushでもwire通過部位をproximalにcontrolすることが必要でそれを試みようと
思っています。また何か方法が分かれば報告します。

(2) Cypherを切るなんてとんでもない、とだいぶ前に発言しましたが訂正します。
よく考えれば最初のfast releaseはtop coatがないんですよね、←間違っていた
ら誰か指摘してください、ですからCypherを切ってその断面から薬が出る、と言
うのは間違いのように思います。最悪fast releaseと同じ、それも小さな断面の
み、ということになるのでそれであれば短いCypherを使えることと本数を少なく
できることでmerit>>demeritとなる場合があるのではないか、と思います。
○○先生、だったと思うけど、ごめんなさい。趣旨変えします。
実は今日の午前中に実験でVelocityを切ってI+Vステントをしてみました。問題
はあるものの十分現実的と思われました。ただ、Cypherを切ることを薦めている
わけでは決してありません。Optionの一つです。

(3) reverse CrushがCrushよりいいと思う、との発言、訂正はしませんが side
branch ostiumに対してはよく考えるとreverse crushとYstentは同じなんですよ
ね。でCypher strut dilationの問題を考えると必ずしもreverseがCrushよりい
いとはいえないと思います。これは(1)にも関係するけどCrushがいかにきれいに
できるか、によって今後の意見は変わると思います。

以上です。

でも言ってることが変わった最大の原因はCypherが来たことですから、皆さん、
特にステントのサイズや広げかたについてはBMSとCypherでは全く違う、という
ことを再認識してください。特にK本R災の同級生先生、よろしくお願いします。

あと、今年のTRIビアでの一緒くた法、うまくプレゼンできずどうも正しく理解
されていないと思いますので来年?再度ちゃんと説明させていただければ…と思
います。本当の最後の一手としては有効なんですよ。。。


ps. ○○先生と○○先生、おめでとうございます。それから皆さん来年もよろしく
お願いいたします。

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○○先生へ

>
> あと、今年のTRIビアでの一緒くた法、うまくプレゼンできずどうも正しく理解
> されていないと思いますので来年?再度ちゃんと説明させていただければ…と思
> います。本当の最後の一手としては有効なんですよ。。。
>
>

確かに座長として壇上から見ていても皆の顔は僕も含めて半信半疑でした。
来年は全員を納得させて下さい。

ライブ評価機構 認定委員長  羽○○○

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○○です。

鎌倉ライブ、TRA net忘年会、楽しく参加できました。○○先生はじめ、facultyの先
生方お疲れ様でした。○○先生受賞、○○先生、おめでとうございます。
個人的には、TRIビアの泉で、アナウンスをよく読んでなかったため、日本語のスラ
イドを作成してしまい、大失敗だったと反省しています。

○○先生のご意見について
「 (1) Crushではwireが通過する部分は選択できない、と言いましたが若干発言を
訂正させていただきます。実はCrushの一番の問題はワイヤがストラットの
distalめから通過してしまう」
私の実験によると、crushされるステントは、必ずしも、side branch側の血管壁に付
着しているわけではありません。意外に、心内膜側にもぐるような形で、crushされ
ています。おそらく、wireがstrutのdistalから入ってくるのではないかという指摘
は、distalのほうが、潰されていない形のstrutが残っている確率が多いからという
ことではないかと思うのですが、それは、side branch側の血管壁にきれいにcrushさ
れたときにのみ起こることです。実際には、crushされるステントが心内膜側にもぐ
ることも起きるのですから、潰されていないstrutが残っているのは、心外膜側に多
く残ることもありえますから、proximalを掬える可能性はあると思います。分岐角度
や、本幹の曲率により、crushされる部分は変わってくる可能性があり、そういう意
味では、「wireが通過する部分は選択できない」という先生のご発言は正しいと思い
ます。

「side branch ostiumの injury wall without drugを作ってしまうこと」
このことが、cypherの最大の難点だと思います。私の実験系、○○先生の
Y-stentの実験系でも示したとおり、cypherのstrutごしに拡張を行う方法では、
napkin-ringの現象は避けられません。この問題を解決できるplat homeを持つstent
の登場が望まれます。

「実は今日の午前中に実験でVelocityを切ってI+Vステントをしてみました。問題
はあるものの十分現実的と思われました。」
多分、私のプレゼンテーションのshort stent + Vstentと同じコンセプトだと思いま
すが、最初、手前に短いステントを入れておいて、その中から、V-stentを行えば、
すべて、分岐部の内膜は、ステントで覆われることになります。ただ、これをやるに
は、いくつか問題があります。分岐部直前に分厚いプラークがあった場合、手前のス
テントを入れた際に両分岐ともにplaque shiftしてしまい、閉塞してしまう可能性が
あること(特にLMTでは、riskyです)、KBTは、同じコンプライアンスのバルーンを
使用しなければ、隔壁部が変形することがあること、3本のDESを使うことになり、コ
ストがかさむことです。ただ、ステントを切ることは思いつきませんでした。これっ
て、28mmを10mm+18mmぐらいに切って、2本のDESで済まそうという魂胆ですか?
(笑)

「(3) reverse CrushがCrushよりいいと思う、との発言、訂正はしませんが side
branch ostiumに対してはよく考えるとreverse crushとYstentは同じなんですよ
ね。でCypher strut dilationの問題を考えると必ずしもreverseがCrushよりい
いとはいえないと思います。これは(1)にも関係するけどCrushがいかにきれいに
できるか、によって今後の意見は変わると思います。」
私は、あのセッションで、先生が、「standard crushでは、IVUSで見ると、side
branch ostiumにstrutの確認できない例があった」と発言されたのを、crushができ
ず、T-stentになってしまったと理解したのですが、それでよいのでしょうか?「ア
ンギオの入り口と思っているところと、実際の入り口は違う」(先生の名言です)
IVUSで入り口は確認しても、crushがずれてしまった原因とは何でしょうか?crushす
る部分の長さについては、Columboの原著には、4-5mmと書いてあるのですが、実際短
すぎると、このような危険があるし、KBTをかけるのが難しくなるような印象を受け
ました。Standard crushでも、入口部は狭くなるのは、避けられませんし、どんなに
頑張っても、3mm以上には広がりませんので、私の実験系では、その部分の形態に関
しては、StandardもReverseも大差ない結果になりました。

長文ですみません。今年一年お世話になりました。来年もよろしくお願いします。

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○○(鎌倉ライブに参加できなかった)です。

毎日のように緊急カテが続き、重症だらけで病棟がぐちゃぐちゃになっています。
ウブレチドという神経因性膀胱の薬にリン中毒に似た副作用があり、コリンエステ
ラーゼが低下することでスパスムが誘発されAMIが発症するなんて症例がありまし
た。
リン中毒のAMIは聞いたことがありましたが、実際に経験するとは思いませんでし
た。

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○○です。

ほんと、鎌倉ライブお疲れ様でした。
○○先生のメールは年末の挨拶になっていますが、まだレスされますよね。
ズーッとcrushが話題になっていますが、どうも生理的に・・・・。
どうしてYーステントではいけないのでしょうか?
ストラットが開かないからですか?
でも、crushのfinal KBTも一緒のような気がしますが。
教えてください。

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