21〜30総集編

==============  第21集 =================
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○○です。

17日に小倉に行かれたみなさん、災難でしたね。

1例目:私はこの症例に間に合わなかったのですが、話を聞くところによると、ロフ
トのぶち込み4回とか。ガイドカテの中でロフトが行ったり来たり・・・・。

2例目:右#1のテルモステントの再狭窄をDCAして50%になったところで終了。
(さすがにこれではまずいと思われた○○先生が、その後IVUSを見て3.5mmのバ
ルーンを追加して0%で終了したとあとで説明あり)

3例目と4例目:ディバイスが通過せずDCA断念。病変部が硬いから通過しないと言
われるN吉先生に、壇上の我らが○○先生の”IVUSを見られて血管の性状を把握
してから・・・・・・”という質問にも、”DCAにIVUSなんてまっっっっっっ
たく必要ありません”と一言。○○先生が、左右の柴○先生、堀○先生と3人で顔を
見合わせ苦笑されていたのは会場からハッキリわかりました。
ただし、司会の○○先生はさすがにマズイと思われて、症例が終わり中継が途切れた
一瞬のスキをついて”DCAにはIVUSが有用ですよね”とカテ室に聞こえないと
ころで必死にフォローされていました。

症例はCXtake offの7~8mmの狭窄で、その先にはテルモステントが入っていたので
すが、DCAが通過しないとなったところで、すぐにテルモステントの2.75
(20mm)を出して入れようとしたのですが、”殿、御乱心”とばかりに○○先生が、”
抹消のステントとの重なりが大きいから入れない方が良いのでは”とやんわりとテル
モステントの使用を諫めたのですが、それでも”それなら15mmのテルモステントを出
して”とさらに言われたので、さらに○○先生がお諫めされ、ようやくPOBAにて
終了しました。

5例目;CXtake offの病変、DCA(フレキシカットS)がなんとか入り数回カッ
ト。25%の残存狭窄を残してそのまま終了した後、LADtake offにもあった50%
狭窄に対してもDCAをするべきかどうかを壇上の先生に質問された。目黒先生が、”
やはりIVUSを見てから決めたい”と言われたので、それならLADをIVUSで
見ようということになり施行。結局狭窄はきつくなく、何もしないということになっ
た。しかし、せっかくIVUSを出しLADに入れたのに、たった今やったCXのD
CAの跡をIVUSで覗く気は全くなし。このまま終了。

結局2時間で5例行い、そのうち3例にDCA施行。しかし、一度もDCA後のIV
US所見は見なかった。
最後にN吉先生は再びIVUSのことに触れ、”初心者で慣れていない先生はIVU
Sをしてもよろしいかと思います”とフォローにならないフォローもされていました。

某先生の御発言:今日のライブは”死ぬ前のジャイアント馬場のプロレス”みたいだっ
た。上がらない足での16文キックに相手が勝手にブチ当たって来て勝手に倒れる。
その光景を見て観客が拍手をしながら冷ややかに笑っている。

別の某先生:今日は一日病院を空けて来て損した。

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○○です。
以前、○○先生から報告があったマーベリックの断裂の件ですが、先週、同じような
経験をしましたので報告します。
使用したのは、マーベリックモノレール1.5mm、4AVのAMIに対し、14気圧、60
秒、2回inflationした後、回収しようとしたところ、引けてきたのは、黒い固めの
シャフトとその先端についたワイヤーシャフトだけでした。幸い、その先にあった透
明なビニールシャフトが、辛うじて、Yコネの外に出ていたので、通常と同様の操作
で、ちぎれた先の部分の回収は可能でした。回収時に、力をかけすぎたり、勢いよく
抜いたわけでもなく、明らかに、黒い固めのシャフトとビニールシャフトのbonding
の部分が接着不良で抜けてきたような印象を受けました。
Bostonに翌日報告し、その製造ロットの回収と、○○先生の例と同じ種類のバルーン
であり、調査も依頼しています。今日、Bostonからきた報告では、断裂している個所
が、○○先生の例と同じ場所だそうで、本国で調査するとのことでした。
製品構造による問題なのか、製造過程の問題なのか現時点でははっきりしませんが、
発売3ヶ月間で、このネット使用者だけで、2例の断裂があることは、頻度が多いよ
うにも思います。
詳細がわかり次第、また報告します。

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皆さんこんにちは。○○です。
KOKURA (DCA LIVE Produced by GUIDANT)のライブを称して「死ぬ前の馬場のプロレス」と
いったのは僕です。
あまりのひどさに、見るのに耐えられなくなり、途中で退出してしまいました。術者には、PCIの
パイオニアとして最大限の敬意を持って見るように、自分自身言い聞かせて、1時間は会場で
頑張って見ていたのですが、最後には「見世物小屋の出し物」に見えてきて、会場の外に出て
コーヒーを飲んでいました。
私は、見たくなくなったので、途中退出が出来たのですが、壇上の先生方は針のむしろだった
のではないでしょうか。
このLIVEで九州のDCAがまた一歩遅れたと思います。GUIDANTはこのLIVEのために、九州の
医師が関西の講習会に行くのを良し、としませんでした。この小倉のLIVEでは、FLEXI CUTに
関して、パンフレット以上のものが得られませんでした。
*この会場に来られなかった先生は是非、ビデオを見てください。残暑厳しい中、涼しくなれま
す。
**G馬場のファンの先生にはごめんなさい。ただし、往年の馬場選手のように、術者が
「痛々しく」みえたのも事実です。

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○○です。

途中退席者が多かったのは事実です。壇上の木村先生は結局一言も発言されませんで
した。光藤先生、目黒先生もモゴモゴとした物の言い様で歯切れが悪かったです。
しかし、ライブの後の木村先生の講演では、
“DCA施行の至適部位はLADtake offのみと言っても過言でない。しかしそれ
もTransradialでステントを入れることによる患者の快適さや手技時間の短縮にまさ
るだけの優位性をDCAが持っているかどうかの判断は術者によって違う”という趣
旨のことを話されていました。 

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○○です。

 私は3時すぎに会場に着いたのですが、すでにライブは終わって、レクチャーが始
まっていました。入り口にいたガイダントの担当者は、ライブの疲れからか?元気が
なかったように感じました。

 レクチャーは「パンフレットの内容にそって」各項目を説明するという流れでした。
でもパンフレットと全く同じスライドを棒読みにする先生が多く、まるで前総理の国
会演説のようでした。レクチャーの間中「やる気のないけだるいかんじ」に襲われた
のは、暑さのためだけではないでしょう。

 Flexicutのことはどうでも良くなり、IVUSを使ってもいいのかということのみに注
意して聞いていました。最後まで、御大からIVUS使用の是非についての「明確な」コ
メントはありませんでしたが、壇上の先生方は「当然のように?IVUSを使い、そのメ
リットを主張されていたので、今度レセプトのコメントをつけるときの参考にしたい
と思います。

 余談ですが、今月のJSIC雑誌(Vol16, No4)editorialの最後の一文は、読めば読
むほどスパイスが利いていると思いませんか?

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○○です。
はじめまして。この度 TRA-net に入会させて頂きました。
私どもの施設では年間約1000例の心カテ(診断カテ500-600、PCI 200-250、 EPS,
ablation 150-200)を行っています。Trans femoral で行うことが多く、TRA, TRIを
行うことは極めて例外的です。時代の流れからTRIに移行しなければと考え、少しず
つ始めるようになりました。皆様方の貴重なご経験を参考にして、技術を高めて行き
たいと考えています。よろしくお願いします。

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○○です。

 当院ではTRAの止血にアダプティを使っています。
 ところで最近アダプティによる止血中に、圧迫部の疼痛や反対側の疼痛を訴える例
が増えたような気がしてます。
 アダプティのベルトの張力が前よりもきつすぎるのかもしれません。あるいは、ア
ダプティのアクリル板のサイズが一種類しかなく(開発時は大小用意してました)、
手首の大きい人、小さい人で圧迫のかかりかたが異なるのかもしれません。手首の小
さい人には、手首の背側に小ガーゼをはさみこんでベルトをかけると痛みが軽減する
ようです。
 TFAやTBAに比べれば、その苦痛ははるかに小さいですが、「前の方?プロトタイプ
のこと)が楽でした」と言われたので、ちょっと気になっています。

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○○およそ2ヶ月振りの登場です。ご無沙汰してました!
赴任して2カ月、ついぞ当院でも昨日始めてのTRAをしました。
右鎖骨下動脈閉塞で、足からカテすることになっていた80女性です。
左radialからサクッと終わり、カテ後の患者の楽さ加減に部長も御満悦でした。
電光石火の早業で(といっても電話数本しただけで偉そーなこと言えませんが)、
GM medical Bostonの方々に器材を集めてもらってロングシース、カテーテルなど集めま
した。
2カ月前まで当たり前にTRIしてたのに、なんかえらい懐かしい感触でした。
全面的にTRAのみ解禁となりました。メデタシメデタシ。
今度はTRIをブレイクさせるぞ!
○○先生…バーベキュー楽しみにしてます!

で、本題ですが…本日も造影は6例TRAでしたが、以前より患者さんが痛がる感じで
○○先生が言われるようにゴムバンドの部分が短くなった感じでした。
患者の疼痛で病棟から2度呼ばれました。出だしが肝心と思いっきり締め過ぎるのも原因

かと反省してますが。ラディスポも使ってみましたが、圧迫部分が少し狭くなってませ
んか?
小型化するのはいいけど、狭い面積で差し込むように圧迫されると、圧迫は効く反面
患者さんは痛いのかも知れません。

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○○です。CTO研究会にて京都入りしています。博多から500系のぞみで2時間
33分、あっという間でした。

○○先生、オメデトウゴザイマス!!
いやはや一時はどうなる事かと心配しておりましたが、先生の御努力に全く感動致し
ました。メデタシメデタシ。明日のBBQ楽
しみですね。参加できないことがホントに残念です。さあ次は是非TRIですね。しか
し6Fr.ガイドカテへの誤解もあり、これまた大変そうですね。何はともあれ、○○先生
の御努力のお陰で、○○県のTRA/TRI比率も一気に高まりそうな気配です。嬉しい限
りですね !

○○軍団も頑張らねば!!  さあ明日はマニアックなライブ、楽しみです。

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○○です。
時々は参加させて頂こうと思いつつ・・・

ということで、先日○○病院のTRA第1例目を目撃しました。
その患者さんの検査が終わる頃には、
「いまの90cmカテはすべて引き上げ、110cmに全部交換」
となった時には、あまりの素早いことの運びに目を丸くしました。

話は変わりますが、7月に今の病院に来ましたが、
道具のことはほとんど分かりません。
・バルーンはPREMIO, Metro, sierraの3種類
・ステントはS660/S670(15mmと18mm), NIR PRIMOの2種類
・GWはNEO'S SSJ, Soft, intermediate
・GCは6F ZUMA・と7F PRIME7
うちにあるのはこれだけです。
こんな感じでいいんでしょうか。
それはやめとけ、これがいいっていう意見がございましたら、ご教授下さい。

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○○です。

おお○○先生、ベルリンの壁が崩壊する瞬間の歴史の目撃証人となったわけですね、
正に!
##超ローカルネタでスイマセン、皆様

ところでNeo's SSJって○○オリジナルでは? それともこれは普通に売ってるも
のでしょうか? 少なくとも僕には最初っからJ-shapeがついているGWの必要性が理解
できませんが...。便利?不便? 個人的にはGWのリボン・シェイピングも重要な手技
の一部と認識しております。

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○○です。

うちは3年前からアダプティですので、もう2〜3年使ってヘロヘロになっているベ
ルト(まだアダプティが試作品でサッカーのストッキング止めベルトを使用していた
ためpumaとかadidasなどのロゴが入っている)と、
最近入ってきた活きのいいベルトが混在しているにもかかわらず、いつも同じような
感覚で締めているので、締めぐあいにバラツキがあり患者さんの痛みが出ているのか
もしれません。そろそろヘロヘロベルトを捨てようか・・・・・・。

○○先生、オメデトウございます。
先日お会いしたときに、”今度の病院ではTransradialができない”とブルーな御様
子だったので心配していましたが、これで以前の○○先生に戻ることができますね。

○○先生、○○はすぐ近くに心臓外科が無いようですので、いざという時のた
めPerfusion バルーンを置いたらいかがでしょうか。

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○○先生、○○先生ありがとうございました。

ということで、またまた質問です。
1. GWは何をお使いですか("SSJ"が○○限定商品とは知りませんでした)。
2. Perfusion balloonはどれくらいの時間なら拡張したままOKですか。
3. アダプティのはずし方;誰がはずすか(医師 or 看護婦 or 患者さん本人???)。
  何時間後まで装着するか(ゆるめるのか、はずしてしまうのか)。

初歩的質問ばかりですみません。

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みなさん、こんにちは。特殊法人民営化は石油公団だけではありません。○○です。そういえ
ばなんとなく「開業しませんか。」と声をかけてくる輩が最近多くなってきたような気がします
(笑)。

○○君の初歩的な質問には、今日私と○○が責任を持って答えます。

○○主将。TRAおめでとうございます。今日、○○君をいじめながら祝杯をあげましょう。
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○○です。

SSJの存在は私も知りませんでした。
もう○○先生が個人的に話されたかもしれませんが、
1,ガイダント製(BMWなど)が一番売れていると聞いていますが、汎用ワイヤー
ならどこの物でもそこそこ使えると思います。CTO用となると各先生にいろいろこ
だわりがあるかもしれません。
2,緊急(冠動脈穿孔、破裂)用に使うのでしたら、”たとえ何時間でも心臓外科に
渡すまでずっと拡張し続ける”ことになると思います。他のバルーンを使用するより
はマシでしょう。
3,最初が肝心です。”どこの病院も緩めたり、外したりするのは看護婦だ”と言わ
なければなりません。それをしなかった当院は医者がすることになってしまいました。
とほほ・・・・・。

インターベンション学会九州地方会でまたひと騒動あったと聞きました。ついに九州
も2派に分裂し、敵対する関係になるのでしょうか。

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はじめまして。○○病院の○○と申します。
このたびはTRA-netのメンバーに加えていただきありがとうございます。
まずは簡単に自己紹介から。
昭和○○年、金沢大学卒業、もうすでに40代半ばなのでメンバーの皆さんと
は世代が違うかもしれません。ちょっと気恥ずかしい気もするのですが、
TRA-netのログ集を見ていて刺激されるところがあり思い切って参加させてい
ただきました。
私自身TRIは5年前に体重120Kgに及ぶ巨漢の男性に行ったのが最初で以後症例
を積み重ねていますが、最近はインターベンションそのものから少し遠ざかり
つつあり自分でも熱意が薄れてきたのかなと思うことが時々あります。
TRA-netでtensionをまた上げてゆきたいと思っていますのでよろしくお願いい
たします。

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○○です。
何点か、話題を。

Maverick、2本目のトラブルですね。CTO研究会でもボストンと話をし
ましたが、原因がわからないのが困りますね。頻度としては多いし。
ただし現時点ではMaverickは性能的に抜きん出ているので販売中止
になると困ります。特にCTOにおいて。

Kissing、6Frでkissingをしようとしたりして 2wireにすると Z2でもワイヤ
が絡んでバルーンが通過しづらくなることありませんか?
何かいい解決法はないですかね?僕はおまじないっていいながら時計
方向に3回ぐらい回してそれでもバルーンが通過しなかったら今後は反
時計方向に6回ぐらい回してって方法ぐらいしか知りません。ある程度は
このおまじないで絡みが解消されるのですが、完全ではないし...
ボストンのワイヤが横から出るのも使ったけど今一だったし...
誰か妙案を下さい。

CTO研究会、TraNet関係者では、○○先生、○○先生、○○先生に
会えました。ライブでは全例成功だったのですが、perforationもあり、
Jo stentがmigrationしてしまうことあり、なかなかでした。でも今回の
コースで最も怖かったことは、地震でした。阪神大震災のトラウマが...

PCI回数、○○先生のrestudyにかこつけて、みなさんお答えください。
もし自分が患者だとして、バイパス1回に対し PCIは何回だったら同じ
位だと思いますか?侵襲性・危険性・お金(今の日本で高額医療が効く
条件で)を考えてください。バイパスはon-pumpとします。←一般的な
のはどっちなんだろう?off pumpの方が多い施設もいっぱいあるのかな?
PCIは基本的にはTRIとしておきましょうか。
僕だったら 1CABG = 5 PCI ぐらいの気がします。つまり多枝病変でも
初治療時に2回で初期成功に至ればあと2回再狭窄でも CABG1回よりは
いいかな?って感じです。
さて皆さんはどうですか?

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○○です。

先日、当施設で初めてRadius Stentを使用しました。
病変はRCA3でcoronary ectasiaのPt.です。
Seg2で高度蛇行があり、referenceは5.0-5.5?でした。
慢性期のself expandを期待、との発想の下4.0×14?をchoiceしました。
(4.0? Stentは4.7?位まで拡張すると聞きました。)
bare wireでは蛇行を通過できず、OTW back upでcrossし、
2 wireでなんとかStent deriveryに成功した、という当施設にとってはかなり難しいcaseでした。

ectasic lesionはprox.とdistalのreferenseに差があり、小さいほうにあわせてStentのsizeを選ぶ

どうしてもreferenseの大きいほうでedgeが少し浮いてしまうような場合があると思います。
そんなときself expanding stentだと慢性期には浮いていたところが壁に密着するのではない
か?
とういう気がしますがいかがでしょうか。(発想が単純すぎたらすみません。)有効でしょうか?

それともう一点、実際にRadius Stantを触るとふにゃふにゃでradial fourceとういう点では弱い
のではないかと
思うのですが、血管壁がでこぼこした病変ではやはりそこここでStent strutが
浮いているところがあるのでしょうか?もしそうだとすると血栓は付着しやすく、resteも起こしや
すいのでしょうか?もしそうゆう発想が成り立つとすればRadius Stentは表面がつるっとした病
変が適応になるのでは?
と思ってしましました。

くだらない疑問だとお思いの先生もいらっしゃいますでしょうが、もしよろしければコメントお願
いします。

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○○です。

Radiusの場合も基本的には後拡張をして
ステントを壁に密着しなければならないはずですが、
proximalの処理はどうされたのでしょうか?

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○○です。

wireの絡みの件ですが、
本幹にバルーンを進めておいて、
その状態で側枝にwireを通しなおす位しか思い当たりません。
でも、カテのシャフトが邪魔で側枝に入りにくくなります。
あまり参考にならなくてすみません。

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○○です。
radiusは、結局最後にpostが必要なので、血管の外力に
勝てるほどの圧力はないと思うので、あとで広がるとは
思えません。個人的には、いまのcordisのvelocityが控
えている現在にradiusを植え込まなきゃいけない理由が
見当たらないので、一例使用して、止めてしまいまし
た。
KBT時のmonorailでのワイヤーの絡みは、たまに生じま
す。B.Cが通過しないときは、再通過できそうなワイ
ヤーを抜いて、再度入れなおすのが、確実で早いと思い
ます。そのときは、B.C.は、G.C.まで、引き戻します。
答えになってませんね。
PCIとCABGは、死亡率がPCIレベルまで、低い外科医であ
れば、PCI:CABG 2:1ですね。コスト色々考えるとバイ
パスがよさそうです。
しかし、どんないうまい外科医でも問題はCABGは、on
pumpであれば、必ず死亡率が1ー0.5%ぐらいあること
だと思います。脳梗塞や、ope前以下のADLとかをいれる
と、2−3%ぐらいになるかも、PCIでは、死亡率はこ
んなにいくことは、ないと思いますし、ADLを下げてし
まうことも、ないと思います。
外科医は、○○先生とも話しましたが、力量の差が
interventionalist(radialist?)以上に激しいと思いま
す。うまい外科医と組んでいる○○先生いかがでしょう
か?

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○○です。

○○先生の意見に同感です。
全く自分自身の事として考えると、3枝疾患でもやはり死亡とADL低下が怖いので
、”うまい心臓外科”よりも”うまいradialist”にお願いするでしょう。
3枝だからといって3ステージで3回TRIをする必要もなく、初回入院は1〜2回
のTRIで3枝治療を済ませていただき、3〜6ヶ月後に1度CAGをお願いし、再
狭窄あればadhocTRIを追加していただく。これだと、マルチリンクかベロシティ
ならFollow UP CAGを含めても、4〜5回以内で済むのではないかと思います。
また、Drug Eluting Stent など出れば、もっと少なくなるかもしれません。
最終的に何回カテをしなければならないかは初めには予想がつきません。
可能な限りTRIでやっていただこうと考えています。
医療費のことは自分自身の事なら考えないと思います。

バイパスを勧めても”絶対いやだ”と拒否する患者さんの根底には”死に対する恐怖
心”が強く、バイバス術を即”死亡する可能性”と結びつけているのではないでしょ
うか。

Drug Eluting Stentが日本でも認可されるまでは、”胸痛が起こらないでくれ”と自
分自身願っています。

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○○です。
○○先生、IVUS commentator御疲れ様でした。最近お会いする機会が増えて嬉しいで
す。

僕自身は故あってAVR術後ですので原則的にはあまりPCI受けたくないのですが...、
1CABG=3PCI かなあ。蛇足ながら、そのむかし8Fr. Sonesの時代に2回カテを受けて
ますが、やはりかなり痛かったので、今でも決して患者さんに「痛くありません。」
とは言わない事にしています。

でもAVR後でも安全なガイドカテ操作が出来る術者を指名できるなら、、、RCAあるいは
LCxだったら2回まではPCIしてもらうかも。でも確認カテはしないかなあ。(BMIPPシ
ンチで代用、陽性所見あるいは胸痛あれば仕方なくCAG) LADだったらPCI1回まで
で、再狭窄のときはもう胸骨正中切開で上手な方にOP-CABしてもらいます。僕の場合
はやや特殊で、一般論ではありませんが。

慎重な(神経質な?)患者さんにとっては、CAG/PCIによる脳血管障害のリスクがかな
り気になるようです。したがって、程度の差こそあれCABGの術中死亡のリスクに準じ

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○○です。

Bostonから得られたマーベリック続報です。
今まで断裂が確認されているのは、世界で、○○先生と当院の2例だけなのだそうで
す。
マーベリックにモデル変更してから、hypo tubeとシャフトの接続部のボンドをより
接着力の強いものに変更したとのことですが、接着部分の長さ、気泡混入の許容性に
ついては、十分な検討をしたつもりだが、不十分の可能性があり、再検討したいとの
ことでした。場合によっては、接着部分の延長となるかもしれないとのこと。
断裂したシャフトの顕微鏡写真を見せてもらいましたが、hypo tubeが、シャフトか
らすっぽり抜け落ちており、そのtubeの内面に黒い気泡のあとのようなあとが何個も
ありました。検定基準では、2個までが許容範囲とのこと。抜け落ちたあとに造影剤
などでできた泡の可能性もあるので、詳細を検討するとのことでした。hypo tubeの
カット面についても、鋭利に切断されておらず、検定基準を逸脱するとのこと。断裂
した2本とも、4月に製造したものであり、inspectorの不備、初期ロット不良の可
能性もあるとのことでした。
最近、バイコールの件など厚生労働省は過敏であり、私も、この件が、マーベリック
の出荷停止にならなければよいが・・・・と懸念しています。しかしながら、このよ
うな断裂が、大きなバルーンを使用して冠動脈内で起きる(とくにKBTや、stent
ditalでおきた場合)と、事態は重大であり、Boston社に検討を急ぐよう依頼してお
ります。

それまでは、マーベリックを引いてくるときは、くれぐれも、そーっと、ゆっくりと
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○○です。

Radius Stentのsizeに合わせて4.0?のballoonでpostをかけました。
Stent留置直後には4.0?以上には拡張しない(してもまた4.0?に戻ってしまう)と聞きましたので
それ以上のsizeのballoonは使用していません。
当初、Stentの両端が少し浮くかもしれないという位置に留置しようと考えていましたが、
実はstent rereaseの際、少しdistalにずれてしまったので
結果的にはdistalが少し浮いた状態になりました。
Stentの浮いた部分(もしくはStent全体)が慢性期に最大径(4.7??)まで自己拡張するとすれ

理論的には壁に密着することになるのでは?という効果(単純でしょうか)を期待しました。

Radiusのradial fourceについてですが、触ったときのあのふにゃふにゃ感から想像すると
postをかけた後、一部はelastic recoilに負けてpost MLDは少し小さくなる、ということはないで
しょうか?
それでも道路のアスファルトを突き破って雑草が生えてくるように
持続的に少しずつ自己拡張しようとしていれば最終的には期待する最大径まで広がるので
は?
理論的に合っているかどうか分かりませんが、そんなふうに考えました。いかがでしょうか?

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○○です。

KBTの時のワイヤの絡みですが、私も何度か経験があります。以前は、側枝のワイヤ
リングの際、OTWバルーンを使用し、絡みを予防したこともありますが、最近は面倒
なので、まったくやっていません。絡むことがありうるとの前提で、ベアワイヤで
の、クロスを計るのが大切です。回しすぎないことです。CTOを除き、自分は原則的
にトルカーを使用しません。右手第1指と2指の間でワイヤを持ち、手首の時計方向・
半時計方向各々180°の回転でクロスするよう心がけております。絡んだ時は、○○
先生と同様、リクロスしやすさと一旦抜いた場合の安全性を天秤にかけ、いずれにし
ても1本を抜き、入れなおすようにしております。

さて、○○先生ご指名の、1CABG=?PCI になるかですが、これはCABGのqualityによっ
て全く違うといってよいでしょう。“左室機能正常、3枝(技術的に全てPCI可能)、
僧房弁形成などの合併手術なし” で考えてみたいと思います。あくまで私の個人的
な、勝手な意見です。

1)SVGのみ(on pump):極端なことを、本音で言えば、1CABG=∞PCIでしょう。SVGな
んて所詮一時凌ぎです。DMでもあれば、数ヶ月も経たないうちにドンドン詰まってき
ます。これだけ動脈グラフトの優位性が明らかな現在、SVGしか使わないとすれば、
吻合にも自信がないわけで、術直後の開存率も低いでしょう。SVGのみをつながれる
位なら、術者を選んで、TFIでもいいですから、何度でもPCI受けますね。

2)LITA-LADあとはSVG (on pump):一般的な標準術式です。これで、1CABG=4PCI(初
期治療に2回、再狭窄に2回)くらいでしょうか。LITAさえpatentなら、一応生命予後
は悪くないことになっていました。それでも、SVG閉塞のため、狭心症発作が頻発
し、“蛇の生殺し”状態になる人が出てくることが問題です。なまじLITAが開いてい
るだけ、再胸骨正中切開のリスクも増えます。LITAによって保護されたLAD領域
を生かして、なるべく他のnative vesselはPCIしたいと思います。お読みになった先
生も多いかと思いますが、Rodriguez A et al: Argentine Randomized Study:
Coronary Angioplasty with Stenting versus Coronary Bypass Surgery in
patients with Multiple-Vessel Disease (ERACI II): 30-day and one-year
follow-up results. J Am Coll Cardiol. 2001 Jan;37(1):51-8 によれば、大雑把
によって、この術式よりも、ステントを多用したPCIの方が、生命予後・MI・脳血管
障害の面でも優れていることが、はじめてprospective randomized trialにおいて示
されました。すなわち、私たちinterventionalistの実感が、論文になったわけで
す。

3)LITA・RITA・RA・GEA (on pump):個人的には、これが現在自分や家族が受けても
いいと思う、CABGの最低線ですね。1CABG=3.5PCI(初期治療に2回、再狭窄に1・5回)
でしょうか。一般的に、nativeのflowが少し良いと、GEAは負けてしまって長期開存
率が今一つのようですが、両側内胸動脈は、長期開存率もいいでしょう。生命予後だ
けでなく、それなりのQOLでしょう。ただし、pumpに伴う周術期の脳血管障害のリス
クはありますね。

4)LITA・RITA・RA・GEA (off pump):ウチの外科の標準的な術式です。RAは必要とあ
ればsequentialにも繋げますから、完全冠血行再建になります。話には聞いていまし
たが、初めてこの目で見たときは衝撃的でした。患者は1週間で元気になります。開
院後4ヶ月ですが、これまで、閉塞グラフト“0”どころか、吻合部狭窄にPCIしたの
は、RITA-D1 75%の1病変のみです。確認カテをしていて、変な表現ですが、“これな
ら、患者さんはもうIHDでは死にようがない!”ことが実感できます。ホント多少痛
い思いしても、手術受けたかいがあります。脳血管障害の合併もなければ、腎機能の
悪化もありません。Crが1.5以上で、HDに至っていない3枝病変などには最適です。
PCIによる、死亡・緊急CABGなど、0ではないわけで、これだと、よく言って、
1CABG=3PCI(初期治療に2回、再狭窄に1回。造影剤使用量一回につき最大300ml)で
すね。なお、ムンテラでは、手術死亡率ですが、待機手術0.3%、緊急を含む全例でも
1.0%となっています。

今日は、長いメールになって、皆さんスミマセン。

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○○です。

Radiusについて、○○先生も書いているように最初触ったときのフニャフニャ感
でダメだと思っていたのですが、これまでのデータでも全体で10%-20%程度の
stent areaの増加があるみたいなので、ステントが拡がりやすい状況ではいい
のではないか、と思っています。

ステントと血管壁の密着ですが、以前MLだったと思いますが血管径に
差があるところに入れて、proximalが浮いた状態で終わった人の wire
recrossにものすごく苦労した経験があります。ML proximal edgeの手前
が屈曲していてwireがどうしてもstrutの裏に入ってしまいました。
このためproximal edgeの密着には気を使っています。でもdistalは
多少浮いていてもいいんじゃないですかね。慢性期にRadiusがどうなって
いるかもしIVUSでも見たら知りたいです。

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○○です。

心臓外科手術の侵襲、合併症について、申し上げにくいことですが○○先生に是非コ
メントをいただきたいことがあります。

我々循環器医はバイパスや弁膜症などで必要なときには当然心臓外科手術を勧めます
が、もちろん自分はそんな手術は受けた経験がありません。
患者には合併症などの客観的な説明もしますが、このリストの中でも実際にAVRの
手術を受けられたという貴重な存在である○○先生の体験をできればお聞かせ下さい。

1,合併症、死亡率などをどのように聞いていたか。
2,実際に最悪の場合も想定(覚悟?)していたか。

などお聞かせいただければ参考になると思います。

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○○です。
御指摘のように、私は循環器内科医としては貴重な経験をしているのかも知れませ
ん。実際、日常の診療に結構役立っています。折角の御指名ですので言葉足らずです
が、お答えしたいと思います。

1.今から10年強前ですので、今ほど周術期死亡率は低くありません。合併症について
は詳細に記憶していませんが、死亡率5%という説明を受けました。当時医学部の4回
生(専門課程2年生)でしたので、両親には別に詳細に合併症の説明があったらしい
のですが、私自身は死亡率の話だけを記憶しています。現在はいくらなんでもAVRで
5%というムンテラはないでしょう。(あったらそれはかなり問題です。) 後日母か
ら聞いた話しでは、父はムンテラを聞いた夜に密かに泣いていたそうです。

2.実際に最悪の事態を考えました。しかし当時は(当然ながら)独身で子供もいませ
んでしたのでさほどではありませんが、今だったらもっとシリアスな問題です。

現在のバイカーボン弁はほぼ半永久的な寿命がうたわれていますが、実際にはPVEな
どのPV failureのケースは決して珍しくはありません。したがって将来的には再手術
の可能性も考えられます。あまり心配しても仕方ないのでしょうが、少なくともPVE
にはならないように、う歯治療やその他予防的抗生剤内服など気をつけています。
ワーファリンコントロールも、5年程前に一度眼底に小さな網膜動脈分枝塞栓を起こ
してからはかなり神経質にやってます。一時期AVR後の抗凝固療法にチクロピジンの
併用を勧めるデータがあったように記憶していますが、さすがに副作用が怖くてやっ
ていません。ワーファリンとパラミヂンの併用で現在PT-INR 2.6-3.0程度です。

まとまりのない内容で恐縮です。初心を忘れないようにこれからも頑張ります。

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○○です。

CABGに対するPCIの力価に関する話、○○先生の意見に同感です。CABGが何回
のPCIに相当するかは、外科と内科の力量のバランスによると思います。
うちの外科も○○先生のところと同じく、基本的にはOPCABで全て動脈グラフ
トです。グラフト閉塞や吻合部狭窄がないわけではありませんが、今の病院に
移って来て2年半の間早期グラフト不全に対するPCIは皆無です。さらに最近
は低左心機能症例に対してはDor手術、心房細動を伴う場合はMaze手術を行う
(もちろんこれらはon pumpですが)有様です。待機的手術での死亡例や脳梗
塞発症例はありません。
残念ながらこうなってくると1CABG=0〜3PCIということになります。
Interventionistとしては淋しい限りですが、患者さんのため、あるいは昨今
の医療経済情勢を考えると仕方ありません。しかし、PCIの再狭窄率が今後更
に低下してくればまた状況は変わってくるでしょう。
Drug eluting stentには大いに期待しています。

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==============  第22集 =================

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○○です。

誰が最初に書くだろうかと思っていた論文が出ました。
Percutaneous ulnar artery approach for coronary angiography: A preliminary
report in nine patients . Masayoshi Terashima et al.
Cathetherization and Cardiovasucular Interventions 53:410-414(2001)
仙台厚生病院です。

おおよその内容は、
9人の患者に対してTransulnar approach(TUA)を試みた。

1,2例はAllen Testでulnarから手への血液供給が十分でなかった例。(というこ
とはradialからの供給が十分であったので、術後にトラブルならradialではな
くulnarがマシと判断してTUAにしたという意味か?)
2,3例はradialが極端に屈曲していてシース挿入が困難と考えられた例。
3,4例はradial pulseが弱かった例。

この9例に対してTURを試みたが、2例は穿刺不成功で、7例が成功したというも
のでした。
しかし、”初回カテでradialを選択せずにulnarを選択したところ、ほとんど遜
色なく成功した”という内容ならまだ理解できるのですが、論文の主旨は、TRAを
施行しようと試みたが”出来そうにない症例”に対しTUAを施行したという内容で
す。特にそのうち4例はradial pulseが弱かった例です。こんな症例にTUAを行い、
ulnarに合併症が起こったらどうするのだろう?
私はこの9例ようなTRAに不適な状況は全体の5%未満でしょうから、ulnarなど
考えずに迷わずBrachialかFemoralを選択するべきだと考えるのですが・・・

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○○です。

第1回目のJACCT総会に顔を出して来ました。
出席者もまあまあ多くて、教育セッションも盛況だったようです。
光籐先生のライブが一番出席者が多かったように感じました。

“TFIかTRIか”のディベートにはやはりがっかり(予想通り)させられました。
○吉先生が、
”当院では今までにTRIは1例もしていない”、
”私は今までtransradialをしてはイケナイと言ったことは一度もない”、
”私のモットーは低侵襲治療だ”
と豪語されるたびに、<省略>

2回目は倉敷、3回目は仙台と聞いています。

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○○です。
皆さんに一つ質問があります。
VSAの誘発のアプローチはどこから行っていますか?
また、薬剤はエルゴノビンですか?アセチルコリンですか?

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○○です。

足からペーシング入れてアセチルコリンです。

時間がかかるため、細めのカテですと、検査中にカテがフニャフニャになります。
スパスムが誘発され、ニトロ後の造影を行おうとしても、
カテが冠動脈から外れ、入れなおそうとしてもなかなか入らず困ったことがありま
す。
以後、負荷検査は普通に6Fを使っています。

合併症として動眼神経麻痺を経験したことがあります。
カテが終了する頃に出現しました。
幸いに翌日には回復しました。
emboliかもしれませんし、脳血管にスパスムが誘発された可能性もあると思います。
以後、ヘパリンは少し多めに使っています。

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○○です。久しぶりにメールします。VSAの誘発は、エルゴノビンで
radialより行います。ペースメーカーのサポート無しで行えますので。日帰りでも
VSA誘発は行います。

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○○です。

ウチも○○先生と同じように、radialからエルゴノビンで行います。(5Fr.)
初期のころはRadial spasmを誘発するのではないかと懸念していましたが、全くそ
んなことはないようです。

P.S.
○○先生、先日はどうもありがとうございました。
それにしても、○○先生のところの診断カテ(LVGなし)の症例がレセプトで心エコー
だけ全部切られた(社会保険だけ)というのは衝撃的なニュースでした。

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○○です。
先日は小倉お疲れさまでした。Debateはあほくさかったです。
翌朝、緊急で呼び戻されてしまいました。とほほ

で、○○門下生としては当然アセチルコリンです。多分、同門はどこもアセチ
ルコリンでしょう。ね、○○先生!。でも、radialからするときは、ペーシングを入
れるのが面倒なのでエルゴノビンです。ちなみにうちは、診断カテ95%radialです。

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○○です。最近、TRIの機会をうかがっています。

○○先生と同様、○○門下生なのでアセチルコリンで、鼠径部より5Fr.で行っており
ます。ペーシングカテも5Fr.です。確認カテなどでブラキアルやラディアル穿刺時は
冠攣縮誘発試験を行っていません。

そもそもエルゴ負荷の薬剤がないので、エルゴ負荷の時には事前に薬局などへの根回
しが必要です。

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○○です。
○○部長は東京ディズニー・シー出張につきJACCTを欠席させて頂きました。まだリ
ゾート・ラグから復活されませんので、小生が代返いたします。当院では過去3年間
オビソートを使用したことは1例もありません。やはりペーシングカテの挿入が面倒
だからと部長は言っております。

Radial, 4Fr, ○○カテ(左右冠動脈共用)を用いて、2種類の方法(少量ボーラス冠
注法、と4分間持続冠注法)で行なっています。前者は○○先生が○○から持ち込ん
だ○○系のプロトコールで、「冠攣縮の関与があまり疑わしくはないが一応誘
発しておくか」、と言う症例に主に用いています。難点は当然ながら冠攣縮の緩解が
やや困難である点です。

アセチルコリンが安全性の面では優れているとは思いますが、利便性の面でエルゴノ
ビン(エルゴメトリン)を選択しているというのが実情です。

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昨日、受診したこの症例について、意見を聞かせてください。

症例は昭和5年生まれの男性で胸痛発作発症後開業医の紹介を通して受診。
発症後約4時間程度経過。受診時のバイタルは安定。心電図では前胸部誘導で広範
囲にST上昇があり、エコーでは典型的な7番閉塞所見に合致。
型どおりの診断カテを右のradial arteryから行ったところ、LAD7番の完全閉塞だ
が、short LMTに巨大な綿花状にみえる血栓が存在し、LMTが90%前後に狭窄してい
た。診断カテを抜いて、直ちに心臓外科をコール。画像検討し手術の準備をしつつIABP
を挿入しようとしているあいだに、側壁誘導でST上昇が始まり、ショック、Vf。造影
してみるとLMT100%。この間、僅か30分程度の時間であった。PCPSをいれLMTに
KissingでPTCAをし、血流を得るも血圧が得られず、ペーシングカテをいれ、やむな
くCCUへ入院。
翌日夕、死亡を確認した。

このような症例の場合、会員の先生方はどうされますか。とりわけLMTに血栓がこの
ような形である場合、直ちに何かをするかどうか。たとえば直ちにtPAを流すと
か。
意見を聞かせてください。

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○○です。

動脈アプローチはradial 4Frですが、静脈はfemoral 5Frです。また皆様に笑われま
すが、得意の「パンツを下ろして!」です(○○先生ごめんなさい)。
アセチルコリンです。右50μg、左100μgを冠注です。
カテは、ジャドキンスの時もあればトラノモンタイプの時も有ります。私の気が向い
たカテを適当に使っています。
検査が終わった後は、radialにアダプティーを巻いている時間だけfomoralを圧迫し
(2〜3分)、カットバンを当てて、ガーゼを当てて、それだけです。

Ach陽性と診断した場合には、一応硝酸剤の貼付剤を検査後に貼って、パンツを履い
て、車椅子で病室へ移動しています。足からの出血はほとんどありません。

○○のアニキは、ペーシングも前腕からという大技をやりますが、私にはそこまで根
性が無く、アニキの弟子としてまだまだだと反省しております。

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○○です。

本日、BXのサンプルを3例に試しました。
今回はBXの実力試験みたいな
コンプレックス症例ばかりだったのですが、
すべてうまくいきました。

肩上がりのRCAをdeep engageなしで通過しました。
1.5mmのバルーンでようやく拡張したCTOにも
バイブレーションをかけるとぐいぐい入っていきました。
バルーンとステントの圧着が良いので、少々無理にステントを押し込んでも
決して脱落しないのが印象的でした。
また、NIRと違ってedgeのところで段差ができることもなく、
仕上がりがとてもきれいです。
バルーン自体もなかなか良くて、
某メーカーのバルーンが引っかかって通らなかったのに、
BXは通過しました。
側枝へのアプローチに関してはまだ確かめていませんが、
噂どおりだとすると、S670やNIRの必要性はまったく感じません。
再狭窄も少ないようですし、マルチリンクの市場もかなり食い荒らしそうです。

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○○です。

まだ試したことのないウラワザですが、
そのうちトラネットの誰かがやってくれるものと期待して公開します。
診断カテにレスキューカテの近位部につながっているチューブを接続して
そのまま吸ってしまうのです。
ルーメンが大きいので、吸引力もオリジナルのレスキューカテとは比較にならないと
思います。
もちろん、LMTだけでなく、レスキューで吸えないような巨大血栓に対し、
カテをdeep engageさせて吸うことも可能だと思います。
私は面倒なのでレスキューは使っていないので、
誰かいい症例があったら是非試して報告してください。

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5-7FrガイドカテーテルおよびPSステントのprotectiveシースによる血栓吸引を行っ
たことがありますが診断カテではまだありません。この場合はYコネクターを使用し
ました。GCによる血栓吸引はレスキューと違って先端が固定されておらず冠動脈解離
の可能性が高いと考えられます。実際、小さいながら冠動脈解離を起こしたことがあ
ります。また、LMTの血栓ですが同じような状況の症例でやはり救命できませんでし
たが7FrGCを弱い陰圧をかけながら押し込んで大量の血栓が引いたことがあります。
東北地方の違う病院の報告でLMTの血栓に同じような方法で吸引を行いLAD-LCXにまた
がるY字型の血栓が吸引されたという報告が昨年ありました。(結局は死亡したみた
いですが.....)

VSAは80-90%が4Fr radial - Achでpacingは前腕の皮静脈より行っています。ペーシ
ングカテーテルは色々試しましたがカテックスの5Frのバルーン+スタイレット付き
のものがいいようです。また、カテーテルの中をワイヤーが通るタイプのものもあり
ます。どうしてもだめな場合には4Fr Judkins Rt をラジフォーカスで右房まで入れ
てEPSで使用する2Frの電極カテーテルを使用するとほぼ100%にペーシング可能です。
少しだけ時間がかかりますがなれると足と同じくらいで可能です。

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○○です。
同様な症例を10数年前に経験したことがあります。
現在の病院で当直をしていたのですが、当時は一人ではPTCAを施行できる
腕はなく、誰でもできるPTCR(うう、なつかしい)を施行しました。
UK72万単位冠注後に造影をしていたら、LMTにあった大きな血栓が造影剤
の注入により冠動脈内圧が高まったためか、シャンペンの栓を抜くかのよう
に(さすがに音はしませんでしたが)LMTからAorta へ流れ出ていく様子が
シネに記録され、後には全く狭窄のない冠動脈が造影されました。
あまりにも珍しかったので、循環器地方会に出してしまいました。
その後何年かして、商業誌で珍しい症例を出してくれと頼まれたので、case
report のような形で論文になっています。(Pharma Medica Vol. 12, No4,
p127-130, 1994)
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○○です。
僕だったら何ができたか、まずradialからapproachしていてshort LMCA
に巨大血栓、その時点でまずfemoralのAVにシースは入れたと思います。
安定した状態でインターベンションはしないでやはり心臓外科を呼んでも
らうでしょう。で、ACTが気になりますから計って、IABPを入れるでしょう。
で、IABPを入れようとして詰まったら、PCPSを用意させながら絶対
再灌流させに行きます。とにかくcoronary flowを回復させないと血栓が
血栓を増やしていくので、7Frでもfemoralから入れてwireを通してなんとか
distalに血栓を移動させてcoronary flowを出そうとします。
RCAの大きさが分かりませんが、LCXがdistal emboliになったらもう
仕方ないって思って。
僕もLMCA thrombusで、救急外来では血行動態が安定していたのに
カテ室に入ったところでつまって結局ダメだった症例を経験しました。
本当にこういう症例は運なんでしょうね。
ただ、できる限りのことを急いですれば何例かは助かるんだろうって
思っています。

tPAは安定しているときに流すのはいいかもしれないですね。

最後に誘発の件、皆さんありがとうございました。参考にさせてもらい
ます。
○○先生は基本的にはfemoralなんですよね?うちの○○がfemoral
って先生から習ったって言ってました。

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○○です。
○○のときは、誘発予定でradial にスパスムを起こして、NTG入れようものなら、人
格まで否定されるような罵倒がまってましたので、基本的にfemoralからしてました。
熊大のデータによれば、スパスムには遺伝子が絡んでいて、全身の動脈の反応性の異
常であり、coronaryがスパスムを起こしやすいならradialや brachialも反応性が異
常でスパスムを起こしやすい事になっています。ですから、出来るだけ太い所よりア
クセスすべきであるのかもしれません。しかし、ここにきて2年ですが、スパスム誘
発はradial穿刺可能なら、radialからやって、困ったことはありません(スパスム分
を差し引いて少し太めの時にradialからするように、アプローチ部位を決めてますが)
。正直、femoralから誘発したのは2例のみです(5F)。圧倒的にradialエルゴです
(95%)。へへへ。でも、あんまり誘発してませんね。
○○先生すみません。

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○○です

当院では原則的にBrachial aproachで診断カテをやります。
VSA疑いでは術前にBrachialを触れますので、その時に穿刺可能な静脈があればそこ
を穿刺します。ペーシングカテはS-Gタイプで先端が直の物を用いています。おそら
く「上腕動脈用」として販売されているものと思われます。理想的にはひじの内側
でBrachial Aと重ならない位置に太いBasilic Vあればいいのですが、そうでない場
合はMedian cubital V あるいはCephalic Vを用います。ただしMedian cubital
V,Cephalic VはSubclavian Vに入りにくいことがあり第一選択とはしません。その場
合Subclavian Vあるいはjuglar Vを用います。
止血時に「とめ太」を用いてますが、Cephalic Vでは「とめ太」の圧迫が十分でない
ためステプティーでかり止めしてその上からBrachial Aを「とめ太」の窓「?」に合
わせて圧迫します。この方法ではステプティーを強く引っ張ると水泡ができるので軽
く置く程度にしてます。それでも水泡の出来てしまう方がいるので現在思案中です。
なにか良い方法がありましたら、御教授ください。

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○○です。

当院では、4Fr radialで、アセチルコリン、pacingは、femoralか、carotidに入れて
います。
右冠動脈のengageが悪い場合は、左しか行いません。確かに、長時間体内に入れてお
くと、4Frカテは、変形しますので、やや深めに入れておくほうが良いと思います。
ただ、50台男性で、アセチルコリン負荷後に、上腕動脈にスパスムを起こして、カ
テが動かなくなったことがありますが、ミオコールスプレーをパフした後、何とか腕
頭動脈まで、カテを引いてきて、ミリスロールを注入し、スパスムを全解除したこと
がありました。冠動脈で感受性は、ほかの動脈での反応と共通するとのメールを見
て、なるほどと得心しました。でも、アセチルコリンですから、自然寛解することも
ありますし、上記の対処で十分かと思いましたが、どなたか、重大な合併症をご存知
でしたら教えてください。

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○○です。

全米の空港が閉鎖されたそうなので、今日から始まる予定だったワシントンのTCT
は大変でしょうね。もしかしたら中止になったかもしれません。

今朝は当院カテ室でもテロの話題で持ちきりで、
“あれじゃアメリカは怒るだろうな。ヘンタゴンに飛行機でつっこむなんて、JAC
CTの翌日に同じ会場で玉○先生がCTOライブをやるようなものだろうな”なんて
わけのわからない不謹慎な話が出ていました。

○○先生、この○○県でもVSAの診断カテでpacingカテが保険で通るのですか?

また、当院でTRAにてVSAの診断カテをするのは、当然ですが日頃からスパスム
予防のカクテルを使用していないからです。でも、ウチでは冠動脈にスパスムを誘発
した症例でもradialにスパスムが起こった経験がまだありません。

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○○です。

TCT参加のために○○先生とワシントンに来ています。
とんでもない事になっています。
ホテルに籠もって待機です。

どうなってしまうのでしょうか?

こちらにいらしている日本の先生方はどうしているのでしょうか?
本日入る予定の先生方の飛行機はほとんど引き返したと言う情報です。

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○○です。

本県から○○先生がTCT参加のためワシントンに行ったのですが、ホテ
ルでカンヅメになっているとのメールが入りました.....お気の毒です.....行かなく
てヨカッタと冗談を言っているどころではありません。はたしていつ帰れるのでしょ
うか? みんなで心配しています。

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○○です。
ワシントンに行かれている○○先生、○○先生を始め多くの先生方がワシントンに行か
れていることと思います。心配いたしております。皆さんが無事帰国されることを祈っ
ております。

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○○です。

今のところうちの病院では過去に当院でカテ歴がなければAMIは基本的に足から行う
ようにしております。主に血管の様子や血管径の情報がないことを心配してあらゆる
サイズに対応できるようにとの思いと、慣れからです。

 以前にLMT閉塞で来院された患者さんは右冠動脈が大きくその分回旋枝が小さかっ
たためにLADに向けてレスキューを行い末梢の血流遅延も無くPCIに成功したことはあ
ります。しかし、今回のような症例の場合には血栓の量が多いために難渋すると思い
ます。
 おそらくPCPS、IABPを併用して脳血流を維持した上で外科を呼びつつも手から
のPCIを行いなるべくstone Heartにならないように努力すると思います。
 
 AMIに対してはいまだまずPOBAを用いる症例が多くはありますがPIT(パルススプレー)
とレスキューを併用した経験もあります。
 ちなみにAMIが疑われる場合にはまず4Frでの診断カテを行いカテサイズを決めてか
ら治療を開始しています。

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○○です。

○○先生の問題を解決していると思うのでお返事しています。当院でも肘部の止
血に「止め太」を使っています。当院での工夫は、「止め太」と皮膚の間に手指大の
ゲルのブロックを挟んで使用しています。動静脈を刺したときはブロックを二つ使い
ます。そうすることによって、「止め太」単独より、安楽・確実に止血できています。

「止め太」は肘部の皮膚に広く接しすぎるため静脈系のうっ血を来し、止血中に痛み
を伴うことがあります。また皮膚との接し方で、加圧器のゲージとと圧迫の程度が一
定しないことがあります。これらを回避するため「止め太」を皮膚から浮かせ血管周
囲のみを圧迫するように工夫しています。また生体の圧迫には手指と同じ堅さが痛み
も少なく、押さえ具合も一番と考え、形成しやすくてこりこりのゲルを探してもらい
ました。後日写真付きで説明いたします。

また本題ですが、当院では診断カテはbrachialから、5Fr.光藤カテを使用してやって
います。スパスム誘発はエルゴです。(前病院ではradial,multipurposeでした。)
基本的に初回心カテはすべてエルゴスタンバイでやっています。アセチルコリンにつ
いては私自身経験がないのですが、聞くところによると偽陽性が多すぎて臨床には適
さないと言う意見を聞いたことがあります。みなさんの意見はいかがでしょうか?エ
ルゴに関しては偽陰性の経験がなく(陰性者→drug free→event free)臨床に使え
ると感じています。

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○○です。

○○先生、アセチルコリン負荷のpacing catheterですが、毎回必ず、理由書を要し
ますが、今まで一度も保険で切られたことはありません。理由書は毎回ほとんど一緒
の内容です。○○医大でも切られたという話は聞きませんでした。初回カテだけは、
swan-gantzを行いますので、静脈ルートはありますから、あらためて、ペーシングの
ために静脈穿刺をしないことも、アセチルコリンに抵抗がない理由の一つです。ま
た、○○先生とは逆に、エルゴノビンのほうが偽陽性が多い(冠動脈がまったくびく
ともしなかった症例は少なく、何がしかの反応が起きるような印象があります。)と
思っています。アセチルコリンでは、multispasmが起きにくく、自然寛解することも
あり、冷や汗をかくようなattackは少ない点も利点です。確かに、文献に書かれてい
るような、正常血管での拡張反応の頻度は、少ないですが、時々見かけます。

最後に、ワシントンで、ホテルで缶詰になっている先生方、無事に帰国されることを
祈念しております。

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==============  第23集 =================


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○○です。
当院では緊急の症例は7Fr. femoralアプローチです。で、ショック症例では左右動静
脈を確保できるように準備します(PCPSのためです)。

1.IABPが入って血行動態が安定化する症例であれば、心外科でバイパスを頼みま
す。>>UAPが安定化すればCABGです

2.LMT-AMIで心原性ショックを合併した症例や側副路だらけの三枝病変でRCAやLCx
でAMIになり、IABPと挿管・人工呼吸器のみでは血圧が上がってくれない症例には
PCPSを入れます。>>AMIではPCIを選択します。

LMTを責任病変とするAMIに対しての基本戦略は「LAD本幹確保」です。LCxを捨ててで
もLADをステントでがっちり確保することで救命できる確率は上がると思います。
LMT-AMIでショック合併症例にPCPSを入れた症例が50例ほどありますが、救命できた
のはRCA dominantな症例、LADへの側副路を認めた症例でLADをステントで血行再建で
きた症例でした。(それでも歩行退院例は限られてくるのですが、、、)
三枝病変で他枝のAMIで責任病変の虚血を解除してもショックが遷延すれば、LADにつ
いてもPCIを実施することがあります。(一期的にではありませんが、昨日もmobile
CCUで搬送したショック例については施行しました)

全てを短時間で行うためには人がたくさん必要だと言うことです。一人二人ではどう
しようもないことがあるんで、確かに運がいいとかどうかって感じることはあります
よね>○○先生。

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○○です。

Bxの追加報告です。

CxのCTOにBxの2.5mmを留置し、
本幹のミラクル3gを途中まで引き抜き
側枝へ向けて通そうとしたところ、
スルリと抜けました。
さすがに2.5mmのステントバルーンを
そのままストラットに通そうとしても引っかかってしまいましたが、
CTOあけに使った1.5mmのバルーンは何の抵抗もなく通りました。
タマタマかも知れませんが、
この症例では、S670よりも容易だと感じました。
はっきり言ってすごいステントです。
当院はこれでサンプルを使いきりました。
10月1日の発売が楽しみです。

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○○です。

JACCTへ行ってきました。CNN特派員として少しだけ感想を書かせていただきます。
実際には参加人数は多かったのか少なかったのかは分かりませんが、
個人的には思っていたより少ないと感じました。
Liveと講演、ポスター演題といろんなものが少しずつあって、飽きない形式だったと思います。
ただし、少し内容に偏りがあったように感じました。この形式でもっとバラエティーに富んだもの

集まればもっと楽しくなるような気がします。
やはり学会というからには身内の会にせず、いろんなことをしている人たちがいろんな情報を
持ち寄って
それを聞いて個人が良いと感じたことを実行すればそれでいいのではないかと思います。
現実性があるかどうかは別にして、例えば、N先生とT先生のCTOに対する討論とか、spasmの
話だとか、
血管新生の話だとかradiationの話だとか心血管治療に携わる広い方面のその道の人たちが
集まれる会が
あればいいのになあと思いました。
それと、延吉先生と目黒先生がしきりに "For the patient" と言われていたのが印象的でし
た。
"For the patient"ってなんだろう?と考えさせられましたが、"Not for the patient"と思いつつ
診療にあたっている人はいないのではないかと思います。
個人的には"For the patient に違いない"という思い込みをしないように気をつけようと思いま
した。

以上、生意気なことを書いてしまったかもしれませんが、駆け出しの発展途上の人間ということ
でお許しください。

**********************************

○○です。

○○先生と、まだ、ワシントンです。
今日17日のチケットが取れましたので、帰れそうです。

警察や兵隊さんが沢山いますが、ワシントンの街はすでに落ち着いています。こりな
い我々は「ワシントン詳しくなったから、今度はみんなを案内できるなぁ」なんて、
暢気なことをいっております。
学会が無いため、観光旅行となり、食べる、寝る、散歩するといった健康的な生活を
送りました。とても循環器内科医の生活ではない数日間でした。戦争という事以外に
も貴重な経験でした(?)。
日焼けして血色がよくなって帰国すると、だれも同情してくれないのではないかと心
配です。

空港はとても管理が厳しいようです。荷物は全て開けられるようです。妙なお土産は
もって帰れません(あたりまえです)。コンピューターも立ち上げさせるそうです。
妙な画像を処分するべきかどうか悩んでいます(なんの画像でしょう?)。

TCTは一応2日間の講義のみで終了でした。残念でした。

○○先生がニューヨークにいるのではないかという噂が入ってきましたが、本当でしょ
うか?ワシントンよりニューヨークの方がとんでもない事になってそうなのです
が...。

無事に帰れたら、また皆様へメールを致します。御心配をおかけして申し訳ございま
せん。

**********************************

○○です。所在が明るみに出てしまったようなので、正直に経過をお話しましょう。
今回のTCTですが、NYから旅は始まりました。

私は、日ごろの心がけが悪いせいか、久しぶりに知人と会う予定を入れてしまい、一
足早く、月曜日にNY入りしておりました。

火曜日は、知人に会うまで、朝9時半からホテル近くのメトロポリタン美術館に行き
ました。10時頃、突然爆弾テロと言われて閉館になり、ホテルへもどってCNNを見て
仰天しました。WTCの2つのビルが崩落していく様子も、(TVですが)リアルタイムで
見てしまいました。午後になって、ロックフェラーセンター付近まで五番街を歩きま
したが、WTCの炎上する煙がはっきりと見てとれました。この日、NYないしワシント
ン入りする先生方は、デトロイトへ降りたとうかがいました。

今回の大規模テロに対する対応は、政治問題で、様々な意見があると思いますので、
論及しませんが、USの指導者たちは、いち早く自己の所信を明確に述べておりまし
た。なかでも、報復措置など、国政レベルのことには一切言及せず、ただ市民を守る
ために全力をあげると決然と語ったジュリアーニ市長が印象的でした。

水曜日、ワシントンに向かう予定でしたが、
飛行機はありません。ホテルは、被災地からevacuateされた人の宿泊希望が多く、部
屋がないようなことを言われましたが、最後は何とかなりました。観光名所は全部閉
鎖されており、この日もずっとCNNで過ごしました。

木曜日、ANAの事務所の話によれば、金曜日には成田行きの飛行機がでるかもしれな
いとのこと、もう一日NYに留まることにしました。この日は、美術館も開き、申し訳
ないのですが、(心は落ち着かないものの)観光の一日でした。ただ、火曜日にNY/
ワシントン入りされる予定だった先生方は、デトロイトからそのまま帰られたと聞
き、うらやましく思いました。

金曜日、ANA便には、帰国希望者が殺到し、もともと日曜日のワシントン発成田行き
のチケットである私は、とても乗れませんでした。予定とおりに、ワシントンから帰
るほうが、飛行機に乗れそうだということでしたが、NYからワシントンへのフライト
はありません。アムトラック(鉄道)は満席で、切符を買うだけで数時間かかるよう
なことを言われあきらめました。“そうだ、レンタカーだ、”ということになりまし
たが、ホテルからは電話がつながらないため全く手配できず、ハーツの事務所まで歩
いて行きました。皆、考えることは同じようで、カウンターでは、あっさり、“マン
ハッタンには一台も車がない!”と言われ、またびっくり。ただ、ラガーディア空港
にならある、ということで、そちらで何とか車が確保されました。

土曜日、NYからワシントンまでドライブでした。思ったより早く、5時間くらいで着
きました。途中の風景が、行けども行けども変わらないのが印象的でした。ダレス空
港近くのホテルに宿泊しました。

日曜日、やっと飛行機に乗れました。空港で、ANAの青いマークをつけた機体が到着
するのを見たときは、本当にほっとした思いでした。

そんなわけで、さっき帰ってきました。とにかく、疲れました。結局、○○先生とは
異なり、全然TCTには出られず、毎日長時間のCNNウオッチングで英会話の勉強をしに
いっただけのようでした。大規模テロがなければ、鈴木・玉井・加藤の3先生は、レ
ノックスヒルからワシントンにライヴをとばされる予定でした。多くの欧米の参加者
に、日本が世界に誇るCTOあけの真髄を見ていただけなかったのは、とても残念でし
た。また、今回のイベントを企画され、行程を通してお世話になった担当者の皆様に
は、この場をかりまして厚く御礼申し上げます。本当にありがとうございました。

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○○です。

○○先生、お疲れさまでした。
やはり私たちよりずっと大変だったんですね。

私と○○先生は、今日○○に着きました。

長期入院になっている心不全の患者さんに「先生、生きて帰ってきたかぁ!」と手を
握られました。
午後は心カテをしました。

皆様、お騒がせいたしまして申し訳ございませんでした。

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○○です。

○○先生の語学力、行動力に助けられ無事帰国できました。たった2日間のTCTでした
が、雰囲気は楽しめました。

本日より仕事に復帰しました。挨拶回り、状況報告で半日費やしました。早速緊急が
入り、病院にステイの予定です(妻に怒られそうです)。

皆さま、本当にお騒がせしました。できれば来年は皆様と一緒に行けたらといいなと
○○先生と思っております。

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○○医大第1内科の○○と申します。PCI新参者です。数ヶ月前まで○○病院
の○○先生にCAGを研修させてもらってました。パキスタンは人ごとに思えません。
近い将来、インド洋の上でPCIを勉強しているかも知れませんが、今後とも宜しくお
願い申し上げます。

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○○です。

○○先生とはつい七月まで一緒にカテをやっていて、助けてもらってました。IVUSに
興味を持ってらっしゃる先生で卒後六年目だったかと思います>怪しいです。
大学校病院に戻られてもバリバリ仕事されていることでしょう。一度病院の見学もお
願いしようと思ってますのでその際はアレンジお願いします。

なんだか、パキスタン絡みの人が多いですね。

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JACCTの件はすでに旧聞に属することではありますが、周知のごとく、この学会で
再びTFI vs.TRIの議論が行われて、大変良い復習にはなりました。復習にはなりました
が新鮮味は何も無く、臨床上、どちらが優れているといった議論をする性質のもので
もないと思われます。一方では5Fr ガイディングの話題はほとんどありませんでし
た。Tra-netはTRIのネットであるけれども、同時に5Fr user(私はこれを、あえて
Fivistと呼びたい)も相当数いると思われるのですが、この間 5Fr ガイディン
グに関する話題もほとんど無いように記憶しています。ガイディングは所詮PCIの脇役
でしかないと考えているinterventionistが多いのでしょうか。中にどのデバイスが
通るとかといった、まるでカテのスペックを示すようなことが余談として演台で話
されたとしても、今まで5Fr ガイディングが正面きって主要なテーマとして取り上げ
られた学会もライブも無かったように思います。このガイディングの未知の性能や技
術上の問題はまだまだ時期尚早なのか、とも思いますが、TFIやTRIの議論とはまった
くべつな切り口で、Fivistとしての主張がそろそろ出てきても良いのではないか、と
思うわけです。私は少なくともCTOや高度石灰化病変を除けばRCAのPCI(POBA
Stent)では6Frより5Frのガイディング カテの方がずっと優れているし、LADについでも
ほぼ同様ではないかと、考えています。Fivistの先生方はおそらく相当程度いると
思いますが、同様の見解をもっているのではないでしょうか。そろそろFivistが前面
に出てきてよいように思いますがいかがでしょう。
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○○です。

私も、最近結構Fivistしてます。自分の症例だと、半分くらいは5Frでしょうか? 
実際やってみると、結構、5Frでできてしまいますね。

5Frの弱点ですが、内径故のデバイス選択の物理的制約以外に、まずカテが華奢なの
で、腕頭動脈の屈曲がちょっとでも強いと、ここで簡単にキンクしてしまいます。い
くら中にワイヤを入れて操作しても、6Frとはかなり違います。

ワイヤが病変を通過しないと、deep engagementできないわけですから、CTOや石灰化
がなくても、高度に屈曲したRCAは難しいように思います。また、inf AMIにFivistし
て、Shepherd's crookのRCAに、結局S670を3ケ入れざるを得なかった症例を経験しま
したが、いちいちバルーンをアンカーにしないとFR 4.0をdeepできず、とっても疲れ
ました。6Fr MAC4.0でも使っていれば、deepしないで、楽勝でステント植え込み可
能だったと思います。

5Fr TRIが続いた後、6Frを握ると、昔6Fr TRIの後8Fr TFIをやった時くらい、6Frの
カテが頼もしく感じられます。

ただ、5Fr TRIのメリットって何なのでしょうか? 自分にはまだつかめきっていま
せん。○○先生は、どのようにお考えですか? 

なお、5Fr TFIもなかなかです。大腿動脈の屈曲は、ロングシースで伸ばしてしまえ
ばいいし、術直後に用手圧迫しても簡単に止血可能です。6 or 7 Fr TFI後にcloser
をやる時間と、大して変わらないようにも思います。

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○○です。
5Frカテについて、僕にとっての最大の弱点、それはIVUSが通過しな
いこと、です。←通過しませんよね?少なくともTerumo CVISは。
Endosonicは通過するんでしたっけ?
この話がまったく一般的でないことを承知しつつも、僕にとってIVUS
なしのPCIはほとんど考えられず、I am never fivistとなってしまいます。
ただ IVUSが通過すればいいんですけど。

○○先生に1つ質問、です。
> なお、5Fr TFIもなかなかです。大腿動脈の屈曲は、ロングシースで
> 伸ばしてしまえばいいし、術直後に用手圧迫しても簡単に
> 止血可能です。6 or 7 Fr TFI後に
> closerをやる時間と、大して変わらないようにも思います。
Closer後はすぐ座れるんですが、5Fr用手圧迫後はすぐ座れないですよね?
ちなみに今うちではCloser後、カテ台の上で座位での止血を確認、帰室は
時には車椅子、帰室後も当然すぐ座位可、1時間で歩行可です。

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○○です。もちろん、5Fr TFI で、シース抜去後も、念のため6時間は安静にしてい
ます。すぐには座れません。この点はcloserに負けますね。私が言いたかったのは、
closerの所用時間と、圧迫の時間そのものがそんなに変わらないかな、という意味で
す。

ただし、バルーンをしばられない(ア○ア○テに限定されない?)のは、5Fr TFI の
利点かな?

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○○です。

確かに5Fr.PCIについては、ガイドカテが出た直後には話題になり、ウチでも数十
例しましたが、最近は話題にもならず、下火になったのかなと思っていました。
日本国内の学会やライブでも、真剣に5Fr.PCIの功罪を討論したものは今までなかっ
たと思います。○○先生、その後5Fr.TRI はいかがでしょうか。

○○先生の発言を期に、radialist.com も5Fr.PCI に注目したいと思いますし、各
学会やライブでも取り上げるように進言してみましょう。

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Love and Peace ○○です。
5Fr Interventionに関しては、一時期がむしゃらにやっていたんですが、現在My BoomがDCA
に変わっちゃったこともあり、総PCI数の3割程度におさまってしまった感があります。ちょうど、
たまった5Fr PCIのデータをまとめているところです。データがでたらまたこの場でご報告しま
す。対radial spasmといったとこでは圧倒的に5fr有利なのですが、なかなか数字に出てきませ
ん。
IVUSをぼちぼち使いはじめたのですが、ついついステントサイズがでかくなりますね。4mmの
ステントとかが結構登場します。そんな、こんなで5Fr TRIは3割くらいなんですが、、。
ただ、個人的には5Fr TRIは好きですね。なんとなくradial arteryに優しいじゃないですか。身長
130cm位のばあちゃんに5Fr TRIで終わると、「今日もいいことしたな」と、気分はいいです。
radial arteryには頑張ってもらわにゃいかん、からですね。

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○○です。

昨日、本屋をブラブラしていてHuman Bodyという新刊の雑誌(290円)を見つけま
した。テレビでも宣伝していますが、一般の人向けにカラーで世界の最新医療(といっ
てもアメリカの)を紹介しています。冠動脈バイパス術の項目もあったので手にとっ
て見ていましたが、ふとその横を見るとビデオも販売されています。何と心臓外科手
術のビデオも同時に販売され、しかも790円という安さです。
さっそく購入して、昨夜ビデオを見ましたが、内容はマルファンの患者の心臓手術を
映像でリアルに解説しており、
1,大動脈弁を人工弁に置換する
2,上行大動脈をグラフトに置き換える
3,それに左右の冠動脈入口部を接続する
この3つの課程を詳しく解説しています。(約60分)

医師用の教育ビデオではなく、一般向けにこのような値段で、しかも普通の本屋の店
頭に無造作に並べられて売られていることに驚くとともに、情報公開?の流れかもし
れませんが、一般の人でも最新医療情報を得ることができる時代に入ったとしみじみ
思いました。

我々も常に勉強しておかないと、そのうち情報武装した患者さんの質問に答えられな
くなるかもしれません。

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○○です。心臓病学会にいきました。例によってあまりまじめには出てません
でしたが、RAVEL studyがオープンになったことでもちきりでした(インターベンショ
ンの所では)。Rapamycinは本当にResteゼロですね。内膜増殖もしてないようです。
この結果は、これから10年の方向を考えさせますね。
ESCのWebから、RAVEL study- Newscast from the ESC XXIII Congressでアブストラ
クトがみられます。
http://www.escardio.org/
知ってる方は無視してください。

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==============  第24集 =================


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○○です

関西ライブでは、○○の○○先生も本音をお話されたようですね。
最近では○○市内の多くの施設がradialでカテをしているようです。○○先生も、院
内でやっているからか、以前のようなあからさまな激しいバッシングは弱まったよう
で、研究会などのプレゼンで「radial approachで...」などと言っても、批判は
されなくなりました。しかしながら、<中略>

 ところで、今回の心臓病学会は、火曜日の日帰りしか時間がとれなかったので、日
ごろは足が向かない心エコー関連ばかりを聴いてきました。まあ学会長が山口大学の
松崎先生ですから、プログラムが心エコーに偏ってくるのは仕方のないところですね。
 午後からアジア心エコーカンファレンスというのがあったのですが、大阪市立大学
の吉川先生や、鹿児島大学の鄭先生など、心エコーでは有名な方ばかりが集まった、
内容の非常に濃いものでした。会場は50人も入らないぐらいの小さいところでした。
顔見知りということもあったのか、どの先生方もプレゼンの途中でジョークをとばし
まくり、なかなかよい雰囲気で、新鮮でした。皆さんも、インターベンション関連の
集まりだと、時に不穏な空気を感じたことはありませんか?
 今回は冠動脈エコーのup to dateが収穫でした。吉川先生からは、「最近の機械の
性能向上で、冠動脈(LAD distal)なら経胸壁からでもほぼ100%描出可能なので、
今後ルーチンにしてもいいのでは?」というちょっと過激な?意見が出ていました。
flowを見るだけなら、確かにそれほど手間をかけずに描出可能ですし、重度狭窄の有
無なら判読できそうです。レボビストを併用すると、さらに精度が上がるようです。
 患者に優しいTRI+患者に優しい心エコーfollow upというメニューも今後は考えて
みたいですね。

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○○です。

先週の症例です。内科の先生の患者さんで53歳男性、胸痛が頻発。たまたま、当日
は、Holter ECGをつけておりましたが、10回の発作を認め、取り外し後に、
traedmill ECGを予定していたのですが、安静時のECGをとっている段階で、再度発作
が起こり、緊急入院となりました。幸い、20分ほどで、STlevelは回復し、ミリス
ロール、ヘパリンdivを行い、翌日カテを行いました。LMT distalに、75%狭窄、
LAD just proximal 50%(LMT reference 4.2mm, LAD 3.7mm)を認めたほかには、まっ
たく病変がなく、LMT stentingには良い症例と思われました。(DCAも良い適応なの
かもしれません。)
 病変は、ちょうど分枝部に向かって細くなっており、LAD just proximalにも軽度
病変があることより、選択肢としては、(1)LMT distalのみに、short stentを置
き、LAD方向へ、後拡張を加える、最悪、分枝部のKBTを行う、(2)LMTから、LADに
かけて”またぎステント”を行い、ステントKBTを最後に加える、の2つと思われま
した。いずれの場合を想定しても、LAD、LCXのKBTを行うことになり、その経験に乏
しい私は、心臓外科が併設されていない当院の状況、比較的年齢が若いこともあり、
躊躇してしまいました。 結局、バイパスがオーソドックスな選択であるが、ステン
ト治療ができなくはない、しかし、やるならば外科治療が可能なところでしたほうが
いいだろうと患者さんに話し、カテを終了しました。結局、家族が知名度の高いK病
院での治療を希望され、搬送し、Stentingされ、今日返ってきました。Tsurugi
3.5*20で前拡張後、Terumo 3.5*20で、LCXはjailされたままでした。心なしか、
stent proximalのストラットは浮いているようにも見えます。パナルジン、プレター
ル、アスピリンのtriple therapyのおまけもついてきました。(肝機能が軽度増悪し
ていて、気持ち悪い!)

 LMT stentingの経験の豊富な先生方にお尋ねします。
LMTからLAD proximalにかけて病変がある場合、上記の(1)(2)のいずれの戦略が良
いのか。
”またぎステント”を行う場合、first choiceのステントは何か?
jailとなったLCXをKBTをして穴をあけておかなくても良いのか?
LMT分枝部のKBTでのバルーンサイズの選択、インフレーション時間はどうすればよい
のか。

次は、勇気を出して、自分でLMTstentingを行うつもりです。

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○○です。

○○先生の心臓病学会レポートの心エコーの
進歩は見逃せないと思います。
冠動脈狭窄の診断だけをとってみれば
エコーが第一選択になる日がくるに違いない、
と予想しています。そのとき我々心カテ屋は
どうなるのでしょう。
約○○年前に神戸中央市民病院で吉川先生
のもとで心エコーを一年学び厳しい指導をうけましたが、
当時はドプラーが漸く臨床応用されはじめた時期で、
すでに神戸では弁膜症患者は心カテせずに
手術をうけることが頻繁にありました。
この分野の発展が患者にとって朗報であることは
間違いないと思います。

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○○です。

これは、もう絶対に(2)です。はるかに安全で仕上がりもきれいです。
LAD 近位部の解離が心配なら、3.5mm、可能なら4.0mmのステントを、ワイヤをLCxに
jailさせ植え込みます。
ステントはマルチリンクでも、S670でも、(まだLMTには使っていませんが)昨日保
険がついたBXでも良いかと思います。
ワイヤ交換し、LCx方向へ、ストラットをクロスし、バルーンで広げます。
できが悪ければ、こちらにもステントを入れます。もし、LCxの分岐角度が非常にき
つければ、LCx入口部から先にステントします。
最後にKBTですが、このQCA結果だと、最低LMT-LAD方向は4.0mm、できれば4.5mmのバ
ルーンでしっかり加圧します。
加圧時間ですが、血圧低下を絶対に来たしてはいけないので、最長5秒ですね。

このバルーン径とKBT故に、ガイドカテは7Frが必要です。TRIで7Frガイドが必須な、
数少ない状況です。

次回はきっとうまくいくと思います。御健闘をお祈りいたします。

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○○です。

> ワイヤ交換し、LCx方向へ、ストラットをクロスし、バルーンで広げます。
> できが悪ければ、こちらにもステントを入れます。

○○先生、この場合の”出来が悪ければ”というのはどこまであたりを言うのですか。
残存狭窄が75%?、50%?、25%?、あるいはIVUS所見で?
LAD#7と#9の分岐部病変をする時とは、さすがに方針が異なるでしょうね。

それから、”ステントを入れます”というのも当然T-Stentですよね。

当院も心臓外科がない施設なので、○○先生の苦悩は良くわかります。
技術的には自信があっても、イマイチLMTのPCIに踏み切れないジレンマがあり
ます。
過去には当院でも同じようにLMT病変を他院へ送ったものの、型通りのテルモステ
ント留置を済ませてくる症例を見たことがあり、わざわざ他病院まで紹介してバカみ
たいだったと思った同じ経験があります。

変な話ですけど、現状では心臓外科がない施設でLMTのPCIを施行したがトラブッ
て患者が死亡し、万が一裁判などなった場合に、裁判所が”心臓外科がない施設でやっ
たという事実”に対し、”問題なかった”と判断してくれると思います?
心臓外科が無い施設にとっては切実な問題です。

************************************

○○です。

DCAを行うか否かは別として、
ステントに関してはマルチリンクプラスの3.5を
LMT-LADにかけて14−16気圧で植え込み、
LMTは4mmのバルーンでしっかり拡張しなおします。
マルチリンクは4.1mm以上は拡張しないようにメーカーが言っていますので、
referenceの読みに不安があるならばマルチリンクは使いません。
4−4.1mmにまで拡張すれば、
CXへのアクセスにまず問題はないと思います。
S670は側枝へのアプローチは楽ですが、
当院でのLMTステントの長期成績はあまりよくないように思います。
Velocityは側枝へのアクセスは非常に楽ですし、
サイズも豊富にあるため使いやすいと思いますが、
LMTへの植え込み経験はまだありません。

KBTに使うバルーンはLAD,Cxそれぞれの至適サイズバルーンです。
(通常、ステントのバルーンを使用します。)
圧については光藤先生の本に詳しく書いてありますが、
私はステントの変形がとれれば良しと考え、
2つとも10気圧くらいで適当にやっています。
この時に私が注意しているのは、バルーンが2つ重なる部分のLMTが
ステントでしっかりカバーされていることです。
ここがカバーされていないのに高圧をかけると
当然のことながらLMTに解離が生じます。
したがって、ステントの長さを決める際には、
後拡張のKBTの時にバルーンの近位部が、
LMTのどのあたりまで来るかを考えるようにしています。
それほど長いLMTでなければ、LADの近位部からLMTの全部を
いっきにカバーしたほうが解離などの心配をしなくてすむので
楽だと思います。

蛇足ですが、透析例の石灰化病変に昨日Velocityを植え込もうとしましたが、
病変を通過せず、S600に変更したらするりと通過しました。
念のため、S600の近位部への追加ステントとして
Velocityをもう一度試したのですが、
やはり石灰化がステントに擦れて引っかかり、
留置に難渋しました。
ステント表面の磨き方などに差があるのかもしれません。
まだまだS600の居場所はあるなと感じました。

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本日私の敬愛するボス・○○先生が、心エコー購入のための会議に気合を入れて向か
われました。いろいろ最新の心エコーをデモさせてもらいましたが、最近のはいずれ
劣らぬ描出力があり、LAD distalの描出には施行する側を全く選ばないなという印象
でした。心エコー購入が決定した暁には、早速LAD病変の患者に関しては、条件の許
す限り心エコーでフォローしてみたいなと考えています。

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初めまして。
私は、今回TRA-netに入会させていただいた○○といいます。
平成○○年に札幌医科大学を卒業し、現在○○町にある
○○病院に勤務しています。
当院は、カテ施設がなく、AMI,uAPは即、○○に転送しています。
○○病院に勤務していたときに、TRIを行っていまし
たが、いまは全くカテと無縁の病院に来ています。
今後ともよろしくお願いします。

************************************
○○です。

さて、LMTステントの話題になっています。LCxのできについてのご質問ですが、これ
にはDominancyも大きく関係すると思います。RCA dominantでしたら、LMTといって
も、LAD6 jpに毛の生えた程度と考えていいでしょう。LCx入口部のサイズが、2.5mm
なら(LCxとしても小さいわけで)あまり深追いしないと思います。昔は結構ステン
トしていましたが、今は50%までは許容します。KBTのみでステント入れません。
3.0mmあれば、やはりT-stentingしても25%以下にはしたいところです。前回のメール
で書き忘れましたが、私は圧は15-12気圧くらいかけます。○○先生がおっしゃった
ように、バルーンが2つ重なる部分のLMTがステントでしっかりカバーされていること
は非常に重要です。

LCx入口部に使うステントですが、LMTでのKBTの際、stent edgeによるballoon
ruptureを避けるためS670を使ってきましたが、再狭窄の点で、今一つの印象です。
自分としては、次はBXで作ってみたいと思っております。

○○先生がおっしゃるように、どんな技量であれ、心臓外科と名のつくものがあれ
ば、トラブルがあっても法務的な問題はより少なくなるわけです。この辺は、実に感
覚的に共感できるところです。ただ、○○先生のような緊急例なら、IABP入れて転送
するのと、PCIしてしまうのと、どちらが安全かは難しいです。最近、植え込み3ヶ月
も経たないのにLADがdiffuse ISRになり、u-APとなったケースを3例経験しました(1
例は他院でステント植え込まれた症例。もう1例は近日中に発表しますが、前拡張の
バルーンだけでmassiveに冠穿孔し、止血のためにマルチリンク・S670を2枚重ねた症
例でした。)。今までなら、CBしようが、Rotaしようが、SVGつながれることを考え
れば、絶対的にPCIでした。ただ、こうしたstrategyをとっても、早期にdiffuse ISR
する症例は、最終的な、再狭窄の解決がなかなか得られませんね。

現在の当院の外科ではLITA-LADの開存率は、限りなく100%に近いと思います。こうし
た状況をふまえ、3例とも、カテ室内で胸痛発作が生じたため、とりあえず2.0mmのバ
ルーンでPOBAだけしておいて(AMIだけは回避して)、2週間以内に、elective
off-pump CABGとしました。IABP入れて外科に送るより、患者さんの負担も少ない
し、バルーン一本だけでAMIを回避できるので安価です。再狭窄に対する決着もつき
ます。こういうhybrid therapyもあると思います。

なお、もちろん今も適応のあるnon-protected LMTは積極的にPCIしています。つい先
日も、LMT orifice 75%のeffort APに、6Fr TRIでNIr 4.0-9mmを植え込みました。

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○○です.

Vaso Sealは乾燥コラーゲンを使っていますよね.現在国内で問題になっている狂牛
病のニュースを読んでいると牛の骨髄を用いた製剤を使用禁止にしようとかしたとか
の記事があり,その中にコラーゲンも入っていたように思います.またVaso Sealの
原料は牛のコラーゲンだったと記憶しております.Vaso Sealはヨーロッパで作られ
ているので問題ないって所でしょうか?
 数年前Vaso Sealを本院でも使っていた時期がありましたが,この時にイギリスで
狂牛病問題が持ち上がり,何となくイヤになり使わなくなったことを思い出しました.

 はっきり憶えていないままでの質問なのですが,どなたかご存じの方教えていただ
けませんか?

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○○です。

CCTのプログラムを見ると、その盛大さ(ライブ、ランチョンなどの各種セミナー)
に驚くばかりです。

<中略>

これだけ大きくなると、JSICとCCTの関係がよく解らなくなってしまいました。
JSICの公認?ライブから小倉、倉敷、鎌倉(よく見たら全部”倉”)の”三倉”はは
ずれるのでしょうね。そうなれば、JSICの公認ライブはCCTの他には何があるのでしょ
うか。(東京ライブや安達太良ライブは公認ライブですか?)

************************************

○○です。

CCTでは、皆様遅くまで、focus live にご参加いただきありがとうございました。
小生の症例ですが、時間切れになってしまった後、transit & Miracle3でCTO開けを
始めました。
proximalのfibrous capへの穿通は容易で、transitを少しおくまで進め、カテを押し
たところLADへsuper selectiveに挿入できました。
そのままMiracle 3でクロスし、1.5mm→3.0mmでバルーニングし、S670 3.5-24を植え
込み、9時頃には終了いたしました。

手前味噌ですが、参加者の皆様に配布されたCDでは、TRIの部分を担当させていただ
きました。
自分的には、それなりに考えて書いた原稿で、写真・動画多数です。
是非、ご高覧いただいた上、ご感想をお聞かせください。

************************************

○○です。

さて、○○先生、時間切れで残念でしたね。しかし、先生がされた、”TRIにおけ
るShortLMTでガイドカテがCXにselectiveに入ってしまってLADがselection
出来ない時、CXにワイヤーを押し込んで、その反作用でガイドカテをLMTから微妙
に浮かしてからLADを別のワイヤーで選択する”というTRIの HyperTechnique は
見る人を引きつけるものがありました。

また、○○先生もライブでのいろんなstrategyの制約が
あるなか、ロータとcutting balloonを見せていただきました。
もし、制約がなければ、○○先生はどのようなstrategyだったでしょうか?

○○先生もLAD6〜7のCTO後にNirの4.0-30mmを入れられ、良好な仕上がり
を得られましたが、あれもIVUSで実際の血管径を知ることができたからこそでき
るのであり、ウチのようにIVUSが出来ないところでは、とりあえず(明らか
なDissectionがあれば別ですが)POBAのみで初回は終わらせて、3ヶ月後に再狭窄が
来たらそこだけにSpot Stentingをするという2期工事の戦略で行ったかもしれませ
ん。

○○先生や○○先生もお疲れさまでした。
最後に神奈川の遠山先生も言われていましたが、CCTのライブのように、術者に対
してあんなに皮肉を言ったりチャカしたりしたら、九州ならつかみ合いのケンカになっ
ていると思います。関西人はあれが普通だと言いますが、とにかくビックリです。

************************************

○○です。

○○先生、お疲れ様でした。
コメンテーターをさせていただいた
○○です。あのライブでは先生のケースが一番議論が
深まるケースではなかったかと、思います。
というのも、CTO、downsizing Guiding catheter、TRIという
組み合わせ問題はまだ未解決な要素が多いように思うからです。
時間切れで本当に残念でした。
どうせなら5Frを持ち出してきたら
さらに面白かったのではないでしょうか、と
Fivistの小生は思うわけです。
ただ、先生が「左手からTRIで左冠動脈のPCIをするのは
一番難しいアプローチ」といっておられましたが、
これは少し違うように思いますが
そのココロを教えてください。

************************************

○○です

今回も本質と関係ないところをしゃべりすぎたと反省しております.....
場所(CCT)が場所なのでradialが8Fr. compatibleであればDCAと思ったのですが意
外と硬くて恐らくpre-dilatationが必要であったと思われます。自分の病院でやって
いればCB+big balloonでおしまいと思いますが、Liveの裏は多分にshow的な要素があ
りまして......すでにstrategyのみならずdeviceが決定されているようなところがあ
りまして....自己主張の弱い私としてはその通りにせざるを得ないところでした。

○○先生の症例が見れなくて残念でした。でも4日間はとても長く現在でも疲労困憊状
態です。
みなさまお疲れさまでした。

************************************

○○です。
CCTでのoperatorをして疲れました。ライブ術者はうち以外で大きなライブでは
初めてだったので、いつもIVUSばっかりだったから、結構疲れました。
で、手技自体は問題なかったんですが、せっかくのcomplex stenting
のコースでIVUSガイドで4.0mmを選択できた、って言う点がもっともトピック
だったのにそれを全く説明できなかったのが残念でした。
それと、実は30mmを選択しましたがあれは全くの間違いでした。
自分でIVUSをちゃんと見ればよかったのに、サボってIVUS係の人間に
長さ何ミリ、っていって最初25-30mmなんてオタンチンなことを言ったから
distalのseptalからproximalの二股のseptalまで、って言って回答が30mm
です、っていってるから入れたけどどうも長いし、あとで見直したら
25mmでちょうどよかったんです。ここは反省。
後は、ワイヤが最初にseptalに抜けたんですが、ここでLAD本幹に抜き
直すのに最初のintermediateをどうするか、結構悩んだんですが、
すこしでもsuccess rateを上げるstrategyと考えてparallel wireにしました。
ここではintermediateでLADを探る、1.5mmで拡張する、parallel wire
にする、の3つの選択肢があったと思いますが、結果的にもlogicにも
parallel wireがやっぱりbestだった、と思いました。

************************************
はじめまして。○○と申します。
この度は、TRA-netへの参加をさせていただきましてありがとうございます。
私は、平成○○年に産業医科大学を卒業し、その後○○労
災病院にて内科をrotationしていました。○○労災病院は平成11年までは年間カテ数
が150例ぐらいでしたが、平成12年には○○医大より先生を招き、年間カテ数500-600
例(内PTCAが200例ぐらい)とみんなで力を合わせて頑張りました。私としては、症例
数が増えやり甲斐があったのですが、そのほとんどの症例がfemoral approachであっ
たため術後圧迫がとても大変でした(その大多数を私が圧迫していました)。
○○病院に赴任してきて初めてradial approachを見たときは驚きで
した。術者、看護婦はもちろんのこと、なにより患者さんへの負担がこれ程までに軽
減できるのかとつくづく思いました。
まだまだ、radial approachに着手していない病院が多い中で、症例のほとんど
でradial approachを行う、○○病院で働けることは、私にとって貴重な経験です。このTRA-net
でさらに
患者に優しく・適切な心カテについて学んでいきたいと思います。今後ともよろしく
お願いいたします。

************************************

○○です。
CCT Japanに御参加の皆様御疲れ様でした。また術者・コメンテーターの先生方、本
当に御疲れ様でした。私は諸般の事情で12日夕方会場を後にしたため、TRA-net関連
の先生方のライブを見逃す結果となり、非常に残念に思うとともに先生方に申し訳な
く思っております。

私が見て回った範囲では、非常に盛会のうちに会が進行していったと思われました。
CCIC系のstrategyには是非があるかと思いますが、それを含んでいろんな意味で貴重
な経験となりました。また今回は、当院から看護婦さん3名(病棟ならびに造影室)
を引き連れて、さながら添乗員状態でした。当院ではコメディカルのこの規模のライ
ブへの参加(とポスターによる演題発表)は初めてであり、そういう意味では当科に
とっては貴重な一歩でした。

今後CCT Japanが、本邦におけるいわゆるライブデモンストレーションをリードする
会となる様相ですが、ますます成熟した内容になることを希望しつつ会場を後にしま
した。

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○○です。

○○先生、コメンテータありがとうございました。
ご質問の件ですが、左TRIからのLCAのPCI、5Fr TRIの問題点はpassive back-up が弱
い点です。
ワイヤ、バルーンまで通ってしまえば、anchoringでJLやEBUは、
簡単にdeepできますから、後の手技は容易です。問題は、ワイヤ・バルーンの通過が
たやすく果たせない症例です。
5Fr でpassive back-upが弱い理由は、言うまでもありませんよね。
左TRIからのLCAのPCIに関する問題点は、radialist.comのTRI の巻きに書きました
し、今回のCCTのCDには、イラストを入れ、さらに詳述したつもりです。
是非、ご一読の上、ご感想をお聞かせください。

小生のCCT症例ですが、数日前に送られたビデオで、事前にCAGを見た段階で、ちょっ
と5Fr考えました。
実は、滋賀のカテ室には、5Frを用意しておきました。
最終的には、滋賀で、実際にシネをみて、病変はかなり固そうとの印象をもち、6Fr
に決めました。
ただ、やったものとしての感想は、最初はSLは、ご覧いただいたように、LADにsuper
selectiveにengageできず、
だまし、だまし、transit を支えにして、ミラクル3を穿通させていきました。
最後は、石灰化を迂回するようなワイヤ操作で、distal のfibrous capを通しまし
た。
6Frでやって、大正解だったと思います。
5Fr EBUが入っても難しかっただろうと思います。

5Frもそれなりにやってきましたが、CTOにはきつかろうと思います。
あくまで、そんなに不自由しないで、ワイヤは通せるケースに、自分は限定しており
ます。

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○○です。
風邪が2週間治らずに苦しんでます。まさに膿と化した痰が切れません。時に血が混
じってます。
それはいいとして、昨日 LAD CTOを掘っていて体側造影が必要になりました。はじめ
同側よりbridgeで行っていたのが、wireが進むにつれ消えていきました。消毒してあっ
たFemoralより4F入れてRCA造影したのですが、みなさんは如何されてますか。はじ
めから対側造影をする場合と途中で必要になった場合の2つの場面があると思います
がお教えください。
ちなみに、うまくいきました。

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○○です。
僕の場合は、CCTと同じですが、CTOは基本的に7Fr femoral approach
です。やはりCTOだとparallel wireとかkissingとかいろいろすることが
あるので7Frを入れたいし、backupが本当に必要なことがあるので
femoralです。よっぽどeasyかfemoral high riskだったらradial approach
ですが。
で、対側はRt femoral だったら Rt radialが1st choiceです。Rt radial
だったらLt radialからします。せっかくapproach radialで早く動けるなら
いくら対側で細いとはいえfemoralに入れるのは、って思ってます。
両側ついても特に問題になったことはありません。

あと、蛇足ですが、対側造影のTipsを。。。

1.対側をマイクロカテから行う
これは対側造影の造影剤を劇的に減らすことができます。
最初5Fr造影カテを入れて、その中にマイクロカテ+14wireをいれて
14wireで対側の枝までマイクロカテを進めてそこから造影します。
小さめのシリンジでないとやや造影しにくいかもしれません。

2.アシストシステムでの対側造影
アシストシステムを使っておられるところだと、
(対側)---------↓      ↓フラッシュ用
同側---------さんかつ+さんかつ------------アシスト本体
という風にして三活で切り替えることできれいに対側造影ができます。

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初めまして。○○大学第一内科の○○と申します。平成七年より内科医をしております。インタ
ーベンションの世界に興味を持ったのは卒後三年目からで、以後自分なりに積極的に学んで
きたつもりですが、何分経験不足です。本年五月より、それまで勤務しておりました○○循環
器病センターから○○大学の方に戻ってまいりまして、同時に○○でインターベンションの勉
強をさせていただいております。そこで、○○先生から当HPの存在を教えて頂きまして、今回
TRA-netへの登録を希望させて頂いた次第です。宜しくお願い致します。登録すると同時に、
前の施設で御指導頂きました○○先生の御活躍を伺い知ることが出来まして、嬉しく思ってい
ると同時に、頑張らねばと決意を新たにしました。

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○○です.

私事ではありますが、○○のTRIが本日1000例になりました.
術者の間で密かに1000例目を誰がやるかと問題になっていましたが、
3人の術者のうち1人が外来中、もう一人がカテ中の時にAMIが来たので、
迷わず久方ぶりにTRIを選択し、1000例目をめでたくゲットしました.

折角の記念のTRIですし、いろいろとやってみました.
RCA1の肩屈曲部の完全閉塞症例でした.
Rota floppyをベアで通し、
ここ数ヶ月使われていないRescueを持ち出し、
手レスキューを試みました.
私としては初めての手レスキューでした.
病変がきつく、
残念ながらレスキューは通過しませんでしたが、
遠位部の血管系がおぼろげながらもわかるようになったので、
危険かなとは思いましたが、
あえてトライスター3.5X18のdirect stentingを試みたところ、
ステントはスルリと病変をクロスしました。
初代のマルチリンクから比べるとずいぶん通過性は良くなったと思います.
拡張後も血管の曲がりは保たれており、
先輩譲りのなかなかのconformabilityだと思いました.
仕上げにもう一度手レスキューを試み、
遠位部の血栓を吸引し終了しました.
Bxも良いですが、トライスターの通過性もなかなかだと思います..
conformabilityはトライスターの方が確実に上です.
まだ症例が少ないので、石灰化病変における通過性の比較は難しいですが、
Bxの方がトライスターよりも石灰化に引っかかるような感じが
やや強いかなと思いますがいかがでしょう?

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○○です。

○○先生、○○先生はじめ、Fivistの先生方、教えてください。
5Fr GCを使用するにあたって、Zuma2とCordisのほんの少しのlumenの差は大きいとお
考えでしょうか?気にする程の物ではないとお考えでしょうか?
5Frという限られた世界の中で、造影以外になにか妨げに成ることは有る物でしょう
か?

今日、radial approach 、Cordis 5Fr GCでsegment 1の2cmくらいのCTOをやりました。
PCIは上手くいったので、良かったのですが、マーベリック1.5mmのOTWを使用したと
ころ造影がきつく、途中でちょっと嫌になりました。
Zuma2 5Frではマーベリック1.5mmのOTWの造影はこれほどではなかった様な気がしま
す。ほんの少しのlumenの差がでたのか、それとも、風邪気味で弱っている私の体調
のせいなのかよく解らないのですが...。

まぁradialで5FrでCTOという事自体が良くないと言われるとそれまでなのですが...。

ちなみに、私は握力だけは有る方で、昔○○に、○○先生と供
に「片手で握力50Kg無いヤツには心カテさせない!」と鍛えられた経験が有ります。

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○○です。
当院では今月PCI症例が激減しております。このままでは...うっ(涙)。で、不思議
と多いペースメーカー移植で今月は何とか持たせています。

さて○○先生御指摘の件とは直接関係ありませんが、昨日PCIを施行した下記の症例
につき、皆様へ御報告と御質問です。

症例は下壁のOMIを有する82歳の男性です。今回はLADの新規病変への初回PCIです。
前回(両側とも)radialで苦労した症例であり、TFIを選択。若干腎機能に問題があ
り、極力造影剤を節減したい症例です。5Fr. Zuma2, JL3.5を選択してdirect
stentingを試みました。GWにはある程度anchorとして頑張ってもらうため、5Fr,TFI
の通例としてHT-BMW TREKを選択しております。今回珍しさもあってBX Velocity
3.5/18を使用する事にしました。前夜パンフに記載のステント・プロファイルを
チェックし、GCを十分余裕を持って通過できるつもりでした。ところが手技を始めて
みると、かなりギシギシ状態で、特にJLの最初のカーブを通過するときは結構抵抗を
感じました。しかしGCの中をステントを進める時は、不思議とairのY-connectorから
の”吸い込み”は予想外にわずかでした。最終的には手技時間20分強で無難に終了し
ましたが、ちょっと冷や汗ものでした。やはりstrategy(と言うか、単にデバイスの
選択ですね...)が甘かったのかとちょっぴり反省。5Fr.Zuma2で3.5mmのBX Velocity
ステントはギリギリであると言う貴重な経験をしました。もう5Fr.では止めておこう
か、それとも次はMACあるいはEBUだったら楽勝かも、と悩むところです。まあ、IVUS
なしでdirect stentするな、と怒らないで下さい。>IVUSな皆様方

ちなみにBXってかなり血管がまっすぐになってしまう気がするんですが、如何でしょ
うか?Balloonに載った状態では柔らかいので、もうちょっとconformabilityに優れる
かと思い込んでいました。余談ながらBXの入っているケースは安っぽいですが、ケー
スに収めたまま先端からGW lumenのフラッシュが出来るという点で優れものですね。
さらに箱が小さくて保管場所を取らないのは良いです。本質とは関係ないこんな事に
妙に感心してしまいました。

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○○です。

○○先生、
レスキューはステント留置後にその先の吸引を行なえるのですね。
ステントストラットにひっかかる感じはありませんでしたか?

○○先生、
BXがケースに収めたままでフラッシュできることは知りませんでした。
しかし、当院ではバルーンやステントのワイヤールーメンを生食でフラッシュするこ
とは昔からしていません。ケースから取り出したら”シャブシャブ”と小声で言いな
がら先端部分を生食の中で2〜3回泳がすようにしています。

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==============  第25集 =================


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Fivist○○です。
○○先生のチャレンジに敬意を
表します。5Fr.でRCA近位部のCTOは
困難な場合が多いので、先生の成功は
素晴らしいと思います。
私はCordis5Frを触ったことしか
ありませんが、一般に5Fr.GCの欠点として、
OTWを使用すると、造影能が極端に落ちると
いうことです。Zuma2でも同じと思いますが
○○先生の経験はいかがでしょう。
特に対側造影せずに、ブリッジを頼りに
CTOを掘っていく時には末梢情報が
失われることがほとんどです。
したがって、私は5FrでCTOを掘る時は
マイクロカテを使用し、OTWは使用
しておりません。
先生の意見を教えてください。

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○○です。

以前、○○先生が指摘されていたと思いますが、
マルチリンクは屈曲部に植え込むと、
後拡張のバルーンがステントに引っかかることが時々あります。
トライスターもこの点は同様のようです。
レスキューカテの通過性は悪いですし、
また、ステント植え込み後の手レスキューは
ワイヤーをロータ用に再交換する必要がありますので、
ステントストラットが浮かないように
しっかり後拡張しておくことが重要だと思います。
今回の症例はリファレンスが4.5mm位の病変でしたので、
一番大きい4mmのトライスターを植え込み、
ステントバルーンで20気圧まで後拡張したうえで、
ワイヤーを入れ替えました。
レスキューも問題なく通りました。

蛇足ですが、手レスキューが初めてだったのではなく、
6F手レスキューが初めての誤りでした。

ところで○○先生から○○先生へのコメントですが、
当院ではバルーンやステントをケースから取り出し後、
生食を通したり濡らすようなことは全く行っていません。
そのまま使っています。

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○○です。

まず、○○先生へのコメントですが、私は、5Frは、ZUMA 2しか使ったことはありま
せん。Cordisについては、コメントできません。CTOといっても、結構するするワイ
ヤが通る症例と、本当にheavy dutyな装備を必要とするものの2通りがあると思いま
す。
手をつける前の判断は難しいので、5Frないし6Frで始めるのは一向に構わないと思う
んですが、このバックアップではダメだ、カテの形状を変えても無理だ、と感じた
ら、すぐサイズアップする必要はあるかと思います。○○先生のCTOのケースもそう
ですが、私もCTOをTRIで手をつけて、末梢がでなくなれば、その瞬間に対側を入れま
す。TRIで最も大切なことは、radial 1本差しにこだわることでもなく、カテサイズ
にこだわることでもなく、冠動脈をきちんと拡張するとこではないでしょうか?

○○先生のケースですが、5fr ZUMA2でのステント植え込みの際は、ステントサイズ
を結構気にしております。以前、0.048のマルチリンク・プラス3.0を植え込んだ時、
もちろんカテ内を進めていくことは可能ですが、カテとすれる感触が強く、腕頭動脈
などで、カテがキンクしている場合は、dislodgeするかもしれないと思いました。BX
も、3.0が0.045、3.5が0.048なので、5Frの場合は、3.0までにとどめておくほうが無
難ではないでしょうか?

○○先生、TRI 1000例おめでとうございます。思えば、96年3月29日以来、長いよう
な、短いような年月でした。これからもご活躍を期待いたします。

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○○です

5FrでのCTOは、よほどおいしそうなヤツでない限りはやらないため、当然経験も少な
いので、よく解らないので申し訳有りません。
先生方の5FrのCTOの経験をご教授下さい。お願いいたします。

もちろん、○○先生のご指摘の通り、5Frでダメそうだと有れば6〜8Frに入れ替える
こともあります。femoralより「パンツを脱がせて」いただいて刺すこともあります。
手からのシースは対側造影用に使えます。5Frのカテは孫カテに使用できることも有
ります。何となく物を無駄にしていないような気がして、自己満足ができます。

CTOは手でも足でも、5Frでも8Frでも、コストの問題と、ワイヤーが入ってからバルー
ンを一本どうせ出さなければいけない事から、OTWのバルーンをいつも使用しており
ます。5Fr Zuma2でOTWでも、造影は結構きついですが?力にまかせて造影すると何
とか可能でした。
マイクロカテを使用したことがないので教えていただきたいのですが、造影は問題な
いのでしょうか?その他、何か良い道具は有るの物でしょうか?教えてください。

それ以上に、皆様、5Fr,radial approachのCTOはやはり無謀だとお考えでしょうか?

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○○です。

最近5Fr.TRIについての話題でにぎわっていますが、まだ5Fr.TRIを実践して
いらっしゃらない先生方のために、ここで1回まとめをしたいと思います。

1,現在使用できる5Fr.ガイドカテとその特徴は?
2,道具(サイズ)の使用制限は?
  バルーン、ステント、Cutting balloon, Perfusion balloon, Rota?
3,バルーンなどをガイドカテの中に引いたままで、冠動脈の造影が十分にできるか?
4,6Fr.とは違ったテクニックがあるか?
5,どんな症例や状況の時に、6Fr.よりむしろ5Fr.が有利と思うか?
6,合併症がさらに少なくなった(橈骨動脈閉塞や出血に関して・圧迫時間の短縮)
という実感があるか?

などについて、経験者のみなさん、どんどんフランクな御発言をお願いします。

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○○です。

> 2,道具(サイズ)の使用制限は?
>   バルーン、ステント、Cutting balloon, Perfusion balloon, Rota?

昨日は5Fr.zuma2(内腔058)でのDirect Stentでしたが、BX3.5-13mmはガイドカ
テ内をスムーズに通過し、病変部でも特に引っかかりはありませんでした。
Cutting Balloonは確か3.5-10mmはきつかったように記憶しています。お勧め
は3.0-10mmまででしょうか。

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○○です。

前回のメールの訂正です。(勘違いしていました)
CuttingBalloonは3.0-10mmを5Fr.でやった時に、ぎちぎちで何とか手技は終えたので
すが、お勧めできません。
5Fr.でCuttingBalloonはTryしない方がよいと思います。

それから、今日の症例(6Fr)ではBXステントが病変部に辿り着くまでのガサガサ
感が強かったように思いました。
通過はしますが、抵抗感も強いようです。

早く”Tristar(TRIスター)”を使ってみたい気がします。
果たして、”TRIの星”として輝くでしょうか?

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○○です。

○○先生
BXのガサガサ感は、狭窄にひっかかる感じですか、
それとも石灰化にこすれる感じでしょうか?
私は後者ではないかと思うのですが...

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○○です。

> BXのガサガサ感は、狭窄にひっかかる感じですか、
> それとも石灰化にこすれる感じでしょうか?

病変部のずっと手前ですから、狭窄部位ではありません。
冠動脈の硬い内膜(石灰化)をこすりながら進んでゆく感じです。
ただ、ステントのDeliveryは全例(まだ5〜6例ぐらいですが)可能でした。

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○○です。
少し遅いのですが、○○先生のコメントについて、
> CTOといっても、結構するするワイヤが通る症例と、本当にheavy
> dutyな装備を必要とするものの2通りがあると思います。
本当にCTOには差がありますよね、どう見ても難しいと思える病変が
結構簡単にwire crossしてしまったり、手をつける前の判断が難しい、
結局やってみないと分からない、ってことが多く困ります。

> 手をつける前の判断は難しいので、5Frないし6Frで始めるのは一向
> に構わないと思う...
> TRIで最も大切なことは、radial 1本差しにこだわることでもなく、カテサイズ
> にこだわることでもなく、冠動脈をきちんと拡張するとこではないでしょうか?
これがすごく大事なことだと思います。この点において僕はCTOに対し
TRIはかなり慎重です。Backupが不足するなどの状況が出る、それが
予想される場合(3/4はやはりそれを危惧します)はfemoral approachと
しています。5Fr 6Frでwireがcrossしたあとballoonが通過しない、その
ような症例は確かにそれほど多い訳ではありませんがそのような状況
での後悔は絶対したくありません。Wire crossにしてもbackupが必要
なこともありやはり7Frを使用しています。

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○○です。
ほかならぬ○○先生のご質問ですので、小生の乏しい経験をご報告します。

>1,現在使用できる5Fr.ガイドカテとその特徴は?
ZUMA2の経験しかありません。第1世代の5Frカテですので、まだまだトルクに対し
て、抵抗性がありません。腕頭動脈に屈曲があるとキンクしやすく、注意が必要で
す。ウチの診断カテは5Frのテルモ・ハートキャスですが、この診断カテは、トルク
に対して極めて頑強です。ワイヤを入れないと、この診断カテが操作できないような
場合は、まず5Fr ZUMA2は無理だと思います。

>2,道具(サイズ)の使用制限は?
モノレールのみ使用しています。ウチはアシストシステムなので、ステントを持ち込
む際、生食をゆっくりおとしながら、空気塞栓を防ぐ操作ができません(機械的には
可能のはずです。アシストの生食フラッシュに、そうした注入モードがないだけで、
現在リクエスト中ですが、いつになることやら・・・)。そのため、ステントは、
0.045までのものに限っています。cuttingもやっていません。

>3,バルーンなどをガイドカテの中に引いたままで、冠動脈の造影が十分にできる
か?
これは、アシストを使っているので、まったく問題ありません。ただ、大口径のバ
ルーンをカテ内にとどめたまま、造影すると、注入圧が高くなり、ときにYコネク
ターが破損します。

>4,6Fr.とは違ったテクニックがあるか?
左右とも、deep engagementが基本になります。EBUを使っても、passive back-up
は、6Frより、かなり弱いように感じます。小生の好きな、6Fr long-tipを入れて、
例えば7Fr TFIと同様の感覚で行う手技とは、かなり異なるように感じます。

>5,どんな症例や状況の時に、6Fr.よりむしろ5Fr.が有利と思うか?
私はそこまで経験がないので、6Fr.の方が、現状では有利だと思います。ただし、術
前のradial echoで径が2.1mmの時など、5Frで手技が終わると、患者さんにいいこと
したような気になりますが・・・

>6,合併症がさらに少なくなった(橈骨動脈閉塞や出血に関して・圧迫時間の短
縮)
という実感があるか?
Adaptyを3時間で完全にはずしても、止血が得られやすい印象はあります。橈骨動脈
閉塞は、echoで評価していないので、コメントできません。

以上、長文となり失礼いたしました。

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○○です。

私の知る限りの事とpoorな表現で、○○先生のご質問に答えてみました。

1,現在使用できる5Fr.ガイドカテとその特徴は?
ZUMA2とCordis brite tip。
前者はそれなりにサイズや形状も手にはいるようになりました。後者は右左のジャド
キンス4.0とAL2のみしか今のところ私には手に入りません。しかも品薄。
Cordisの先端はdeepに向いていると思うのですが、ショートチップがないので寂しい
です。CordisはZUMAよりほんの少し内腔が狭いです。
ZUMA2は製品にばらつきがあるように思えます。

2,道具(サイズ)の使用制限は?
ZUMAについてですが
  バルーン:モノレールなら、4mmまでならたぶんなんでも大丈夫。
  ステント:NIR全サイズ、Sシリーズ4mmまでなら、OK
       VELOCITY 3.5mm以下はメーカー保障?
       MLプラスはダメ(3mmなら通ることも有るらしいが..?)
       RADIUSダメ
  Cutting balloon:メーカー保障はないですが2.5x10mmは大丈夫でした。
           3.0mmを突っ込んだ事もありますがダメでした。
Perfusion balloon:たぶんダメです
  Rota:経験無いので解りません

3,バルーンなどをガイドカテの中に引いたままで、冠動脈の造影が十分にできるか?
  普通のバルーンならできます。 OTWは造影がきついです。

4,6Fr.とは違ったテクニックがあるか?
  無いです(たぶん)。
  カテ自体のバックアップは期待しないPCIという事でしょうか?
  αループや、deepを多用しますが、6Frと同じだと思います。
  より、deepが安心してできると思います。
  時には病変を越してまでdeepします。
  昔のシャッツのシースの様にGCを使ってステントを入れる事もあります。
  preでそのバルーンをアンカーにしてdeepする事も6Frより頻度が多いと思います。

5,どんな症例や状況の時に、6Fr.よりむしろ5Fr.が有利と思うか?
  radialが細い人。
  腎機能が悪い人。造影剤を節約したいとき。
  femoral approachで、先輩に「圧迫お願いします!」と言うとき。
  どうしてもカテがengageしにくく、入口部の近くまでカテを持っていってワイヤー
でselectしてからワイヤー伝いにengage 〜deepに持っていくとき。カテの柔らかさ
が役立ちます。

6,合併症がさらに少なくなったか?
  femoralの圧迫は時間の短縮になっているようです
   (自分であまりしないので解らないです)。
  先輩に圧迫をお願いした後の、私への風当たりが和らいでいる気がします。
  カテをブンブン回しても、ズンズン入れても怖くないです。
  バルーンやワイヤーの評価がよりsevereにできます。

  逆に、6Frより合併症が増えることは無いようです。
  5Frでできる症例では、PCIの成功率も、結果も、6Frと変わらないと思います。
  
その他:パラレルワイヤー&バルーン可。パラレルワイヤー&ステント困難。
    IVUSはテルモは可

5Frでどうしてもやらなければいけない理由は少ないのですが、逆に、「5Frである程
度済んでしまうのに、なぜ6Fr?」と考えています。それはradialの径という事情を抜
かせば、6Frでなければどうしてもいけない理由が有るかという事と同じだと思いま
す。femoralからのPCIは8Frで問題ない事が多いと思いますが、6Frで済むなら6Frを
使うのと同じです。
GC以外のデバイスの進歩も有り、普通の日常のPCIはそんなに難しい物が多いわけで
はなく、拡げてステント入れて終わりという単純な物が半分くらいだと思います。そ
れらには、あえて6Fr以上を使う理由がないと思うのです。
昔、6Frがでてきた時には、学会でradial & 6Frとfemoral & 8Frといったdebateがあ
りました。8Frの先生方に無茶苦茶な言われ方をされても、適当な理由を付けて使っ
ていたと思います。でも、それは全てradial & 6Frでやるというのではなく、
「radial &6Frで済む物はそれで行こうよ」といった柔軟なスタンスであったと思い
ます。
5Frの出現で、皆さん「5Frで済む物は5Frで」と考えるのかと思ったら、昔あんな
に6Frにこだわった先輩先生方が「5Frを使う理由は無い」と言い切ったりしたのは寂
しいことでした。

まぁ、所詮道具ですから、自分の好きな物を使って良い結果が得られればそれで良い
のではないかと思っています。私は5Frのクネクネ、ズポズポ感が気に入っていると
いう単純な理由で使っています。

長くなって申し訳ございません。

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○○です。

当施設では比較的cutting balloonを多用しているためか5Fr TRIは極端に少ないです。
CBを考えなければかなりの率で5FrTRIが可能と思いますが、現在のところ我々
が6Fr TRIを始めた頃のように手探りの状態ではないかと思いますしこれから増える
と思います。ただし、なるべくなら「5Frでしなければヨカッタ」の状況には陥いる
のはとてもいやですので症例を選んで慎重に行っています。

6Fr TRIによるCTOはロータブレータやバルーンの進歩により格段に自信がつきました
が、5Fr TRIによるCTOへのチャレンジに関しては、我々のようにCTOの経験が少ない
ものにとっては病変の「見極めが」困難であり難しいと考えています。当院でもCTO
の多くは7Fr TFIで行われています。

最後に秋田県の先生から今日きたメールの一部を紹介します。
「手からロータをする人 = 手ロータインターベンショナリスト* = (テロ)ー
タインターベンショナ(リスト) = テロリスト」なんちゃって.....だそうです。

*intervensionist

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○○です。

CTOについて、補足します。自分は、5FrでCTOを開けにいくことは、行っておりませ
ん。CTOに関するアプローチですが、
RCA:long-tipを入れて、いわゆる肩を伸ばす形を作りにいくと、RCA2〜3あたりの走
行にも微妙な影響があるようで、どうもtrue lumenを探しにくくなるようです。RCA
は、CTOの中では、一番難しく、7Fr TFIでAL、あるいはSALを使ってバックアップを
取るようにしております。自分が、ALないしSALを積極的に使うのは、グラフトを除
けば、この場合のみです。

LAD/LCx:対側造影が不要ならTRIです。6Frでいくか、7Frにするかは、case by case
です。基本的にEBUでやっています。対側造影が必要な場合は、PCIを7Fr TFIで、EBU
を用い、対側を右radialからとるようにしています。

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○○です。

5Fr CTOは、LIVEに出てくるような凄い病変でなく、ちょっと硬いワイヤーでつつけ
ば通りそうなeasy CTOにのみやっています。凄いCTOは私のウデでは7Frだろうが、
8Frだろうが経験も見極めも未熟なため難しいです。

諸先生方に5Fr CTOはウケが悪いようなので、今後はコソコソしようかなぁと思いま
す。

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○○です。

○○先生のまとめに一言こたえようと思います。
質問4と5が重要なのはわかりきっていますが、
これが実のところはっきりとは実証できない。
ご存知の方も多いと思いますが5Fr PCIには
Dr.Chevalierの主催するホームページがあるのですが、
そのサイトにも、この質問4.5の納得できる答えは
ありません。OngoingなTrialやRegistryが幾つかあるようで
その結果を待つ必要がありそうです。ついでに言えば、
このサイトではほとんどのfrontier FivistがCTOは
5Fr PCIの禁忌としています。
私は5Frの基本的操作がdeep intubationであるゆえ
(あのフニャフニャのシャフトが実にdeep intubationしやすい)
それが不可能な近位部のcomplexな病変には
向いていないと思うが、いったんdeep intubationができれば
direct stentを含め非常に安全でやりやすいと考えます。
ちなみに先ほどのサイトでDr.Chevalierは5Fr direct
stentの成功率を95%と報告しています。
5FrのPCIでは血管の形態がdeep intubationが可能かどうかが
最も重要な要素だと考えます。

************************************

○○です。

>諸先生方に5Fr CTOはウケが悪いようなので、今後はコソコソしようかなぁと思い
ます。

昔、6Fr TRI を始めた時、世間の「諸先生方」のウケは、決してよくありませんでし
た。そんなことやって、いったい何のメリットがあるんだ、と随分言われました。で
も、同じ結果が得られるなら、8/7 Frより6Frであることは、コンセンサスになって
きました。ダウンサイジングの方向性は、間違っていないと思います。

○○先生、是非、5Fr CTOにガンガンと取り組まれて、CTOでも、こういうのなら
5Frでいいんだ、といったことを教えてください。あさって、の症例の結果もね!!


************************************

○○です。

BxVelocity発売以来、当院では7-8割り方(ミーハーですから、、、)使用しています。
大方の評判どおり、NIRほどではありませんが血管を伸ばす印象を持ちました。
屈曲病変では結構、血管壁に対するstress(特にedge)がありそうでrestenosisもけっこうある
のでは?
と感じています。

ところでBxVelocityを使っててデフレのあとballoonが抜けにくかったという経験をされた先生
いらっしゃいませんか?
うちでは抜けなくなって難渋した症例があります。
RCA1でdistalがちょうど屈曲部にさしかかろうかというlesionでreferenceは4.5?くらいでした。
うちには4.0?を置いてなかったので4.0?のballoonでpostをかけようと思い、3.5×23?を入れたと
ころ
angiographicalにはデフレ出来ているように見えていましたがballoonが全く抜けません。
そのときもう一回インフレしたりしてみればよかったのかもしれませんが、どうにかこうにかして
いる間に
見事にシステムごと抜けてしまいました。
その後はもう一度wire crossしてpostかけて、予定通り終了しました。
ここまで難渋しないにしても、これ以外に抜けにくかったことが何度かありました。

ある日、lesion手前の硬い屈曲部を通過しなかったBxVelocity 3.0×23?を使ってインデフ実験
をしてみました。
するとデフレ後、待てど暮らせどballoonはしぼまず、(おそらく)30秒位かかってやっとしぼみま
した。
透視上デフレできているように見えても、実はまだしぼんでないようなことってあるのでしょう
か?

Cordisの方によれば
stentとballoonの密着力が強いので抜けにくかったのかもしれない。
対策としては、やはりもう一度低圧でインフレしてから抜いてみてください。とのコメントでした。
九州圏内では熊本済生会Hp.で3.0×23?使用時に同様なことがあったという報告があるそうで
す。

いずれにしても”まず、低圧でstentをそっと置いてきて、、、”といった手技の時には要注意の
STENTかも?
という経験をしましたので発言させていただきました。

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○○です.

バルーンを引いてくる時、軽くトラップされるような感触はしばしば感じます.
一瞬、抜けなくなったのではと不安になることもありますが、
少し強めに引くと必ず抜けます.
抜く時にガイドカテがdeep engageしないように、
いつも注意しながら引くようにしています.

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○○です。最近、down sizing PCIで盛り上がってますね。TRIの真髄で
はないかと思って、大変勉強になります。

さて、当院では○○先生がBXステントをいたく気に入られて、多用されています。ち
なみにML tristarは当院では採用されていません。
「Nirよりconfirmabilityは良い」と、我がチーフは気に入ってますが、結構冠動脈
が直線化しているように感じてます。side branchアクセスについては、まだ症例が
少なく何とも言えません。

で、ステントバルーンですが、確かにデフレートが遅くステントバルーン抜去しよう
とする際にしばしばGCがdeep engageしやすい傾向があります。さらに一度デフレー
トするとステント再通過や他の病変(病変じゃないところでも)への通過性が極端に
落ちるような気がします。○○が心配された件ですが、確かに透視で
デフレートを確認したのに抜けませんでした。LADの近位部であまり屈曲も強くない
病変だったのですが、何でなのでしょう?理由がはっきりしないのですが、その症例
以後はCBのように少し時間をおいてからステントバルーンを抜去するように対応して
ます。

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○○です
さて、次のような症例の検討をお願いします。
41歳男性。10日前胸痛で深夜0時ごろ受診。
心電図で下壁のAMIの診断で、コールを
受けました。電話でのやり取り中にVfとなり
約15分で病院に駆けつけたところ、まだVf。
DCを繰り返すも、数秒間Slow VTになるものの
すぐにVf。しかたがないので心臓マッサージをしつつ
カテ室に連れて行き、受診後約40分くらいで
PCPS、ついでIABPをいれPCIを施行。
右冠動脈2番のありふれた病変でした。
しかしPCI中もVfでDCでVTとなったり、造影剤が
当然流れなかったりで、非常にやりにくい。PCPS
が無ければ当然マッサージをしながらのPCIと
なるのでしょうけれど、その際の注意点、コツなど
経験のある先生の意見を聞かせてください。
ちなみにこの患者、90分近くVfのままでCK最高値が
DCの影響もあって18000を超えましたが
翌日にはPCPSが、その翌日にはIABPが抜け
意識障害もなくもうすぐ退院です。

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○○です。

大変な症例でご苦労さまでした。
collateのない元気な心筋が梗塞になるとこうしたVT, VFを繰り返す症例が時々
ありますよね。
ただright一本ならば不整脈をしのぎさえすれば、まずたすかるはずですよね。
不整脈に対してどんな薬を使用されましたか?

約一ヶ月まえ私もよく似た経験をしました。造影でLMT99%、造影終了後突然胸痛と
ともに
ショックになり、2-3分後にVT, VFの嵐となりました。すぐに挿管、PCPSをいれ、PCI
を施行
しました。VFはDCをかけてもすぐに再発するため、VF下でLMTを広げそのままCABGを
してもら
いました。LMT拡張後はDCでVFはピタリととまりました。当方の症例も経過順調で
す。
私の症例はLMTだったので、とにかく開けない限りダメだと思い、リドカイン程度し
か使い
ませんでしたが。

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○○です。
今日の症例なんですが、coronaryとlt renal arteryのinterventionの
症例で、どうせならと思い trans radialからやりました。
Renal arteryが5mmとれればいいかな、という感じでしたのでRCAの
interventionに使った道具でrenal arteryもやりました。最初にballoon
が届かなかったら話にならんので いけることを確認後、RCA TRI >
renal interventionとしたところ、なんとガイドカテが届かない、って状況
に気づきました。うちの6Frガイドを全部見たんですが長いのがない。
仕方がないから5Fr造影 130cmカテにトランジット 150cmを入れてwire
crossさせ300cm Grandslamに換えて、それを腎臓に残したままガイド
カテを6Frに換えて、と結構ややこしい事になってしまいました。
最終的にはRCAに入れたつもりのxxxステントをrenal arteryに入れて
まずまず拡張できて、flowは格段によくなって終了したのですが、誰か
いいシステム、とかご存知ですか?
ま、coronaryと一緒じゃなきゃtrans radialはできないかも知れませんが。

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○○です。
> collateのない元気な心筋が梗塞になるとこうしたVT, VFを繰り返す症例が時々
> ありますよね。
僕にも経験があります。40代の男性でRCAのMI、カテ台に乗った途端ぐらいでVT
VFとなり全然コントロールがつきませんでした、といっても僕はその時点ではいなか
ったのですが、外来で。

> 約一ヶ月まえ私もよく似た経験をしました。造影でLMT99%、造影終了後突然胸痛

> ともにショックになり、2-3分後にVT, VFの嵐となりました。すぐに挿管、PCPSを
いれ、
> PCIを施行しました。VFはDCをかけてもすぐに再発するため、VF下でLMTを広げ
> そのままCABGをしてもらいました。LMT拡張後はDCでVFはピタリととまりました。
> 当方の症例も経過順調です。
僕の場合も血行再建をするとVFがピタリと止まりました。うちの症例もPCPSが入れ
られていましたが、PCPSを入れるより早く血行再建が可能な状況なら血行再建を
優先させて、かなりの割合で血行動態の安定が得られると思われます。

> ただright一本ならば不整脈をしのぎさえすれば、まずたすかるはずですよね。
> 不整脈に対してどんな薬を使用されましたか?
> 私の症例はLMTだったので、とにかく開けない限りダメだと思い、リドカイン程度

> か使いませんでしたが。
最近、うちではよくシンビットを使います。かなり効く印象があります。

最後に、○○先生、先生の症例はCABG必要だったんでしょうか?もしかすると
なしでもいけたんじゃないかと思いますがいかがでしょう?

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==============  第26集 =================


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 ○○でございます。
 私共の施設で、腎動脈の治療の経験はございませんが、Dr. KiemeneijのWebsite
『Radialforce ; http://www.radialforce.org/』において、Casesの上から7番目
にInteresting case reportとして報告されております。この報告では左のRadialか
らCordisの6F.extralong Multipurpose Guiding catheterを使用して、VivaでPre
dilatationした後にUltraLink 5.0×18mm(peripheral use?)を留置したと記載され
ております。本邦で入手.使用可能かはわかりませんが、写真を含めて分かり易い内
容でしたので御報告いたしました。

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○○です

Cordis bright-tipで少し長いものがあるとの噂を以前聞いたことがありますが定か
ではありません。CTOの孫カテとして作ったようですが.....実物は見たことがありま
せん。足からしかやったことがないので何とも言えませんが、腎動脈の屈曲+石灰化
が強いものはTRIでは少し困難かも知れません。

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○○です。

○○先生コメントありがとうございます。
>最近、うちではよくシンビットを使います。かなり効く印象があります。
全く同感です。シンビットは我々のところでもたまにお世話になります。
除細動閾値をさげてくれるので、静注後にDCすると、結構な確率でうまく
いきます。
聞いた話ですが、東京の某大学病院でope患者のVFが何をやっても
止まらなかったとき、発売直後であったこの薬を使って除細動したところピタリ
ととまり、教授がえらく感激し、以後ope室で常備になったとかいうことです。

>最後に、○○先生、先生の症例はCABG必要だったんでしょうか?もしかすると
>なしでもいけたんじゃないかと思いますがいかがでしょう?
PCIのみで救命できると格好良かったのですが、私の症例は、LMTの遠位部が
LAD, LCXの起始部を巻き込んで径11-12mmの球状の冠動脈瘤となっていて
LCX起始部が90%狭窄があり、LCXにwireがcrossできなかったことと、ステント
が浮いてしまう危険性を考え、CABGとしました。
CABG術中はstunnになっていたと思われ、左室の動きは不良だったようです。
PCPS, IABPを4-5日間併用し良くなりました。
PCIだけだとちょっと厳しかったかもしれません。

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○○です。

来週のPCIでRCAの1番90%で、QCAで血管径が5.2-3mm、病変長が5-6mmあります。
POBAだけで終わりたいと願っていますが、ACをおこした場合ステントをどうするか
困っています。
ご経験のある先生、アドバイスをお願いします。
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○○です

Bx velocity 5mm or 4.0mm NIR remount(5mm Maxxum or 5.5mm bypass
speedy....10mmのみ...でmax 5.5mmに広がるようです)....しかないかなと思います。
もしくは最初からDCAというのはどうでしょうか?

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○○です。

LMCAの件、complexなら仕方ないですね。
RCAのstentの件ですが、僕なら最初からステント留置です。今だったら
Bx 5.0、でも手元にないから現実には4.5*8mm、昔ならNIR 4.0*9mmを
入れます。この時の最も大事なのは、proximal edgeをあまり浮かないように
することで、IVUSで見てステントのfull expansionに相当する部位を決めます。
そこにIVUS tansducerを動かないように固定して造影して、そこにstent
proximal edgeが来るように留置します。こうすればproximalはまずばっちり
きれいな結果になりますし、まあ再狭窄は来ないしSATもないでしょうけど、
wireのrecrossもまったくOKです。で、distalが当然少しあまってストラットが
浮くかもしれません。しかしdistalなら全く問題なしです。そんなことで充分
拡張したステントがSATになったことは一度もありません。

以上の方法、もしステント入れるならやってみて下さい。

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○○です。

 ○○先生の症例は、無事に社会復帰できそうでよかったですね。
 当院の救急はCPAが多く、Vf下のPCIも時々やってます(心マの手が写ったシネがいっ
ぱいあります)。こういうときに頼りになるのは背の高い研修医です。
 Vf対策ですが、シンビッドが出る前は、キシロカイン、βブロッカをよく使ってま
した。最近では、TdPみたいなVTならまずマグネゾール1〜2g、そうでなければシン
ビッドを使っています。マグネゾールも案外有効な時があるようです(安い!)。

 先日、当院のCPAOA症例をまとめてみたら、なんとか救命できたのは全例VT, VFで、
しかも一枝が半数以上でした。中にはLCX13 totalのみでCPA-Vfというのもありまし
た。
 また、救命できなかったのはほとんど3枝かLMTで、発見時すでにEMDかflat ECGと
いうのがほとんどでした。
 当院ではPCPSを常備していないので、IABPが頼りですが、当院のデータからすると、
VfのAMIは一枝が多くて、IABPのみでもなんとかなる場合が多いのかもしれません。

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皆さんこんにちは
○○です。
当メーリングリストでご活躍されている○○や○○の先生方とは同じ教室出身
です。TRA、TRIは2年前から前任地の病院で始めました。今年の4月から現病院に着任
し、5月からTRA、TRIを導入しております。現在はAMIも含めほとんどの症例をradialか
ら施行できるようになりました。現病院はスタッフ4名、昨年の心カテ数500件強、PCI
は60件弱程度でそれほど多くありませんが、今年はもう少し増やしたいと考えておりま
す。宜しくお願い申し上げます。

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○○です。

先日のJSIC九州地方会ライブ(熊本)はみなさまお疲れ様でした。
またまた夜は盛り上がってしまいました。今やパキスタン評論家として時の人になっ
た○○先生の話にも力が入りましたね。
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○○の○○と申します。
先日は九州のTRA-netの先生方のOFF会に参加
させていただきありがとうございました。

1993年の○○大卒で、○○の○○先生と同期です。
2000年より現在の病院に勤務しております。
PCIを始めて約1年たち、緊急カテの第一術者としても
少しずつ経験を積みつつありますが、まだまだ未熟です。

それでも今年は倉敷ライブ・CCTに行くことができ、
私としてはとても有意義でした。12月の鎌倉にも
どうにかして行きたいと思い、現在画策中です。

Transradialに関しては、ご存知の先生方もおられますが
当院ではPCI後の確認造影の際にのみ行っております。
PCIは原則「7F TFI」です。レジデントや他の施設からカテ
研修に来る先生方のマンパワーによって成り立っております。
対外的にはそこそこの評価をもらっている施設だとは
思いますが、特に私のような初級者は常にレベルアップを
念頭において、しかも井の中の蛙にならないよう研鑽して
行かなければならないと考えております。

radialist.comのような他施設の先生方とさまざまな
意見をフランクに交換できる場はとても魅力的です。
何卒よろしくお願い申し上げます。

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昨日、Tristarを使いました。Mid LADで90度弱曲がっているところの
石灰化が軽-中等度ある病変にIVUS guided direct stentingを試みました。
そこそこ抵抗はあったもののIVUSが通過しましたがTristarは全く通過せず、
しかもtargetの手前の中等度病変、ここもやや屈曲し石灰化が中等度あり
ますが、に引っかかって進みません。Sizeは3.5*18mmです。Deep engage
するは、parallel wireするわ、でかなり苦労しましたがdirectでは入らずでした。
結局2.5mmで前拡張してステント、となりました。前拡張後もかなり通過困難
で、crossabilityは???と思われました(少なくともNIRには負ける)。ただし
仕上がりはきれいでcomformabilityはBxよりも上かもしれません。
あと、3-4回coronaryに進めてはガイドカテーテルに収納しましたがstrutが
めくれることはなく、脱落はかなりしにくくなっているようです。
以上、Tristar使用感触、でした。

しかし、BxといいTristarといい coilっぽい tube stentが続きますね。

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○○です。

Sizeは3.5*18mmです。Deep engage
> するは、parallel wireするわ、でかなり苦労しましたがdirectでは入らずでした。
> 結局2.5mmで前拡張してステント、となりました。前拡張後もかなり通過困難
> で、crossabilityは???と思われました(少なくともNIRには負ける)。

○○先生、ステントは3.5-18なのに、あとから出したPre用のバルーンが2.5mmであっ
たのは、やはりバルーンの通過性を気にされたからでしょうか?

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石灰化がある程度あって、大きくdissectionとなり18mmで足りなくなるのを
避けたかったからです。バルーンの通過性は2.5でも3.0でも変らないと思い
ます。

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○○です。

Tristarを右冠動脈seg1の肩に2例入れました。やや肉厚になって心配だった
 comformabilityですが、初代MultiLink譲りでばっちりでした。満足しています。

○○先生のメールに対し私も○○先生と同様な感想を持ちました。Tristarの
話からそれて恐縮ですが、上の短いメールのやりとりからいろんな事を考えさせられ
ました。

○○先生はこの症例の場合、preballooningの効用をステントを通すためだけに限定
されたという風に解釈できます。○○先生も私もおそらくどうせpreをするのならしっ
かり(この場合preballoonはjust sizeです。)拡げてからその反応を見て、次に、
ステントの適応を決めようと考える様な気がします。○○先生いかがでしょう。

もちろん、メールからうかがえる病変形態から予想するにPOBAで終わることはほとん
ど期待はしないと思います。ステント留置後にその前後に解離があったらもう二個の
ステントが必要になる可能性があるでしょう。IVUSガイドでなかったら、見込み違い
でステントが小さすぎた場合postballoonが必要になるかもしれません。

少し話が飛躍するかもしれませんが、direct stentingというstrategyをどの程度信
用しているかと言うことになるのかな。私個人としてはdirect stentingやりたい派
ですが、・・・。○○先生そこのところのコメントはいかがでしょう。

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まずこの症例でのステントサイズは造影上では3.0mmだと思います。
だから2.5mmが全くのundersizeではありません。で3.0mmでもよかった
のですが、○○先生の言われるようにdirect stentに対する信頼性の違い
があるのか、つまり、結局directでちゃんと拡がることをIVUSで確認できて
いれば別にステントさえ通過すればよくって、2.5mmでも3.0mmでもどっち
でもいいやって感じなのでdissectionのことを考えて2.5mmにしとくかって
感じでした。RotaIVUSの時のロータブレータサイズが小さめっていうのと
同じような感覚です。

今年のIVUSライブ(5月)からステントサイズはIVUSのvesselに合わせる
方法を行っており今回の3.5mmもoversizeだと思います。
CCTの時の僕の症例でステント4.0mmを選んで驚かれたように結構大きめ
です。もう少しで慢性期成績が出るので楽しみです。
大きめのサイズを選ぶにはedge dissectionの可能性が出てくるのでIVUS
でplaqueの少ない部位を選んで、長さはやや長くなるけどMSAをきっちり
確保するようにしています。ステントの長さとサイズのどちらを重要視するか
という問題はステントサイズ、さらにはやはりIVUSでのMSAがより重要だ
とこれは今年のCCTでDr Mintzもそう言っていたので正解かな、と思って
います。

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○○です。先日は熊本の夜を最後までご紹介できずに申し訳ありませんでし
た。
呼び出されていったらII,III,aVf,V2~V6でSTがば上がりでした。しかし血圧はむしろ高
めでした。
ほんとにLMTD?と思いながらも緊急カテをしたところ案の定“たこつぼ”でした。

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○○です。

昨日、以下の相談を受けました。

2ヶ月前に右TRAにて診断カテを施行したちょっと太り気味の患者さんが、2ヶ月経っ
ても”右手首の穿刺部の痛みと手掌の腫脹”を訴えているそうです。
橈骨動脈造影では特に問題なかった(shuntもなかったそうです)のですが、見た目
にはハッキリ右手首の方が腫れていて、手首を下げたら増強して、手首を上げたら軽
減すると言っています。
穿刺部には持続する痛みだけではなく、圧痛もあるそうです。

同じような経験がある方、あるには何かご意見やアドバイスはないでしょうか?

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○○です

そのような経験はありませんが圧迫による血栓性静脈炎の可能性はないでしょうか。
皮静脈に留置針を留置し、上腕を止血帯で圧迫して静脈造影するとわかるかも知れま
せんが痛いかも知れません。足の場合は痛みは訴えませんが....?すると血栓溶解
薬が効くかも知れませんが如何でしょうか、もう遅いかも知れませんが。またリンパ
管炎という可能性はどうでしょうか。

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○○です。
この症例と似てるかも... ごく少数例(1例は結構severe、あと1例軽い症状で
自然軽快 /2500症例以上)に RSD;反射性交感神経萎縮症という合併症
を経験したことがあります。橈骨動脈の近傍を走行する交感神経に穿刺針があた
って交感神経が異常興奮状態になり末梢の血流が悪化し、という病態です。
この症例はRSDの初期の状態かもしれません。
うちの症例では整形外科に見てもらって(右手では箸が持てない状態になった
ので)、RSDといわれ麻酔科にかかって詳しい治療は今わからないのですが、
かなりよくなりました。

このアドレスhttp://www2.ocn.ne.jp/~zunou/page20.htmlなどを見ていただけ
ればある程度詳しく書いてます。

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○○です。

○○先生、お疲れさまです。
昨日は青森、今日は東京、明日は八戸とタフさには感動します!

ちなみに、青森の雪は30cmではなく、max積雪7cmでした。
日本中に「青森はとんでもない所だ!」と、誤解の無いようにとりあえず訂正させて
ください。
でも、九州との温度差は15℃くらいでした。
実質の積雪は7cmでも、体感積雪?は30cmであったと思います。

本当にお疲れさまでした。ありがとうございます。

また、明日の八戸LIVEレセプションと、明後日の八戸LIVE本番で○○先生はじ
めTRA-NETの皆様にお会いできることを楽しみにしております。

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○○です.

 僕もやはり RSD(反射性交感神経萎縮症)ではないかと考えております.TRIで
はありませんが,85才男性で,本年3月右肘動脈アプローチでPCIを行ったのちに右前
腕の腫脹と電撃痛が出現した症例を経験いたしました.
 最初血腫による神経・静脈の圧迫が原因かと考えておりましたが,5月になってとっ
くの昔に血腫など消失した後(当然AVシャントなし)でも右の前腕からI〜・指の電
撃痛を繰り返しておりました.又左右の指を比較いたしますと明らかに患側が腫脹し
ており,屈曲が困難な状態も続きました.

 この症例は整形外科にコンサルトを行いRSDの診断を受け
  トリプタノール20mg,
  ミニプレス1mg,
  ボルタレンSR2cap,
  プレドニン5mg
 の処方を受け症状は徐々によくなり,約一月後には70〜80%は改善し(本人談)ま
した.完全に症状が消失するのに5ヶ月かかりましたが,今では全く症状はありませ
ん(実は本日僕の外来を受診されましたので確認いたしました).

 内服でコントロールできないときには星状神経ブロックもすることがあるそうです.

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○○です。
この度は新入会させて頂き有り難うございます。
当院は診断カテが300例、PTCA60-70例の施設です。
TRAは自分が9月にこの病院に来てから始めました。
右からするか、左からするかを現在、検討中です。
Tra-netで色々勉強したいと思います。
宜しくお願いします。

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八戸ライブ、ご苦労様でした。
○○です。
○○先生、○○先生、○○先生、○○先生、
これからもよろしくお願いいたします。

当院はFemoralフェチでは、と思われているようですが
実は、PTCAは6割以上がRadialで、診断カテは基本的にRadialです。
(PTCA 400例、診断カテ1200例位です)
つい先週から5F PTCAと言うものも始めました。
Radialの止血器具はゼオンのラディスポ(今回のプレゼンで初めて○○先生
の発案だったことを知りました)を使用しております。

もしよろしければ
スキーがてら(安比高原のパウダースノーが待っています)、いらしてください。ではでは。

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○○です。

八戸ライブのご成功おめでとうございます。
他のライブのように、最初から戦略や道具が決まっている”見せ物ライブ”、”教え
てやるライブ”と異なり、会場の意見を取り入れながら戦略を進めていくのは新鮮に
見えました。

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○○です。

○○先生はじめ、御参加いただいた皆様、八戸ライブお疲れさまでした。

私はほとんどカテ室にいましたので、会場の盛り上がりが解らずに残念です。
カテ室も人口密度が高く、公に口にできないコメントが後から沢山聞こえてくるので
楽しかったです。

九州からの先生方は風邪をひかれませんでしたでしょうか?
少しだけ、青森県を堪能していただけましたでしょうか?

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○○です。

先月BXが出て、今月はTRISTARも出ました。
入荷が早い病院はすでに数十本使用されたとも聞きます。

参考のために、使用された先生のBXとTRISTARに関する使用感触、比較、使
い分け、どちらが好みかなどを、みんなに教えてください。

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○○です。
現在の使用本数は Bx 49本、Tristar 3本 です。
Direct stentingを中心に使ってます。で、Tristarが3本なので比較には
ならないんですが...
両方ともmount性能はまずまずです。Directにはこれが非常に大事で
めくれられると最悪なのですが、この点は両者ともまずまず合格。
Crossabilityは両方いまひとつ。僕にとっては何をしても落ちない安心感
からNIRのcrossabilityがもっともいいのですが、それに比べると両方とも
落ちます。ここでつかえるかってとこで引っかかることもありました<Bx。
拡張はNIRに比べてedgeがsoft、つちのこ状まで拡張してもedge dissec
tionになりにくいです。ComformabilityはやはりTristarが上か、この間
かなりの屈曲のRCAにTristarを入れましたがcomformabilityはよかった
です。
以上、両方ともコイルの感じのするチューブステントってとこです。
使い分けは... side branchも両方いいし、はっきりした棲み分けはないん
じゃないでしょうか。

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○○です。

先月BXVELOSITY、今月TRISTARを鬼のよ
うに使っています。現在のところVEROSITY55本、TRISTAR13本です。

まずVELOSITYは前評判どおり拡張前の柔軟性はすばらしく、血管にそうように進
んでいく姿に、ほれぼれとしました。この点ではS670に劣らず、かつS670より落ちな
いめくれない点で上をいっていると思います。コイル的なチューブステントと言われ
る所以と思います。
ところが拡張してみると割と突っ張る。これはNIRに近い様に思います。カーブ
にVELOSITYを使うときはカーブをやり過ごすよう少し長めのものを選んだ方がよいよ
うに思います。
また、VELOSITY内にdouble stentとしてもう一枚おかざるを得ない例をAMIで3例
経験しました。それまでは1%未満でしたのでVELOSITYに多いのかもしれません。ど
ういう状況だったか説明しますと、VELOSITY stent留置後、ステント内にhazzinesを
生じ、経過観察していると血栓が育ってくる、低圧で数分間押さえたり、高圧でステ
ントを十分拡張しても直後はよいがまたしばらくすると血栓が育ってきてバルーン拡
張を繰り返すことに。これはステントからアテローマやフラップの逸脱が生じている
と考えており、デザインの違うもう一枚のステントを重ね留置するとそれで落ち着き
ました。2枚目はMULTILINKでした。

VELOSITY srentの位置づけはまだよくわかりません。ステント、バルーンともに
合格点で全体としてバランスのよいデバイスと感じています。

***************************************

○○です。

初代MULTILINKが肉薄のステント構造を売りにしているのにTRISTARではそれが厚
くなっている、しかもTETRAはまた薄く(一部)なると言うことです。TRISTARは失敗
作では?と勘ぐりたくなる状況ですが実のところどうなのでしょう。Resteが多いの
では?と心配です。それで初代もまだおいてもらっています。
いままで「MULTIはステントはいいけどバルーンがだめ」「長さもそろってない」
と制約がありましたが、今回、品揃えはかなり改善してきています。バルーンは拡張
後のrecrossでやはり通過性不良を感じています。
カーブでのcomformabilityの良さ(突っ張らない)は初代譲りです。RCA Seg1の
肩にかかるステント留置にはfirst choiceと思います。

特筆すべきは一時は激減していたNIR STENTが、最近割とよく使っていることで
す。○○先生もお書きのように脱落やめくれの危険性がもっとも少ないことが一因で
す。またステントがカーブを進まないときの押しの強さ(pushability)もピカイチ
と思います。

まだオールマイティーステントはないようですが、選ぶ楽しみが増えて私として
は喜んでいます。

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○○です。

最近は、ROMとなってしまっていました。
本日はステント内再狭窄を繰り返す症例についての相談です。
症例は57歳女性、冠危険因子は高脂血症(コントロール良好)のみです。
2000.9からEAP出現し
同年11月CAG #6 100%,#9 90%の一枝病変でありPCI施行。
#6に対してS670挿入(3.0x24mm)、#9はPOBAにて解離形成し75%狭窄残存。
2001.1月頃から再度胸痛出現
CAGにて#6 100%,#9 90%と再狭窄を認めIVUSにて血管径3.5-3.75mmを確認し#6
にはcutting(3.25mm)施行、25%以下に開大しました。また再狭窄予防を期待
してプレタール開始しましたが200mgで動悸出現あり100mgとしました。
2001.5月再度CAG(この時は症状なし)
#6 100%と再々狭窄、再度cutting (3.25mm)施行し25%以下へ改善。
#9についてもPOBAにて25%以下に改善しこの時はプレタール200mgとして退院。
2001.8月CAG #6 100% #9 99%とと再々々狭窄、この時はperfusion
balloon使用し(3.5mm)25%以下に改善。#9についてはPCI施行せず。
以後も症状ありませんでしたが今月の確認造影でまたもや
#6 90%と再々々々狭窄(計4回目)を認めました。#9 90%も残存しています。
血管径からは#6,9ともにCABGは可能ですが患者さんはできればCABGはうけたく
ないといわれています。
次のPCIの手段についてのご意見をお聞かせください。
(個人的には3.5mmでのcuttingかDCAを考えています。)

***************************************

○○です。

私も○○に賛成です。
CABGはできれば受けたくないという患者さんの気持ちはわかりますが、
これだけのステント再狭窄を繰り返す症例ならば、
CABGを選択するべきだと思います。

***************************************

○○です.

以前からPerfusion Balloon, Cutting Balがいいと言い続けていた私たちですが,短
期間にほぼ完全閉塞を繰り返しており,これまでの手技では無効であることからは更
にCutting Bal.を行うことは得策とは言えないかもしれません.
 又DCAでステントと一緒に削ってしまう方法につきましては,可能かもしれません
がマルチリンクを削る様には簡単に行かないと聞いております(実際の所S670を削っ
たことはありません).

 年齢がお若いことLAD.D1であることかはらやはりOP-CABGが良いのではないかと思
われます.
 つい最近何をやってもダメだった患者さんをCABGして貰ったところ,ステントの留
置部(再拡張を繰り返したところ)は心外膜まで炎症が及んでおり肥厚と一部の癒着
を認めておりました.参考になるでしょうか

***************************************
○○です。

どちらのステントも似たようなものだと思います。
来年の春過ぎに再狭窄のデータが出揃うまでは、
適当に使い分けるしかないと思います。
取りあえず、現時点でのBX,TRISTARを含めたステントの選択基準としては
以下の6点を念頭に置いています。

1.屈曲病変にはTRISTARを優先。
2.絶対に失えない側枝があればBX優先。
3.BXは拡張後、両端からマーカー1つ分ずつほど短縮するので、
ギリギリの長さならばTRISTARを使用する。
4.それ以外の症例は、使用本数がどちらか1社に偏らないように使用する。
5.13または18mmのTRISTARまたはBXを植え込む時は、
15mmのマルチリンクプラスの使用も忘れずに考慮する。
6.前拡張のバルーンが石灰化で結構引っかかる時は、
BXやTRISTARに固執せず最初からS600を使う。

蛇足ですが、TRISTARもBXも、
狭窄のないところで予想もつかない引っ掛かりが起きるのが嫌いな点です。
おそらく石灰化に引っかかるのでしょうが......。
どちらがより引っかかりやすいのかは、較べたことがないのでわかりません。

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○○です。
現在のstentの拡張はどうなんでしょうか。それとさらにステントを拡張できる
余裕はあるのでしょうか?
Parameterでは、stent diameterと、もしEEMがtraceできるなら、vessel
diameter, %plaque areaです。教えて下さい。それでかなり分ります。
ステントのproximal, distalのすぐ外側の血管径もできれば教えて下さい。

Stentが4mm以上になっているならやっぱりDCAしかないんじゃないでしょう
か。それ以外だったらradiationの治験施設に紹介してradiationですかね。

似たような症例にDCAをしていま4ヶ月目に突入している症例があります。
これまでは2ヶ月もたず再狭窄していたのがステントを大きくして、それでも
再狭窄でDCAをしました。今回は今のところいけてそうです。

再狭窄って書かれていますが、最新の1回以外は再閉塞、ですね。
さらに最初の100%は2ヶ月目のearly total occluded lesionと考えていい
ということですね。再閉塞を繰り返すのであれば長期的にPCIでpatencyを
保てる確率はどんどん低下します。3回再閉塞ですからかなり厳しい。
ただし最後が再閉塞でなく再狭窄ってとこだけは光がほんの少し見えたか
な?ってところですね。

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今回、tra-netに入会させていただきました。よろしくお願いします。

同僚の○○先生から、このホームページを聞いてやってきました。新しもの好き、熱
しやすくさめやすいといわれるインターベンションの医者、、とか揶揄されますが、
いいものはいい、悪いものは悪いの精神で、頑張りたいと思います。

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○○です。
○○、○○両先生のCABGという意見は至極当然と思われ、
明日患者さんおよび家族に説明予定ですが
一応PCIの可能性も説明するつもりです。

ところで○○先生からのご質問のIVUSについてですが
まずstentの拡張ですが正円にきれいに拡張されています。
(stent前のIVUSを見てもあまり石灰化がありませんでした。)
stentのdistalの血管径は3.0x3.2mm(ほとんどプラークなし)
proxの血管径は3.7x4.0mm程度です。
またステントmid portionでのvessel diameter 3.7mm位
vessel areaは12.4mm、lumen areaは7.2mm位です。

(改めてIVUSを見直すとdistalにとってはやや過拡張気味だったのかもしれま
せん。)

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○○です

5Fr PTCAのHome Pageを作ってみました。
Home Page : http://www.cardiologist.jp/ptca5fr/
お時間有りましたら、ちょっと見てやってください。
まだまだ、未完成ですが、今後、症例と小技を中心に頑張って更新していきたいと思っ
ています。

先生方のご意見などいただければ幸いです。
みなさま、宜しくお願い申し上げます。

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==============  第27集 =================


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先日、これまで右胸心(内臓逆位)を指摘されている84歳の女性
が、胸痛にて来院。ECG上、II,III,aVfのST上昇あり、近医に
搬送しました。#3 99%であり、femoral
approachにてMultipurpose を用い、stenting(Multi-Link plus
3.0mm)を行っていました 。
右胸心に対するPCIにおいて、注意点やコツなどあれば教えて
下さい。
また、TRIにより右胸心のPCIを行った経験がある先生がいれば
教えて下さい。

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○○です。

2年前に1例だけ経験有ります。
冠動脈造影上、いわゆる左冠動脈前下行枝に石灰化を伴うび漫性病変を、更に右冠動脈
にも高度狭窄を認めました。 この方は真正多血症もありましたがこちらの方は内服
薬でコントロールできており午前中に右冠動脈に対してPOBA+ステント、午後から左
に対してRota+ステントを行いました。

 右冠動脈には一度再狭窄が来ましたがCBでの再拡張を行い現在は全く無症状で経過
されております。

 工夫についてですが、femoralからアプローチした場合別にいらない気がしました。
回転させる方向が逆である以外にはJR/JLのカーブで普通に対応できカテーテルを変
更させた記憶もありません。
 Radialからだと左アプローチの方がカテの係り具合が通常に近いかも知れませんが
TRI駆け出しものの私にはよく解りません。

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> また、TRIにより右胸心のPCIを行った経験がある先生がいれば
> 教えて下さい。

LAD相当の#7に対して行ったことがあります.右手アプローチでGuidingはgoodman
のSP10(キムニーのバッタもん)を用いましたが,Wiktor 4.0mmを入れてPost
したところRupture,ジャジャもれになってしまい,右胸心の心嚢穿刺
もしてしまいました.幸い患者さんは元気で再狭窄もなく現在も私の外来に
通っています.

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○○です。

当院でも右胸心のAMIの経験があります。
右radialからジャドキンスでLAD(といっても右側にあるLADですが)#6にス
テントを入れました。
最初から患者さんが右胸心だと言っておられたので、心電図も左右反対につけて施行
しました。
ただ、途中でVfに3回なり、3回ともDC(300J)ですぐSinusになったのですが、
慌てていたのでしょうか、手技が終わって見ると、患者さんの正中と左胸部にヤケド
の痕がありました。
本来なら右胸心だったから正中と右胸部に当てなければならなかったのでしょうが、
300Jであれば、どこに当ててもVfは止まるということを実感した、笑うに笑えな
い症例でした。

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○○です。

 うちにも1年ほど前右胸心のAMI(解剖学的LAD Sg7)の患者さんがみえたことがあ
りまして、緊急でPCIを施行したことがあります。

 右の radial A からのアプローチで、造影cathは左右のJudkinsを使用し、(通常の
方の左TRAで multipurposeは難しいとのことでしたので逆もまた真なりかなと考えま
した。)guideは普通に6Fr Zuma-II のFL 3.5を使用し、POBA,Stentingで初心者の
私でも難なく終了しました。

 内蔵逆位を伴ういわゆるmirror imageの右胸心は文献的には8000~10000人に一人で、
合併心奇形がなければ予後は通常と変わらないとのことですので、AMIで運ばれてく
るお年寄りは(それまで元気だったと言う意味で)このtypeが多いと思うんですが、
アプローチを左右逆にして考え、cathの回転を逆にすればなんてことないんじゃない
かと思います。
 ただし、古い文献については、右胸心のCAGは困難で、multipurposeが有用といっ
たものがちらほらありました。おそらく合併心奇形を伴ったためだと思うんですがそ
れについてははっきりした記載がなくよくわかりません。

 全く初心者の私ごときの話が参考になるかどうか分かりませんが、めったにないこ
となのでつい口を挟んじゃいましたすみません。

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○○です。

昨日は、プサンTRIライブに行ってきました。印象に残ったのは、
1,シンガポールのドクターの発表で、closer(製品名のスペルはこれ?)を使用し
たが、翌日から患者がソケイ部を痛がりだし、検査したところE.coliが出て大変だっ
た。

2,Canadaの Dr.Hiltonの講演では、Drug Eluting Stentの次の秘密兵器について
でした。その名も”ABI-007 ”と言って、何でも冠動脈内にDrugを注入するもののよ
うです。これだと、ステントは自由に選べる、1枝に複数の病変があってもOK、な
どの特徴を話していました。

3,ライブ症例の中で、BXの閉塞を見ました。
11月3日の熊本ライブでは、Elective PCIに入れたBXがACを起こし、ライブ
の最中にもう1回やったし、11月中旬に行った兵庫の病院では、1週間前に入れた
BXがSATを起こした症例を見ました。そしてさらに昨日はプサンで2ヶ月前に入
れたBXがTotalになって帰ってきた症例をCuttingでやっていました。ただの偶然であれば良い
のですが・・・

4,レクチャーの中で、11月に○○先生、○○先生と一緒に福岡で行った、”
TRI Live in Fukuoka "のビデオを出しましたが、韓国でも”大うけ”でした。
Dr.Hiltonなどはわざわざ私のところまで来て、”俺も同じ犬を持っているんだ”と
言っていました。あのライブビデオは世界に通用するようです。


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自己紹介いたします。

○○大学医学部附属病院、○○と申します。
平成元年卒業です。
tra-netに登録させていただき有り難うございます。
「TRAの巻」読ませていただきました。

 私は放射線科ですので、冠動脈領域については全くといっていいほど経験はありま
せんが、比較的得意なのが、骨盤・下肢動脈領域のinterventionです。(といって
も100例を少し超える程度ですので冠動脈領域とはおそらく桁が違うと思いますが・・
・。)特に腸骨動脈の完全閉塞は大好きです。ほかには、数はそれほどではありませ
んが、胸部・腹部などの大動脈瘤に対するステントグラフト留置術や上大静脈症候群
に対するステント治療、下大静脈フィルター留置、PTRAなどを行ってきています。

 橈骨動脈アプローチによる血管造影については興味のあるところです。特に外来で
動脈造影が可能な点に興味が引かれます。また最近、放射線科雑誌でも肝腫瘍に対す
る塞栓術の手法としてTRI or BRI を発表した施設もありました。
Vascular interventionに関してのいろいろな情報交換ができれば甚句です。

今後ともよろしくお願いします。

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○○です。

ブラックジョークを一つ。
某関東系の先生とかなり酒を飲んだ後・・・・・・

「九州の若手の先生方がガンバッテいる話は関東まで聞こえているよ。」

「はい、九州もボチボチやっています。今後は”北部同盟”の先生方と連携し
て、北と南からタリバン討伐の軍を首都カブールに進めようかと思っています。」

「首都カブールっていうのはどこだ? 東京のこと? 東京なら簡単に落ち
るよ。それより最後までフェモラール原理主義者が抵抗するのは、○○県にあるカン
ダハルじゃないの?」

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○○です。

このところ、ROMしておりまして、スミマセン。○○先生のメールには、大笑いでし
た。

TRA-netに生息するラディアール教徒のなかで、○○県カンダハルのトラボラ・カテ
室に潜入した人はあまりいないかと思います
10月のある日、朝から夜まで、師のPCIをはじめて身近に体験しました。
ワイヤ・バルーン・カテの操作、IVUSの読み、CTOの血管走行部位の予測、合併症の
予知とその回避など、すべてがさすがでした。
極めて、まっとうな理論に裏付けされた、超一流のPCIでした。

おそらく、師がTRIをされないのは、ガイドカテの内径故の治療戦略の幅の狭さがた
えられないのかと、個人的には、勝手に思っております。
そのあと、いろいろとお話したのですが、何せ朝までずっと飲んでいたので、記憶の
糸が途絶えております。
このあたりのことは、昔DCAする、しない、で議論になったかと思いますし、○○先
生も緒言に書かれているように、
どこに閾値を設定するか、術者一人一人の個人的な差異も大きいのだと思います。

優れた術者の手技を身近にみせていただくのは、とても自分のプラスになります。
多少、信ずる宗教が違っているのかもしれませんが、みなさんも、是非、機会をみつ
けて、カンダハルを訪問されることをお勧めします。

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○○です。

カンダハル...はとりあえず置いておいて...
優れた術者、それが日本に何人いるかは問題ですが... を見るのは
ものすごく大事なことだと思います。僕も。

僕は幸いにして加藤、玉井、鈴木、斎藤滋、光藤、木村各先生の手技を
かなり近く見る機会がありました。話も色々して、○○先生の言われる
とおり理論に裏づけされた、もう少し言えば、明らかなconceptを持ち
PCIを行っていることを感じましたし、PCIを責任持って行う立場の人間と
して policyを持ち、conceptを持ち、理論をもってPCIを行うことの重要性
を強く感じました。
そういう点において、ライブを会場で見るのではなく、実際のできれば
ライブと無関係のカテ室を訪問され接することをお勧めします。

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○○です。

皆様、大変お疲れさまでした。特に○○先生お疲れさまでした。
Dr. Sakai's view は今までに経験したことがないsessionで一体感がありとても楽し
めました。
しかも、今回は私のような若輩者までステージに昇らさせていただき、大変感謝して
おります。
私にとっては大変貴重な経験をさせていただいてとてもありがたく思っています。
それに、いろいろな先生方がいろいろ考えて工夫をされているを聞いて、
自分も精進せねば、、、と俄然やる気が沸いてきました次第です。

更には○○先生の笑いのセンスも学びたいと思います。
会場にうけたかどうかは”?”ですが個人的にははまってしまいました。

また、次の機会を楽しみにしています。
ありがとうございました。

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鎌倉ライブお疲れ様でした。○○です。
Dr.Sakai Sessionは立ち見もでるほどの大盛況でびっくりしました。
それに、比べて私の演題では、全く笑いがとれませんでした。発表前日、嫁さん相手に練習し
たときは、大受けだったのですが、それは素人相手のこと。またいつの日かこのようなチャンス
があることを夢見て頑張ります。
○○先生、なぐさめてくれてありがとう。今回の失敗を糧として次回は○○先生と共にどこかで
ドカーンと爆笑の渦を巻き起こします。

なおBradial Interventionは、意外なほど受けたみたいで、ライブの後も多数の先生から「なん
でそんな意味の無いことやってんの。」と笑いながらも声をかけていただきました。関東系の先
生は、駄洒落系が意外なほど受けるみたいです。

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○○です。

TRA-netのメンバーの先生方で、コメンテーター、応援団を引き受けていただいた皆
様、大変お疲れさまでした。この場を借りて御礼申し上げます。

教育セッションは大幅に時間を延長してしまい誠に申し訳ありませんでした。5時間
の予定が結局7時間という”最長不倒記録”を樹立しましたが、これはあらゆる学会、
ライブでもなかった”金字塔?”かもしれません。
始まりから立ち見が出るほどの盛況で、最後の夜の8時にも会場の2/3の席を埋め
る人たちが聞いてくれたということに大変感謝しています。
ショートレクチャーの予定をこなすのに精一杯で、コメンテーターの先生方に話しを
振ることができずに、折角自費参加していただいた先生方に大変申し訳ないことをし
ました。全部を討論していたら10時間はかかりそうだったので省略させていただきま
した。

しかし、内容や発言に面白い、興味深い物も多く、私にとっては長い時間に感じませ
んでした。全国津々浦々、各地でいろいろ工夫しながら頑張っていらっしゃる若手の
先生方の存在を示すことができたし、それがさらに若い先生方の励みになっていただ
ければ、インターベンション界の将来も明るいというものです。

○○先生の”Bradial Approach”発言、5Fr.TRIのところでの熱い議
論、○○先生の”どこまで心カテは患者に優しくなれるか?”、

○○先生の”包括医療とTRI”などは、私としても大変参考、勉強に
なりました。

会場で公表した”Radialistへの100の質問”に対するアンケート結果集計も、このま
まにしておくのはもったいないので、諸先生ともご相談の上、なんとか公にできる方
法を考えようかと思っています。

”元祖TRI”のキムニー先生も長い時間教育セッションにお付き合いしていただき、
感謝しています。懇親会では、記念にキムニー先生と一緒に写真を撮る先生方が続出
して、先生も大忙しでした。

これまでになかった新企画に多大なご協力をいただき、本当にありがとうございまし
た。
 
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○○です。

鎌倉ライブは盛況だったようで、参加できなくて残念でした。
ちょうどそのころ、「臨床研修指導医養成講習会」なるものに、院長命令で参加して
きました。軽井沢で5日間、研修カリキュラムの作り方、評価方法などをワークショッ
プ形式で習得するというものです。会が終わるころには、全員が金八先生のように洗
脳されているはずですが...。

講習会には、徳島赤十字の日浅先生もお見えでした。次のJSICはノーネクタイを提唱
されたようで、会の雰囲気が変わることを期待されていました。各施設でロゴ入り
のTシャツを着て発表するなどは受けるかもしれませんね。

************************************

○○です。

○○先生、メンバーの皆様お疲れ様でした。
また発表の機会を与えていただき大変有り難うございました。
時間が経つのが全く苦にならない、とても有意義なセッションでした。TRA、TRIの可
能性を改めて認識し、今後の診療に役立てたいと思います。
懇親会は都合で参加できず残念でしたが、次回もこのような機会がありましたら是非
参加したいと思います。

○○先生、面白かったですよ。次回も期待しています。

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○○です。

○○先生へのご質問です。
下肢や頸部動脈のインターベンションで認可されているステントには、現在どういう
ものがあるのでしょうか?
また、それらの使い分けがあれば教えてください。

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○○です。

皆さん、鎌倉ライブお疲れ様でした。特に○○先生、7時間も誰の助けも
なくずっと壇上であれは疲れるでしょう。よく頑張りなさった、という感じで
す。

さてFivistの○○先生、少し先生の意見に対して、なんですが、先生が
最後に“TRIが出はじめの頃にはなんでradialからするんだ、と変人扱い
され、今Fivistは同じ思いです”って言っていましたが、TRIがこのように
standardになったようにFivistが一般的になるにはradialのように明らかな
advantageが必要だと思います。今の時点でradialistがradialapproachの
よさを信じれている、それと同じものはFivistにとってはなんなんでしょう?
全体的に今6Frでできていることが少なくとも5Frで全て可能にならないと、
難しい気はします。

とはいえ、誰かがやっとかないとdeviceの改善も行われないので○○
先生、あなたはしなくてはならない人なんで頑張ってやっておいてください。
で、ものを改善していって下さい。

よくなったら使わせてもらいます。

************************************

○○です。

骨盤・下肢動脈領域で現在認可されているステントは
Palmaz stent(Cordis) と Easy Wallstent (Boston scientific)
の2種類のみです。
遠くない未来にSMART stent(Cordis)が認可されるという噂ですが、そんな話が出
てから、私は1年近くも待たされています。
他にもmemotherm (bird)も発売間近という話しだけがでています。

頸部領域で認可されているステントはまだなかったと思いますが、SMART stentの治
験が終了しているので、後は認可待ちの段階だったと記憶しています。(もし既に認
可されていたらスミマセン)

ステントの使い分けですが、
【Palmaz stent】
位置決めが容易なので、総腸骨動脈の狭窄、閉塞に用いる。あるいは外腸骨動脈の限
局性狭窄の際に用いる。long medium typeもありますが、あまり長いものは腸骨動脈
を不自然な形にしてしまい、ステント端でのkinkingが心配。
浅大腿動脈には決して用いない(長期の成績ははっきりいって良くない)。
 
【Easy Wallstent】
外腸骨動脈への使用が主体。位置決めについては遠位側を決めたいときにはpush-in
方式が容易。近位側の位置決めにはステントの出し入れが何回か試行できるので位置
を確かめてから留置する。総大腿動脈にステントの一部かかっても問題なく、股関節
の動きに対してステントの追従が良好。
また、浅大腿動脈に使用してもある程度の開存が期待できる。(でもSMART stentの
方が長期開存はよさそうな印象です)

以上です。

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○○です

Fivistという言葉はなんだか自分に取っては重い言葉なので使っていません。「5Fも
使う人」くらいの気楽さでいいのでは?

昨日、岩手ライブ初日で、さらりと5FrGCをつかった岩手県立中央病院の山本先生を
みて嬉しかったです。

○○は大雪です。寒いです。
雪が積もった車は大きな雪だるま状態です。これから発掘作業です。

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○○です。

○○大学卒8年目のまだまだかけ出しです。TRA-netに参加させていただきまして光栄です。
さっそくですが、今週起こった事件をご報告いたします。12月17日、Kamukura live
の興奮冷めないままの月曜日のことです。

症例は65才男性。
OMIにて8年前にCABG(LITA to LAD SVG to Lcx SVG to RCA seg4PD)施行となっており

ます。しかしCABG後1ヶ月の造影ではLITA SVGは全て閉塞しており、nativeは#7100%
#13 totalでRCAのみ#4AV 75%でしたが、このままmedical followとなっておりまし
た方です。当時の主治医(うちの心臓血管外科医です。全くもう‥‥)はRCAだけで
viability十分とか理解不能のサマリーを書いていました(-_-X)。
しかし、2001年11月10日ころにCHFにて入院されました。CHFは軽快しましたが、11月

25日にACSとなりました。緊急CAGにて#3 95%であったためにdirectに4.0mm Radius
(20mm)をstentingし、さらにLADへのcollateral resoarceということで、#4PDに2.0
mm POBAを施行し終了しました。
で、12月17日にfollow up CAGを施行したところ、stent siteにrestenosisなくIVUS
にてもstent径は4.0mm以上を確保していました。しかし#4PDは90% stenosisとなって

ましたためにPCI施行としました。

JR4.0  HydroCoat BMW for #4PD ATW for #4AV
として、まず2.5mmのCBAを試みましたが、crossできません。そこで、2.0mmMarveri
ckでpre dilatationを行い、再度CBAを試みましたが、やっぱりcrossしません。挙げ句、back up
も外れてしまう始末です。
そこで、Neat AL1.0にguidingを変えました。2.5mmという小血管ということもあり、

気が進まなかったのですが2.5mm BX verocity(13)をstentingしようと試みました。
#4AV分岐でもありjailのriskを少なくしたかったからBXを選択しました。
病変部が硬いこともありstentをもって行くのに苦労しましたが、なんとかcoverでき

たためにinflationを行いました。このとき、Guidingごとsystemがprox. siteに少し抜けていたの
が気になりましたが‥‥。
さて、balloonをdeflationしてballoonを抜いてくると、stentがballoonにくっつい
て一緒に抜けてきす!!
そのことに気がついてGuiding内に回収しようと思いましたが、stentはRCA seg2あたりに落ちて
しまいました(泣)。
Guide wireは2本ともRCA内に残っています。IVUSで覗こうとおもいIVUAをいれてゆきました。
stentがどんなふうになっているか確認(興味?)したかったし、あわよくばstentにIVUSが引っ
かかって回収できないか?と期待しました。
しかしinflation後のstentにはIVUSは入って行きません。結局IVUSを諦めて、Goose
neckにて回収といたしました。何度かtryするうちにスネアがstentに引っかかって
Guidingに不完全ながら回収できました。そのままguidingごと回収してきましたがシースに引っ
かかって抜けません。guidingを回しつつ抜いてみると、stentは皮膚の中に取り残されていま
す!透視でもはっきり、ひしゃげたstentが写っています。幸い
stentは血管外にでていたために皮膚切開しモスキートで取ることができましたが、
血管内に残っていとかもしれないと思うと‥‥、ゾーッとします。
回収したstentはスネアとモスキートのために完全に原型をとどめていませんでした。

さて、何故、このようなことが起こったのでしょうか?
まず、病変部が非常に硬く、しかも屈曲が強かったことが上げられると思います。P
OBAしても十分な広がりを確保できなかったのではないでしょうか?そして、その状
態のままstentを運んでも、結局病変部をcoverしえず、inflationした際にproxに押
された、あるいは、一部病変部にかかっていたのみで、stent拡張が不完全のままに
押し戻された。その結果、stentの一部がballoonにくっついたまま一緒に引けてきたのでは‥
‥。と思っています。また、AL1.0でも十分なback upがとれなかったことも敗因の一つでしょう。
Kimnyだったら…と考えてます。また、先頃、石川県でもBXの
脱落があったそうです。昨日J&Jがやってきて「日本で二番目の脱落です」と言って
ましたが、嬉しくない!!、というわけでBX Verocity関連でこのようなご経験、噂
話など教えていただければ幸いです。ながながと書き込んですいませんでした(汗)。

蛇足ですが北陸限定メーリングリストPLANET上ではBXのトラブルについて多少の言及があり
ました。

************************************

○○です。

皆様、○○先生 本当にお疲れ様でした。
会の後、日曜日夕方羽田空港の人ごみの中でバッタリ○○先生と会ったときには
<やっぱこりゃ 運命だな!>と思いました。
これからも皆様と同様、患者様や社会の為に頑張りたいと思います。
また、同じ道を歩いていることも、すごく光栄に感じております。

そして○○先生!TRAの吉本興業として頑張ってまいりましょう。

人事異動で12月から週4回(平均50人)の外来をし、週に1回以上
の当直をするようになり、不本意ながらカテとは違うところでハードな仕事を
しておりますが、この会の後また元気が出てきました。

それでは、皆様 よいクリスマスをお過ごしください。

************************************

○○です。

> さて、balloonをdeflationしてballoonを抜いてくると、stentがballoonにくっつい
> て一緒に抜けてきす!!

これは、最近このネットでも話題になった、BXのバルーンをデフッたあとに抜けな
くなった(ステントとバルーンがなかなか離れない)という話題と似ていますね。
こういくつも事例があると、真実味が増してきます。
完全に拡張された後かどうかというのが解りませんが、もし完全に拡張されていなかっ
たとしたら、バルーンに食い込むような形でマウントされたステントが外れにくいと
いう現象は理解できるような気がします。

> そのことに気がついてGuiding内に回収しようと思いましたが、stentはRCA seg2あた
> りに落ちてしまいました(泣)。

一回拡げたステントをガイドカテ内に回収しようとすることは、冷静に考えてみれば、
そのサイズからして物理的に不可能なのでは?
可能なら手前(#2か#3)で再拡張してそこに置いてくるという手もあったかもし
れません。

いずれにしろ、冠動脈から取り出すことができて、橈骨動脈付近までステントを持っ
てくることができれば、最悪でも外科的に取り出せば(局麻でできる)良いのでひと
安心です。

> 幸い
> stentは血管外にでていたために皮膚切開しモスキートで取ることができましたが、
> 血管内に残っていとかもしれないと思うと‥‥、ゾーッとします。

この”血管外”というのは、冠動脈外ということですよね。まさか、橈骨動脈外とい
うことではないと思うのですが。

こういう時、シース内に変形したステントを回収する方法として、6Fr.のシースを
7か8Fr. に入れ替えるというのを聞いたことがあります。
私自身は経験がないのですが、
1,6Fr.のシースの手前の弁の部分をメスかハサミで切り、PTCAワイヤーとスネア
ワイヤーだけ残してシースを抜く。
2,PTCAワイヤーとスネアワイヤーも適当に短く切る。
3,Femoral用の7か8Fr.シース(035ワイヤー対応)に入れ替える。
と聞いています。
本当にこれで入れ替えられるのしょうか?
035ワイヤー用の穴が開いているFemoral用シースのダイレーターに、PTCAワイヤーと
スネアワイヤーの2本が通るのでしょうか?
誰か経験があれば教えてください。

************************************
12月より、○○医大病院勤務となりました。
PCIは、月2、3例程度です。基本的にTFIです。
大学では、CABGを選択する症例は、必ずLITA造影を行っていま
す。
以前、北海道で最もCABG件数が多く、外科医のレベルが高い大
野病院のDrにLITA造影の必要性について聞いたところ、
ope前のLITA造影は不要といってました。
他の先生方は、ope前のLITA造影をどうしていますか。
また、ope前のLITA造影gが必要であると仮定した場合、trans
radial approach
でCAGを行った際にLITA造影はどのように行っていますか。

************************************

○○です。

> 以前、北海道で最もCABG件数が多く、外科医のレベルが高い大
> 野病院のDrにLITA造影の必要性について聞いたところ、
> ope前のLITA造影は不要といってました。

以前にも話題に成ったことですが、うちでは全例行っています。

> 他の先生方は、ope前のLITA造影をどうしていますか。
> また、ope前のLITA造影gが必要であると仮定した場合、trans
> radial approach
> でCAGを行った際にLITA造影はどのように行っていますか。

GoodmannのYUMIKOカテを使っています。right TRIでLITA RITA GEAをルーチンで
造影して外科に送ります。他院の外科に送っているのですが、術前造影
があるとどの血管をどこにバイパスすれば良いか解るので有り難
いとのことでした。

************************************

○○です。

以前にも書いたのですが、私は、普通の4Frの診断カテのJR3.5で造影をしています。
右橈骨動脈アプローチでも、ワイヤーとカテ操作でなんとか左LITAを頑張って撮して
います。

青森には菊池先生の作った通称「アニキLITA」4Frのカテがあります。
(鎌倉ライブで話をしたのですが、うけなかった...)

************************************

○○です。

術前にLITA造影が必須かどうかは、外科からの依頼もあることでしょうから、一
概に言えないようです。

○○先生や○○先生の方法で、右TRAよりLITAを造影することはテクニックの
向上にもなりますし、LITA、RITAの両方を造影しなければならない時にはT
RAでは必須のテクニックと言えるかもしれません。

しかし、単に術前にLITAを造影すれば良いという状況でしたら、何と言っても左
TRAにて普通のJRで造影するのが、最も単純で早いと思います。

************************************

○○です。

先ほどの発言に追加です。
lLITAの造影に左TRAを薦めましたが、もし外科が橈骨動脈グラフトを使用したい
ので・・・・・などと言うのなら出来ないかもしれません。

ただし私の個人的意見では、橈骨動脈をグラフトになるべく使用して欲しくないと思っ
ています。でもそれは”TRA用に取っておけ”などというケチな理由からではあり
ません。

その理由は、

1,橈骨動脈をグラフトに使用した患者を診たことがありますが、左手の手術跡は、
手首から肘にまで及び、他人が見たら”何か大きな事故でけがをした痕だろうか”と
びっくりするほどの傷跡です。SVGの時も左足に長い傷跡がありましたが、これは
ズボンで隠すことができます。しかし、橈骨動脈を採取した跡の傷は腕だけに目立っ
てしょうがありません。夏に半袖が着られなくなるかもしれません。

2,これまでは、”CABGをすればDrug Freeでフォローできる”というのが外科
からインターベンショナリストへの意見でした。インターベンションも最初の数ヶ月
を過ぎればDrug Freeでもいけそうになっているのに、橈骨動脈をバイパスに使用す
れば、ずっとヘルベッサーを飲まなければならなくなる可能性があります。何か時代
に逆行しているような気さえします

3,動脈グラフトならLITA、RITAが2本あるので、それをLADとRCAに
確実に繋いでいただければ、LMTや3枝病変だとしても、残りのLMT〜CXのみ
ならTRIで十分いけるのではないかと思います。(CABGとTRIのコンビネー
ションということになります)

以上、外科医は動脈グラフトのPatencyのことばかり気にしてその後のQOLを余り
考えない傾向にありますが、私の外来に帰ってきた患者の左手の大きな傷跡が妙に生々
しく見えてしまったので、このように思うようになりました。
あまり学問的ではありませんが・・・・・

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○○です。

off-pump CABGも、胸骨正中切開で多枝の血行再建を行おうとすれば、それなりの侵
襲になります。MID-CABGとは、違います。
やはり、それなりの手術ですから、1回の手術ですべて終わる方がよいと考えます。

左radialをグラフトに使うと、ヘルベッサーは必要かもしれませんが、もともと3枝
病変なのですから、AP freeになっても、
secondary prevention考えれば、アスピリンなり、スタチンなりは出すでしょう? 
ヘルベッサーやアムロジンが1錠増えても大差ないように思いますが。

それと、LITA-LAD、RITA-D1、GEA-RCAのあと、LMT-LCxにPCIしたとして、もし再狭窄
を反復したら、どうしますか?
LITA-LAD、RITA-D1、GEA-RCAがpatentな状況では、再開胸はしたくないでしょう。

私が長年診ていた人で、もともとLAD近位部・LCx近位部に病変がありPCI、どちらも
再狭窄を反復し、
LMTまで病変が及んでしまったので、LITA-LAD・SVG-LCxをお願いしました。
LITA-LADはpatentなのですが、SVG-LCxが閉塞してしまい、CCS3の狭心症が再発。
LMT-LCxのステント再狭窄に、Rotaやら、CBやらを何度もくりかえしたものの埒があ
かず、
結局、今の病院まで遠いところきてもらって、再CABGで、RITA-D1/GEA-14PLしても
らったら、あっさり落ち着いた人がいます。
LCx領域の虚血といえども、甘く考えられないな、と思いました。

傷も見慣れてしまえば、そんなに気になりません。
自分が、3枝でCABG受けるなら、迷わず左radialを使って、LCxにもつないでもらいま
す(もちろん、術者は指名しますが)。
ですから、多枝病変で、将来CABGになるかも知れない人には、左TRI やっていませ
ん。
○○先生、今度は、このネタで討論しますか?

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○○です。

LITA造影と、lt radialのCABGへの使用について、です。

うちの場合、LITAはAo造影で行っています。うちの外科はAo造影の
subtractionで判断しているようです。前の病院ではfemoral approach
だったこともあり、selectiveに造影していたので若干の違和感があり
ましたが、今では慣れてしまいました。結果的にLITAにおいて不具合
があることは少ないのでいいのかな、とも思っています。

Lt radialのCABG使用は僕も○○先生と同じでできる限りcomplete
にして欲しいと思います。
三枝のRCA culpritのMIで急性期にRCAに対しPCIを行い、その後
CABG、その時点ではRCAはpatentなので心外がRCAにつないで
くれなくて、結局RCAにrestenosisとなりanginaもでてre-PCIが必要
になる症例がありました。この症例では急性期にRCAが開いているの
でグラフトが負けて閉塞するのが嫌だ、とのことですが、僕としては
つないでcompleteにして欲しい、その可能性をもっと真剣に考えて
欲しいって思います。

ヘルベッサーと傷だとcomplete revascularizeとはかなり重要性が
違うと思います。

ただ、radial approachした血管は本当にCABGに使えないのですか?
そりゃ、少しは肥厚したり狭窄したり、しているかもしれませんが、
閉塞していなければ使える気がしますが。
それと、閉塞するような細めのradialはグラフトに使っても慢性期結果
が悪いと予想しますが、これらの点はいかがでしょう。当然まだあまり
データのない話でしょうが。

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○○です。

皆さん鎌倉liveお疲れ様でした。
皆さんと同じく、未だやや興奮気味の私です。

さて、本日は見ていただきたい症例があります。
TRA-netでご相談するのが適当かどうか迷ったのですが、
もし、ご経験の方いらっしゃったらお教えください。
症例は50歳台の女性、coronary risk factorはありません。
atypical chest painで心カテしました。
coronaryはnormal、Erg: negativeでしたが、
LVGはごらんの通りapexにdiverticulum(だと思いますが・・・)を認めました。
ものの本によれば、thrombus, ruptureの可能性があるとのことですが、
確かに、warfarizationはしたほうがよいと思うのですが、opeするのは
少し忍びない気がします。
皆さんはどう思われますか?教えてください。お願いします。

ちなみにこの画像は鎌倉liveで殿(○○先生)が紹介された4Fr.手打ちLVGです。

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○○です。

CABGの患者はPCIではうまくいかないであろう(再狭窄を含めて)患者を送
るわけですから、外科の先生には完全血行再建を目指
してもらいたいところです。外科の先生の力量にも大いに依ると思いますが...

幸い? 私の施設には心臓外科が無く外科が「選べる」訳でCABGの成績は良い方
だと思います。

逆に術後造影の時、動脈グラフと4本とSVGは辛いですけど....
ね、○○先生。

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○○です。

最近すっかりROM化しておりますが、しっかり会員の皆様のメールを読んで、勉強さ
せて頂いております。さて早いのもので今週はいよいよ年末です。今年はTRA-netと
言う大きな出会い(?)があり、私にとっては公私にわたって変革の一年でした。
TRA-net会員の皆様に、多岐にわたり御指導御教授を頂き、大変勉強になりました。
来年もどうぞ宜しく御願い申し上げます。来年こそはROMを少しずつ脱出して、色々
興味深い話題や問題を提起したいと考えています。ちょっと早いですが年末の御挨拶
とさせて頂きます。それでは皆様良いクリスマスを!

明日は病院日直で救急対応の一日です、ふう〜。

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○○です。

○○時代からの流れで術前LITAの造影は全くしておりません。
そのことについて外科サイドからクレームがついたことは
ありませんが、確かに地域によって考え方は違う様ですね。
以前、○○でのレジデント時代に、6Fのシステムでワイヤー
をLITAに通して、これをガイドにカテーテル(IMA cath)を
いれたところ丁度入口部にdissectionを作ってしまい
心外の先生から<これで手術をしなくて済んだ。ありがとう>
とお叱りを受けたことがあります。

また、術後のワーファリンも必要無いところと必ず
入れるところがあるようで、因に○○では投与してませんが
○○では必須です。今、術後ワーファリンは止めてはいませんが
あまり必要性を感じないためついついINRを1.5位にして甘く
コントロールをしています。
バイパス後のワーファリンについては何かevidenceが
ありますか?

心臓外科に患者様を委ねる際、やはり完全血行再建は
是非突き詰めて欲しいと思います。
これから橈骨動脈のありようについて議論が進むと思いますが
<1度PCIに使ってちょっと壁が肥厚してますけど、まあ
バイパスには使えますよ!>と僕達から言い出すと
最初は叩かれそうな気がします。ただ、データはもっておいた方が
よいかなと思いますが、どうやって調べましょうか?やっぱり
エコーでしょうか?○○先生!以前先生は調べていると
おっしゃってましたがあれからどうですか?

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○○です。

RAグラフトまで使用して完全血行再建をめざすかどうかの議論は、○○先生や○○
先生がおっしゃる方が正論で、手術の傷跡や薬剤の長期投与の弊害に比べれば、完全
血行再建の方がはるかに重要だというのは理解できます。
また、心臓外科医が院内にいない状況では、結局紹介先にすべておまかせで、当然我々
の意見など取り入れてもらえませんので、向こうの考え通りの術式になります。

この議論では私には全く分がありません。
それを承知の上で、それでもあのような考え方(妄想)を捨てきれないでいるのは、
やはり”心臓外科医への不信感”が根底にあるからでしょう。

当院は心臓外科との交流(意見の交換を含めて)が全くない珍しい病院です。基本的
には近くの○○病院の心臓外科に送っていますが、術後バイパス造影、それに狭
窄や閉塞があった場合のPCI、さらにそのFollow up CAGなども含めて、すべてあ
ちらで行われています。当院は年間PCI150例程度施行してますが、過去5年間、
一度もグラフト造影を経験していないという非常に希な病院です。(だからYUMI
KOも準備はしているのですが、一度も試す場面がないのです。トホホ・・・・・・)
○○病院でCABGやPCIをした患者さんは、すべて向こうでその後のFollow upCA
Gを含めて予約を入れられます。当院の役割は開業医と同じで、外来、投薬のみです。
実は、このような状況では若い先生達の勉強(グラフト造影など)にならないと考え、
2年前に思い切って新進気鋭の心臓外科医が来られたというウワサの近くの○○医科
大学に数例紹介しました。しかし<中略>

バイパス(RAを使用しても良いですから)術後に確認造影を行い、完全血行再建が
できていることをこの目で確かめて、”美しい”と思ってみたい・・・・・・
院内に優秀な心臓外科がいれば、あのような”妄想”も影をひそめ、もっと学問的な
議論もできるでしょう。

という、心臓外科がない施設からのヒガミでした。

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○○です。

 12月22日に東京で心臓性突然死研究会というのがあり、うちからも演題を出してき
ました。
 そこで特発性心室瘤なる症例を発表している施設がありました。その症例は、側壁
に「憩室様の」心室瘤が有り、冠動脈は異常なしでした。LVGはそっくりでしたよ。
その症例は、VTを繰り返して結局ICD植え込みになったようです。フロアからの病理
の先生のコメントでは、剖検の話ですが、そういうのは心筋炎(急性・慢性とわず)
のことが多いそうです。でもピンポイントで生検するのもむずかしいかもしれません
ね。
 血栓に関してですが、LVG上は心エコーで見えそうな所ですから、まずは高周波の
プローベで観察してみてはいかがでしょうか。ワーファリンはそれを見てからでも遅
くないと思います。このときカラードップラーかパワードップラーを併用して(カラー
レンジはできるだけ低速にします)みると、血栓の観察がしやすいと思います。ハー
モニックを併用するともっと鮮明になるでしょう。
 血栓よりも不整脈を心配したほうがいいかもしれませんね。壊死した心筋がブレー
クスルーポイントになりre-entry性のVTを起こすことが多いようです。

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はじめまして

この度 TRA-net に登録させていただく事になった○○と申します。
○○大学医学部を平成7年に卒業しました。今まで関西の病院に
勤めていたのですが、今年の夏から事情により○○の
○○という個人病院に勤務しております。

僕はまだ PTCA の経験が 300例程しかなく、TRI も1年少し前から始めた
ばかりの新参者です。それに現在の病院は年間 PTCA 約50例ほどしかなく、
さびしい毎日を過ごしています。また、来年夏から2年間留学する機会を
いただいており、しばらく PTCA から離れてしまうのですが、
PTCA をされている先生方(特に若い先生方)の意見や考え方を参考にしたく
入会を希望しました。

現在の intervention は 3S(simple,speedy,safety)をうたったものや、
その逆で時間よりも debulking を含め徹底的に optimal result を求めた
ものなど様々あるように感じますが、10年前と違い現在そしてこれからは
PTCA はごくごく一般的な循環器治療へと変貌しており、そのため
僕のような世代は全てのアプローチ・方法をオプションとして持っている
必要があるように感じています。良いものは良いのであって、それらを
case by case で使いこなすことが患者さんのためでもあり、PTCA をする
もののためにもなると思っています。そのようなスタンスを持ってらっしゃる
TRA-net の先生方の考えに大変共感しております。

どうかこれから宜しくお願いいたします。

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○○です。

九州では、どちらかというとゲリラ的になりがちであったtraの集まりも、鎌倉
ライブで初めて表舞台にたつことができました。tra-netのみなさま、鎌倉ライブお
疲れさまでした。Sakai's viewの成功おめでとうございます。
それから、斉藤滋先生ありがとうございました。来年も派手な企画を楽しみにし
ております。

さて、CABGとPCIの対決というかcombinationと言いますか、最近の話題を楽しく
読ませていただいています。

○○先生の施設ほどではありませんが、私も外科の先生と意見交換をする機会が
久しくありません。(ちなみにうちはROTAの施設です。)鎌倉ライブで岸和田徳洲会
病院の東上先生のお話を聞くことができたいへん参考になりましたが、もっとたくさ
ん聞きたいと思いました。「radial approach Vs. radial graft」のお話をまとめて
聞かせてくれる企画はないでしょうか?

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○○病院 ○○と申します。
TRA-net 新規登録をご承認いただきありがとうございます。
 私は、○○年、鹿児島大学卒業で、平成元年より当院に勤務しております。当
初、一般内科、その後呼吸器内科の院外研修に出て、帰ってきたら循環器が壊滅状態
で、なんとなく循環器のお手伝いをしているうちに今の世界にはいっていった感じです。
 カテは、平成4年頃から、PCI は、平成6年頃から、TRA は
平成9年から同じグループ病院の先生方の指導を受けながらやってきました。
年間約400例の診断カテ、約150例の PCI を二人の内科医でやっています。
循環器として独立していませんので、ついつい勉強不足を否めません。
 最近このホームページ、鎌倉ライブで、正直、カルチャーショックを感じました。
皆様の radialist としての気概を吸収したいと思っていますのでよろしくお願い申
し上げます。

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==============  第28集 =================


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 はじめまして、○○病院○○と申します。
 新規登録ありがとうございます。
 <中略>
 現在の病院では、平成11年8月より、CAG、PCIを開始しました。当初より、診断カ
テは左radialにこだわり、術者は患者の左側に立ち、テレビモニターは患者の右側
に置いて検査しています。また、カテーテルも4F左radial共用を特注で使用してい
ます。
 CAGもまだまだ始めたばかりで、症例も少ないのですが、日帰りCAGも開始し、
CABG後の患者さんにはYUMIKOカテを使用させていただいたり,などいろいろ取り組
んでいます。
 TRA-netを通して勉強させていただきたいと考えていますので、よろしくお願いい
たします。

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**

○○です。

謹んで新春のお慶びを申し上げます。
旧年中は大変お世話になりました。
今年もますますのTRA-netの繁栄を祈念するとともに
御指導のほどもよろしくお願いいたします。

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○○です。

TRA-netのみなさん、謹んで新春のお慶びを申し上げます。

このネットが発足して1年半を越えました。特に積極的な勧誘活動はしていませんが、
それでも”口コミ?”で登録メンバーが徐々に増え、現在○○○人となっています。

今年も、”良いモノは良い、悪いモノは悪い”と本音を言えるTRA-netでありたいと
思っています。

本年も、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

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**

○○です。
皆様明けましておめでとうございます。今年もどうぞ宜しく御願い申し上げます。

さて私がここへ参加させて頂いてからまもなく1年ですが、この間TRA-netのお陰をも
ちまして随分と見識が広まったと感じております。今後ともTRIに限らず貴重な意見
交換の場として参加させて頂きたいと考えております。

当院は昨年4月から念願のスタッフ増員を得て、昨年と比較して精神的にゆとりがあ
るお正月を向かえております。昨年は5月のDCAの開始と共にIVUSの件数も急進し、当
院にとって大きく前進があった一年でした。今年も○○部長の号令の下、新しい何か
を目指したいと思います。今後ともどうぞ宜しく御願い申し上げます。

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新年明けましておめでとうございます。
日ごろはROM会員の○○です。

新規登録のとき以来ですので、少々自己紹介を。○○大学平成○○年卒、研修医、大学院、
医員の8年間はほとんど高血圧の分野でやってきました。カテに関しては初心者です。4年位
前からカテに興味を持つようになり、2年前から、現在勤務中の病院において、常勤の循環器
ドクターに心カテ、PCIの手ほどきをうけております。なにせ、件数が少ない(心カテ50例くら
い、PCI十数例、年間です)ものですから、TRAnetでの皆さんのお話を本当に興味深く拝見さ
せて頂いております。いまの病院も3月までで、4月から勤務が変わる予定です。症例数の多
い病院を希望していますが、願いがかなうかどうか・・・

今年もよろしくお願いいたします。

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○○です

今年は1/1は休みをいただき田舎に帰っておりましたが、
1/2からさっそくAMIが2件入り、うち1件は34ccの大っきな
バルーンが入ってしまいました。とほほ・・・。

今年も皆様よろしくお願いします。

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○○です

みなさん、新年あけましておめでとうございます。
緊急カテ等で、平穏な正月が迎えられた方は少ないかもしれません。
幸い、今回は年末にカテがあっただけで、少なくとも正月は無事でした。

昨年は、○○先生大忙しの一年でした。そのおかげで、多くの先生方とお会いできた
ことは大きな収穫でした。
今年も、留守番隊長の仕事が増えそうですが、極力イベントには参加したいと思って
います。今後ともよろしくお願いいたします。

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○○です

昨年2月以来ROMしております。
昨年は2月のハウステンボス、12月の鎌倉ライブとtransradialの2大イベントに参加
することができ、有意義な一年でした。
当院でも現在はradialが9割近くになり、とりあえず今年こそは患者さんのカテ室搬
入をベッドから車いすに変えたいと思っています。
今年もこのネット等を通していろいろと勉強させていただきたいと思います。
本年もどうぞよろしくお願いします。

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**

○○です。
新年明けましておめでとうございます。
昨年はこのNETでいろんな方と知り合え、また八戸にお邪魔する事ができとても感謝
しております。菊池先生本当にありがとうございました。
平成○○年よりこの地でTRIを開始、昨年はCAG 880例 PCI 343例行う事ができまし
た。今年は昨年以上に<中略>と思いますが、
訳のわからないパワーゲームに巻き込まれる事なく
患者さんにとって安全で快適な治療を今以上に目指していこうと思います。
今年もどうかよろしくお願いいたします。

PS:ところで今年は12月31日当直、1月1日pm11:00 2日am3:00 3日am5:00 と緊急カテ
のために呼び出しを受け早くも寝不足になっております。

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○○すっかりROMメンバーです。TFI全盛の○○市内の一角を担って
います。昨年は世界も大きく変わりましたが、自分も(周りの環境も)今年は大きく
変わりそうな気配です。

鎌倉ライブの時は、しっかりしかも自由に自分の意見を述べる雰囲気が大変刺激にな
りました。今度は壇上で実感したいなぁと思ってます。
これからもヨロシク御指導下さい。

追伸、元旦の緊急カテでは、no reflowをきたし難渋し、IABPの威力を再確認しまし
た。

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○○です。
大晦日から7例のASC、そのうち2例IABPと
大忙しでした。この頃heavyな症例ばかりで
鎌倉にも行けなかったし、忙殺されてうんざり気味でした。
私(1963生、双子座)の運勢は今年は良いらしいけど?
まー運勢任せにせず自由に羽ばたければいいなと思っております。
TRA-netの皆様にはいつも勉強させてもらってます。
この半年すっかりROM状態でしたがことしは、たまには
登場したいと思います。
今年も宜しくお願いします。

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以下の症例について意見などいただけたら幸いです。
50歳、男性、risk factor smoking,HL,HT
平成13年8月にCPAにて搬入。PCPS、IABP挿入し、CAG施行。
#6 just proximalに99% with thrombusあり、#5 distalから#6
にかけてNIR ELITE 3.0mmX15mmを挿入しました。
LMT~LADは0%となり、Cxのflowも問題なく終了しました。
今回半年後のCAGを行ったところ、#7 75%、#9 90%、Cx ostium
90% を認めました。(stent内はOK。またRCAもintact)
Cxは血管径3.0mm程度でlesion lengthは8~10mm程度です。
exRIでは、lateralにischemia認めています。
LVEFは40%です。LADとLCXの分岐は、90度くらいあります。
みなさんはどうしますか。
当科ではCABGになると思われます。

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○○です。

CABGかPCIか、それは患者さんに依存しますが、この状況でCABG
しか選択肢がないってことは全くないと考えます。
今回PCIを選択すれば、当然LCXのPCI、たぶんLADとLCXのkissing、
さらに狭窄度によってはLAD#7、領域の大きさによってはD1もPCIを
一期的にします。
理想的には#7に3.5のstentを入れて、そのstent balloonと3.0balloon
で#5-6+11をKBT、その3.0mmバルーンでD1を広げれば2本のバルーン
で完全血行再建となります。僕だったらIVUSは必須ですので3本かも
しませんが。
NIRのstrutごしの拡張が悪い、2.0までしか広がらないのは分りますが
ostiumはnapkin ring 2.0mmと考え、#11 proxをしっかり拡張すれば
いいと思います。

それで再狭窄くればCABGの必然性はupします。しかし、現時点で
初めてのrestenosisでCABGしかないってのは... 患者さんにとって
いいこと???って思います。

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○○です。
当科でも昨年似たような症例を2例経験したことがあります。1例はAMI, shockで来院
し、LMT-subtotalに対しIABP下にdirect stentを行い、LCxをjailして#6aまで
Multilinkを植え込みました。慢性期にLCx入口部に90%狭窄があり、1度はPOBAを追加
して狭窄の解除を試みています。結局再狭窄でしたが...。ただしその患者様は、
LMT-LADのMultilink 3.5/15 (急性期に4 mm で後拡張)は問題なかったのですが、そ
のdistalに追加したNIRの再狭窄もありましたので、LCx-90%とあわせてCABGとなり
ました。  2例目(これもAMI, LMT-LADへMultilink 3.5/15 を留置し4mmで高圧後
拡張)は慢性期のLCxへのPOBAが効果的で、再狭窄無く経過中です。

○○先生の症例もNIRのstrutが広がるかどうかと言う問題はありますが、もう一度は
PCIかなと考えます。動脈グラフトできっちりつないでもらうと言う選択もあります
が、年齢を考えつつ悩むでしょうね。それとちょっと意地の悪い質問ですが、最初の
ステントに3mmを選択されていましたが、ややアンダーサイズな気がしますが如何で
しょう。IVUSで見ててLMCAが3mm程度の患者さんってほとんど見た事がありませんが
どうでしょうか。

僕だったらまず、LMT-LADへ向けて可及的に大きなtube stentを植え込み急性期を乗
り切って、慢性期に早めにLCx入口部にballoonを追加すると思います。分岐角が90度
近くあるようですが、OTWで施行可能と思います。仕上がり次第でT-stentが必要かも
しれませんが、当然LADが優先されますので、LMT-LADのステントを大きく壊さないよ
うに注意すると思います。D1が大きい場合には...ここへもPOBA(仕上がりが悪けれ
ば当然大き目にステントを追加)、でしょうか。これで再狭窄を来たすようであれば
CABGと言う選択になるでしょう。

ただしこのような戦略は現時点における保険診療でこそ許されるのもので、将来的に
は有無を言わせずCABGとなりそうですね。

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○○です。

私も○○先生や○○先生とほぼ同じ意見です。
問題はCX分岐部90%の処理でしょうが、一回のPCIで50%ぐらいの長期成功(2
人に1人ぐらいはCABGが必要なく済むという意味です)も望めるような気がしま
す。
もちろん再狭窄を来す、あるいは繰り返すのならCABGでしょう。
しかし私なら、一度もトライせずにCABGに回すことはないと思います。

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○○です。

○○先生からの症例についてですが、
50才の男性で、以前CPAで来られ、先生方が救命された訳です。
せっかく拾った命ですが、LVEFは40で、良くありません。
冠動脈はLCXのtake offで、ここは虚血をひき起こしており
PCIについてややこしい病変です。
LAD#7にも狭窄があります。

と考えると、やっぱりまっ先にCABGが頭に上ります。
心臓外科医に注文し、in situの動脈グラフトで
LAD, LCX, (D1?)を繋いでもらう。(静脈なんて滅相もない!!)
術後に専門家によって心臓リハビリ、運動療法をしっかり行い、
定量的にADLを評価して、その後の人生を送ってもらう。
可能な範囲での労働はして頂いて、税金も納めてもらう。
follow upのカテは術後はするにしても、その後は要無し。

どうでしょうか?以上は必ずしも本心という訳ではありませんが
今後PCI(特に待機的)をするにあたって、
<捕れる球をしっかり捕るようにする。ダイビングキャッチはしない>
との考え方はどうでしょうか?
イチロー外野手のように<Area#51>を作り上げる術者も確かに必要だし
このNETの中にもいると思います。
ただ、21世紀の医療の流れを考えて行く時に、一人一人のチャレンジ精神は
社会も病院も厚生省も保険機構もマスコミも、全てを認めてくれる訳ではない
と思います。
後逸して3塁打にしてしまった時、本当は守備が上手いのに!といっても
即2軍行きになるかもしれません。

こんなことを言うと活力が低下しますし、愉快さに欠けます。
元より、自分は決して保守的で守りに入る様な性格ではありませんが
ちょっとそう感じました。

あと、非観血的に冠動脈狭窄のスクリーニングができる様になると
とたんにPCI症例が爆発的に増加していくと思います。

腕に縒りをかけて作るよりも、Macのバーガーのように
簡単に、確実に、早く、同じ様に安くできる方を時代は要請して来るかも
しれませんね。

暗いメールですいません。明日からは宮崎です。
来られる皆さんドヒャーっと騒ぎましょう!

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○○です。みなさま明けましておめでとうございます。

○○先生の症例の話です。
シネがないのでイメージがわきにくいのですが、個人的には○○先生のstrategyに共
感します。私もPCIを行いたいと思います。

PCI派ばかりで、誤解される方があるかもしれないので付け加えますが、私はこんな
事も考えます。「今回も患者さんのために何とかPCIでやってあげたいのですが、や
や分が悪い戦いになりそうです。今回はelectiveにLMTをさわる事になるかもしれな
いしー、LCXに4割以上の再狭窄率が予想されるしー、いったん落ち着いたLAD just
やLMTの病変が不安定になることがあるしー。今後PTCAを繰り返し、結局CABGになる
ようななし崩し的経過と評価されることは忍びないなー。」と言うことで、現時点
でCABGが必要な状態であることを本人と家族に理解してもらう事、electiveにLMTを
治療することの院内のコンセンサスをとることも忘れずにやります。

この症例では、初診がCPAでかつLMT相当の病変でしたので、LMTからLADにかけて3mm
のステントをおいたことは十分妥当と思います。(通常はもちろんLMT/LAD just/LCX
justは4mmは最低ほしいところですが、)おそらくこの方は、びまん性病変で3.5mm以
上のステントをおいた途端no reflowで心停止状態に陥るおそれがあったと思います。
また、いったん落ち着いた退院前もこれを再拡張することは勇気がいることでしょう。

最後に、言いにくいのですが、当院でもCABGを選択する可能性があるかも。

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**

○○です

 私であれば,やはり積極的にCABGを進めます.手技的にPCI成功の可能性は高いと
考えますが,動脈グラフトの近年の成績をみておりますと,しっかりとつないで貰っ
ておくことが患者さん本人の長期にわたる心事故無しの予後をより期待出来るものと
判断するからです.

 確かにまだ50歳でありいかに動脈グラフトが優れているとはいえ20年以上順調に開
存している可能性は?ではありますが,現時点で患者さんのevent freeでの社会生活
復帰を長期にわたり可能にしてくれる方法としてはこの症例ではステントよりもCABG
ではないかと考える次第です.(10年以上経てば,又何らかの新しい方法があるはず
との非常に楽観的な期待も含まれています.)

 もし,この患者さんが現時点でACSの状態であったとしたら…迷わずPCIを選択し
てLMTからLAD・LCXへのkissing balloonをすべく攻めるでしょうが,それはこの場合
は橋渡し的なPCIに止めておくのではないかと僕個人としては考えております.seg9
につきましてはその大きさによっては放っておきます.

 過去にこのような症例の急性期にLMTからLADに向けてステントを留置してその後良
好に経過している方もいらっしゃいますが,確認造影後の退院前の自分が発する「良
かったね!」の中に(取りあえず数ヶ月は…)の続きを飲み込んでいるような気がし
てなりません.

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**

○○です。

この症例はPCI CABG、どちらでもいい(当然各施設のPCI CABGの
levelによりますが)症例だと思います。

この症例で、CABG>>PCIと考えておられる方はその根拠は何なんで
しょう。やや拡張の悪そうなLCX入口部病変は全てCABG、ってこと
でしょうか?
この症例の場合、次にPCIをしてLCX入口部、mid LADがOKなら、
CABGをしなくていいわけですよね。入院は3日(うちだったら)で
advantageはかなりあると思います。
PCIのadvantageが充分ある以上それを患者さんに説明しない選択は
ないように思うのですが。
PCIのriskが高ければ別ですけど、この症例ではあまり問題ないように
思います。

>  もし,この患者さんが現時点でACSの状態であったとしたら…
> それはこの場合は橋渡し的なPCIに止めておくのではないかと僕
> 個人としては考えております.
橋渡し的というのはどういうことなのでしょうか。気持ちは分るのですが
不十分拡張でも止めるってことではないでしょうし、やはりPCIをするの
であればその時点でできる限りの結果を求めるべきだと思います。
結果として慢性期にCABGになることはあるでしょうが、PCIをする時に
橋渡し、っていうのはやはり考えるべきではないと思うのですが。

>  過去にこのような症例の急性期にLMTからLADに向けてステントを
> 留置してその後良好に経過している方もいらっしゃいますが,確認
> 造影後の退院前の自分が発する「良かったね!」の中に(取りあえ
> ず数ヶ月は…)の続きを飲み込んでいるような気がしてなりません.
○○先生は “とりあえず数ヶ月は” の言葉は飲み込まれているのです
か?
僕は必ず、PCI後は仮免許のようなものです、半年
経って何ともなくて始めて卒業ですよ って言ってます。今のPCIは
残念ながら再狭窄の問題は残っていますから PCIは1回のみで終わる
治療ではない とも説明しています。
コストの問題は避けられませんが、患者さんに使ったデバイスを残して
再滅菌し同じ人に使う、ということ等を考えればコストを抑えつつPCIを
行うことはできると思います。

最後にこの症例に戻るのですが、この症例ではPCI CABGとも各々
advantageを持っていると思いますので 両方をきちんと説明すること
が最も大事なことだと思います。それでCABGを選ばれれば心臓外科医
にできる限りのCABGをしてもらい、PCIを選ばれればできる限りの
PCIを行う、それが僕らのすべき事だと思います。

***************************************
**

○○です。

高度石灰化とか、まったくワイヤがとおりそうもないCTOとかではないので、ウチで
も、もちろん、迷わず、PCIをいたします。
○○先生がご提案されたようなやりかたですね。7Frのシステムで。
問題は、LCx入口部が何回のPCIですむかですが、LCxの支配領域はどのくらいでしょ
うか?
LAD/D1がうまくいって、再狭窄も無ければ、LCxが75%位に再狭窄しても、medicalに
コントロールできないでしょうか?

CABGでも構いませんが、その場合は、LITA-LAD、RITA-D1、lt RA-LCx(それも、
大きな分枝が複数あれば、sequentialに全部つなぐ)を確実にこなせる術者じゃない
と、あとあと、かえって困ると思います。SVGを使うCABGは、○○先生がおっしゃる
ように、とんでもありません。

***************************************
**
○○です。

先ほどまでの、議論とは全然関係ないのですが、この所、5Fr PCIのRCAが続いた
ので、まずJL4.0(JJ)、次にFL3.5(Medtronic)を、反転させて使用してみました。い
きなり深く入ることはありませんし、バックアップがいいので、ワイヤクロスも容易
です。JRよりも、一度入ってしまえば、その後の手技はずっと簡単そうな印象です。
どちらも右TRIでしたが、カテ内にワイヤを残し、左Valsalvaへいったんチップを持
ち込んだ後、ひきながらclockwiseに回して右Valsalvaへ移動させ、その後すこし押
し付ければ簡単に入ります。
○○先生、一度試していただけませんか?

***************************************
**

○○です

> この症例で、CABG>>PCIと考えておられる方はその根拠は何なんで
> しょう。
 
 長期予後に対する期待感の違いだと思います。それが来るのか来ないのかも解りま
せんがLMTが再度危険な状態に陥った場合に左室機能が更に低下する可能性を考えま
すと、心配になります。 たとえば10年間この症例がLCxのPCI後、全く問題なく経過し
たとして、安心のために何回のrestudyを行う事になるのでしょうか。

> 橋渡し的というのはどういうことなのでしょうか。

 心筋虚血を解除するために最小限の灌流を確保するといった意味合いです。それが
POBAなのかステントなのかあるいはIABPなのかはその時点で決める事でしょうが、短
期間の後にCABGに移行するために心機能を損なわない努力をすると言った意味です。
 もちろん途中で辞められるわけはありませんが、やりすぎてステントの構造を壊し
てしまう…ステントが浮いてしまう、あるいは新たな解離を作るような事は避けるべ
きであると考えての発言です。


> ○○先生は “とりあえず数ヶ月は” の言葉は飲み込まれているのです
> か?
> 僕は必ず、PCI後は仮免許のようなものです、半年
> 経って何ともなくて始めて卒業ですよ って言ってます。

 ○○先生のお言葉耳に痛いです! もちろん自分では十分説明しているつもりでも、
患者さんと別れたあとに『でもやっぱり心配…』との思いが残り、その患者さんの事
をいつまで経っても忘れる事が出来ない、 結局自分のPCIに対してそこまで自信がも
てないって事かも知れませんね。 

 この患者さんに対して最良の方法は○○先生がおっしゃるように両方の利点と欠点
を説明して選択出来る環境におく事だと思います。 これに関しては全く同感であり、
患者さんの幸せのために我々の存在意義が有るとの思いは変わりません。

***************************************
**

○○です。

>  長期予後に対する期待感の違いだと思います。
...
> たとえば10年間この症例がLCxのPCI後、全く問題なく経過し
> たとして、安心のために何回のrestudyを行う事になるのでしょうか。
なるほど。僕は6ヶ月でOKならその後全くangiographical restudyは
しないと思います。僕はこれまでよほどのintermediate stenosisを
残さざるを得なかった状況以外では1yr 2yrs 3yrsなどの長期の
follow-up CAGをしていません。経過からいうとする意味がないと思っ
ているのですが。逆にそのためにintermediateもしているのか、と
今思いつきました。

>  この患者さんに対して最良の方法は○○先生がおっしゃるように
> 両方の利点と欠点を説明して選択出来る環境におく事だと思います。
> これに関しては全く同感であり、患者さんの幸せのために我々の
> 存在意義が有るとの思いは変わりません。
この点に対し全く同感ですし、最も大事な部分ですよね。
○○先生、何回もResいただきありがとうございます。

できれば、上の部分に関して、長期的なangiographic follow-upの
基準、または してよかった っていう例があったら教えて下さい。

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**

○○です
○○先生  
先生の一本筋の通った考え方と、それを裏付けられる論理の展開に接する事が出来て
大変勉強になりました。有り難うございました。 ある症例についてこうして意見の違
いを述べられる機会は、 なかなか無いので有意義でした。 これこそこのnetの目指
すところではないでしょうか?

 今度はお会いして、また論議を交わせればと期待しております(殴り合いにならない
程度に)。

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**
○○です。

○○先生、有用な情報ありがとうございます。

左のジャドキンスでRCAのPCIをするということですね。
手元にある不潔な5FrJL4.0(JJ)を延ばしてみると、バックアップも含めて、たしかに
いいような感じがします。ワイヤーで延ばしてJLやFLを右に入れるなんて、5Frなら
ではの醍醐味でしょうか。

怖いのは、RCAの病変に「左のジャドキンス出して」と言うと、スタッフが「○○は
まだ(また?)昨日の酒が残っているのか」と笑われるような気がします...勇気を
出して試してみます。

***************************************
**

○○です。
なかなかおもしろい展開になって、一日何度もメールを開いています。
私見ですが、○○先生のいわれるように
> CABGでも構いませんが、その場合は、LITA-LAD、RITA-D1、lt RA-LCx(それも、
> 大きな分枝が複数あれば、sequentialに全部つなぐ)を確実にこなせる術者じゃない
> と、あとあと、かえって困ると思います。SVGを使うCABGは、○○先生がおっしゃる
> ように、とんでもありません。
がきっちりこなせれば、CABGだと思います。これしてもらって、術後アスピリン、ACE、
アーチスト, スタチンですむなら、CABGもいいかなと思いますが、SVG使ってワーファリンつか
うなら
断然PCIでしょう。PCIするときに、○○先生のいわれるようにLMTに3ミリステントとならざ
るを得なかった血管であることが気になります。DMでしょうか?

これいっちゃおしまいですけど、CABGかPCIかは そこの心外がどれだけ出来るかに
よるのではないでしょうか。PCIは最近のステントの登場以後、術者間の差がほとん
どなくなっているように思います。もちろん、CTOやや一部の複雑、びまん性病変で
は術者による差はありますが、実際差がでるのは症例全体の10%以下ではないでしょ
うか。もちろん(だからこそ)、私たちはPCIの初期成功99%を100%に、再狭窄20%
を10%以下に出来るよう工夫しなければならないと思いますし、結局そこのところの
工夫で○○先生はIVUS guideで大きなステントを入れられているのだと思います。う
ちの心外はいいとこ行ってると思いますが、手術ってホント術者ですよね。

○○先生 oGTTの結果を教えてください。

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**

○○です。

うちには、ご存知のように、○○先生のおっしゃるようなレベルのCABG術者がおりま
すが、それでも基本的にはPCIでしょう。
外科サイドも、1回か2回、PCI することに、何の異論もださないでしょう。
上手くいけば、それは、いくらoff-pump CABGでも、TRI とは、侵襲度はちがいます
から。

ところで、SVG使ってLCxつないじゃうと、ワーファリンのんだところで(ところで、
ワーファリンってSVGの長期開在に有効って、エビデンスありましたっけ?)7,8年
で詰まってしまいますね。今の施設になって、graft failure→re-CABGになる患者さ
んがよく他施設から送られてきますが、ほんとうにSVGは、はかないです。この患者
さん、50歳ですから、それはいくらなんでもまずいと思います。

LCxにSVGが一旦つながると、グラフト経由のflowが増えるんで、native のLCx11は
totalになるでしょう。
何年かたって、SVG failureが起こると、LCxのAMI(下手すればsudden death)、LMT
のNIRのストラット越しのCTOあけ、LITA-LADがpatentの状態でのre-CABG、などとい
う事態が予想されます。
SVG使うくらいなら、PCIして、75%再狭窄になるほうが、よほど長期予後は良好と考
えます。

お話を伺う限り、末梢のランオフはよさそうです。心機能が少し悪い以外は、ごくご
く普通の、簡単なCABGですよね。
そもそも、この患者さんに、LITA-LAD/SVG-LCxの術式をあてはめる外科医のCABGだと
(要するに動脈でやる自信と技量がないわけですから)、術後確認カテで、悪夢の両
グラフト閉塞、になるリスクもそれなりにありませんか?

○○先生おっしゃるところの、「CABGかPCIかは そこの心外がどれだけ出来るかによ
るのではないでしょうか。」というのは、永遠の真理だと考えます。ただ、私はPCIの
術者による違いは、単に病変成功が得られるかどうか、ではなく、手技全体の
quality、万一不測の合併症(穿孔や逆行性解離が起こったときなど)が起こったと
きのことを考えれば、先生がおっしゃるよりずっと大きいと思います。もし、自分が
LAD7 90% (typeA)にPCI受けるとしても、術者は、必ず最高レベルの先生にお願いし
ます。

***************************************
**

○○です。
○○先生、早速のレスありがとうございます。

>
> ところで、SVG使ってLCxつないじゃうと、ワーファリンのんだところで(ところで、
> ワーファリンってSVGの長期開在に有効って、エビデンスありましたっけ?)7,8年
> で詰まってしまいますね。今の施設になって、graft failure→re-CABGになる患者さ
> んがよく他施設から送られてきますが、ほんとうにSVGは、はかないです。この患者
> さん、50歳ですから、それはいくらなんでもまずいと思います。

確かにワーファリンのエビデンスはないと思います。でも、漫然と使っています。これって、
硝酸薬と一緒かもしれません。

グラフト閉塞、になるリスクもそれなりにありませんか?
>
ただ、私はPCIの
> 術者による違いは、単に病変成功が得られるかどうか、ではなく、手技全体の
> quality、万一不測の合併症(穿孔や逆行性解離が起こったときなど)が起こったと
> きのことを考えれば、先生がおっしゃるよりずっと大きいと思います。もし、自分が
> LAD7 90% (typeA)にPCI受けるとしても、術者は、必ず最高レベルの先生にお願いし
> ます。
>
>
もちろん(だからこそ)、私たちはPCIの初期成功99%を100%に、再狭窄20%
を10%以下に出来るよう工夫しなければならないと思いますし・・・・で、我々は努
力しなければならないと思っています。おごっているわけではありませんし、誰でも
一緒とはけっっっっっっっっして言ってるわけではないのです。誤解されたらすみま
せん。

***************************************
**

○○です。

> うちには、ご存知のように、○○先生のおっしゃるようなレベルのCA
> BG術者がおりますが、それでも基本的にはPCIでしょう。
> 外科サイドも、1回か2回、PCI することに、何の異論もださないでしょう。
> 上手くいけば、それは、いくらoff-pump CABGでも、TRI とは、侵襲
> 度はちがいますから。
先生の所の術者だったらそれこそ、CABGのadvantageも大きい訳で
すよね。それでも基本的にPCIでしょう、というのは、たぶん患者さんが
PCIを選ばれるってことを念頭に入れてのこと でしょうか。

SVGについて、○○先生が絶対許せないっていう気持ち、それは充分
わかります。が、少しだけ僕の考えを言わせていただければ、今後の
グラフトは可能な限り、これは術者によって+患者さんの年齢 etc と
いうことになるでしょうが、動脈グラフトを使うべきであることに全く異論
はありません。
でもこれまでに使われてきたSVGの寿命は滅茶苦茶ではないと思って
います。以前インターベンション学会(だったと思いますが)のシンポジ
ウムかパネルで日本でのSVGの成績は海外のデータ程悪くない、とい
う話もありましたし、僕の経験でも7年でかなりダメになる、なんていう
話しは実感と合いません。
結構きれいに開いているのはあります。
だから、SVGに対する長期開存のデータは日本のデータをちゃんと明ら
かにしなくてはいけないですし、これまでにつながれたSVGに対して
過度にリスクを考えたり、そういう説明をするのは(もししていたら)止め
るべきだと思います。

> ○○先生おっしゃるところの、「CABGかPCIかは そこの心外がどれだ
> け出来るかによるのではないでしょうか。」というのは、永遠の真理だ
> と考えます。ただ、私はPCIの術者による違いは、単に病変成功が得
> られるかどうか、ではなく、手技全体のquality、万一不測の合併症
> (穿孔や逆行性解離が起こったときなど)が起こったときのことを考え
> れば、先生がおっしゃるよりずっと大きいと思います。
全くこの意見に賛成です。PCIは簡単にできるようになっていますが、
一度トラブれば大変なのは忘れてはいけません。

ついこの間のうちの症例で、LCX distalのreference 2.5mm程度の血管
でB1 lesion、なんてことはないので他の術者に任せて 2.5mm POBAを
したらblow outのcoronary perforationとなりました。Balloonで押さえても
まったく止血できず、結局末梢だったのでコイルでoccludeしたのですが、
その手技も手前のPLにballooningして止血しながらsecond guide cath
をいれそこからmicro catheterをいれ、という手技で結構ややこしい
ことをしなくてはなりませんでした。そのお陰で心嚢液もごく少量の漏れ
ですみました。
この例なども簡単なPCIに見えても何か起こると術者によるcriticalな
部分での差が出る、と思える例でした。

***************************************
**

○○です。今日は、休みのせいか、盛り上がっておりますね。

>先生の所の術者だったらそれこそ、CABGのadvantageも大きい訳で
すよね。それでも基本的にPCIでしょう、というのは、たぶん患者さんが
PCIを選ばれるってことを念頭に入れてのこと でしょうか。

侵襲度が、まったく違います。入院期間も、社会的に最短を希望する患者さんには、
午前入院→午後PCI→翌日退院 にしております。
あと、このPCI、LCxの入口部が再狭窄するかどうかは別にして、
手技自体は全部一度にやっても、大したことはないですから、
わざわざ最初からCABGに行かなくても、という思いが強いんです。

>だから、SVGに対する長期開存のデータは日本のデータをちゃんと明ら
かにしなくてはいけないですし、これまでにつながれたSVGに対して
過度にリスクを考えたり、そういう説明をするのは(もししていたら)止め
るべきだと思います。

はっきりしたデータを明らかにするべきだ、とう先生のご意見には賛成です。
ただ、自分のこれまでの経験では、SVGの成績は悲惨なものでした。
7年持てば、御の字くらいに感じております。
おそらく、外科の術者によって、SVGの開存率にも、大きな違いがあるものと考えま
す。
私は、SVGはどうなるかわからないと患者さんに話し、7年を経過してアンジオしてな
ければ、CAGをすすめています。
リスクは常に意識するべきだし、患者さんにも所詮10年をこえた、長期開存は期待で
きない、と申し上げております。
金曜も、これは、私のところにカテ依頼が来た患者さんですが、
有名な術者の手になるSVG2本のうち、1本がたしか6年でsilentに閉塞しておりまし
た。

>全くこの意見に賛成です。PCIは簡単にできるようになっていますが、
一度トラブれば大変なのは忘れてはいけません。

ありがとうございます。術者の技量の違いが、何らかの形で、公的に認められるよう
な社会になってほしいと思います。

>ついこの間のうちの症例で、LCX distalのreference 2.5mm程度の血管
でB1 lesion、なんてことはないので他の術者に任せて 2.5mm POBAを
したらblow outのcoronary perforationとなりました。

ウチでも、LAD7で夏に似たようなことが起こりました。この患者さんって、高齢の女
性でしょうか?
あと、IVUS上の血管径を教えていただけませんか?
nagative remodelingしていた、実は2.5mm以下の小血管にバルーンかけられたので
しょうか?
わたしの経験では、70歳をこえた、小柄な女性は、一見単純な病変でも、本当に何が
起きるか油断できません。

また、討論いたしましょう。

***************************************
**

○○です。
休みで風邪ひいてメールぐらいしかする気が起きません。

この症例ではPCIをして再狭窄をしてそこでCABGにいくなら、1回PCI
した分だけ無駄なわけですよね。だからこの時点でのCABGにも充分
なadvantageがあると思います。
だから先生も書いたように
> 侵襲度が、まったく違います。入院期間も、社会的に最短を希望する
> 患者さんには、午前入院→午後PCI→翌日退院 にしております。
入院期間や回数などで患者さんに決めてもらうのがbestと思います。

> ただ、自分のこれまでの経験では、SVGの成績は悲惨なものでした。
> 7年持てば、御の字くらいに感じております。
> おそらく、外科の術者によって、SVGの開存率にも、大きな違いがあ
> るものと考えます。
> 私は、SVGはどうなるかわからないと患者さんに話し、7年を経過して
> アンジオしてなければ、CAGをすすめています。
> リスクは常に意識するべきだし、患者さんにも所詮10年をこえた、
> 長期開存は期待できない、と申し上げております。
うーん、ここは少し違いますね。術者によるものですかね?
10年を越えていても開存しているSVGをみています。だから一概に
言えない、開いてるものは開いているって思ってます。
7年越えてCAGをするかどうかは???どうでしょ、でももうすぐCTや
MRIを使えるからそうなったらものすごくされるでしょうね、そしてsilent
occlusionがわかって、長期開存の成績も出ると思います。

> ウチでも、LAD7で夏に似たようなことが起こりました。この患者さん
> って、高齢の女性でしょうか?
> あと、IVUS上の血管径を教えていただけませんか?
> nagative remodelingしていた、実は2.5mm以下の小血管にバルーン
> かけられたのでしょうか?
70才ぐらいの小柄な男性です。IVUSはdistalなのでしていません。
造影上 2.5mmがやや大きいかなーって感じの血管でした。

***************************************
**

○○と申すものです。

○○先生の提示された症例には驚きました。
僕は今事情により北海道にいますが、○○先生の
弟子のため、何度か○○先生のIVUS 勉強会に参加させていただき
いつも勉強させていただいているのですが、今回の症例は信じ難いくらい
驚き勉強になりました。

>
>ついこの間のうちの症例で、LCX distalのreference 2.5mm程度の血管
>でB1 lesion、なんてことはないので他の術者に任せて 2.5mm POBAを
>したらblow outのcoronary perforationとなりました。Balloonで押さえても
>まったく止血できず、結局末梢だったのでコイルでoccludeしたのですが、
>その手技も手前のPLにballooningして止血しながらsecond guide cath
>をいれそこからmicro catheterをいれ、という手技で結構ややこしい
>ことをしなくてはなりませんでした。そのお陰で心嚢液もごく少量の漏れ
>ですみました。

上記のように、単なる POBA で(cutting や Rota でなく)perforation、
それも oozing ではなく blow out することは、over-size のバルーンでは
それなりにありえるのでしょうか?仮に IVUS を使用していなくても、
angio のみで選択バルーンが2サイズ over となることはないとは思うので、
そのような事が angio からのサイズ選択だけでもありえるなら
恐ろしいと思いまして。また何気圧で inflation されたのでしょうか?
僕の経験症例も少ないのですが、関連施設でもPOBA のみで perforation
した症例は聞いたことがなかったので。
それと止血方法ですが、同側あるいは対側の brachial or femoral から
新たにシースを挿入して2本目の Guiding cath を入れて施行されたのでしょうか?

また、僕の知りうる範囲では、つめるためのコイルを常備置いている病院は
少ないように感じており、多くの関連病院は心臓血管外科がなく、
バルーンで長時間押さえるのみしか手が残されていません。
(もうすぐ covered-stent が堂々と使えるかもしれませんが)
それでも、POBA only or POBA + stent は安全と信じ、皆がんがんに PCI を
やってますが、そういう僕たちこそ先生方のおっしゃるとおり
反省するべきなのかもしれません。

PCI 初心者なので、アホな質問ならすいません。

***************************************
**

挨拶が遅れて申し訳ありませんでした。○○大学卒の○○です。

私は卒業後、<中略>
4年間で約1000例のPCIを術者として経験したのち、大学からの要請で平成10年より現在の○
○病院の心臓カテーテル部門を立ち上げ現在までの3年半で約650例のPCIを施行してきまし
た。
TRA∩TRIをはじめたきっかけは1999年6月、立ち上げ1年目に以前の上司である○○先生か
ら飲み屋に誘われ「TFAで全てのPCIを施行するのは時代遅れだ。今後、お前は全てのPCIを
TRIでやれ。」とアドバイスされたことでした。私は○○先生をTRIには全く興味のないTFA専門
の術者だと思っていたので驚きましたが、病院の他のスタッフと相談のうえ最初はインジェクタ
ーを用いた4FのTRAを導入しました。
導入後2年半が経ちTRIも年々増えつづけていますが、○○県にはTRIを施行している病院が
少なく十分なディスカッションもないまま自己流でTRIを施行して来ました。昨年12月に鎌倉ライ
ブのDr SAKAI’s教育セッションに参加させていただき非常に感銘を受け、tra‐netに参加させ
ていただきました。最近、○○先生に5FのTRIについてアドバイスをいただき去年の年末より5
FのTRIに積極的に取り組んでおります。
また、PCI以外にも大学でのdrug-eluting stentの動物実験や業者とインターネットを用いた総
合的物品管理システムの共同開発も手がけておりますのでその点に関しても皆様のご意見を
伺いたいと思います。

さて、○○先生の症例に対する皆さんのあつい意見が聞けて参考になりました。せっかくの機
会ですので私の意見を述べさせていただきます。
まず、○○先生の症例ですが厳しい状況をうまく救命されたのに再発が生じてしまい残念で
す。#7がnew lesionなのか、#11にもともと狭窄が存在したのかまたその潅流領域が不明な
ので私の治療方針が一面的な点はご了承いただきたいと思います。

PCIを施行した場合はどうでしょう。EF40%、LMTがOKならば複雑な手技をしなければ98%以
上の成功率が期待できる症例だと思います(100%ではない!)。成功率がCABGと変わらない
とした場合にPCIの長期予後はどうでしょう、1997年日循シンポジウムでレトロスペクティブに多
枝病変に対するPCIとCABGの基礎データーをたたいたことがあります。1992年のPCI症例に
はステントが使用されておらず320例のイベント発症率は64%、そのほとんどが再狭窄でした。
再狭窄を除くと術後1ヶ月から4年間ではAMIや死亡は0%でした。しかし驚いたことに5年目に5
例のAMIと1例の突然死が認められました。一方CABG(LITAとSVGをもちいた完全血行再建)
300例のイベント発症率は2%でした。6例中3例がPMIや術後早期のトラブルで、術後1ヶ月か
ら5年間で2例が狭心症再発(ともにグラフト再閉塞)でやはりAMIが5年目で1例生じました。
もう少しきちんとしたデータが必要ですが、5年ぐらいをひとつのスパンとして重症冠疾患の症
例はイベントを生じるのかもしれません。CABGよりPCIで頻度が高かったのはCABGでは50%
ぐらいの病変対してもバイパスがつながっており、結果的にプロテクトされた可能性を考えてお
ります。
いくらPCIを繰り返してもCABGでプロテクトしても強力な薬物療法で動脈硬化を防いで行かなく
てはマルチリスクファクター症例のAMIの発症は予防できないのではないかと思います。したが
って、本症例の予後を決定するのは長期的に起こってくるRCAあるいはCXのイベントであると
考えます。また、これはangiographyを繰り返すことで防げるとは思いません。
私の結論はPCIと強力な薬物療法です。ただし、RCAに50%でも病変が生じバイパスをつなぐ
必要性ができた場合には迷わずCABGです。もちろん、本症例の回旋枝は初期再狭窄を繰り
返す可能性も考えねばなりません。なぜなら初期内膜はステントストラットをオーバーに覆うよ
うに増殖するからです。しかし、ニアエリートの有効径が2.0mmですので仮に0.3mm(ストラット
の厚みの2倍)程度の増殖であれば内腔は1.4mmとなり末梢が太くても(3.0mm以上)50%〜
75%の狭窄となり得ます。LMTに挿入したステントの反応が良いことはひとつの明るい材料だ
と思います。ただし、50%狭窄ぐらいが限界だと思いますのでCABGの際にはつないでもらいま
す。再狭窄を繰り返すとしてもRCAに病変がなければPCIと強力な薬物療法を続けて行くと思
います。

***************************************
**
○○です。

> 上記のように、単なる POBA で(cutting や Rota でなく)perforation、
> それも oozing ではなく blow out することは、over-size のバルーンでは
> それなりにありえるのでしょうか?
ありうると思います。今回の症例でのポイントは LCXであったこと(LCXは
血管サイズを間違うことがありますから)、distalであったこと(PLで房室間
溝ではなく心尖部に向かう中間少し手前ぐらいで血管周囲組織が少ないと
思われた)、最初の拡張(8atm)で少しdistal側が妙に拡張していてたぶん
その時perforationしていたと思われるが術者は逆にindentationの残存と
考え10atmで再拡張していること、がありますが、これらのポイントを見落と
すと充分blow out perforationになってもおかしくありませんし、血管の中心
に位置する造影では見にくい石灰化があれば低い確率ではあってもblow
outするのはありえると思います。

> それと止血方法ですが、同側あるいは対側の brachial or femoral から
> 新たにシースを挿入して2本目の Guiding cath を入れて施行されたの
> でしょうか?
> また、僕の知りうる範囲では、つめるためのコイルを常備置いている病院
> は少ないように感じており、多くの関連病院は心臓血管外科がなく、
> バルーンで長時間押さえるのみしか手が残されていません。
> (もうすぐ covered-stent が堂々と使えるかもしれませんが)
2本目のガイドはfemoralから入れました。コイルは放射線科にはある程度
置いているでしょうし、そうでなくとも置いておくべきです。少し固いwire
を使えばwire perforationってのは可能性がありますし、balloonで止ま
らない閉塞させてしまっていいぐらいの血管の場合にコイルは必要です。
僕自身、昔はコイルは要らないんじゃないかって思ってましたがある
例で使えば何てことなかったのに使えなくてとんでもない目にあった
ことがありそれから考えを変えました。

***************************************
**

○○です。

>業者とインターネットを用いた総合的物品管理システム”とはどんなものなので
しょう? そのさわりだけでもちょっと教えてください。

現在、本院では看護婦さんがマークシートで使用物品をコードし、医事がコードを元
に保険請求を入力する2度手間になっております。また、リアルタイムの物品使用状
況の把握ができず、新しい物品が出るたびにコードをつける必要があるなど不自由だ
と事務から指摘されております。昨年秋に現場での一回のバーコード入力で保険請求
までできるような院内システムを考えて欲しいと要望されました。(こんなことをし
ているのは私だけでしょうか?)本院では画像ネットワークで院内RANが組まれてお
り動画ネットも2月稼動予定ですので、現在考えているシステムはいわゆる従来のSPD
とは少し異なります。簡単に書くと大きな外部サーバーに使用物品を登録しておき、
バーコードから発注、在庫管理、保険請求を院内RANとインターネットを使って一挙
にやってしまうものです。業者さんには各物品の中間マージンをゼロにして使用する
サーバーの大きさに応じたサーバー使用代金だけを支払います。将来、メーカー直売
が可能になれば端末をメーカに置いてもらい病院から業者を介さずに直接取引も可能
です。サーバーに対するアクセス権やセキュリティーの問題など多くの問題がありま
すが、病院の承認を得られたので心臓カテーテル物品のみの小規模なシステムのテス
トを予定しております。

昨年、厚生省から数社の業者にカテーテル関連物品のSPD開発依頼がなされておりま
すが、統一バーコードの問題であまり進んでいないようです。

今のところまだ稼動していないのでまた進行状況など具体的に報告させていただきま
す。
みなさまのアドバイスよろしくお願いします。

***************************************
**

○○と申します。
Tra-net 初参加で、少々馬鹿げた意見かもしれませんが、よろしくご指導ください。
○○先生の症例の件ですが、私のレベルでは、CABGとすぐ判断してしまいました。長
期予後より、まずこの症例が満足いく手技で終わるかに
不安があるからです。
そもそも LMT がらみの PCI の適応が広まったのは stent の恩恵によるものと思い
ます。 ですからこの様な症例には、stenting 可能かどうかが、
少なくとも私のレベルでは大きなカギを握ります。
NIR stent で、LAD-LCX 90度。LCX への stent が NIR のストラッドに
ひっかり Y stent みたいになってはとんでもない罪悪ですし、、、、。
こんな症例、KBTの後、Radius ほうりこんで T-stent みたいなのなんてどうなんで
しょうか?
位置決め難しそうですが、少なくとも、脱落、Y stent は回避できそう。
(もちろん、KBT で仕上がりよければ必要ないのでしょうが)

失礼で、変な質問かもしれませんが、PCI と判断された先生方では stenting につい
ては如何考えておられるか知りたいと思っています。

***************************************
**

○○です。

まずKBTでステントは最初は考えないと思います。で、KBTやった後
どうしてもステントを入れなくてはならないとき、90°だったら何とかなる
と思います。例えばsupport wire、僕だったらGrandslamを必要なら2本
入れる、ステントはなるべく短いものを選んで通過性をよくする、など
です。当然back upがあった方がいいですからALを選択など です。
Radiusは 全然考えませんが うーん 使わないでしょうね。

ちょっと言い方はきついかもしれませんが、この症例で急性期を心配
するのであればCABGを選択した方がいいと思います。

これは、盲目的にPCIっていうことを勧めているわけではありません。
でもちゃんと考えてPCIでいけるって思うのは最低条件ですから。

***************************************
**

○○です。

ご挨拶が遅くなりまして申し訳ありません。
私は○○年に北海道大学を卒業後、<中略>
平成12年から○○病院で本格的に開始しました。

○○病院ではまがりなりにもTRA・TRIを行ってはいたのですが
○○では基本的に診断カテはTransbrachial、PCIはTFIであり、
最近はTRI を行う機会もほとんどなくなってしまいました。

これは、当院では研修病院として新人が診断カテを担当することと
PCIにおけるAMIの比率が高いことが関係してのことかと思いますが、
当然のごとくにTRIでComplexな病変に対してPCIを施行され、
熱心な議論をされているTRA-Netの過去ログを拝見させていただくと、
当院との意識の違いに驚くばかりです。

いろいろと勉強させていただきたいと思います。
よろしくおねがいします。

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**

○○です。

>失礼で、変な質問かもしれませんが、PCI と判断された先生方では stenting につ
いては如何考えておられるか知りたいと思っています。
ニアステントのステントストラットを広げたときに最大径2.0mmがうまい具合にCx
入口部にぴったり合えばストラット越しのstentingもストレスなくできそうですが
KBTだけで済まそうと考えるほうが普通じゃないでしょうか。逆に、ひどい冠乖離や
冠閉塞でステントが必要になる可能性があるとき(キツイ石灰化や屈曲病変が近傍に
あるなど)はCABGでもよいと思います。
どうしてもステントが必要なときは○○先生の方法がBESTだと思います。ただ、Cx入
口部のニアステントのストラットを切ってしまうことはやめたほうがよいと思いま
す。以前に無理やりストラットを切ったところステントが変形するだけでなく切れた
ステントが内側に向いてしまい、バルーンラプチャーを繰り返しているうちに
LMT-LADに乖離ができてしまい祈るような気持ちでコイルステントを追加して、また
KBTしてやっとCXにステントを入れたことがあります。

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○○です。
先月IVUSを31症例に使用しなんと7本が保険できられてしまいました。
その中にはPTCRAで使用したものや、Direct-stenting時に使用したものも含まれてい
ます。やはり九州では使用しない方がいいのかなあと思っています。
しかし当院の一昨年と昨年のfollow-up ができた症例の再狭窄率はIVUS使用群で18.2%
、IVUS未使用群で30.5%と有意差がでました。
POBAの比率やステントの種類などについての詳しい分析はまだですが、IVUS使用群で
明らかにステントサイズは大きかったです。ステント長には有意差はありませんでし
た。
この事を考えてもIVUSはPCIに欠かせないdeviceと考えます。切られる事覚悟でこれ
からも使用していくと思いますが、なにかいい知恵はありませんか?

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**

○○です。

>しかし当院の一昨年と昨年のfollow-up ができた症例の再狭窄率はIVUS使用群で
18.2%、IVUS未使用群で30.5%と有意差がでました。POBAの比率やステントの種類な
どについての詳しい分析はまだですが、IVUS使用群で明らかにステントサイズは大き
かったです。ステント長には有意差はありませんでした。この事を考えてもIVUSは
PCIに欠かせないdeviceと考えます。

○○県ではコメントを書けばIVUSが削られることはないのでずいぶん使いましたが、
造影像とIVUSをたくさんの症例で比べているとだんだんIVUSをみなくても「大体これ
くらいかな。」でステントサイズを決めてしまい。昨年、OPTICUS studyの結果が報
告されたころは非常にIVUSの使用率が減りました。(コメントを書く手間を減らした
いという甘えもあったと思います。)でも、そのころにPCIした患者さんの一人が年
末に早期再狭窄で再入院されIVUSをみたところ明らかに小さいサイズのステントを選
んでいたようで、そのことに反省し、またがんばってIVUSを使ってます。OPTICUS
studyのようにランダマイズすれば差が出ないのかもしれませんが、やはりステント
を留置するさいには患者さんのためにもできるだけ多くの情報を集める必要があると
思います。

>切られる事覚悟でこれからも使用していくと思いますが、なにかいい知恵はありま
せんか?

削られるたびに面会を求めるのはどうでしょう?もしかしたら、知り合いの先生かも
しれません。私の場合は勝手に事務が予約をとってきて、強制的になんども面会させ
られました。でも、それなりに効果はあるようで最近の循環器科の減点率は0.05%平
均です。保険委員会でも責められなくてうれしいことです。

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○○です。

最終的にどうしても切られるのなら訴訟しかないのではないのでしょうか。
と、最初から過激なことを書きましたが、かなり本音です。
九州地方の現象とかかれており、その状況はかなり把握していますが、○○でも
同様の現象はありました。僕が○○に来てしばらくの間、PCIが3倍ぐらいに
増えたこともあり非常によく減点され、○○先生と同じようにdirect stentでステ
ント1本、IVUS1本でIVUSが切られたりしていました。その後自分がこれまでして
きたIVUS関係の仕事の内容を書いたコピーをIVUS使用症例のすべてに添付し、
PCI前後やCAGの画像をすべて添付するようにして半年ほどで審査の先生から“先
生のところのIVUSは基本的に認めます”との回答を得ました。
だから、僕が○○先生の立場だったら、○○先生の自施設のデータ、これまでの
CRUISEなどのデータ、症例の画像を添付して再審査に持っていって抗議して、そ
れでもダメだったら裁判をすると脅しをかける(?)と思います。
なぜならIVUSの使用は国が認めているわけでそれを認めないということは潜在的
な不利益を患者さんに与えているわけです。不当な不利益を患者さんに与えるこ
とを保険審査側が一方的にしているならそれは裁判して負けるはずがないと思い
ます。
ただし、ただし、これは鎌倉の斉藤滋先生との話でも出たのですが、何でもかん
でもIVUS、IVUSというのはおかしいのではないか、と言われるのは当然ですし、
IVUSを使用して総コストがバランスを崩して上がるのは到底容認できない話だと
思います。だから、IVUSを使う僕らは IVUSを使ってコストを減らすとか同程度
のコストでよりよい成績を出すってことを常に考えなくてはならないと思います。

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○○です。

○○先生は写真の添付や何もかもの手段を使って
の努力を当初からされています。こんなことまでするんだ!位に。
九州の先生方は良く御承知と思います。
(訴訟とさすがに面会はまだしていない様ですが...)

内情を御存知の方はお分かりだろうと思いますが
単にIVUSの問題じゃないのです。昔は、ターゲットはQ市のNew-K病院(当時はK病院)
でした。ねえ○○さん

ということで、以前米国の医療経済学者さんをお呼びした時に
言っておられましたが、厚生省や保険機構は明確な判断基準など
実は何もなしにやってきたとのことです。
また同時にこれから根拠を持って医療の改革をするならば
厚生省はいままでの自分のしてきたことを悉く否定しなければならない
のです。よって彼は日本の医療改革は出来っこない、と言ってました。
山一証券のようにある日、突然その日は訪れるだろう、と言ってました。
となると今までの山の様な前例より、医療界にも外圧が来ますかね?

そういうことで、○○先生、敢てこう考えては如何でしょうか?

先生はPCIの腕は抜群です。Majorでも15勝出来ます。
患者さんにも看護婦さんにも受けがいい、優しい先生です。
Majorでも確実に40セーブいきます。
だから病院からの評価も高い!(当たり前!!)
自分は一応、目は肥えていると思ってますが、
先生のPCIを見てマジで感動したのを覚えています。

今、レセプト削られてちょっと損してるのは病院です。先生じゃない。
風は逆風ですが、先生に吹いている訳じゃない。
Major級のプレーヤーが球団経営で悩むなんて、おてんと様に
申し訳ないじゃないですか?
きっと神様は味方についていますから、ガンガンやりましょう!
(でも死なないでね。”お土産は笑顔でいいのおとうさん”ですから)
それで、お金云々は事務方に作戦を練ってもらって...例えば.....

因に僕達福岡ダイエーホークスファンは最近経営状態には耳をつむる
様にしております。

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==============  第29集 =================


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○○です。 
症例は72歳男性、高血圧、高脂血症、糖尿病、昨年9月に低左心機能精査(NYHA II
度)にて入院され心カテ所見はEF=38%、#6just 75%、#7 D1distal 100%(CTO
閉塞期間不明、石灰化著明、small RCAよりgood colltaral、閉塞長5mm)、
dominant CX 90%(15mm、偏心性、潰瘍病変)、RCA small normalでした。
この時点では患者がCABGもPTCAも拒否され、内服加療で外来通院となりました。今年
になり狭心症が出現し(CCS 3度)、昨日の心カテでEF32%#6just 99%と進行し
ておりその他は前回同様でした。今回は症状が強いらしくCABGでもPTCAでもうけるか
ら直してくれと希望されています。入院後は軽労作で発作は起こっていませんが、私
は転院による早めのCABGを主治医に勧めました。しかし、主治医は<中略>
「#6just 99%だけをPCIしてほしい、CXとLADのCTO distalは4月以降に本院でCABGをしても
らう。」と主張していま
す。来週の心臓血管外科との合同カンファレンスがあります。
みなさんどうされますか?
LAD distal Total  LAD take off に99%の狭窄
CX#13に偏心性の潰瘍病変(90%) 右冠動脈からLADへcollateral血行
左室駆出率は32%


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○○です。
トップバッターで、蜂の巣覚悟で私見を。

糖尿病・三枝相当。心機能低下:手術リスクがよっぽど高くない限り手術適応であること
は問題ないと思います(でもPCIしてみますか?)。手術の目的は、症状改善より予
後改善です。ですから、完全血行再建を目指します(LITA-D1, RITA-LAD, RA-OM-PLの
出来る施設で)。ただ、前回手術・PCIとも拒否されており、症状が消えてしまえば4
月の手術は拒否される可能性もあると思います。LADのみにPTCAを行った場合、再狭
窄がなかったらそのまま薬物治療になりかねないのではないでしょうか。また、PCI
もLMTをいじるので危険です、といって、PCIはしません。また、CABGとしては非常
にリスクの高いものになるでしょう、立ち上げ時期にハイリスク症例をして、死亡したら・・
・・。と上司を脅して、他院でCABGを今うけてもらう事にする作戦で行くと思います。

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○○です。
○○先生ご意見ありがとうございました。

>前回手術・PCIとも拒否されており、症状が消えてしまえば4月の手術は拒否される
可能性もあると思います。LADのみにPTCAを行った場合、再狭窄がなかったらそのま
ま薬物治療になりかねないのではないでしょうか。

このことは考えていませんでした。たしかに経過から考えても可能性が高いと思われ
ます。
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○○です。

「業者とインターネットを用いた総合的物品管理システム」は僕にとって興味深い話
題でした。「面会」の話も目から鱗でした。今後もいろいろと教えてください。

今回もまたexcitingな症例呈示ですね。ROM化してしまう前に、私もお返事メー
ルを送ります。この症例は、LAD justの病変が増悪して症状がでていますので、一期
的にバイパスをする場合#7のCTOより近位の領域(D1か#7?)に最低1本つないでも
らうのですよね。右がsmallなのでLAD#8にも必要でしょう。LCXの病変の部位が記載
されていませんが、ここにも1〜2本必要でしょう。risk factorから予想するにrun
offもあまり良くないとなれば、この方には両側ITAプラスアルファの動脈グラフトを
つなぐ必要がありそうです。しかも低左心機能。

このバイパスが特別難しいとは言いませんが、開始早々の施設でやってもらう事
は、ためらわれます。外科の先生が経験豊富であったとしても院内のスタッフは不慣
れなはずです。やはり自分のところの外科をうまく立ち上げたいと考えるのであれば、
初期は症例数にこだわらず、合併症の起きにくい症例を選んで、送ってあげるのが良
いのではないでしょうか。

さて、いくつか知りたいことがあります。この症例に対してもLMTを含
むstentingと言う方法を選ばれる先生の意見が出てくると思います。LMTと両justの
血管の状態・サイズ、LCXの病変の位置、各末梢の状態を教えていただけませんか?
今回、PCIをするのであ
れば、バイパスの適応が無くなるくらいに完璧にやってあげたいのですが、いかがで
しょう。

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○○です。
私の治療方針は転院してCABGですが、もしPCIをどうしても施行する状況であれば?
でストラテジーをかんがえてみました。

まず、IABPとPacingカテーテルを挿入します。対側造影用カテーテルを挿入して、FA
より8FガイディングカテーテルJL short-tipで左冠動脈を選択します。インターメ
ディエートガイドワイヤーでD1を選択して径3.5mmのバルーンで#6を拡張します。CX
に少し飛び出してもよいぐらいの気持ちで径3.5mmの短いチューブステントを#6に留
置します。インターパスを挿入してインターメディエートワイヤーを用いて対側造影
をしながら#7CTOを探ります。静止画ではわかりにくいですがチャンネルが開いてい
る可能性もあり(コラテラール血流が行ったり来たりする。antegrade血流もじっと
見ていると細かい血管が末梢まで終えて閉塞しているのは1cm以下に見えるなど。
あとはカンです。)ワイヤーをうまくクロスします。もちろんクロスできなければ終
了ですが…、とりあえずクロスできたとして1.5mmのバルーンで拡張した後、CTO部の
血管径と#6のステントサイズが正しいかどうか確かめるためにIVUSをします。恐ら
くLADの長さからCTO部の径は3.0mmぐらいはありそうですが、末梢がやせているの
で2.5mmのバルーンでCTOを拡張します。石灰化があるのでうまく行っても14mm以上
の乖離が生じて、リコイル、石灰化、末梢とのミスマッチなんかが頭にあるのでラ
ディウスステントを乖離のdistalに留置します。これでひどい乖離が残らなければよ
いのですが、あとひとつぐらい3.0mmのステントが必要になると思います。LADの処
理がおわり、CXにワイヤーをむけてワイヤーをクロスします。ややこしそうな病変な
ので分岐部に少し飛び出すぐらいの気持ちで(何も起こらないでくれと祈りながら)
3.5mmのチューブステントをdirectに留置します。IVUSをみてステントサイズが足
らない時は3.5mmのバルーンで高圧拡張します。(最初からアンダーサイズの気がし
ているのですが、IABPが入っていてもno-reflowが起こるといやなのでどうしても優
しく広げてあとから帳尻を合わしてしまいがちです。)手技時間2時間で終了です。
感想は「CTOもうまく行ったし、再狭窄はあるけど当面はCABGはしなくてよいな。
じゃあ○○君、IABP抜いておいてね。」本当にこれでよいのでしょうかね?

使用物品
IABP
Pacingカテーテルとシース
診断カテーテルとシース
ガイディングカテーテルとシース
ガイドワイヤー 1本
インターパス
バルーンカテーテル 3本(1.5、2.5、3.5)
ステント 4本(3.5、ラディウス、3.0、3.5)
IVUS 1本
造影剤 400ml

***************************************


○○です。

> 使用物品
> IABP
> Pacingカテーテルとシース
> 診断カテーテルとシース
> ガイディングカテーテルとシース
> ガイドワイヤー 1本
> インターパス
> バルーンカテーテル 3本(1.5、2.5、3.5)
> ステント 4本(3.5、ラディウス、3.0、3.5)
> IVUS 1本
> 造影剤 400ml
>

ストラテジーの善し悪しは別として、以上のレセプトを○○県で書けば、
バルーンとステント合わせて7本のうち4本、
IVUS1本、
造影剤150ml分、

以上は切られる覚悟でしなければなりません。
勇気いるなあ〜〜〜〜。

***************************************


○○です。

○○先生の症例を見せていただきました。まず、こんなことを言うのは正論すぎる?
と言われるかもしれませんが、自分のところの心臓外科の予定うんぬんで適応を
決めるのは話にならないのではないでしょうか。その時期にこの症例があってど
うするっていう話ならまだしもこれを待たせてって、ちゃんと説明したとしても治療の方針上どう
も患者さんの
ことを考えているとは言い難いと思うのですが。

で、この症例をどうするか、これも僕の施設ならPCI CABGどちらもありと思いま
す。CABGだったらoff pumpでD1 distal LADに1本ずつ、LCXは大きなPLに1本か2
本、できれば4PDにも 動脈グラフトでつないでもらうという条件です。
PCIなら、LAD ostiumはDCAをして mid LADのCTOは当然あけて、mid LCXは4.0mm
のステントを入れて、残存心筋から考えてRCAもするかもしれません。RAOviewで
mid RCAのRVbrのdistalが高度狭窄に見えますので。ここが大丈夫ならRCAはしま
せん。というわけでPCIだと初期治療に2回(stage 1でLCXはulcerがあってすでに
ruptureしたplaqueでしょうから今のdistal emboliのriskは低いと考えdirect
stentして、ついでLAD ostiumをします。Stage 2でLAD CTO)、再狭窄が2 or 3回
で最後に卒業のCAG、全部で4-5回の入院が必要になると説明します。そうなると
現実的にはかなりCABGが嫌って言う人でない限りCABGが1st choiceになるでしょ
うね。僕自身が患者さんだったら上の条件に合うCABGだったらCABGを選ぶと思い
ます。

使用物品を○○先生に倣って、僕の場合も書きます。
ただし、#7が本物のCTOとして、です。

Stage 1
IVUS x1, stent x1, DCA x1
wire x3
micro catheter x1
造影剤 請求は250ml、実際は300ml

Stage 2
balloon x2, stent x1
wire x3
contrast 請求は250ml、実際は400ml

うちでは同じ人のstaged PCIの場合にはinformed concentを取って、その人の
stage 1での物品をガス滅菌して使用しています。だから stage 1のIVUS, wire,
stent balloonはstage 2に使用可能です。
後たぶんstage 1にstage 2で使うことを考えstiff wireを1本使います。

○○先生、これだったらほとんど減点されずにできますよ。同一月にLCX+LADと
LADは通りますし、同一月にしてあげれば高額医療の支払いも1ヵ月分で済んで患
者さんの負担も減ります。

***************************************


○○です。
○○先生ご意見ありがとうございました。

先生のご指摘どおりこの症例のLADostiumだけをPCIするのはどんな状況であれひどい
話です。

○○に変わってからとくに経験することが多いのですが、家族と本人に色々
risk/benefit/costを説明して「どの治療法を選ばれますか?」と尋ねると「先生に
お任せします。」と答えられ、良く理解できていないのかと思いもう一度説明すると
「わかりました。先生にお任せします。」と答えられ、また説明して…。延々1時間
ぐらいかかって結局私が良いと思う治療を薦めることになることが多々あります。
○○(都会)と○○(田舎)で患者や家族の違いがあるとは思いますが、殆どの患者さ
んがPCIかCABGかを選ばれるのでしょうか?コツがあれば教えてください。

PCIのストラテジーでこの症例ではCTOはうまく行きそうだから(CTOにある程度自信
が無ければPCIを施行しないでしょうが)二回目に残しておくのも可能だろう、ま
た、一回目にLADをDCAするならCXを先に処理しておきたいということですか。

***************************************


○○です。

同様のことは僕のところでも同じです。最後には先生
に任せます、と言う場合は結構ありますね。結局僕の意見がそのまま採用される
場合も多いですし、それはそれで専門知識のない人が専門知識のある人に選択を
お願いするのは仕方ない、と思ってもっともいい選択を勧めています。
これははじめて行った高級レストランででよく分からないときにシェフにお任せ
を選ぶのと本質は同じのような気がします。いろいろ素材や料理法をずらずら言
われても素人には分からないので結局“今日のお勧めメニュー”にしてしまう、
またそれが一番いい、ということです。だから割り切って自信を持ったお奨めメ
ニューを言うようにしています。

> PCIのストラテジーでこの症例ではCTOはうまく行きそうだから(CTOにある程度自信
> が無ければPCIを施行しないでしょうが)二回目に残しておくのも可能だろう、ま
> た、一回目にLADをDCAするならCXを先に処理しておきたいということですか。
あの症例でmid LADが本物のCTOならLAD自体がdiffuse narrowですし、あの静止
画からは#8にもう1ヶ所99delayかもしかしたらtotalがあるように思えます。そ
のような時間・デバイスが必要となるCTOはゆっくり集中してちゃんと通して拡
張したいと思います。さらにCTOをしているときに例えばLAD ostiumやLCXで虚血
が起こったりすると非常に手技が困難になります。
ただし、この症例での問題点はLCXの拡張時にslow flowを起こすかどうか、です。
もしLCXでtroubleになればcriticalです(その意味でもCABG recommendですが)。
LCXのことを考慮すれば少しでも他のvesselがopenした状態でLCXを治療したい、
と考えてLADを先にする、という方法もありかと思いますが、その場合だったら
LAD ostiumはCuttingをしてそのままLAD CTOをして、stage2でLCXのdirect
stentをしてからLAD ostiumをDCAすると思います。でも、静止画・臨床症状から
は多分LCXはdistal emboliしないと考えています(LCXの形態は以前から変化して
いないんですよね、○○先生)。

***************************************


○○です。
○○先生ありがとうございました。

>これははじめて行った高級レストランででよく分からないときにシェフにお任せを
選ぶのと本質は同じのような気がします。いろいろ素材や料理法をずらずら言われて
も素人には分からないので結局“今日のお勧めメニュー”にしてしまう、またそれが
一番いい、ということです。だから割り切って自信を持ったお奨めメニューを言うよ
うにしています。

これは良いたとえですね。知識の無い人はおすすめメニューを選び知識のある人は選
択をする。なるほど。また、シェフである我々は最高のメニューを提供する努力を日
頃からしていなくてはならない、じゃないと信用をうしなうだけでなく多くのひとに
不利益を与えることになりますということですね。

>この症例での問題点はLCXの拡張時にslow flowを起こすかどうか、です。もしLCX
でtroubleになればcriticalです(その意味でもCABG recommendですが)。LCXのことを
考慮すれば少しでも他のvesselがopenした状態でLCXを治療したい、と考えてLADを先
にする、という方法もありかと思いますが、その場合だったらLAD ostiumはCutting
をしてそのままLAD CTOをして、stage2でLCXのdirectstentをしてからLAD ostiumを
DCAすると思います。

「はっきり見えているわけではないがチャンネルが開いてそう」と書きましたが、こ
のCTO(敢えて言うなら)病変のワイヤークロスはあまり問題視していません。た
だ、私だけシネをみているのでずるいのですがCTOを含めて直前直後の石灰化がつよ
くかなり高度の動脈硬化が認められます。ワイヤーよりもむしろバルーンを通過させ
るのに苦労しそうな感じがあり、ガイディングカテーテルをLADに押し込む必要があ
ると考えました(太いshort LMTなのでCXの血流にはあまり影響が無いと考えていま
す)。その状況ではバルーンやカッティングでは心もとないのでステント留置という
方法を選択しました。ただ、私のストラテジーは○○先生が指摘されたように
critical CXを治療する前にLADを処理することに基づいた方法でステントが
LAD-ostiumに入ります。最初に仮定した現在も将来にわたってもCABGをしないという
セッティングではLAD-ostiumにはDCA aloneを考えるべきですね。

>静止画・臨床症状からは多分LCXはdistal emboliしないと考えています(LCXの形態
は以前から変化していないんですよね、○○先生)。

CXの形態は以前とおなじです。ラプチャ−したあとみたいな病変です。そうすると
distal emboliの可能性は低いですね。いずれにせよ、多くの人がdirect-stentを選
択されると思うのですがサイズの選択になります。前後の径を考えるとやっぱり4.0
mmほしいですかね。私の場合は3.5プラスアルファみたいなストラテジーになって
いました。この症例の状況でLADを処理した後でも治療前にCXにIVUSをすることを私
は避けたいので最初のサイズはangioによる判断になります。CX正常部は4.0mm以上
ありそうで分岐した血管も大きいのですが、病変部MLDの近位部からマイルドな病変
が始まっています。私の場合に術前IVUSがなく病変すべてをフルカバーせずエッジが病
変にあるcaseでは、最初からは4.0mmを使わず3.5mm−IVUS−高圧orサイズupにし
ています。

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○○です。

静止画を見せていただいて感じたことは、思ったより左室機能が悪そうです。
LVEF32%だからそんなものかもしれませんが、RAO Seg1もsevere reduced以下のよう
にみえます。OMIの責任病変は実はLAD justだったのではないでしょうか。それもLAD
は心尖部を大きく越えたでかいやつだったようですね。また、○○先生の言われるよ
うに確かにLAD#8へのcollateralは短すぎる様です。

LAD justもLCXもPCIに際し10数秒で心停止状態に陥りそうです。しかもどちらも
古くて、硬くて、多量のアテローマを飛ばしそうです。どちらもslow flowになった
らrecovery出来なさそうです。

○○先生、こんな症例でもやはり、術前IVUSを施行されるのでしょうね。先生の
ことだから答えはおそらく「こんな症例だからこそしっかり評価しなくてはならない
。」と言われるでしょう。いかがですか。予想できる所見とstrategyのoptionを教え
てください。

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○○です。
○○先生のご疑問はもっともです。症例提示した責任上すこし補足します。ご参考に
してください。

Seg 1はasynchronyがありシネではearly diastoleに少し収縮します。私はLAD
ostiumの虚血によるasynchornyと考えています。

シネで長く撮影するとcollateral flowは言ったり来たりしながら静止画よりも近位
部まで追うことができます。また、antegrade flowも長く撮影すると静止画よりも末
梢まで追うことができます。2つがつながる訳ではないのですが、デジタルアンギオ
には分解能に限界があるのでチャンネルが開いていてもすべてdetectできないだけか
もしれません。

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○○です。
IVUSは当然、こんな症例だからこそ、します。LADは虚血になったとしてもすぐ
には落ち込まないと思います。LCXはIVUSでwedgeして血行動態が持たないのであ
れば病変近傍だけ見るか、それも無理ならmanual pullbackでさっと見ます。と
にかく何ミリのステントを入れれるかを見るのが一番ですから。

> LAD justもLCXもPCIに際し10数秒で心停止状態に陥りそうです。しかもどちら
> も古くて、硬くて、多量のアテローマを飛ばしそうです。どちらもslow flow
> になったらrecovery出来なさそうです
...
> 予想できる所見とstrategyのoptionを教えてください。
LAD ostiumはしばらくflowなくしても血行動態は保たれると思います。先にも書
きましたがLCXはdistal emboliはしないと思います。
IVUSの所見の予想としてはLADはrapid progressならsoft plaque主体でかなり血
管径は大きく4mm以上あるのではないかと考えます。もしかしたらACS plaqueが
見えるかもしれません。LCXのIVUS imageは、ここも血管径は大きく4mm程度、そ
こにeccentric plaque with ulcerationだと思います。
LADはもしかしたらemboli riskがあるかもしれませんが、多分diffuse plaqueな
のでriskはあまりないように思います。さらにLADは何か起こしても大丈夫だと
思います。LCXはcriticalですけど。

> いずれにせよ、多くの人がdirect-stentを選択されると思うのですがサイズの
> 選択になります。前後の径を考えるとやっぱり4.0mmほしいですかね。私の
> 場合は3.5プラスアルファみたいなストラテジーになっていました。この症例
> の状況でLADを処理した後でも治療前にCXにIVUSをすることを私は避けたいの
> で最初のサイズはangioによる判断になります
僕はIVUSを行ってまず4mmを選択すると思います。で、IVUSを使うことの
advantageは同じコストでよりよい結果をだす、ということだと僕は考えていま
すのでIVUSを使う限りはjust sizeのIVUSを最初から使う、当然safetyには注意
しなくてはなりませんが、ことを念頭においています。

***************************************


○○です。
○○先生のぼやきは、僕らみんなの悩みだと思います。自分なりに感じたことを書いて
みました。ちょっと話の筋が違うところもありますがご勘弁ください。

こういった場合、患者さんや家族がよく理解できないというのは、専門知識がな
いというのももちろんですが、私たちが具体的に説明していないからではないでしょ
うか。たとえばPTCAのriskについて、「この前の人は、カテ台の上で、うんうんうなっ
て、血圧は下がるし、不整脈はでるし、そのまま亡くなるかと思って冷や汗ものでし
たよ。うちは経験豊富ですので、何とかしのぎましたけどね。でも、それでなくなる
方が5年に1人くらいいらっしゃるのですよ。」とこうやると、聞いている人の頭が急
に働き始めます。(因みに、私は、そんなわかりやすすぎる説明はしたことがないで
す。)私たちは、本人の不安感をあおるような説明を、良しとしません。それが結果
的に本当は患者さんが一番聞きたいこと(一番やばいときの話)をオブラートに包ん
だようなわざとわかりにくい表現でお茶を濁しているような気がします。

一般に患者さんは、カテをうけること自体相当怖いもので、カテ台に上った時点
ですでに、自分の命を主治医に任せてしまっている気持ちの人が多いようです。怖い
から検査したくないなどとは主張せず、黙って受け入れた。すでにこの時点で、主治
医の言うとおり何でも有りの状態です。僕たちの感覚では、診断カテは、胃カメラよ
り楽だから簡単に勧めてしまっています。riskyな病変を前にして真顔になる私たち
とは、ちょっとしたずれがあるように思います。

患者さんが、本音を言わないときは、第一に目の前の主治医の本音をはかりかね
ているからではないでしょうか。どう答えれば、主治医が納得してくれるかと考えて
いる人も多い(特に田舎では)ようです。私たちが、本気で、「for the patient」
と考えていることを、患者さんに伝えるためには努力がいるようです。

***************************************


○○です。

普通に考えれば、私もCABGに送ると思います。LCx/RCAはもちろんですが、万一吻合
部狭窄があったときのPCIしやすさを考えると、LITA-LAD, RITA-D1の方がいいと思い
ます。あと、術中の経食でMRがそれなりにあるなら、off-pumpにこだわらず、MVPを
追加したほうがよいかと思います。

さて、いろんな事情で、PCIするとなるとですが、LAD7のCTO開けには、同時造影が必
須と思いますが、IABP入れていても、心臓が同時造影下の、それなりの時間のかかる
手技に耐えられるでしょうか?やってるうちに、ST下がって、胸痛でて、といった事
態が心配です。
でも、いきなりLCx攻めるのは、ちょっとリスク高すぎるかと思います。

自分としては、IABP入れておいて、TRI で、まずLAD6にCB→ステント、次にLCxにス
テント、これで第1回目のPCIはおしまい。
ここまでやっておけば、同時造影しようが、何しようが、大丈夫ですから、次に落ち
着いてLAD7のCTOあけ、としたいと考えます。

***************************************


○○です。
○○先生ありがとうございました。

>LAD7のCTO開けには、同時造影が必須と思いますが、IABP入れていても、心臓が同
時造影下の、それなりの時間のかかる手技に耐えられるでしょうか?やってるうち
に、ST下がって、胸痛でて、といった事態が心配です。

リファレンスのために数ショットですが同時造影が必要ですのでご指摘のリスクは考
える必要があると思います。私の場合、CTOのワイヤークロス、バルーン、ステント
では同時造影をすることは避けています。また、先にLADostiumを処理してIABPとカ
テコラミンでドライビングプレッシャーを保っていれば虚血のリスクは低いと考えて
います(絶対生じない保証はありませんが)。

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○○です。

○○先生の症例についてですが、先にもありましたが
確かに自院の心外に合わせて手術を待機するという
考え方は絶対にいけないと思います。

自分も以前勤務していた病院で心外の立ち上げの際
苦労したことがあります。心外は基本的には
不採算分野で、最初は特に、症例数のプールがないと
不安な気持ちになりますので、支える内科として
その先生の思いも分からないことはないですけど、
やっぱり患者さんに見透かされます。

あの時は心外の患者様が立て続けにお亡くなりになり
内科としてもかなり大変でした。そんな時外科の先生は
絶対に自分が悪いとは思いませんから、
その精神には感心すると伴にやりくりに困りました。
(片田舎でしたから他に送るべくもなく、堂々と3本静脈、なんて
こともありました)

PCIをする場合の戦略は、私も他の先生のお考え
と同じですが、○○先生、○○先生がどうお考えか
興味があります。

また、○○先生のところでのバルーン保存(再生)について
非常に興味があります。具体的な方法を教えていただければ
お願いします。先生はあらゆる分野でユニークな発想をしておられますが
いつ考えるんですか?とても感心していつもメールを読んでいます。

今春4月から○○県の病院で勤務することになります。
今は家探しをしています。

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○○です。

○○先生、お返事ありがとうございました。
私が、CTOは別にやりたい、と申し上げたのには、もう一つ理由があります。
同時造影下のCTOあけに成功するには、血行動態的に、また、術者の精神的に、
やはり、ゆっくり、まったりとしたワイヤ操作ができる環境が大切ではないでしょう
か。
IABP入っていて、LCxが残っている状況というのは、
チョット、ワイヤ操作を荒くしてしまうような、状況に思えました。

ところで、皆さん、加藤先生が提唱されているパラレルワイヤいかがですか?
ワタシ的には、同時造影、side branch technique以来の、驚異の新手だと思いま
す。
特に、LCxやRCAのCTOには、絶大な威力を発揮するような印象があります。
つい、最近も、Miracle 6ないし12とのパラレルで、今までの自分なら通せなかった
であろうCTOに、
2例連続して、コンケストを通すことができました。

ミラクル3ではじめて、時間をきめてそれなりに粘った後は、すぐ6か12にアップ
し、偽腔でもいいから少しワイヤをすすめ、
その位置を参考にして、コンケストをパラレルにして真腔を狙う、というのが今のや
りかたなのでしょうか?

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○○です。

僕も同感です。この話題の中でも書きましたが本物のCTOは別にやるべきだと思っ
ています。何例か造影してついwireを進めた例がありますがほとんど全てうまく
いってません。僕はこのような手技を“思いつきCTO”と呼んで厳に慎むように
しています。それでもつい通るかな?って思ってやりたくなる事があります。そ
の時も少しして止めれたらいいんですが、どうしても一度はじめると止め時が...
これは僕自身の要素も多いかもしれませんが。

> ところで、皆さん、加藤先生が提唱されているパラレルワイヤいかがですか?
> ワタシ的には、同時造影、side branch technique以来の、驚異の新手だと思
> います。

僕も非常にいいと思います。成功率も上がりましたし、手技時間も短くなったと
思います。これもConquestのお陰かもしれません。

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○○です。

>僕も非常にいいと思います。成功率も上がりましたし、手技時間も短くなったと
思います。これもConquestのお陰かもしれません。

あたりまえのようなコメントで申し訳ありませんが、一言。
Conquestというワイヤも、トルクコントロールと穿通力を両立させた名品だと思いま
すが、
それ以上に、この諸刃の剣のようなワイヤの長所をいかんなく発揮させる、
パラレルワイヤという手法、いわばソフトウエアに、いたく感動した次第です。
今のCTOあけで一番大切なのは、血管がどのように走っているか、trueはどこにある
かについての、
アンジオの読みとイマジネーションですね。
これまでは、単にアンギオ所見だけが頼りでしたが、これからは、偽腔に入ってし
まった
1本目のワイヤが参考になりますから、情報量がはるかにアップしています。

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○○です。
○○先生ご意見ありがとうございました。


たしかに術者にとって良い環境とはいえず、先生のご指摘ももっともなことだと思い
ます。本症例についていえばCXは失敗するとクリティカルで皆さんのご指摘のごとく
心機能や患者の背景因子からもCABG>PCIだと思います。診断カテーテルの終了時に
LAD−CTOが複雑に見えるので、習性的に最も複雑な病変のPCIを考えます。angioを良
く見た上で「LAD-CTOはインターメディエートワイヤーで意外と簡単に通過できそう
だがバルーンカテーテルを進めるのが厄介そう、でも十分なバックアップがあればい
けるかな…」PCIするならと仮定しているわけですが、#6のついでにCTOをするので
はなくCXのPCIでトラブルを起こしたとしても最悪の事態を避けるために、可能なら
先にCTOを開いておくことをめざすわけです。勿論、LMTがもっと細いあるいは長い場
合やCTOがもっとややこしいと読んだ症例では○○先生や○○先生のおっしゃるとお
りだと思いますし、本症例もいつでも方針を変更できる柔軟さが必要だと思います。
もちろん多くの術者の先生が#6つぎにCTOorCXと一度は考えられているでしょうから
方針変更の下地は十分できているとおもいます。

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○○です。

先日提示させていただいた症例は転院CABGの治療方針になりました。
皆さんいろいろなご意見ありがとうございました。
○○先生、このようなNETに参加させていただきありがとうございます。

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○○です。

ところで、今日の話題は、5FrTRI における、ダミーワイヤ・テクニック。
2日続けて使用しました。

月曜の33歳(!)、inf AMI。腕頭動脈が、この若さで屈曲しており、JR4 (JJ)は、
どんなことしてもconusにしか入りません。
引けば、ばーんとはねてしまいます。conusにBMWをダミーワイヤとして入れ、押し付
けてカテを浮かし、
RCA本幹を2本目のBMWで選択、PCIしました。なお、S670 4.0-30は、JR4を問題なく通
過しました。

火曜の81歳 u-APのおばあさん。LCx13 90%。EBU3.5 (Medtronic) はLADしか向いてく
れず、septalに BMWをダミーワイヤとして入れて、押し付けてカテを浮かした後、
ATWで、おもむろにLCxを選択しました。

吉町先生のホームページ(http://www.cardiologist.jp/ptca5fr/)に詳述されてお
りますが、このテクニックは、6Fr TRI 以上に、カテが自然におくにドンドン入って
しまい、トルクコントロールが困難で、操作も難しい5Fr TRI では、小技というよ
り、基本手技の一つであるような気がしました。

○○先生、5Fr TRI のダミーワイヤなんて、きっと査定されてしまうんでしょうね。
TRI の上に、カテが細いから、余分なワイヤがいるんだって!

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○○です;

最近、症例検討のテンポが速くてなかなか読み切れないうちに次の症例検討がはじまっ
てしまい追いつけないでおりました。しかし、先生方の熱心さには頭が下がります。
関門海峡を渡っただけでIVUSその他のデバイスの問題がこれほど異なるとは驚きます。
各県でレセプトにおけるバルーンの本数や各デバイス使用の認識のされ方がこれほど
異なるのは大きな問題だと思いませんか? やはり「学会」主導でこの問題は解決さ
れるべきとは思いませんか? と、考えましたが「学会」は分裂してしまいました。
今後、診療報酬体系が変化していきますが「学会」の主張はどの程度取り入れられる
のでしょうかと考えてしまう今日この頃です。
以前、スパスムの誘発(Ach)時に使うペーシングリードを再生使用してなおかつ請求
していたという記事が新聞に出たことがあります。PCIにおいてもガイドカテ、ワイ
ヤー、(バルーン)は再生可能なわけですが、みなさんはどの程度再生使用している
でしょうか? 当院ではガイドワイヤーだけは再生しています。
再生使用には常に感染....という問題がつきまとうのですがいかがなものでしょうか。

PS ダミーワイヤ(ダブルワイヤ)はガイドをstabilizeするのには本当にいいです
ね。よく使用しています。

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○○です。

大変ですね、○○県でよかったです。あと、最近Kissingをする機会が増えており
ホームページの内容は大変参考になりました。ホーネットのサンプル2本があったの
でズーマ2で試してみましたがうまく行きました。マック1は今度サンプルで持って
きてもらえるみたいなのですが、JL、JR、ALのラインナップしかないとおっしゃって
いました。物品の再生は以前に事務に相談したときには公立病院なのでやめてくれと
拒否されました。○○先生のダミーワイヤーは非常に参考になりました。機会があれ
ば試してみたいです。

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○○です。
 かけ出しの身で、すっかりROMしておりました。TRA netの諸先生がたのご意見をあ
りがたく勉強させていただいております。
 ○○先生のメイルを今日のPCI中に上司にこそっとチクッテしまいました。やっぱ
り、「アホくさ」ですよねって。
 今日の私の症例はRCA seg1 S670 3.0のlong stent内狭窄例でしてTRIで右肩あがり
ということもあって、IVUS後の3.5mm Cutting Balloonが通らず、2.5mm Intruder?
でpre dilatationしてpassしました。 
 北陸では、諸先輩がたのおか
げで理不尽な攻撃から比較的protectされているために、TRA netの先生がたのご苦労
など知らずにノウノウとしてました。以外に田舎も恵まれているようです。今日の私
の症例なんか、九州では「原っぱに引きずり出され…銃殺」だったのかもしれません。
6Fでバックアップが乏しいっていうのは…殿ご乱心?
Scientificに根拠を示して頂きたいですね!

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○○です。

ちょっと、一週間ほど病院をあけていましたら、もの凄い数と内容の濃いメールの山
が有り、驚きました。やっと、読み終えました。

○○先生に質問ですが、「ダミーワイヤーテクニック」というのは正式名称なのでしょ
うか?よく解らないので教えてください。
(かっこいい呼び名なので今度から使わせていただきたいと思います)
5FrGCをよく使うようになって、このテクニックを頻用しています。
○○では査定されないのでしょうが、何となく患者さんに申し訳ないような気がして
ワイヤーは再生品が多いです。
○○病院修業時代には「もったいないオバケ」がよく出たので、それが染みつい
ているのでしょうか...。

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経験不足のため、教えていただきたいのですが
1.最近のcutting balloonが適していると考えられる病変。
2.IVUSを使用するうえでの目安。(適応)
について、各先生方の考えを教えて下さい。

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○○です。

○○先生のメールにもありましたが、ダミーワイヤーテクニックの名称についてです
が、これは、京都桂病院 加藤先生のparallel wire techniqueと同義語ととらえて
よいのでしょうか。

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○○です。

ダミーワイヤーという言葉は、齋藤滋先生の新しいTRI2002xpのp.99に、「ダミーワ
イヤーと称する」と記載されています。
(学術として論文や発表にダミーワイヤーという言葉で発表しても問題ないと捕らえ
て良いのでしょうか?)

CTOを通す際の「パラレルワイヤー」という言葉も、昨年のCTO clubで加藤修先生が
「みんな、いろいろな呼び方で読んでいるけど、パラレルワイヤーと呼びませんか?
少なくてもこの二日間はこの呼び方で統一したいのですが..」と言っていました。
(これも、学術として論文や発表にパラレルワイヤーという言葉で発表しても問題な
いと捕らえて良いのでしょうか?)

5Fr GC使用時のダミーワイヤーと、CTOのパラレルワイヤーでは、同じ二本のワイヤー
を使うのでも使用目的が違うと思います。

昔から、Intervention業界のいろいろな言葉には、正式名称なのか(学術として使用
できる言葉なのか)、習慣として定着している言葉なのか、オーソリティーがお話し
するので皆さん使っている言葉なのかなど、悩むことが多いです。
勉強不足ですみません。

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○○です。

正式名称なのかどうかは、わかりません。学術論文でよんだことはありませんね。
このネットの中での定義としては、ガイドカテを安定した状態で浮かすため、あるい
は、固定を良好にするため、本来病変がない血管にあえてワイヤを挿入すること、
で、よろしいでしょうか?
一般的に、こうした、新しい概念は、英文の学術論文として、報告がされたときを
もって正式名称になります。
○○先生、がんばって、CCIにでも投稿されてはどうでしょう?

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○○です。

○○先生の質問に対するコメントです。

1.最近のcutting balloonが適していると考えられる病変。
2.IVUSを使用するうえでの目安。(適応)
について、各先生方の考えを教えて下さい。

1.について、発表されたREDUCE I や II の結果を見る限り初回病変やステント再
狭窄病変に使用する場合はノーマルバルーンと差はなさそうです(ただしカッティン
グバルーンと対比されたノーマルバルーンの成績が非常によい)。ステントの前拡張
にカッティングバルーン使用するREDUCE III も終了しておりデーターが公表される
と思いますが最近のトレンドは小血管(<2.5mm)に対するカッティングバルーンの
ようです。ちなみに私は虚血がmedical control できない小血管にしか使用していま
せん。また特殊な使用法として冠乖離のre-entry形成に使用する離れ業もあるようで
す。

2.について、私の場合は小血管なので選択サイズはmedia-media(mm)、拡張圧
は4atmからはじめて8atmで終了としています。

提唱されたメカニズムはユニークですが、いろいろなステージの混在するhumanの冠
動脈硬化病変ではカッティングの良さがキャンセルされてしまうのかもしれません。

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○○です

> 1.最近のcutting balloonが適していると考えられる病変。
> また特殊な使用法として冠乖離のre-entry形成に使用する離れ業もあるようで
> す。

これに関連して一言だけ。ステント留置後にステントエッジにいわゆる「血管内血腫」
というのでしょうか...解離の中に血腫?血液がたまってバルーンをかけるとどんど
ん解離(血腫)が広が?いく状態があります。このような状態ではcuttingが有効
な場合があります。通常の解離のre-entry作成にも有効です。昔は大きいサイズのバ
ルーンで一瞬高圧をかけると言われていましたが、最近ではcuttingが良いと思って
います。ちなみにこれでruptureしたことはありません。

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==============  第30集 =================


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○○です。  
表題に関して先生方のコメントをいただきたいと思います。
前回、○○先生や○○先生にご指摘いただいたので今回は静止画を添付します。

症例は98歳男性、右足の痛みによる歩行困難で近医より紹介されました。合併症はDM
と高血圧です。今までに典型的な狭心痛の自覚はありませんが、以前より間欠性跛行
のためにADLは低くまた糖尿病もあります。昨日のカテーテル検査の結果は添付ファ
イルを参考にしてください。左腸骨動脈と左浅大腿動脈に高度の狭窄をみとめ、左室
造影はEF=49%、冠動脈は全体に石灰化が強く、左冠動脈のproximalに90%mid
に75%狭窄、右冠動脈のproximalに100%閉塞bridgeでわずかに末梢が造影され
ますが対側よりcollateralは明らかなものをみとめません。

右足のPTAを明日に予定しましたが、冠動脈をどのように治療されるのかコメントを
いただきたいと思います。

RCA Total
LADの狭窄
LADの狭窄
左室拡張期 左室収縮期
左腸骨動脈 左浅大腿動脈


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○○です。

98歳ですか、すごい時代になってきました。高齢者というより、超高齢者についての
議論になりますね。
私も、90歳台前半の治療(みな、ADLがしっかりしている人で、u-APか、AMIです)
は、何回かしたことありますが・・・。

何といっても、超高齢者では、基本的にカテ後の安静は保てないと考えたほうがよ
く、穿刺部合併症が一番怖いですが、radialからだと、確かに超高齢者でも、カテや
PCIが、そんなに危険性なくできてしまいます。ただ、突き詰めて考えれば、どこま
で適応を広げるか、国民総医療費的立場からの検討も必要なのでしょう。

さて、この症例ですが、痛いものは何とかしてあげないといけませんから、足のPTA
を行うことに、まったく異存ありません。でも、無症状でしたら、冠動脈は治療しま
せんね。薬のみでOKだと思います。98歳ですから、若い人と違って、生命予後改善の
ために、無症候性心筋虚血の治療をする適応はないように感じます。ただ、もし、こ
の人が、薬でコントロールできない狭心痛で、日常生活に困っているのであれば、
LADにステント2つ入れますが。

***************************************

○○です。

○○先生、左冠動脈の造影カテはなにをお使いでしょうか?両用カテのような形状に見
えます。
当院では、光藤先生タイプの両用カテを使っています。このカテの唯一の弱点である、
バルサルバが深いときにカテ先の方向がLMTと反対側をむいてしまう時、代替の形状
にJL3.5がぴったりです。この症例もそうではないかと思ったのですがいかがでしょ
う。
症例ですが、私は90歳以上については、今までの自分の経験は無効だと思うよう
にしています。「触らぬ神に祟り無し」と思います。痛がっている足のみの治療とし、
iliac Aにステントとfemoral Aにバルーンのみにしたいと思います。

***************************************

○○です。

○○先生はいつも貴重な問題提起をされ、
非常に勉強になります。

98歳となるとあらゆる分野で侵襲的な検査、治療
は二の足を踏まざるを得ません。
今回のアンギオもよく頑張られたな、との感があります。
私も○○先生や○○先生と同様、するなら足のみに
したいところです。

○○先生が書かれた理由で、「頑張って98歳にPCIしたぞ〜。
症状とれて良くなったぞ〜」といってもあんまり誉めてもらえない
ような気がします。

ところで足の虚血の場合、薬剤にかなり良く反応する患者さん
がいますが、この方の場合は、98歳ともなると薬の投与も頭を使いますから
iliacだけinterventionと私は考えます。

話はそれますが、末梢血管のステントの使い分けは
どうしてますか?それと○○先生!忙しそうですが今後こそコメントを!

***************************************
○○です

しばらくROMってばかりでした。

> 1.最近のcutting balloonが適していると考えられる病変。
> 2.IVUSを使用するうえでの目安。(適応)
> について、各先生方の考えを教えて下さい。

 ステント再狭窄について、最近経験した症例を紹介します。70代の女性でDMあり、
UAPで細いLAD #7) midにMultilink 2.5を入れたのですが、3か月めにre-ste
でcutting, その3か月めでまたresteでperfusion、その3か月めでまたまたresteで
した。一見するとreferenceは2.5くらいしかありません。さすがに今回は、○○で
は掟破りともいえる(?)IVUSを使用しました。referenceは、media mediaでたしか
に2.5-2.7くらいでした。しかし、病変部にはhard plaqueがあり、そのせいかステン
トはmaxでも2.2くらいしか広がっていませんでした。Powersail 2.75で18atmくらい
で拡張したら、IVUS上もきれいに仕上がりました。
 再狭窄の原因がステント拡張不十分である場合、せいぜい8atmしかかけられな
いcuttingではあまり良い成績が期待できないのではないでしょうか?

 なおレセプトには、○○先生のアドバイスに従い、IVUSの写真付きで経過を詳細に書
いた意見書をつけました。すでに3か月近くなりますが、切られたという連絡はあり
ません。

***************************************

○○です。

私も98才で胸痛がない患者さんにPCIはしないと思います。
ただ、PTAはやってもいいと考えますが、このPTAのストラテジーについて、○○先生、何かご
教示願えませんか?

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○○です。

○○先生、○○先生、○○先生、○○先生、○○先生ご返事ありがとうございました。
寒い日は左足の安静時痛もあるようで、造影遅延が認められる浅大腿動脈のPTAを施
行しました。5mm径40mm長のバルーンで10気圧(nominal)で拡張しまし
た。乖離をしょうじることなく50%ぐらいまで広がりましたが、リコイルを考えると
ステント?と考えウォールステント6mm径28mm長を留置しました。(先生方の
ご意見をまた伺いたいので近日中に画像を送ります。)まだiliacが残っているので
○○先生のおっしゃるように、経験が多い先生にコメントをいただきたいと思いま
す。

>何といっても、超高齢者では、基本的にカテ後の安静は保てないと考えたほうがよ


○○先生のご指摘のごとく安静が一番心配で、PTAも上腕からのアプローチを考えま
したが浅大腿動脈の狭窄が末梢なので135mmの長さのバルーンではおそらく届か
ないと考え大腿からのアプローチで行ないました。以前の経験では大動脈の蛇行にも
よりますが大腿部の中央ぐらいまでしか届かなかったです。ただ末梢に向けてcommon
FAを穿刺するのは進入部位がたかくいつもヒヤヒヤです。

>98歳ですから、若い人と違って、生命予後改善のために、無症候性心筋虚血の治療
をする適応はないように感じます。ただ、もし、この人が、薬でコントロールできな
い狭心痛で、日常生活に困っているのであれば、LADにステント2つ入れますが。

>僕もまずは下肢のPTAを行います。その後虚血の症状や所見があるようならばPCIも
考えますが.....まずは内服コントロール、それでも日常生活に差し支えるような症
状出現するならば前下行枝に対してPCIを!

○○先生や○○先生のご指摘のごとく、「どうにか歩けるようにしてくれ。」とおっ
しゃっていて、しっかりされた患者ですが狭心症の自覚はまったくありません。無症
候性心筋虚血です。今後ADLがすれば(どこまで行けるかわかりませんが、)本人は
「どんどん歩く練習をせなあかん。」と期待されています。そこで内服治療を十分に
行なって狭心症状がどうなるかです。

>○○先生、左冠動脈の造影カテはなにをお使いでしょうか?両用カテのような形状に
見えます。当院では、光藤先生タイプの両用カテを使っています。このカテの唯一の
弱点である、バルサルバが深いときにカテ先の方向がLMTと反対側をむいてしまう
時、代替の形状にJL3.5がぴったりです。この症例もそうではないかと思ったのです
がいかがでしょう。

○○先生、私もFAはバルーンだけで25%ぐらいになればと思っていたのですが、
迷った末ステントを入れてしまいました。さて造影カテの種類ですが本症例に使用し
たのはご指摘のごとく両用カテです。○○病院の先生が「左トウ骨アプローチの両用
カテを作ったから評価してくれ」と5本くださり、使ってみた症例です。ちなみに○○の先生はご
自分の作られたカテーテルでエンゲージできなかった症例はゼロだと豪語されていました。普
段は左トウ骨アプローチ、4FーHKタイプM(アンプラッツの変
形?)という両用カテーテルを使っています。私は先生がお使いの光藤タイプを使っ
たことがないのですが評判はよいですね。

>ところで足の虚血の場合、薬剤にかなり良く反応する患者さんがいますが、この方
の場合は、98歳ともなると薬の投与も頭を使いますからiliacだけinterventionと
私は考えます。

○○先生のご指摘のごとく、iliacをとりあえず良くすれば症状が良くなる可能性も
大だと思いました。しかし、うまく伝えることができなかったのですがSFAは造影遅
延がありいかにも痛そうでしたので本日PTAを施行しました。iliacにどのようなステ
ントが良いのかコメントがありましたら教えてください。

>患者さんにとってPCIする事により生命予後の改善や、生活強度の改善や、胸痛発
作のコントロールができなければ単なる医者の自己満足ではないでしょうか?

大切なことです。

***************************************

○○です。
僕もまずは下肢のPTAを行います。その後虚血の症状や所見があるようならばPCIも考
えますが.....
まずは内服コントロール、それでも日常生活に差し支えるような症状出現するならば
前下行枝に対してPCIを!
僕も93歳の方に対して行った事がありますが、この方は大好きなゲートボール中に
胸痛発作が出現し内服ではコントロールできずに行いました。
以降症状がないので全く確認カテは行っていませんが、今でも楽しくゲートボールを
している様です。
狭ければ広げると言うどこかの施設のような適応の決め方には大反対です。
患者さんにとってPCIする事により生命予後の改善や、生活強度の改善や、胸痛発作
のコントロールができなければ単なる医者の自己満足ではないでしょうか?

***************************************

○○です。

左EIAの治療についてはSFA治療後に症状があり、患
者が希望すれば、左大腿動脈アプローチでEasy Wallstent留置を絡めて行います。

ところで、糖尿病、高血圧、左EIA狭窄(3カ所)と左SFA狭窄(severe)による間歇
性跛行を有するこの超高齢者の治療指針です。勿論施設によってモダリティが異なり
ますので方針が異なると思いますが、まずは、当科での方針の全体像をお話しします。
ちょっと回りくどくなると思いますが、ご了承下さい。

近医から紹介された時点で、左下肢の間歇性跛行があったとのことです。この時点で
外来で血管拡張作用を有する抗血小板剤(プレタールとバファリン、或いはドルナー
など)を投与します。腎機能低下がなければ、左右腎動脈から下肢までの経静脈性
のDSA、腎機能低下があれば骨盤〜下肢の造影MRAを施行します。症状が改善しない、
或いは改善の程度に満足しないということであればPTAの適応とします。

 ただし、今回の場合ですが、恐らく患者は満足しないはずですし、SFAで造影剤の
遅滞があったこということですので、ある程度急いでPTAを行うと行うと思います。

右腸骨動脈及び大腿動脈以下には問題ないとの仮定で書き込みします。
まず、左骨盤と左大腿部にX線不透過マーカーを張り付けます。
アプローチは右大腿動脈を穿刺し、逆行性に7Fのlong sheathを挿入しsheath先端を
右CIA近位まで進めます。その後はシェファードフック型のカテーテルを左CIAに引っ
掛け、そこから0.035のradifocusのGWを用いて狭窄部を通過し、SFA近位まで進め
る。(SFAの狭窄部までは進めない)
その後カテーテルを進めてから、GWをcordisのJindo 260cm(Amplazのsuperstiff
のように硬い)に交換します。その後対側から径7mm長さ4cmのバルーンカテーテルで
狭窄部(EIA狭窄の3カ所)を拡張します。
その後long sheathから造影剤を吹いて左EIAのDSAを撮影します。狭窄部が良好に拡
張され問題がなければそのまま左SFAのPTAへと移行します。dissectionや残存狭窄が
あれば(恐らくEasy Wallstentが必要となると思いますが)full openで径10mm
のEasy WallstentをEIA近位から遠位にかけて留置します。Easy Wallstentの長さは
恐らくfull open 7cmのものを使うと思います。その後、
径8mm或いは径7mmのバルーンカテーテルで後拡張を行います。

続いてストレートの90cmくらいのカテーテルを入れ、再びGWをradifocus 260cmに
変更します。long sheathからの造影で確認しながら、左SFAの狭窄部をGWで通過さ
せてから径5mm×長さ2cmで、長さ120cmのバルーンカテーテルでPTAを行います。シー
スからの造影で血流停滞するdissectionがあれば、full openで径8mm長さ3cmのEasy
Wallstentを留置しますが、軽いdissectionや軽度の残存狭窄であれば放置します。
(EIAの血流が十分確保されているので)また、Easy Wallstentを使うとなればGWは
勿論、Jindoに変更します。
その後はバソシールかProstar XLで止血でしょうか?

(追加1)左EIAでGW操作で内膜剥離などのトラブルを合併した場合には、左大腿
動脈を穿刺し逆行性にシースを挿入し対側から狭窄部にアプローチします。

(追加2)右大腿動脈からの左SFAの操作に手間取るときには左CFAを順行性に穿刺し
ます。この場合は上記との併用は出来ません。

以上、長々と書いてしまいました。カテーテルとGWに熟練されている先生方に大変
失礼かと思いましたが、恐らく普段使っているデバイスが違うはずとの思い込みから
です。御容赦下さい。

ところで気をつけなければいけないのが、右下肢の状態です。もし右腸骨動脈や大腿
動脈以下に狭窄などの問題があった場合、左側の治療によって右側の症状を訴える可
能性があります。同じように下肢の治療後にADLが改善し、むしろ狭心発作を起こす
ようになるという問題もあるかもしれませんが・・・。

***************************************

○○です。

気になっていたことがあったので続いてレスします。

“Parallel wire technique”
という用語はブラッドアクセスインターベンションでも用いますが、全く意味が違い
ます。用法は
”バルーンカテーテルと血管壁との間に別のガイドワイヤーを通した状態でバルーン
拡張を行う手法”
という意味です。その目指すところは拡張力をガイドワイヤーに集中させることによ
り、静脈狭窄で高圧でも拡張できない様な硬い病変を、より低圧で拡張させようとい
うものです。カッティングバルーンの代用のようなものだと私は考えていますが・・・


末梢血管でも時々このテクニックを用います。ステントが必要かなと思った症例でも
バルーンだけで結構きれいに拡張できたということもあります。
ある程度、硬い病変で有効かも知れません。

ご存じかとも思いましたが、参考までに。

***************************************

○○です。

PTAにあたって、教えていただきたいのですが、抗血小板剤の種類・量・期間などは
どのようにするのがいいのでしょうか?
また、follow upの造影の時期などは、いかがなものでしょうか?

私は、coronaryと同じようにやっているのですが...(というより、PTAをした患者さ
んには高率に冠動脈病変もあり、PCIもやっているので、同じ内服、同じfollow upで
済ませてしまってます)。

また、先日5ヶ月前に右外腸骨動脈にPTAをした66歳女性が、今度は左の間歇性跛行を
訴えたため造影したら、左外腸骨動脈の以前25%以下の病変が99%に進んでおりまし
た。こんなに早く病変が進行するとは驚きました。末梢血管ではよくあることなので
しょうか?
危険因子は糖尿病(内服など無しでHbA1c 6.5%)、高血圧・高脂血症(内服でコントロー
ル良好)、喫煙歴(40本/日:5ヶ月前より中止)です。coronaryにはLADとRCAにステ
ントが入っております(再狭窄無し)。
近日PTAを予定いたしました。

○○先生はじめ、みなさま、いろいろ教えてください。

***************************************
○○です。

先生方に御教授頂きたいのですが、下肢末梢血管へのステント留置は、どの程度遠位の
血管まで可能なのでしょうか。superficial femoral Aの狭窄にステントを留置した場
合、患者さんが正座をするとステントが押しつぶされるようなことは無いのでしょうか
。自分は今までcommon femoral Aより近位にしか、ステントを入れたことがありません
でした。

宜しくお願い申し上げます。

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○○です。(添付ファイルはSFAの治療です。)

○○先生、コメントありがとうございました。

左CFAを順行性に穿刺し6FsheathをSFAにすすめました。付属ソフトの大まかな計算
で5mmとなりましたので、径5mm、長さ40mmのballoon cathetel と0.035の
radifocus GW 180cmをOTW systemにして病変をcrossしたのち10atm×3回拡張しま
した。著明なdissectionなく拡張できましたが一部の残存狭窄が50%に見えたので
迷った末に径6mm、長さ28mm (full open)のEasy Wallstentを留置しました。
(経験が少ないので冠動脈に準じてサイズは”1:1.2”を用いました。)術前のABI
は0.2でしたが本日は0.48まで改善しています。

>GWをcordisのJindo 260cm(Amplazのsuperstiffのように硬い)に交換します。

このwireを使えば容易に右から左にballoonやstentをdeliveryできるのでしょうか?
そうではなくて違う意味があるのでしょうか教えてください。

>dissectionや残存狭窄があればfull openで径10mmのEasy WallstentをEIA近位から
遠位にかけて留置します。Easy Wallstentの長さは恐らくfull open7cmのものを使
うと思います。その後、径8mm或いは径7mmのバルーンカテーテルで後拡張を行いま
す。

Easy Wallstentのサイズ決定はどのようにされているのでしょうか?

>“Parallel wire technique”という用語はブラッドアクセスインターベンション
でも用いますが、全く意味が違います。用法は”バルーンカテーテルと血管壁との間
に別のガイドワイヤーを通した状態でバルーン拡張を行う手法”

何かの本で読んだことがありますが、シャントのPTAで病変の中枢側から吻合部に向
けてwireをcrossした後に吻合部でwireを反転させ病変部をre-crossさせ、病変血管
壁とballoonの間にre-crossしたwireをはさみこみ拡張するという“Parallel wire
technique”があるそうです。

○○先生に質問なのですがpalmaz stentは他のballoon catheterに乗せ変えることは
可能なのでしょうか?

治療前 バルーン後
ステント後



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○○です。

Forgaty先生の一番弟子で、現在アメリカの血管外科ではboss的存在のDr. Dietlich
(Arisona Heart Institute)のところにいたことがあります。そこでの経験ですが、
一般にiliacのstentingの成績は他の治療法(balloon, endoarterectomy, bypass)
に比べて良いとされており血管外科の先生も認めているところでした。当時(7〜8年
前)、iliac AにはPalmaz stentが好んで使われており、大転子付近にはWall stent
が試みられていました。そのtrendは変わっていないとは思います。(○○先生、そ
このところはどうなんですか?)Femoral A.以下に関してはinterventionは再狭窄が
多く、外科医(data集めをしているレジデントの意見。当時のbossは首と腹にstent
を入れることに熱中していました。)の中では、opeの方が侵襲も少なく良いという
感想でした。やはり骨盤内と下肢とではstentの適応は異なると思います。

ということで当院では、iliacにはPlmatzかwallstentをルーチンに入れています。
femoralはcoronaryと異なりつまったら触診ですぐにわかるし、また刺せばいいと言
う気軽さで、少々dissectionができてもバルーンのみで終わっています。

先の症例のfemoral Aの狭窄は、ちょうど動脈が筋層内から外にでてくる大腿筋膜の
部分で、femoralのASOの好発部位です。解剖学的につぶされやすい場所ですし、外的
圧迫もうけやすいと考えられます。 

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○○です。

末梢血管に対するPTA後の薬物治療は冠動脈と同様と思います。ただし、対象となる
年齢群は閉塞性動脈硬化症の方が全体に高齢よりにシフトしています。(当科では平
均67歳)よって治療後は半永久的に薬物を投与する患者さんが多くなります。投与期
間の一応の目安としては60歳以下は基本的に6ヶ月間、60〜70歳はケースバイケース
(危険因子と本人の希望)、70歳以上は半永久的に服用としています。

薬剤の選択は難しいです。優等生的な発言ですけど、抗血小板剤の種類については医
師の考えや経験が一人一人違いますので、薬物に対する印象もそれぞれ違うと思いま
す。よって結局は御自身の判断ってことになると思います。私の施設では放射線科で
は一応低容量アスピリンをベースとして、後はシロスタゾール或いはチクロピジンを
投与してます。量は通常量です。
当院の外科はアンプラーグが好きみたいです。ところで市内の開業医の先生はPGE1製
剤が好きなようです。

閉塞性動脈硬化症などの治療方法全般に関するエビデンスについてはTASC「下肢
閉塞性動脈疾患の診断と治療に関する指針」を参考にされてください。(定価は2800
円ですが、○○製薬のMRにお願いすれば入手可能です。)

> また、先日5ヶ月前に右外腸骨動脈にPTAをした66歳女性が、今度は左の間歇性跛行を
> 訴えたため造影したら、左外腸骨動脈の以前25%以下の病変が99%に進んでおりまし
> た。こんなに早く病変が進行するとは驚きました。末梢血管ではよくあることなので
> しょうか?
良くあることではないと思います。
経験では閉塞性動脈硬化症で経過見ていた患者さんが腰部脊柱管狭窄症により歩行困
難となり、車椅子生活を送っていたら、およそ2年で骨盤〜下肢動脈全体がボロボロ
になっていくのを見たことがあります、。

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この程度に治療できていれば確かに迷いますよね。でも腸骨動脈の治療を前提にする
のだったらEasy Wallstentは不要だったかもしれません。
また、今回の○○先生の症例で、ステントを留置する決心をしたのなら、私ならもっと
上方のやや不整な部分から留置し、full open で 8mm×7cmのものを留置し、径6mmで
後拡張すると思います。
(循環器内科の領域では”spot stenting”という言葉があったように思いますので、
○○先生が長さ28mmのEasy Wallstentを選択された気持ちはよくわかります。)

> >GWをcordisのJindo 260cm(Amplazのsuperstiffのように硬い)に交換します。
>
> このwireを使えば容易に右から左にballoonやstentをdeliveryできるのでしょうか?
> そうではなくて違う意味があるのでしょうか教えてください。
対側アプローチの場合ですが、腸骨動脈の形状にもよりますが、症例でみられた程度
の蛇行なら容易に対側アプローチは可能だと思います。
バルーンカテーテルだけなら別に Jindoを用いる必要なく、バルーンカテーテルを手
でしごいて癖をつければ簡単に対側腸骨動脈に落とすことは可能です。
問題はEasy Wallstentの場合です。Easy Wallstentを対側からアプローチするときに
はある程度、しっかりしたGWでないとEasy Wallstentの手前側が折れて操作困難に
からです。
このワイヤーが好きなのは0.035といいながらやや細身でしかも十分な硬さを保持し
ており、かつPTFE coatingなため、多少ワイヤが乾いててもカテーテル交換がしや
すいことです。

> >dissectionや残存狭窄があればfull openで径10mmのEasy WallstentをEIA近位から
> 遠位にかけて留置します。Easy Wallstentの長さは恐らくfull open7cmのものを使
> うと思います。その後、径8mm或いは径7mmのバルーンカテーテルで後拡張を行いま
> す。
>
> Easy Wallstentのサイズ決定はどのようにされているのでしょうか?
術前にCTを撮影してどれくらい拡張可能かおおよその径を決めます。
基本的には外腸骨動脈では8mm、SFAでは6mmとれれば十分とおもいます。


> ○○先生に質問なのですがpalmaz stentは他のballoon catheterに乗せ変えることは
> 可能なのでしょうか?
>
可能です。先だってはPalmaz stentをSLALOM(Cordis Japan)に乗せ変えてややスリ
ムにしてからガイディングカテーテルの中を通してPTRAを施行しました。
今のPalmaz stentははずしにくくなっていますが、うまくはずすことは可能です。
また再マウントしたPalmaz stentが留置時にずれないようにするためにはコツと多少
の力が必要です。

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○○です。

まず○○先生、
> 再狭窄の原因がステント拡張不十分である場合、せいぜい8atmしかかけられな
> いcuttingではあまり良い成績が期待できないのではないでしょうか?
僕も最初はステントの不完全拡張である場合はまずはバルーンで、と思っていま
したが実際Cutting Balloonでもちゃんとステントの再拡張が可能です。Cutting
Balloonでもステント外に出ないようにすれば12atmはいつもかけていて問題なし
です。

最近の話題のperipheralについて、僕はあまりperipheralは積極的にはしていま
せんが、iliacにステントを入れてflowを改善して、femoralはとりあえずバルー
ンするかどうか、って思っていました。
SFA stentって再狭窄が多いと岸和田徳洲会の横井先生も言われていたように思
うのですが、いかがなものでしょう。僕のあまり数多くない経験でも結構再狭窄
している気がするのですが。
IliacのみでOKとなるとlt CFAの通常のpunctureだけでOKでより簡単に済むとも
思ったのですがどうでしょうか?

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○○です。

つい先日、TRIでステント脱落させたけどうまく回収できた例があったのでステ
ントの写真とともに披露します。



症例は75歳男性、mid LAD D2の分枝部の高度狭窄とその手前の中等度狭窄を認め
した。IVUSで観察しD2はステントでも側枝閉塞しないと判断しD2の少しdistalか
ら Tristar 4.0*23mmを留置、その後stent distalの石灰化の部分がRAO cranial
で治療を要する狭窄となり(原因はよくわからない)ちょうど15mmだったため
MLplus 3.0*15を留置しようとしたところ、LMCAから入らず。ここでMLplusだっ
たことを忘れておりかなりガイドカテーテルを入れ込んだりいろいろ操作したが、
どうしても入らず仕方なくガイドカテーテル内に回収しようとしたところステン
トのシステムごと全く引けなくなった。(この時点で明らかにおかしく、ステン
ト脱落を考えなくてはならなかったが最近のステントではよほどのことをしても
脱落しないのでまだ脱落に気づいていない)しかたなくシステムごと抜去したと
ころ抜去は可能でradialまで引いてきたとき患者さんがいきなり滅茶苦茶痛がっ
た。ここで引くのはやめ(当然)少し奥に押し込んで、この時点でバルーンだけ
抜けたがステントはなくなっていた。
透視で肘のところを見るとぼんやりと塊が見えステントと思われ、0.014inchの
ワイヤがステントの中に残っていたため 0.014ワイヤで6Fシースを7Frロングシー
スにかえ、スネアで回収を試み、上腕動脈の屈曲したところでうまくcatchでき
スネアで捕まえたまま7Fシースの先端まで引いてきた。7Fシースの中には入らな
かったがちょうどつぶれたステントでシースを蓋した状態になり容易に全く痛み
もないまま抜去可能であった。
0.014ワイヤは残っていたので抜いた7Fシースをもう一度入れなおして、最終的
にはTristarを入れて終了できました。

添付でつぶれたステントの写真をつけておきます。シースの中に入らなくてもちゃ
んと抜けるってことがポイントですね。あと7FでPCI中も特に出血なく出来まし
た。

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○○です。

○○先生、アドバイスありがとうございました。治療する前にざっとTASCの指針には
目を通したのですが、技術的な判断が難しく(たとえばどの程度のrecoilでステント
を留置したほうが良いのかとか、ステントのサイズや長さの決定はどうすれば良いの
かなど。)今後もひきつづきアドバイスお願いします。先生のご意見を伺うと、径は
full openで2〜3mm大きく、長さは病変をfull coverするものを選択されているよ
うな印象を受けました。

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○○です。

> ○○先生、アドバイスありがとうございました。治療する前にざっとTASCの指針には
> 目を通したのですが、技術的な判断が難しく(たとえばどの程度のrecoilでステント
> を留置したほうが良いのかとか、ステントのサイズや長さの決定はどうすれば良いの
> かなど。)今後もひきつづきアドバイスお願いします。先生のご意見を伺うと、径は
> full openで2〜3mm大きく、長さは病変をfull coverするものを選択されているよ
> うな印象を受けました。

そうですね。Easy Wallstent は拡張力が弱いようです。私としてはここでは6mmが欲
しいと思いますので、少し大きめの8mmを選択すると思います。以前に浅大腿動脈閉
塞に対する再開通時にfull openで径6mmのEasy Wallstentを用いたときのことですが、
十分な拡張が得られなくて後悔した覚えがあります。(そのころにはあまり血管壁に
ストレスをかけるのはよくないからと思い、6mmを選択したつもりだったのですが)
また異論はあるでしょうが、病変はfull coverするように心掛けています。

治療方針ですが、全体のバランスが大事と思います。外腸骨動脈の治療によっ
てinflowが増すことになり、浅大腿動脈の血流が全体に増加します。そのため、浅大
腿動脈の治療があの程度できていれば十分な開存が期待できると思いますので、Easy
Wallstent は不要かなと思いました。もちろん浅大腿動脈に大きな解離ができれば迷
わずEasy Wallstent 留置となると思います。

ところで浅大腿動脈の病変についてですが、以前のSCVIRの報告では、stent使用群
とBalloon angioplasty単独群との比較ではBA群の方が長期開存が得られるとの結果
でした。(50例の比較です)

でも実際にはstentを用いるケースも少なくはないです。(閉塞の場合)
以前Palmaz stentを用いて治療を行っていた時には再狭窄率が60%と惨憺たる成績だっ
たので、その後はおとなしくしていました。しかし、SMART stentやEasy Wallstent
が発売されるようになり、最近はぼちぼち始めています。(注:SMART stentは下肢
動脈に対する保険適応はとれていません)印象としてはEasy Wallstent よりSMART
stentの方がいいようですが、あくまで感触だけです。今後両者が一般に使用できる
ようになれば成績の違いをだせると思います。

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前略

○○病院 循環器科勤務の○○と申します。
昨年12月より○○副部長の指導の元、循環器医療に励んでおります。
まだ右も左もわからない新参者ですが、諸先輩先生方から
たくさんの事を吸収したいと思っておりますので
何卒ご指導下さいますようお願い致します。

                      敬具

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○○です。

○○先生、ご返事ありがとうございました。先ほど98歳の患者さんのご家族と話しま
したが、「何度も臥床が続くとボケてしまうと困るから、EIAの治療を上腕Aからアプ
ローチできないか?」とおっしゃられています。なんとか家族の意向に沿いたいと思
うのですがEasy Wallstenの位置決めなどが難しくなりそうです。経験されていたら
教えてください。

>SMART stentやEasy Wallstentが発売されるようになり、最近はぼちぼち始めてい
ます。(注:SMART stentは下肢動脈に対する保険適応はとれていません)印象とし
てはEasy Wallstent よりSMARTstentの方がいいようですが、あくまで感触だけで
す。今後両者が一般に使用できるようになれば成績の違いをだせると思います。

心臓血管外科の先生が新しく赴任されてから一ヶ月になりバイパス術の開始は4月以
降なのですが周辺の医院からASOが集まり始めており毎週のように造影の予定が入っ
ております。今後はPTAも増える可能性が高いのでSMARTstentを取り寄せる予定にし
ました。ただ保険適応がないので使用できるかどうか…

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○○です。

上腕動脈から腸骨動脈に留置した経験は残念ながらありません。
また、Easy Wallstentのデリバリーシステムは長いもので135cmだったと思いますが、
左上腕動脈からのアプローチで確実に届くかどうかはちょっと自信がありません。自
分としては、超高齢者の上腕動脈に7Fシースを挿入した経験もあまりないので、ちょっ
と怖いような気がします。(この辺は経験の差だと思いますが)
7Fシースの挿入に問題なく、また135cmのデリバリーでEIA遠位まで届くというのであ
ればよいと思いますが、Easy Wallstentの位置決めは難しそうですね。まあ留置
はpush in方式が一番確実でしょうし、当然ワイヤーもやや硬めのものが操作しやす
いと思います。また、ワイヤーが長くなるのでその先端が悪さしないような注意が必
要です。

もし、目的が長期間臥床しないようにするということだけであれば、止血用のデバイ
スを用いる方法は駄目でしょうか?
Prostar XLは6万円弱、バソシールも4万円弱ですので、相談によってはそれほど無
理な金額ではないと思います。
The closerは使ったことがないので判りませんが、preclose法は使えるのでしたっけ?
これだったらGetz brosのバルーンのおまけだったと思いますが。

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○○です。

ご本人、家族の方、主治医、私で話し合った結果、同側のCFAからEasy Wallstentの
push inを視野に置いたPTAを明日の午前中に施行する予定になりました。貴重なアド
バイス有難うございました。止血ディバイスの話もしましたが主治医の先生(血管外
科)が止血ディバイスに対して抵抗があるようですので用手圧迫になりました。
一般に血管外科の先生は止血ディバイスをどのように思われているのでしょうか?否
定的?あるいは肯定的?一度聞いてみようと思っています。

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○○です。

止血デバイスのことですが、使用後の仮性動脈瘤形成のことでも気になっているので
しょうか?

以前、Prostar XLを用いて止血した後の状態を外科医にみてもらう機会がありました。
1例は止血直後で、もう1例が止血1週間後でした。写真がないので外科の先生の話
だけですが、
直後の1例は「糸がきれいに血管壁にかかっていてよく止血できていた。」と言われ
ましたが、もう1例は「糸をかけた部分が少し狭窄していた」とも言われました。
そう何回も使うこともないと思うので、大腿動脈の径が十分あれば、止血デバイスの
使用は何ら問題ないなと思いました。

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○○です。

本日、TRI患者さんで、次のような事がありました。
70才代の女性で小柄の方に6FでPCIをしました。
術後少し経って前腕が硬く腫脹しているのに気付きました。
痛みはその部を押さえると感じる位で悶絶してはいませんでした。
上腕や橈骨動脈の拍動はあり、手指の動きは正常です。

血管超音波では丁度腫脹部(ここは16cmシースの先端にあたる?)
で血管内フローの低下があり、血栓形成?を示唆する血流の偏位がありました。
放射線科医師に尋ねたところ、血管の解離が形成され、一時的に血管外に血液が
もれたと考えられ、血栓が血管壁に形成されたのでは?といわれました。

術前の橈骨動脈径は2.3mmで、上腕動脈との分岐部まで同じ径でした。
術中はシース挿入時に痛みを訴えておられました。(カテ室入室時から
かなり緊張され、涙ぐんでいるくらいでした)
つまり、シース挿入時にスパスムが生じていて血管の過進展により
解離が出来、血液がwoozingしてのでは?と考えました。

今は、フローが落ちていて、かつ最も腫脹が強い部分を透析ベルトで
圧迫しています。
自分自身では初めての経験ですが、皆さんは如何でしょうか?

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○○です。
○○先生、数日間の多くのアドバイスやコメント有難うございました。非常に勉強に
なりました。
Proximalの石灰化病変に乖離が生じてしまいましたが、先生のアドバイスどうり
10mm×7cmで3病変をぴったりfull coverできました。
治療前 ステント
治療後



止血ディバイスが使用できるようになって私もときどき施行しているわけですが、止
血の確認、超音波検査、再穿刺の可否などでsutureの出来を判断しています。ずいぶ
ん昔ですが大学にいた頃に同側のEIA狭窄とSFA閉塞のASO症例に対して放射線科がEIA
をPTAされ、血管外科がSFA閉塞をFP‐bypassされていたcaseをみたことがあります。
今ではハイブリッド治療とでも呼ぶのでしょうか?FP‐bypassの中枢吻合部はPCIや
IVTの穿刺部に近いので、○○先生が先に述べたハイブリッドのご経験があり止血
ディバイスを用いられたcaseがあれば血管外科がディバイスによる止血部を直接確認
できているのではないかと思い質問させていただきました。先生にコメントをいただ
いてうまく止血できているようなので心強く感じました。まあ、腕の差があるので
DCAのあとぐらいしかディバイスを使っていない私が先生と同じようにうまくできて
いるとは限りませんが…

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来週、72歳男性、eAPにてPCI予定しています。(#12 90%)
stent 3.0mmを考えていますが、基礎疾患に肝細胞癌、肝硬変
あり、血小板が5万から7万程度です。
このような場合、抗血小板剤はどのように使用していますか?

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○○です.

病変形態や患者の全身状態にもよりますが、
出血性素因がある場合、POBA, DCA, cutting、Rotaをまず考慮します.
もしステントを植え込む場合は、肝障害の頻度が少ない
プレタールをパナルジンの代用として使用することも考えます.
パナルジンよりプレタールの方が服薬中止後の抗血小板作用の持続時間も短いため、
実際に出血が起きた際の危険性も低いのではないかと思います.

もし外科の手術前の症例でしたら、手術施行時期は、
ステント非使用例ではPCIから2週以降、
ステント使用例ではPCIから3-4週以降に予定とします.

アスピリンは手術1週間前に中止します.
ステント使用例におけるプレタールは、手術2-3日前に中止します.
なお、パナルジン使用例ではプレタールより早めに服薬を中止しています.

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○○です。

○○先生の質問に対するコメントです。
HCC、LC、血小板減少があるにもかかわらずPCIを予定されていることから想像する
と、HCCがある程度コントロールされておりLCによる肝障害も高度ではないが出血性
合併症のリスクが気になるといったところでしょうか?まず、ヘパリンが以前に使用
されていなくても自己免疫疾患や悪性腫瘍患者はHIT抗体を持つ可能性がゼロではな
いらしいので、前もってHIT抗体を調べるかアルガトロバンを使いたいと思います。
HIT抗体が無ければヘパリンでaPTTを45〜70secぐらいに保てば良いと思います
が、HIT抗体が測れない場合やHIT抗体がみとめられる場合はアルガトロバン
(10mg/1A)を2時間ぐらいかけて持続点滴し凝固時間を投与前の1.5〜2.0倍に保つよ
うに調節すると思います。「ここまでしなくてはならないのか?」と思われるかもし
れませんが、この患者でHITが起これば冠動脈に血栓ができるだけでなく、血小板が
さらに減少し大きな出血性合併症が起こると考えられるからです。
さてPCIをする場合はできれば術後にパナルジンは使いたくないのでelective
stentingの適応はなさそうです。PCIの適応になる潅流域があり3.0mmのstentが
implantできることから、大きな#12だとすると最初に考えるのはdebarkingでしょ
う。DCA alone or Rota+POBAを選択することが困難な場合は目をつむってCutting
(POBAよりましな気がしている)でしょうか?不幸にもprovisional stentingを施行
した場合はプレタールかアンプラーグか?いずれにせよ血小板が下がる可能性はあり
ます。私の場合#12の潅流域がそれほど大きくなくDCA alone or Rota+POBAを選択
することが困難な場合はmedicalです。

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