1〜10総集編

============= 第1集 ===============
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TRAネット開設おめでとうございます。
いやぁ初回登録メンバーに入れてもらえてうれしいっす。
先日は飲み会、いやTRI研究会盛り上がりましたね。特に一次会の途中AMIで病院に呼ばれ
た○○先生が、「TRIやって来ました」と二次会に颯爽と戻ってきたところはまさにTRIならでは
の芸当で、これだからTRIやめられないわけです。やっぱいろいろ言われてもQUICK, SAFE, &
COMFORTABLEな所がTRIの醍醐味だと思います。
しかしなかなか○○ではTRA仲間は増えません。一部、○○のinterventionで指導的立
場にある先生が割とTRAに批判的なのが、○○がTRA後進県になってしまったひとつの理
由だと思います。ただ、今○○は心外を中心として既存のヒエラルキーが崩壊しつつあ
り、ちょっと面白い状態になりそうで、今後の展開に乞うご期待といったところです。
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今日のAMIは蓋をあけるとLCX totalが責任血管でRCAのCTOがあり
collate.を出しているLADに90%がありました。
shockではありませんでしたが<もしfemoralからしてれば
終わりにIABP入れちゃってるな〜>と思いながら点滴
一本の患者さんを見ていました。

TRIはピャッと決まれば本当に楽ですね。
因にこのAMIと前後してSAH,AAAのruptureが立て続きに来て
このAMI患者はナースにとってただの寝てるジーちゃん
になっていました。

ところで胸骨正中切開でのoff pumpのbypassを
OPCAB<オプキャブ>って言うんですって!知ってました?

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6Fインターベンションにおいて、stentが通過せず、ガイドカテに回収を試みたと
します。しかし、stentのエッジが引っ掛かって回収不能になった場合を想定して、”
バルーンの追い越し”が出来るかどうかの体外実験をしました。

ガイドカテはズーマ2、stentはS670、バルーンはジェミニ2.5-15mmでした。
まず、ガイドカテ(070インチ)にS670を通過させ、先端は外に出して、シャフト
(029インチ)だけをガイドカテに残しました。次に、BMWをガイドカテに入れ、
先端を十分に出します。さらに、BMWにジェミニ(シャフト026インチ)を通しガ
イドカテにいれると、結構スンナリと通過しました。ガイドカテの先端のカーブのと
ころは少々きつかったですが通過しました。
この場合のジェミニはPTCAで使用した後、手でリラッピングしたものです。

これなら、stent回収が難しい時は、
1,stentを冠動脈内に残したまま、さらに2本目のワイヤーを通過させて、パラレ
ルワイヤーテクニックでstentの挿入を図る。
2,それでも不通過の場合は、2本目のワイヤーにプロファイルの小さいバルーンを
通し、冠動脈内のstentを追い越して、前拡張を行い、その後stentを通過させる。

ことが可能かもしれません。

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心カテコストについてお尋ねします。当院のような、新規参入の病院に
とっては、年間心カテ300例を維持するのがやっとだと思われます。病院としては、2
億円近い投資をしているわけですから、当然のことながら、収益が上がることを望ん
でいます。現在、femoral approachを主としていますので、右心カテーテルを同時に
行うことで、その期待には応えられていると思います。TRAを導入することにより、
右心カテーテル数が減少することが予想されますが、先生の施設での右心カテーテル
施行率は、どのぐらいなのでしょうか?また、収益の少ない(失礼な表現ですみませ
ん)TRAでは、どの程度、施行数を増やすことが要求されるのでしょうか?施行数を
増やすために、行う努力として、何か特別なことをされておられましたら、御教示く
ださい。

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○○先生の質問の答えになるかどうか解りませんが、私は利益率をあげる事をまず考
えました。
そこで、心臓カテーテル検査,PTCAで保険請求ができないものがどの程度費用が
かかっているのかをまず調べる事より始めました。
心臓カテーテル検査では、28347円でした。PTCAでは94331円でした。ということは実
際の利益は非常に小さいということなので、これをなんとか減らせないだろうかと考
えました。
細かい様ですが、ディスポの注射器は10mlは9円ですが20mlは約1円ですので20mlの
注射器でいいものは20mlに変えるとか....ガーゼ一枚6円なのでタオルの再生でいい
ところはそれに変えるとか........インディフレーターを最も安いものに変えるとか
(当院のインディフレーターは5000円のものです。)3連キットより2連に変えるとか..
..術衣、オイフ、注射針全てを見直しました。
その結果、現在は心臓カテーテル検査11800円、PTCAで51603円となりました。

また症例を増やすための努力は大変でした。循環器が全くなかった病院からのスター
トでしたので赴任当初は外来患者数さえ0人...........
まず開業医、周りの病院に対して心エコー、TMT、シンチのみでも気楽に頼めるよう
なシステムにし、そこから1割でも症例が拾えるようにと考えました。
また地域住民には土曜日入院のTRA,TRIをアナウンスしました。(土曜日入院当日カ
テ、PTCA日曜日退院)
カテ室はフルオープンとし家族の方でもカテ室内で見学ができるとか...
全く紹介してもらえない開業医をターゲット救急で拾った患者の外来Followをお願い
するとか、周りの先生を食事に誘い仲良くなり、自分という人間を分かってもらえる
ようにするとか、.......

その結果循環器1年5ヶ月で心臓カテーテル検査350例、PTCA125例施行できました。

以上ですが、少しは参考になったでしょうか?

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○○先生の疑問は当然で、当院でも右心カテのあつかいについて紆余曲折がありまし
た。
○年前私が赴任してきたときに当院では、診断カテはTBAからでしたが、やはり売
上げのことがあり当院チーフは、初回CAG患者に限り、内頚から右心カ
テをしていました。 reーstudyなどでは全くしませんでした。
○年前、TRAを始めてからもしばらくは同じ方針で右心カテを施行していて、1ヵ
月に15例ぐらいはありました。
しかし、TRAをどんどん進めてゆき、他院にアドバイスするようになり、地域の講
演会や学会でも、自分たちが推し進めるTRAは、”患者のことを中心に考えると必
然的にTRAは必要だし、医者や周りのスタッフにも有益だ”と主張するようになり
ました。そのあたりから、自己矛盾に悩み始め、”患者のことを中心に”というのと
、”病院の利益”の間で苦悩しなければならなくなりました。
結局、”患者中心の医療をすることが、長い目でみれば有益で正しいことだ”との結
論づけ、最近では右心カテは激減し、AMIでTFAでする症例(50%ぐらい)と、
弁膜症の手術前CAGの時ぐらいしかしなくなりました。今は1ヵ月に3例ぐらいで
しょうか。
右心カテをしなくなると、カテ室にリズムがでてきます。

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TRAを始めてからは、他院との差別化を図り、外来で宣伝することです。
患者の口コミが一番影響力があります。
それと、入院期間の短縮を意地になって推し進めてゆけば、今までの方法と違った方
法だという実感が湧くようです。
患者には、1,手首からしてもらって、術後がこんなに楽になった。
2,こんなに早く退院できるのか。
この2つを実感してもらえば、こちらの勝ちです。

当院では、TRAの特徴をいかして、CAGで有意狭窄がある初回PTCAの患者は、
ムンテラ後速やかに(翌日か2日後)PTCAを同側TRAにて施行します。そうす
れば入院期間は確実に1W以内です。ただし、reーstudyで再狭窄ありの場合はその場
で再PTCAをすることにしています。

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当院のシステムは、診断カテは、brachialよりの5Fr.光藤カテと内頚静脈から
の6Fr.SGにて行っています。止血には、とめた君を使っています。TRIは、昨年の12
月より始めました。通常6Fr.です。○○先生のご質問ですが、2mmまでのRotaは7Fr.
Radialを使用しています。IVUSは、endosonics社製のものを使用しており、これ
は6Fr.OKです。(テルモのIVUSがそろそろでてきますがこれは診断カテが使えるらし
い。)また、今のところEmergencyはfemoralと決めています。他にDCA、2.15mm以上
のBarrのrotablator、kissingballoon tech.とradial困難と予想した症例がfemoral
となります。今年の1月より4月末まででTRI 56枝(46例)、緊急71枝、待機的
なfemoralよりのIntervention総数は41枝でした。このうち、7Fr. TRIは、9枝でした。
TRIに関しては、施設としては始めたばかりですので、変わっていくこともあると思
います。

○○先生のおたずねですが、右心カテについては、○○先生
の意見に全く同感です。しかし、現実的には、初回カテと、心不全には右心カテをし
ています。当院の昨年の症例では、診断カテ数が955例、うち右心カテが515例でした。
そのうち激減することになるでしょうが、内頚静脈からの右心カテもなれればそう煩
雑でもありません。ぜひためされてみてはいかがでしょう?

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皆様、貴重なご意見をありがとうございました。
当院の心カテ施設は、○○月より稼動を始め、現在まで、240例、intervention 80例を
施行してきました。それまで、血管造影施設もなかった病院ですので、技師やナースの
教育からはじめ、病棟管理、症例発掘に心血を注いできたつもりだったのですが、○○
先生のメールを拝見し、まだまだ甘かったことを痛感しました。
当院でも、TBAでは、内頚静脈より右心カテを行っているのですが、TRAを始めれば、数
が減るのは仕方のないこととあきらめます。当座、前年度収益を下回らぬよう、できる
だけ、内頚静脈より右心カテを行いながら、広報活動を行い、症例数を増やしたいと思
います。
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当院の紹介をさせていただきます。
○○市の中心(といっても田舎ですが)にある病院です。
年間の心カテ症例は1300例ほどでcoronary interventionは300例程度です。
rotablatorや不整脈のablationも行っています。CABGは年間80例くらいです。

当科は若手について言えば、研修病院なので、心臓カテーテル検査
も最初は右心カテ、左心カテ含めて鼠径部よりアプローチさせていますが、最近は特
に診断カテについてはradial approachがおそらく半数以上で行っていると思います。
coronary interventionについては特別な事情(TFIができない、患者の希望、radial
からの診断カテのときに思いがけずsevere lesionが見つかりその場でintervention
をする必要に迫られたときなど)がなければ鼠径部から行っています。その理由の1
つとしてはcoronary interventionの約半数はAMI、ACSなどの緊急カテで事前に計画
を立てられない症例が多いことや、夜間の緊急 interventionが多く経験の浅
いoperatorが行うこともあるからです。
右心カテの件ですけど、virgin caseでは一応ルーチンで行っています。その場合TRA
で行う場合でも、多くの症例は静脈は鼠径部からapproachしています。静脈の場合2、
3時間の安静で離床できるのでそれほど問題はないと思っています。ただ最近で
はcoronary interventionのfollow-up目的のみの場合は右心カテを省略しています。
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先週は岡山で放射線科のアンギオの学会があり、興味本位で出席しました。
学会では、新しい器具を開発している業者4社を壇上にあげてそれぞれ説明させ、そ
れに対する討論や、各社に”もっとこの学会に協賛金を出せ”と凄む学会長がいるな
ど、循環器の学会とはまた違った面白さがありました。

会場で、放射線科領域でTRAを始められた(肝臓の治療)○○医大の○○先生とお
話する機会がありました。
その時、”肝臓の治療は左TRAが有利だ”と言われたので、私は経験から、”右T
RAの方が、下行大動脈に落としやすいのではないか”と質問したところ、答えは”
下行大動脈に落としやすいかどうか”が問題ではなく、意外なところをつかれました。

さて、ここでQuestionです。
”左TRAでなければならない”とまで断言された○○先生が言われた、その理由と
は何でしょう。ちょっと考えてみて下さい。

答えは、次号で。

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前回の解答編です。
○○先生がおっしゃるには、
1,大動脈から脳への分岐は、上行、腕頭(右内頚、右椎骨)、左内頚、左鎖骨下
(左椎骨)、下行の順になっている。
2,右TRAにて下行までカテを落とせば、左右の内頚、左右の椎骨の4本にアテロー
ムや血栓を飛ばす可能性がある。
3,それに対して、左TRAから下行にカテを落とせば、アテロームや血栓を飛ばす
危険性は左椎骨動脈1本のみである。
4,だから、肝臓治療には左TRAが絶対的に有利だ。

という答えでした。
私は、”う〜〜〜〜ん、放射線科の先生達は、そこまで脳に飛ばす合併症を日ごろか
ら気にされているのか。”と一瞬感心したのですが、次の瞬間、”それじゃ、右TR
Aを行い、腕頭、上行大動脈、左室まで毎日のようにカテを入れてゴシゴシしている
俺たち循環器科ドクターは、一体何なんだ?”とも思いました。
そこまで、気にしていたら循環器なんてできませんよね。

ちょっと考えさせられるエピソードでした。

循環器にあてはめてみれば、左右TRA、TBA、TFAすべてて4本に飛ばす可能
性があり、どこからのアプローチでも一緒でしょう。
ただし、脳以外では腎臓へのシャワーエンボリが当院でもTFAで起こった経験があ
り、その意味ではTBAかTRAが有利かもしれません。

当院の経験では、(約3000例)2例ほどカテ中にマヒが出現しましたが、数日後
には軽快しています。みなさんの経験では脳に飛ばす確率はどうですか?

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============= 第2集 ===============


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みなさんはじめまして。
このたび仲間に入れていただいてありがとうございます。
先日、○○先生が遊びに来て、tra-netの事を教えてくれました。
○○は、病院の医療圏としては20万人位をカバーしています。症例は多いと思うのです
が、まだまだ、啓蒙不足なのでしょう。4月からで、診断カテ 120例。PTCA 30例程度
です。でも、ギリギリです。何しろスタッフがいません。カテは3年目の先生と2人でや
ってます。すなわち、穿刺からセットアップから圧迫までやってます。正直大変です。
まだ余裕がなくTRIは1例のみしかしていません。足から7Fまたは8FでOWTでやってま
す。”立ち上げ時期は、事故なく初期成功を得ることだ”と考えて、患者さんには我慢
してもらっています。でも、診断カテは、橈骨からしていますが、評判よいです。TRI
はその先の先だと思いますが、みなさんよろしくお願いします。ということで、いろい
ろ教えてください。
○○は魚がうまいです。みなさん遊びに来てください。

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大津であった”TRIかTFIか”のセッションについて印象に残った事を述べます。

(1)○○先生が示されたデータの中で示された、PTCA症例数の少ない施設
(年間200例以下)はTRIの比率が高く、500例以上はTRIの比率が極端に
少ない、という事実について。

○○先生の解説では、”たくさん症例をこなしている施設のチーフはTRIをやりた
がらないからだ”ということでした。すなわち、”老舗の病院はチーフの年齢が高く、
頭が堅いのでTRIをやりたがらない”ということを言いたかったのだと思います。
私は、これは当たっていると思いますし、その他にも以下の理由もあるでしょう。
1,○○先生は、”TRIはスタンドプレーだ”と言われましたが、少しは当たっ
ているでしょう。症例の少ない施設が周りと差別化を図るために積極的にTRIを導
入してゆくことはあると思います。
2,TFI派は”手技の途中でローターが必要になった時など、すぐに8Fに入れ替
えることができる”と言いますが、そもそも前もってカンファランスでローターをす
るかどうかは決まっているはずです。万が一病変が硬くてローターが必要になっても、
ローターが使えない施設はどうしようもありません。すなわち、年間200例以下の
大多数の施設においてローターが必要な症例は初めから他施設に紹介してあり、自分
たちでPTCAをするということは、99%バルーン又はstentで終わらせる気でい
るので、全例6Fで可能です。 だから、”手技の途中でローターが必要になった時
など、すぐに8Fに入れ替えることができる”という指摘は年間200例以下の施設
にとっては、”馬の耳に念仏”、”猫に小判”状態です。
現在、全国でPTCAを行っている施設は500ぐらいと言われていますが、ローター
ができるのは、ボストンに聞いたところ現在110-130程度だそうで、ローターが出来
ない施設が圧倒的に多いのです。

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(2)○○先生が示された都道府県別TRIランキングについて
○○先生は、まず1999年の全PTCAに対するTRIの比率について、16.?%(?
はちょっと忘れました。1998年は16.9%)と示され、その後都道府県別のランキング
を出しました。九州関連では、30%以上と最もTRIが多いグループに○○県と大○
○県が入っていました。
○○県は○○先生や○○先生をはじめTRIに理解の有る先生が多くおられ、○○病院
や○○病院などほとんどの病院でTRIをされているときいていますので(九州で1番
のTRI先進県と思っています)、なるほどと思いましたが、なぜ○○県が入っている
のでしょう?
逆に、TRIをほとんどやっていない県として、宮崎県、鹿児島県、沖縄県が示され
ました。○○先生、どう?
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(4)若い先生たちの教育にはTFI(TFA)が必要という点について
我々世代は、当然のようにTFAを先輩達に教わってきました。
このメールを読まれている先生方も最低でも何百例とTFAをされ、”目をつぶって”
でもA,Vの両シースを入れることが可能かと思います。
しかし最近のシステムでは、若い先生たちに、TFAの経験がほとんどないの
にTRAをさせることになっています。1年間で1人に200例ほどのTRA(マル
チパーパス)による造影をさせると、そこそこは出来るようになりまが、カテが合わ
ないときに出すジャドキンスが(数が少ないため)いつまでたってもうまくなりませ
ん。もちろん”目をつぶって”FからA,Vシースを入れ、素早くジャドキンスで造
影するという術者にとっては基本的な手技もできません。
私が目指している(当院の若い先生達に要求している)ものは、”TRAができる医
者”ではなくて、”F,B、Rのどこからでも同じように造影、インターベンション
ができる医者”です。そういう意味では、彼らに症例の何分の一かはFからさせるこ
とも必要と考えるようになりました。
”教育的にはTFAが必要だ”という意見は、若い先生を育てないといけない大病院
(研修指定病院)などでは当然のことと思えるようになりました。
当院のシステムも少しは変更しなければならないでしょう。
○○先生のところも若い先生がたくさんいると思いますが、教育のためのTFAとT
RAをどのように両立されていますか。また、TRAとTFAの病棟での混在につい
てもぜひコメント下さい。

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私の病院はやはり1年おきに新人がやってきて
ほとんど心臓カテーテル検査の素人ですから
冠動脈造影をradial approachでするのは、彼等の
機会を当面奪うことになり、教育という面では
非常にやりにくいです。加えて上司がtransradialに
理解を示していないと尚更です。
大病院じゃなくても症例数が余り多くない施設でも
大学の流れに入っていればこのようなことは
多いんじゃないでしょうか?
○○県の若いDrでradialが好きだ!
radialがしたい!radialを覚えたい!というのは
かなり少数です。少なくとも色んな抵抗をはねのけて
までradial(ルーチンでも)を!というのはまず
いません。

きっと○○県など大学の意向が強いところはそうでしょう。
だからいくら患者の負担が軽かろうと、スタッフが楽だろうと
保守的な考えを持った医局(上司)がいて、その監視下にある場合
radialを広めるのは、よっぽどのはみだし者か、へそまがりか
または患者、スタッフの声が大きいか(都会では可能)でしょう。

因にここ○○ではTRIとTFIが同室でも医者には疑問や不満の声は聞こえません。
都会では別でしょうが、田舎の方はそのような自己主張は得意ではありません。
これは実は恐いことだと思ってます。だって僕はずっと○○にいるわけではない
から、この感じに浸っちゃうと、患者さんは何も言わないのが
当たり前と思ってしまいますから...

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まずインターベンション学会のロータは必要かというdebateですが
はっきり言って茶番劇みたいでした。
ロータ派と反ロータ派という図式のようですがどちらの施設もロータが
できるのだと思いますが、言ってることはロータは必要であるということでした。
もちろんロータが必要でないという乱暴な議論にはなるはずもなく、症例によっては
必要になるというような内容だと思います。もちろんロータが現在行えない施設でも
インターベンションは行っているわけで、なくてもそれほど困ることはなく、当院でも
ロータでないとできないと言うような症例は2年半程の間でも数えるほどしかありませ
ん。
ただバルーン不通過例やバルーン拡張不能例では大いに効果があります。

TRIかTFIの件ですが、当院も5人位のスタッフは2年毎位、大学の研究室からでたばか

の状態でローテートしてきます。
やはり赴任直後はまずTFAで慣れてもらってから、TRAの方に移行していきます。
それはIABPやPCPSを入れることもあるのでTFAに慣れていたほうがよいと思うからでも
あります。TRAは最初Judkinsを使用し、慣れればmultipourposeに変えていきますが
術者の好みにまかせています。
当院ではTFAでいくかTRAでいくかは術者の判断に任せていますが、おそらくインターベ
ンション
のフォローアップのカテは可能なかぎりTRAでやっているのが現状です。初回のカテも
最近
の多くのケースではTRAとなっています。
逆にインターベンションは原則的にTFIで行っています。その一つの理由としては、も
うしわけないけれど、止血をしてくれる若いスタッフが沢山いることがあげられます。
またインターベンションの半数以上が緊急で行っており、経験の浅い術者でもやりやす
いTFAを行うことが多いのです。
僕自身TRIかTFIということにはこだわってないので、どこからでもできるような柔軟性
をもつために、この集まりに参加させてもらってます。
一つの施設でTRIとTFIがあるのはまずいということですけど、田舎のひとはあまり気に
してはないようです(老人が多い。また当院のインターベンションの半数以上は心筋梗
塞・不安定狭心症などの急患に施行しているので、患者さんが考える暇がない)。
ただ少しずつTRIが増えているので、待機症例においては口コミで希望する人が増えて
くるかもしれません。もちろんその時は患者の選択する方法で行うことになるでしょう
(可能であれば)。

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色々、おもしろく拝見しています。私個人は、自身の手技の習熟度、人的問題(アシ
ストが3年目の研修医:パンクチャー、ペーシングカテもおぼつかない)あり、患者
さんには申し訳ないですが、7F TFIしてます。診断カテも、教育もあり半々ですが、
田舎のためか同室でも今のところ苦情はないようです。でも、橈骨アプローチは評判
よいです。

みなさんのご意見を伺いたい症例がありました教えてください。

63歳男。平成12年5月24日発症Ant MI。急性期PTCA to #7 prox. でS670 3.0x15 をお
いた(近位部に石灰化ありMLを入れる気がしなかった)のですが、Hazziness著明で、
stent in stentでML3.0後 Metoroで20気圧拡張。気になったので(原則的にMI慢性期
カテは3-6ヶ月後にするようにしています)、10日後にカテすると、とってもきれい
になっていました。6月20日パナルジン中止したところ、6月30日また同じ場所が詰まっ
てやってきました。今日も、Balloonのみでは、hazzinessとれず、また中にMLいれて、
20気圧拡張しました。
stent in stent なので、内膜化がおそいのに、パナルジンを中止したので、閉塞し
ちゃったのでしょうか。stent in stentした場合、パナルジンの投与期間を変えてい
ますか?ステント後4週以上経て こんな事 ありますか。ステント3つ重なってしまっ
て、どうしましょう?次にこうなったら、4つめ入れるのでしょうか。教えてくださ
い。

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○○先生も大変みたいですね。(ワシは明日から夏休みで沖縄に行って来ます。ウシ
シ)

うちはステント留置後一ヶ月でTOTALになって救急車で運ばれてきたのは現在まで二症
例(NIR, S670)ですね。いずれもbailoutには成功していますが、結局慢性期にはCABG
に回っています。
こないだはLADにS670三本入れたのが、三日後にSATで救急車で運ばれてきました。こ
の人は結局bailoutできず、心筋梗塞も出来上がってしまいました。いずれもパナルジ
ンはきちんと使用していた患者さんです。
SATは、「心にぐさり」ときますね。特に、変なBRANCHにも手をつけたばかりに、ゲロ
ゲロになって、ステントをぼこぼこいれて、、、、。と言った症例には、起こりやすい
ですね(当然!すんません)
STENT IN STENTは二本までしかありません。四本はさすがに勇気が要ります。早めに確
認造影してOPEにまわしたほうが良いのでは。
くどいようですが、明日から家族で沖縄に行って来ます。来週の月曜日までリゾート地
のサンサンとした太陽を浴びてきます。(tra-netの皆さんはカテで放射線を浴びてく
ださい)。それではまた来週!

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ところでstent後1ヶ月でのSATは驚きですが、確か病理での検討
(大阪市大の上田先生)ではstent1ヶ月後は新生内膜と同時に
術後発生した血栓も残存付着している時期ではないかと思います。
○○先生の患者様の場合、先に入れたs670は血管には
多分良いことは何一つしていなくて後のMLが先にgfxがある分
suboptimalにしか成り得ず、結局こうなっちゃったんだ
と思います。それでも早期再狭窄はまだしも血栓性閉塞
は辛かったですね。
今度eventが起こったらOPCABですか?
色々意見はありますが、s670はIVUSで見るとplaque prolapseが
やっぱりあるそうです。gfx stentは以前工学関係の人から
<gfxを使うなんて考えられない!>と言われる程、stentデザイン
に知恵がない(と言っていた)ステントで、マイナーチェンジをしたところで
飛躍的な進化は望めないのでは?と思ったりしてます。
(でも結構使ってたりして...)
それと、怒られるかもしれませんが
今以前植え込んだTerumo stentのfollowが帰ってきてるのですが
思ったより遥かに再狭窄率が低い様に思います。
あのステントは植え込み時に突き刺さるように拡張し
想像するだけでゾッとしてましたが、再狭窄のプロセスには
余り影響しないのでしょうか?
今度またあっち関係の人とステントについて話しをする機会があるので
面白い話がありましたら、またメールします。

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○○先生の症例に対する私の意見はちょっと違います。

まず、少々長くなりますが、私の持論を・・・・・
stentを入れてSATを起こすのは待機的PTCAではほとんどゼロで、あるとすれ
ばACSの時だと思います。(みなさんの施設でもおそらくそうでしょう)
当院でも待機的PTCAのSATはゼロですが、パナルジンはstentを入れた後から
投与開始しています。パナルジンは投与して3日経たないと効果はないと言われてい
ますので(そのためにつなぎとしてプレタールを3日間だけ投与する施設もあります)
SATがないということはパナルジンの投与の有無は、少なくとも最初の3日間は関
係ないということです。(ヘパリンの持続点滴などもしていません)

では、なぜACSの時だけSATが起きやすいのでしょうか。
昔は、
(1)ACSの時は血液の凝固系に以上があり血栓ができやすくなっている。
(2)stentという異物に血栓がつきやすい。
などど言われていました。しかし、(1)なら急性冠閉塞は冠動脈のどこにできても
良いのにやはり病変部に血栓ができる。(2)なら待機的stentでも同じ確率で起こ
るはず。 という理由で無理があると思います。
ところが、ここ数年ACSという概念が生まれ、AMIは50-75-90-99-100%と狭窄
が徐々に進行していくのよりも、soft plaqueが破けてそこに血栓が付き、一気に閉
塞してしまうことが多いということが(上田真喜子先生らの研究で)わかってきまし
た。すなわち、冠動脈の中に”まんじゅう”が出来、その”皮”がグチャグチャに破
けて中の”アンコ”が飛び出し一部は末梢に流れるが、その”アンコ”や破れた”ま
んじゅうの皮(フラップ)”に血栓が付き、ACSとなる・・・・・と私は理解して
います。

だから、ACSのPTCAをPOBAのみで施行しても、”破れた皮”がグチャグチャ
になって病変部付近にあるので、このフラップを押さえきれず、成績が悪いと思いま
す。フラップを押さえないと血栓が付く原因が取り除けないので、stentで押さえる
ほうが理にかなっています。

私の持論は、
1,待機的PTCAのdissectionは1本のstentで比較的簡単に押さえられる。(だ
からSATが少ない)
2,ACSのフラップはグチャグチャで、1本のstentで押さえきれないこともある。
3,SATを起こすかどうかは、血栓形成を誘発するフラップやdissectionを押さえ
きれたかどうかが問題であって、パナルジンはほとんど関係ない。
というものです。

この考えに従い、当院ではACSのstentingの時には、必ず10分間待つことにして
います。この10分の間にいままで6例のstent内モヤモヤ像が出てきました。この
6例には違う種類のstentを入れ(ダブルステント)ストラットをなるべく密にして、
フラップを押さえようとしました。この6例を含め、当院ではACSの時もSATは
この4年間ゼロです。

長くなりましたが、○○先生の症例に戻ります。
”Hazziness著明で”というのは、stentの広がりが悪かったという意味では無くて、
造影したが血管の外側がギザギザしていたという意味かと思います。私なら、”これ
ではフラップを押さえきれていない”と判断し、違う種類のstentをダブルステント
します。もちろん20気圧などの高圧はかけません(新たなdissectionを作りたくな
いから)。
しかし、10日後にきれいになっていたので、この時点ではフラップは押さえきれて
いたと判断しても良いと思います。
それなら、なぜ30日後にSATを起こしたのかと言われれば、”同じ場所が”とい
うのがちょっと気になりますが、これはstentの中が原因で起こった血栓だったので
しょうか? 例えば、stentのdistal edgeのdissectionが原因とは考えられません?
実際にシネを見ているわけではないので、何とも言えませんが、こ
のような疑問が残ります。
もし、仮に残存フラップがあったり、distal edgeのdissectionがあっても3個目の
ステントがそれを押さえていたら、大丈夫だと思います。
それでもまたSATが起きたら・・・・・・うーーーん、どうしよう?
これでは、答えになっていませんね。

最後ですが、私の持論は決して一般に認知されているものではありませんので、多く
の反論があると思いますが、好き勝手なことが言えるのがこのリストの良いところで
もありますので、悪しからず。

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○○先生ありがとうございました。

”Hazziness著明で”というのは、stentの広がりが悪かったという意味では無くて、
造影したが血管の外側がギザギザしていたという意味かと思います。
→その通りで、MLをs-i-sする前に、Photon 3.0で16気圧拡張し、直後はよいのに、
10分後にはモクモクと生えてきました。

それなら、なぜ30日後にSATを起こしたのかと言われれば、”同じ場所が”とい
うのがちょっと気になりますが、これはstentの中が原因で起こった血栓だったので
しょうか? 例えば、stentのdistal edgeのdissectionが原因とは考えられません?
実際にシネを見ているわけではないので、何とも言えませんが、私の持論に従えばこ
のような疑問が残ります。

→もちろんどこが詰まったかはわかりません。しかし、Balloonのみでステント内を
拡張した後、やはり直後はきれいなのに、数分後にはモクモクとまさに同じ場所にエ
イリアンが出現してきたのでした。

貴重なご意見ありがとうございました。一人でやってるんじゃないって気分になって
いいですね。

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ところでSATの件ですが、ACSの際にもflapの押さえ込みは有効で
balloonと比し良好なoutcomeが得られている1要素と思います。
しかし先の大阪市大の上田先生などはstentのストラットに血小板血栓
の形成が生じていると報告されていますから、少なくとも
ステント自体もthrombogeneticなものである、と思います。
ですからステント留置時はその易血栓性を凌駕するだけのMLDをとり、
抗血小板剤をのむ、ことが必要でしょう。
だからstent in stentはMLDがしっかりとれるか、メタルの比が高くなる
(大体1本14%だから2本で30%近く)の理由で僕はなかなか箸を付けません。
○○先生のところで良好な結果をだされているならば、先生お得意の
<色んな工夫>をされているが故と推察します。一体何を工夫してます?
教えて下さい。まあGP IIb/IIIa阻害剤が出ればこんな悩みも減るんでしょうね。

ところで○○先生!最近出番が少ない様ですが、余りに忙しくて
tra-netどころじゃないんじゃないですか?
大繁昌!

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> しかし先の大阪市大の上田先生などはstentのストラットに血小板血栓
> の形成が生じていると報告されていますから、少なくとも
> ステント自体もthrombogeneticなものである、と思います。
> ですからステント留置時はその易血栓性を凌駕するだけのMLDをとり、
> 抗血小板剤をのむ、ことが必要でしょう。

このように考えるのが、やはり一般的ですね。
私の持論はeccentricすぎます。

> だからstent in stentはMLDがしっかりとれるか、メタルの比が高くなる
> (大体1本14%だから2本で30%近く)の理由で僕はなかなか箸を付けません。
> ○○先生のところで良好な結果をだされているならば、先生お得意の
> <色んな工夫>をされているが故と推察します。一体何を工夫してます?

私の手技で、他院と違うといえば、やはり大きめのstentを入れることでしょうか。
昔は、”bigger is better”で大きめのMLDを取り、”蛇がカエルを飲み込んだ”
ような仕上がりを目指したと思いますが、私の症例は結構このような仕上がりになる
症例が多いと感じています。
具体的には、大きめのS670かNirSOXを使用して、大体12気圧までかけています。

> まあGP IIb/IIIa阻害剤が出ればこんな悩みも減るんでしょうね。

上田先生の説は、”stentに付いた血栓に端を発して炎症が起こり、それが内膜増殖
を惹起してstentの再狭窄をつくる”という仮説だと理解していますが、この理屈だ
とGP IIb/IIIa阻害剤(レオプロ)で初期の血栓を完全にブロックすれば、stentの再
狭窄は減少するはずです。しかし、あちらの論文でもレオプロはSAT予防に効果が
あるらしいですが、有意に再狭窄を減少させるというデータはあるのでしょうか?も
し知っている人がいたら教えて下さい。
stent再狭窄を有意に減少させることができる薬剤って、論文では、玉井先生グルー
プのリザベンと大阪成人病センターや帝京大グループのプレタールぐらいですかね?

> ところで○○先生!最近出番が少ない様ですが、余りに忙しくて
> tra-netどころじゃないんじゃないですか?
> 大繁昌!

そう言えば、この前○○先生との飲み会で、”うちは緊急でFを刺す時も剃毛はせず、
イソジン消毒のあとテガダームを貼り、その上からpunctureしている。感染のことを
言うのなら、剃毛したほうが感染しやすいというデータもある”ということを○○先生
が言われたのを期に、当院でもその後実践しています。
ただ、予定のTFA心カテ(EPSなど)は終了するとすぐにシース抜去して、数時
間後には圧迫もテガダームもはがしますが、IABP症例などで、数日間留置した場
合のテガダームの下の”蒸れ”などどうなのかな?という心配をしています。
○○先生、何日もテガダーム貼りっぱなしでも大丈夫?

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「バルーンにて改善しない血栓像をステントで押さえられるのはなぜでしょう?」
  
  一般的な考え方としては、血栓源になるフラップやはみ出したアテローマをステ
ントの外に閉じこめるということでしょうか。イメージ的には、病変に飛び出したフ
ラップの周りにできる乱流により、流れの遅いポケットができる。その部分に、亢進
した血栓形成により、フラップなどを核にして、雪だるま式に、血栓が育ってゆくと
言ったところでしょうか。それで、冠動脈内をステントでぺったんこにしてやると血
栓が出来る間もなく洗い流されるのだろうと考えています。ステントを入れても血栓
が育っていくようなときは、やはり、押さえきれていないなと感じます。経験的に、
わずかにhazzinessを感じるとき(ACSではルーチンに10〜15分待ちます。AMIではこ
の時間に適応があればスワンガンツを入れます。)、数分後にそれがわずかに隆起し
てくるような症例は大抵、次の時間から対数的に血栓が増加します。バルーンでもう
まく押さえられれば閉塞までの時間がやや長くなりますが、結局は同じことです。
(これで6時間粘ったことがあります。Wiktorだったかな?で押さえきれず当時出た
ばかりのMLstentを明け方に届けてもらい、これで押さえ一段落したことがありま
す。)
と言うことで、個人的には、ステント内ステントは、血栓の出来るところを含めその
上流をステンティングする様心がけています。確かにステント自体が血栓源になりま
す。
  フラップを押さえることに関しては、MLやNIRが有利ではないかと考えています。
また、洗い流すという意味では、slow flowや冠動脈の拡張性病変の部位では不利で
ある印象があります。

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ごぶさたしています。現在循環器部長なのですが、内科一般なのかよく解らない毎日
を過ごしています。6月1日より現在までPTCA21例施行しました。
血栓と言えば先日急性心筋梗塞RCS#1に対して、S6703.0×18mm留置後血栓性閉塞をく
り返し、IABP挿入しin-stent(テルモステント)にてboil outした症例があります。
翌日は全く問題なくなりました。(その時はもちろんテガダム2日間貼っぱなしでし
た。)
今後はこのような症例にPITを使用したいと考え思い準備しています。
その成果はいずれ発表します。最近思うのですが、新しいdeviceがでるたびに依然よ
かったものまで捨てている様な気がしています。その成果楽しみにして下さい。
現在右心カテでは全く剃毛せずに、テガダム貼る事なく行っています。感染で問題に
なる事はないのです。

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○○先生お久しぶりです。「剃毛なし」に興味があります。穿刺後の圧迫はいかが
されてますか?テープは使いませんか?テガダームを剥ぐときはどうでしょう。剃毛
しないで穿刺する事に関しては、看護サイドから強い抵抗がありますが、そこの所は
どうでしたか。教えてくださいませ。
○○先生、肘静脈からのスワンガンツに興味があります。第一報を楽しみにして
います。



============= 第3集 ===============


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活発にメールが飛び交っていて、面白く見ています。
さて、ガイダントにガイドカテの新製品(バイキング)が出ました。

1,バイキングが今までのガイドカテと違う点、あるいは目指した点:
Vikingは"ねじれない、おれない、ダレない”を特徴とし、この特性を提供するこ
とによって安全かつ確実なキャニュレーションを目指して開発されたガイドで
す。
従来の自社品Tourguideとの相違点は、
(a)内腔を.064"から.0667"に広げたこと
(b)解剖学的なポジションニングに基づいてシャフトを4つのトラン
ジションセグメントに分け、滑らかなトルク伝達を実現。
(c)アウタージャケットのNylonとPebax (ナイロンの合成)の混合による
トルク伝達性と柔軟性の向上
(d)ブレイドをフラットからラウンドにすること及びステンレスの
引っ張り強度をあげることによる抗キンク性の向上
(e)側穴の位置変更による、ガイド抜去時の血液が飛び散ることを予防
する

2,使用したドクターのコメント:
6月23日の時点で、国内の21施設で試用していただき、17施設の先生方が"今
後使いたい”と採用して下さっています。
Positive Comments:
"Vikingは操作性が良い、無理をきかせてもキンクに強い”。
"6FでIVUSが問題なく使えることはメリットです”。
"Rad Key とRad S, SRはViking固有のシェイプのため有用性がありま
す”。
"扱いやすいから若い先生も安心して使える"

Negative Comments:
"今の内腔ではキッシングができないため内腔を広くしないといけな
い”。

私個人の使用経験(まだ5−6本ですが)では、
1,色がハデ(オレンジ色、ダイエーホークスのチームカラーと同じです)。
2,新製品だが、すでに070インチ(ズーマ2)があるのに、今更067インチは
新鮮味に欠ける。
3,TRI用の特殊カーブを初めから用意している点は評価できる。
4,先端チップの柔らかさもそこそこで、deep に入れるのには問題ないと思う。

また、次のガイドカテも近い将来出す用意があるが、それも068止まりだそうです。
使用された方がいらしたら、何かコメントしてください。

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引き続き、NIR、SOXについての情報です。

1.SOX改良された点
 デリバリーシステムが変更になりました。(ステントは同じです)
 ・ダムシステムが除かれ変わってSOX(両端にSOXシステムが被っています)
  システムになりました

 ・その為にプロファイルが細くなりました
  一番太い部分(PRIMOはダムの部分、SOXではステントののってる部分です)
       PRIMO    SOX
  2.5    0.047   0.043
  3.0    0.047   0.044
  3.5    0.049   0.046
  4.0    0.051   0.049

 ・バルーンシャフト(ステントがのってる部分)が今までは全部にスパイラルシー

  が付いていましたが、今回は2.25mmのポリウレタンが16mmは2ヶ所、
  25mmは3ヶ所、32mmは4ヶ所 巻きついておりステントがのっていた
  バルーンシャフトが柔らかくなっています

 ・バルーン有効長が変わりました
  PRIMOはステント長に対して2mm(両端で4mm)
  SOXはステント長に対して0.5mm(両端で1mm)になり
  必要な血管部位のみを拡張することが、よりできるようになりました

 ・最後にステントエッジが拡張されるようになりました
  (7気圧でSOXシステムが外れます)

 ・バルーン材質PRIMO(LEAP)から SOX(Dyna leap)=マクサムと同じ
  に変わりました

2.使用成績
  今回のNIR SOX MONORAILは日本だけの限定発売です
  以前 アメリカでNIR on RANGER with SOXが3ヶ月のみ
  発売されたのみですので SOXでの成績はこれからとなります

以上です。
私の使用経験(モノレールタイプのNIRSOX:まだ4−5本)です。
1,確かにバルーンの改良によりプロファイルが細くなっている。
2,stent不通過でガイドカテに回収しようとするときに、SOXシステムによ
りstentのストラットがガイドカテにひっかかる(ささくれる)可能性が低いように
思われる。
3,stentは今までのと全く同じ。(当院のカテ装置では、全く見えません。トホホ
ホ・・・・)
4,stentが広がるとき、いままでのと違い、stentの中央部から広がる。(だか
らedge やdistalのdissectionが少ないと言っているが、本当か?

SOXシステムは何の略か忘れましたが、靴下のソックスを連想させ、確かに靴下の
折り返しのような構造で、stentの端っこの上をバルーンで一部覆うようにし、スト
ラットのエッヂを露出させないようにしています。

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2,肘からのスワンガンツ
以前、私は右の肘から右心カテを数例経験しましたが、鎖骨下から上大静脈に入ると
ころの角度がきつい場合、ワイヤーを必要とすることがあり、”これじゃコストがか
かり何のこっちゃわからん”と思い、止めたことがありました。

しかし、私がまたやってみようと考えたのは、豊橋ハートセンター(鈴木孝彦先生)
が、左橈骨からの造影、左上腕からの右心カテを全面採用し、日帰りで実践している
ことを知ったからです。
”さすが、病院の収益のための右心カテを実践しながら、日帰りで帰すとは・・・”
と感心しました。右心カテだけなら、ソケイからも首からも出来、日帰りで帰すのも
可能ですが、”この方法は毎日多くの症例をこなしながら、患者さんの負担と病院の
収益のバランスの上に行き着いた究極の結論かも?”と思い、私も数例実践してみる
ことにしました。

私が、選択した方法は、
1,右心カテを素早く終わらせる。
2,新たなコスト増を避ける。
を目的とし、スワンガンツは6Fで025インチのワイヤーが通るものを(ゼオンで
すが)使用し、025のワイヤー(150cmまたは180cm)を用意しました。
術者が患者の左側に立てるように、アームを180度回転させ、専用の左手用の手
台をつくり、患者の左側腹部に術者が立ちました。

まず、左肘を駆血帯で縛り、正中静脈をさし、6Fシースを入れます。
そして、スワンガンツに初めから025のワイヤーを通し、ワイヤー先導でスワンガ
ンツを上大静脈に入れ、そこでバルーンを膨らましてワイヤーを抜きます。
左からの静脈アプローチは比較的スムーズに行きます。

右心カテを終わらせてから左TRAにてCAGをしますが、左アプローチならマルチ
パーパスは使いにくいので、細目のジャドキンスでできます。それなら、いつも使っ
ているテルモのヌルヌル(035インチ)は必要なく、右心カテで使用した025イ
ンチで良いのではないかと考え、同じ025を使い、左心カテをしました。これなら
コスト増にならず、いつもワイヤー先導の右心カテができます。
ヨーロッパでは、日本のようにシースが針やセットになっておらず、シース単体、針
単体で購入します。そして、そのシースを入れるときにも、カテを入れるときにも0
25の150cm1本でやっています。
これと同じ理屈で、左心カテも025でできるはずですし、実際にそう問題なくでき
ました。
全体としては、慣れてしまえば次から次に診断カテが右心カテ付きでできると思いま
した。

だたし、ちょっとした落とし穴がありました。
これは、当院におけるシネ装置の問題だと思いますが、シネ装置を反転して撮影した
場合、できあがったシネの巻が反対になるという問題が起きました。すなわち、左か
ら、右からとカテを続けたら、左巻き、右巻きのシネが混在することになり大変だと
いうことがわかったのです。
これが理由でルーチンで左肘と左手首からするカテは、ボツになりました。
Uアームなどを採用している施設では問題ないかもしれません。

この方法は、
1,右心カテもある程度の症例をかせげる。
2,左心カテで細いジャドキンスを使用し、180cm(025インチ)でどんどん
入れ替えれば、若い先生たちのジャドキンス教育(感覚的に左TRAからがTFAに
近い)にもちょっと良いかな?
などと考え、良かったら診断カテとして全面採用しようかとまで思っていましたから、
ちょと残念でした。

しかし、ワイヤー先導でスワンガンツをするのなら右アプローチでも十分できる可能
性があります。来週には、025インチのstiffタイプの180cmが届く予定で、
これなら左心カテのカテ操作ももっとしやすくなると思います。
右アプローチで右心左心の再挑戦する予定です。

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まず、基本的には右心カテーテル以外ではそ径は使わないので、カテ終了直後にシー
スを抜去しテガダムのうえから圧迫をし、止血終了時にテガダムをはずしカットバン
を貼るだけです。特に痛みを訴える方はいない様です。
また、穿刺部位がややdistal siteだからかも知れません。以前玉名中央病院のスタッ
フより私の穿刺部位が最もdistalと指摘された事があります。成るべく可動部位では
ないところを穿刺した方が安静解除後の出血が少ないのではと思って意図的に行って
います。現在はそ径部を穿刺してもカテ室より車椅子でかえし、すぐより歩行させて
います。○○先生テガダムの件はこれで解りましたか、長期に這った事は一度もあり
ません。

ところで肘からのスワンガンツですが、○○先生私もこの前より始めました。しかし
カテ操作が非常に困難な場合があり少々難渋しました。また5Frシース挿入の際に強
い痛みを訴えた方がひとりいました。(まだ8人しかやってませんが....)

本日京都より帰ってきたところです。CTO研究会にいってきました。○○とは違い最
もアグレッシブPTCAをやっているグループなので、感心したり参考になったりしまし
た。
特にCTOでワイヤーがクロスした後バルーンがクロスしない場合、その手前にブラン
チがあるならブランチに1.5mmのバルーンをderiverlyしinflationします。そのバルー
ンを少し引くようにするとカテも固定されてバルーンをクロスする事が可能になるそ
うです。
あまり引き過ぎるとブランチが引きちぎれる事があるので注意とのことです。これっ
てステント deriverlyに応用できません?こんな説明で分かってくれます?
その他にもこれはと思うような事がありましたが、それはまた後日

***************************

以前、○○先生より、GP IIb/IIIa阻害剤を使用すると再狭窄は減るかとの事に関
しての質問をされたことと思います。私の記憶では、「糖尿病患者でPTCAの際に使
用すると効果がある。」と確かEPISTENTにあったような気がいたしましたので調べま
した。もっといいのがあったので、以下に掲載しますが、レオプロのコストは非常
に高くて、でも患者さんのメリットを考えると使いたい気がします。
: Circulation 2000 Jul 4;102(1):28-34 Related Articles, Books, LinkOut
Pronounced benefit of coronary stenting and adjunctive plateletglycoprotein
IIb/IIIa inhibition in complex atherosclerotic lesions.
Cura FA, Bhatt DL, Lincoff AM, Kapadia SR, L'Allier PL, Ziada KM, Wolski
KE,Moliterno DJ, Brener SJ, Ellis SG, Topol EJ
Department of Cardiology, The Cleveland Clinic Foundation, Cleveland、Ohio.

[Medline record in process]

BACKGROUND:-Previous trials testing stents compared with balloon
angioplasty
excluded patients with complex lesions and did not assess the effect of
adjunctive platelet IIb/IIIa inhibition. This analysis sought to assess
the
effect of stenting and abciximab specifically for patients with complex
lesions. Methods and Results-Patients with complex lesions (long, tandem,
severely calcified, restenotic, thrombotic, or ostial; total occlusions;
bifurcations; saphenous vein grafts; and multivessel interventions) from
the
Evaluation of PTCA to Improve Long-Term Outcome by c7E3 GP IIb/IIIa
Receptor
Blockade (EPILOG) and the Evaluation of Platelet IIb/IIIa Inhibitor for
Stenting (EPISTENT) trials were included in the analysis. The 1-year
combined death or myocardial infarction rates in the 4 treatment groups
were
as follows: balloon angioplasty/placebo, 14.2%; stent/placebo, 15.8%;
balloon angioplasty/abciximab, 7.6%; and stent/abciximab, 8.0% (P<0.001).
Death rates were 3.2%, 3.1%, 2.1%, and 0.5%, respectively (P=0.03). The
incidence of target vessel revascularization at 1 year was 30.5%, 18.0%,
24.4%, and 19.7% in the 4 groups, respectively (P<0.001). After
adjustment
for baseline differences, multivariate analysis demonstrated that the
rate
of death or myocardial infarction was independently reduced by balloon
angioplasty/abciximab (hazard ratio, 0.51; P<0.001) and stent/abciximab
(hazard ratio, 0.60; P=0.02) but was not affected by the use of stents
alone. Conversely, target vessel revascularization was reduced by
stent/placebo (hazard ratio, 0.53; P<0.001), stent/abciximab (hazard
ratio,
0.58; P<0.001), and balloon angioplasty/abciximab (hazard ratio, 0.74;
P=0.006) compared with balloon angioplasty/placebo, respectively.
CONCLUSIONS:-The combination of stenting and abciximab during
percutaneous
coronary interventions for patients with angiographically complex lesions
confers additive long-term benefit with respect to death, myocardial
infarction, and target vessel revascularization.

PMID: 10880411, UI: 20342855

***************************

○○先生、蔵相会議待機お疲れ様です。
梅雨は明けたのかと思いきや、まだまだ蒸し暑い日が続いています。
待機と言えばトライアスロンの待機を命じられ、かといって碌はもらえず。
何もすることがなく、炎天下の中病院前でひたすら釣りをしていました。
炎天下の中防波堤の上、サウナに入っている時のように
妙にストイックになり、缶ビールをグビグビと飲みながら
瞑想にふけること2時間、肘部右心カテについて名案が浮かびました。

当院の診療圏は出入りが少なく(海と山に隔絶されている)、
心カテ患者平均年齢はゆうに70歳を超えており、いかに楽に
合併症なく、病院にもmeritになるような両心カテはないかと
手探り状態でした。行き着いたところはまさに○○先生提唱の、
右肘部から右心カテをし右TRAにて左心カテをし、
左心には右心カテに使用した025ガイドワイヤー
使用するということです。

今迄100例程右肘部右心カテ・右TRA左心カテをしてきましたが、
特に中部右心カテに関して自分なりに気を使うところは
・肘部静脈が駆血帯を巻いても出ない人は最初から除外する。
・肘部静脈が小さく術者が自信がなければ、specialist
(例えば小児科Ns.は非常にうまい)に穿刺してもらう。
・なるべく尺側の静脈をつく
・最初から右房でU-loopをつくり、“尻”から右室内に入れる
症例数が多い先生方は解ると思いますが、橈側皮静脈・正中静脈・尺側皮静脈と
上腕静脈との関係は“あみだくじ”状態の短絡があり、中枢では尺側皮静脈は
鎖骨下静脈と鋭角に、橈側皮静脈はT字路に近い角度で鎖骨下静脈に合流します。すな
わち
正中静脈か尺側皮静脈の方が簡単にガイドワイヤーなしで
S-Gカテを上大静脈にすすめることが可能なわけです。
・を除外し・・・・・を考慮しつつ右心カテをすると、頚静脈からの
アプローチの様に短時間で右心カテが終わる様です。
患者さんと病院長に喜ばれること請け合いです。

じゃあTBAにしたらもっと患者さんは楽じゃないか、という声が
聞こえて来そうですが、当院でも数例はしましたが、午後にカテをするので
夕方とめた君が付いたままだと、『箸で夕食がとれない』とか
『トイレで不具合だ』との
理由で結局右TRA・右肘部右心カテに落ち着いています。

○○先生、是非025-180の左心カテでのガイドワイヤーの使い心地を
教えて下さい。
○○先生みたいに沖縄には行けないけど、沖縄まで行ったように
皮膚がヒリヒリしています。

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当院でも右肘SG右手首左心or 左肘(SG+左心)してます(左手首は外科がradial
artery使うのでやめてくれと言われ、術後造影のみの時しか使ってません。左腕アプ
ローチは左内胸にとてもいいのです)。特に、右肘SG右手首左心をするときシーツは
どうしてますか?いいのがあったら(安くて病院経営にプラスとなるもの)教えてく
ださい(ちなみにうちは大きめの穴あきシーツにもうひとつはさみで穴をあけていま
すがよくとてもいびつな形になります)。

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久しぶりに書き込みます..

うちの施設では診断カテーテルでは,右のTRAでも右肘静脈から右心カテーテルをル
ーチンにやっています.
220cmの025ワイヤーをルーチンに使用しているので,ガンツでも問題なく使えます.
これまで右心カテーテルでワイヤーを必要とした例が何例かありますが,右心カテー
テルができなかった例はありません.

日帰りも右心カテーテル付きでやっています.
もちろん,右心カテーテルは右の肘静脈からです.

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すでに肘からの右心カテをルーチンで実践されていらっしゃる先生方の経験談は参考
になります。当院でも今後実践しようと思っています。

○○先生指摘の技術で、
”特にCTOでワイヤーがクロスした後バルーンがクロスしない場合、その手前にブラ
ンチがあるならブランチに1.5mmのバルーンをderiverlyしinflationします。そのバ
ルーンを少し引くようにするとカテも固定されてバルーンをクロスする事が可能にな
るそうです。”
というのは、この文章だけから見ると、我々が6Fで通常しているガイドカテのdeep
 engageのテクニックではないのでしょうか?
何Fr.でCTOをしているか(おそらく8F?)は解りませんが、バックアップが
弱いときにはdeep engageした方がバルーンが通過しやすいという当たり前のことだ
と思うのですが・・・・・

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○○先生から紹介された英文を読んで、
MI発生と死亡率が、stentを使用すること、レオプロを使用することで有意に減少
していることが解りました。その両方を併用するのが最も良い結果のようです。

全文を手に入れて読んだわけではなく、臨床的にはこれで十分だと思いますが、<レ
オプロがstent後の再狭窄を減少させたか>という検討はなされていないようです。
すなわち、レオプロがSATを完全に予防しただけでも、MI発症率、死亡率は減少
するはずで、この結果ではレオプロがstent再狭窄を減少させたかどうかは解らない
ようです。
6ヵ月後の再造影が確実にできる日本でのデータならこの答えが出せると思うのです
が、まだ出ないのかな?

ただ原因がどうであれ、MI発症率と死亡率を下げたことは事実のようですので、素
晴らしい薬でしょう。

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無事、戒厳令下の沖縄より帰還してきました。お天気もよく、子供と嫁さんと楽しく遊
んできました。

さて今回、tra用の「入院診療計画書とクリティカルパス」をドッキングしたのをつく
りました。四月から入院診療計画書を書かなければいけなくなり、皆さん「面倒くさい
なぁ」とおもわれていることかと思います。特に二泊三日(一泊二日)の心カテ入院患
者に、入院時に入院診療計画書を書いても、患者さんの手に渡るころにはカテが終わっ
ていることもあり、労力の割には機能していない感じです。
そこで今回のtra用の「入院診療計画書とクリティカルパス」は外来で入院予約したと
きに渡すような内容になっており、一々入院診療計画書の全内容を手書きで書くのも面
倒なので、心カテ施行予定日のみ書き込めばハイ出来上がり。といった楽勝の三枚つづ
りです。
ご興味のある方は、メールください。

***************************

○○先生改良の診断造影用左右両用カテを使用してみました。
4Fなのに手打ち造影も出来、結構入りやすいと思いました。
当院では左右両用カテは普段使用していませんが、今後は採用しようと思っています。

現在はマルチパーパスを使用して、私としては大変便利で楽ですが、若い先生達のカ
テ教育にマルチパーパスを使用することは必ずしも良くないと思い始めたからです。
当院に1年ぐらいいて、その後カテの無い施設などをローテーション先生もいるので、
なるべく他院や2−3年のブランク後に再びカテを再開したときにも役立つためには、
やはりジャドキンス系の技術を覚えさせるのが先決でしょう。
さらに、診断造影カテのダウンサイジングを行い、5Fを4.5Fや4Fにすれば、当然
カテの腰は柔らかくなり、マルチパーパスには向いていません。

○○先生も光藤タイプの変形をつくられて使用されているようですし、○○先生は齋
藤太郎タイプの変形でしょう?
地域によりベースになるカテが異なるのは面白いですね。

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○○先生の共用カテは基本的に「Trans Brachial」で「機械撃ち」を前提に作られてい
るため、若干「Trans Radial」で「手打ち」には不向きな所があり、そこに○○先生の
創られた共用カテの「冠動脈に優しい」カーブを組み込ませていただきました。つまり
独創性はゼロなんですが、自分で言うのもなんですが、割と使い易く、いい所行ってい
るとは思います。ただし、あくまでも4Frなので、あんまりワイヤーなしでクルクル回
しているとキンクしてしまいます。そこらは気をつけてください。
***************************

やたっ!The Radial Force(http://www.radialforce.org/radialforce.htm)のThe
LIST of Centersに載っちゃいました。といってもApplication Formに記入するだけで
すけど。名前載るとうれしいですよね。
さて今年の鎌倉ライブには、またまたDr.Kiemeneij登場のようです。 思いのほかCCIC
と日程が近いので、どっちに行こうか迷っています。まぁ、今年は鎌倉に行こうかな。

***************************

○○先生のお陰で当院もキムニー先生のHPに登録させてもらいました。

○○先生、私のところでは、CTOのためのφ1.5mmのバルーンだったら、やはり、ア
ダンテφ1.5mmが勝っています。
最近は、何とかバルーン通過させても拡張しない症例(アダンテを24〜26atmまで
inflate、もちろんBalloon ruptureをすることもしばしばあります)をいくつか経験
しており,ロータの必要性を感じているところです。IVUSでそのような症例を見てみ
ると全周性に均一に石灰化が強い症例のようです。

フレフレ、ダイエー! 今日は勝ちました。逆転で

***************************

私も○○先生のところと同じように、CTOでもモノレールを使用します。
”押し”が利くという点ではモノレールが勝っています。
最初はcordisのトランジットを”筒”として使用し(確か6万数千円です)CTOを
開始します。もしワイヤー不通過の場合はバルーンを出さなくてよいですし、(ただ
しレセプトにバルーンを使用せずにPTCAが”成功した”と書かなけれならない苦
しさがありますが)、ワイヤーがクロスしたらモノレールに変えて病変部の通過を狙
います。現在当院にあるバルーンで一番通過性が良さそうなのはボストンのシエ
ラ1.5mm-15mmのようです。確か、ボストンも自社製品のなかでも1.5の通過性ならシ
エラが一番と説明していたような気がします。

ホークスは今年も好調ですが、西武に大きく負け越しているのが気に入りません。
特に松阪にはコテンパンにやられています。
昨日の8回裏の大逆転劇はモチロン、スカイパーフェクトTVで見ていました。坊西
の逆転ポテンヒットの時は親子で大騒ぎでした。

今度の日曜のロッテ戦はドームに行こうと思っていますし、去年と同じように優勝の
瞬間を見れるように、そろそろ9月のチケットを押さえようかとも思っています。

秋山の2000本安打もドームで見たいのですが、あと2本なら今日にでも達成する
かもしれませんね。郷土のヒーロー秋山も○○先生がドームに行くまで達成を待って
いてくれるかどうか・・・・・・

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2000年に2000試合目に2000本安打。
郷土のタカラ秋山選手が偉業達成。おめでとう。
(おい若田部頑張らんかい)
試合には負け、二位転落。トホホ。

本日、私の部下がCTOに挑戦。バルーン使うまでも無く、大きなDISSECTIONを作って
10分で中止となりました。とほほ。ガイダントのフォトンを用意していたのですが。

明日は、ドームです。楽しみです。松中も頑張れ。

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============= 第4集 ===============



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ご挨拶
みなさんはじめまして。○○先生からご紹介いただきました○○病院の○○
といいます。初登場ですので自己紹介等させていただきます。

私は平成9年○○大学卒で、○○内科入局後、研修医を経て去年の6月から
○○に勤務しています。
研修医2年目に半年間○○病院に勤務し、そのときに本格的に心カテに携
わるようになりました。私自身は初めからTRA,TRIに接してきましたので、あまり違和
感なくTRA,TRIに接しているような気が
します。そういう意味では「新人類医師」なのかもしれません。
去年の秋、鎌倉のTRIライブの前日の研究会に参加させていただきまして、
同じTRA,TRIでも各施設でいろんなやりかた、考え方があることを知って感銘を受け
た記憶があります。私自身は循環器医としてもまだまだ駆け出しですが今後ともいろ
んな知識を吸収できたらと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

最後に、○○病院の紹介をさせていただきます。○○病院は現在循環器内科スタッフ
3人で年間約450件の心カテと約100件のPCIをしています。心カテの半数強がTRA,TRI
です(なんで残りの半数はTFA,TFIなんだと○○先生にいわれそうです。緊急例、待
機例での区別はないのですが・・・)。
この地区では他に本格的に心カテをしている施設がなく、ほとんど独占状態でしてお
り、また、8月から開心術も始まり現在週2例ペースでope.をしています。
それでは。

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お疲れ様です。○○です。
10月は3日〜5日にかけてCCICに行く予定にしていますので、
その後に○○まで出かける事は不可能です。
他の先生が、心電学会で不在ですし、もう一人の先生が鈴鹿サーキットに
F1グランプリを観戦にいかれるため、留守番です。
次の機会に誘って下さい。

この度、○○から若い先生が来られる予定なのですが、現在当施設では
TRI,TRAしかしていないので、今度から少しはジャドキンス、femoralでやらなくては
いけないのかなあと考えています。
教育と言う観念でいけば、当然僕達が通ってきた道を教えるのが良いのですが、
患者さんのことを考えると...考えてしまいます。
○○先生、若い先生に対してはどうしていますか?
同じ日に行うカテーテル検査である人はTFA,ある人はTRAと言う事になって
患者さんから不満は出ないでしょうか?
みなさんはどうしています?

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○○です。
御無沙汰してまして、申し訳ありません。

○○先生の御質問には、私も心配していましたが、道具を出す看護婦の準
備にバリエーションが増える分だけ、当方のストレスがありますが、患
者さんからは、検査の都度アプローチが変わることについては、不満の
声はありません。もっとも、TFAとTRAの両方を経験された方は、10人中
9人が次の検査もTRAを希望されますが。
後輩には、あまり多くないチャンスを大切にするよう話しています。

なお、当院では、AMIの緊急カテはなるべくTFAでするようになりました。

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皆さんお疲れさんです。○○です。
鎌倉ライブ行って来ました。○○先生ご指摘のように相変わらず終始英語でした。(○
○病院の○○先生のみ日本語であった。逆にかっこよかった。)英語でやると日本人同
士の会話が内容の薄いもの(小学生の日本語位?)になるため、ある意味低調になって
しまいますね。

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TRAネットの諸先生方へ

 この度,めでたく,TRAネット新メンバーに加えていただきました
○○病院の○○と申します.
うちの○○先生ともども,お世話になることになりました.

2年前からTRAを始めましたが,その効用は絶大なるものがあり
今後,CAGやPCIの主流を占めるものと確信しております.

まだまだ未熟者ですが,宜しくお願い申し上げます.

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先日は、途中で失礼しまして申し訳ありませんでした。

結局、18時半に会場を出て、カテ室到着が20時15分でしたのでカテにも何
とか 間に合いました。結局、Unstable anginaでRCA Seg1-Chronic total occlusion
を含み、Seg6(Just Proximal)-90%、Seg11(Just Proximal)-75%、Seg13-90%の
方で、既にSymptom消失しており、心電図変化も戻っていたので、待機的CABGとしま
した。

TRAnet恒例の先生方との楽しい夜のDiscussionに参加させて頂こうと、とても楽
しみにしていたのに、非常に非常に残念でした。

でも、豚のカテでしたが、先生方と楽しくできて有意義でした。
また、近いうちに先生方とお会いできる日を楽しみにしております。

○○の方、この場を借りてお礼申し上げます。

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お疲れさんです。○○です。
5F PTCAのHPを見つけたので、日本で一番最初にRegistrationしました。がはは。
まだ、Registrationしている病院は少ないので、目立つ(?)チャンスですよ。
ただし、症例数とかをまじめに書いたら、Registrationしている病院の中で最小数でし
た。恥ずかしい。
Regisrationしないまでも、結構面白いHPですので一度覗いてみてください。
http://www.5fptca.org/

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○○先生のメールに誘われて、ふらふらと5fr ptca orgのregistrationにはいっ
てみました。内容をよく把握せずにregistrationしたところ5frptca user listに載
りまして、なんと、%of5fr useの欄に 0 とlist upされてしまいました。すみま
せん、5fr ptcaの経験はありません。すぐに0を削除しました。
  ところで、radial forceのホームページのなかでキムニーさんが5fr stenting
のtrialに参加する人を募っていましたが、どなたか応募された方はいらっしゃいま
すか?

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○○です。

5Fr.のTRAは最近はあまりやってません。
10例ぐらいは経験しましたが、安全性についてはあまり問題はないと思います。
しかし、拡張後の確認造影のとき、毎回デバイスをイチイチ抜かないと造影できない
のがもどかしく感じます。
5Fr.の優位性(合併症が少ないなど)がはっきりするようなら十分価値はあると思
うのですが、ヨーロッパではどのような理由で5Fr.インターベンションがされている
のでしょうか。TRI派?、それともFemoral派?、どっちがやっているのでしょうか。

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久しぶりupします。
○○先生のご意見に目からウロコが落ちる思いです。
○○では大病院がまだtransradial派ではなく
相談できるchanceがそう多くはありません。
tra-netは田舎にいる私には
とても勉強になるし、また研究会と称して経験豊富な先生方と
酒を交えながらdiscussionする機会はとても夢があります。
永遠夢愛;永遠に夢を追い続けたい;エイエンムアイ(~_~;)
のです。
不出来な1期生も先輩は先輩…嬉しいです。
この間の○○には運動会・結婚式が重なって行けませんでしたが
都合のつく限り飲み会には参加したいと考えています。

ダイエーフリークが多くてめちゃ嬉しいです。
日本シリーズ第5戦のチケットが手に入り日帰りで行ってきました。
両高橋にコテンパにやられた日です。3万円したので
ダイエーが2連勝したあと、3戦目は巨人を応援しましたが…
ドームでビールを飲み過ぎて天神の植樹に肥料として
放出しました。

先日6Fr TRI で#2にステントを置きました。
当院では2日後に退院としているのですが
(○○では3泊4日が当たり前ですが…)
“大阪では日帰りが当たり前と娘(Ns.)がいっていましたよ”
と患者さんから言われ、コンチクショーと思いました。
関西では日帰りPTIは本当に普通なのでしょうか。
どなたか知っている人がいたら教えて下さい。

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○○です。
当院では、虚血のevidenceがあり、本人の希望があれば
原則的にadhoc PCIをすることにしています。
5Frを6Frシースにし直すとスパスムが増えることを
経験的に感じたので、虚血がevidenceされたら診断カテは
6Frシース・5Frカテを使うようにしています。
 右冠動脈は基本的にJudkins typeを使用し、
左冠動脈は診断カテ用のMPカテのengageのし具合によって
JudkinsまたはAL1.5~2.0を使用するようにしています。
診断カテは右TRA、右肘部右心カテなので、6Frでengageしない場合
肘部から7Fr.でし直す心構えでいます。
しかしながら運がいいことにそのような症例には出くわしていません。
弱気ですが無理と思ったら心外back upのある施設に送るようにしているのも
事実です。無理と思うのは年に1~2例程度です。
診断カテで腕頭動脈が蛇行していた症例の右冠動脈に対して
左橈骨動脈を刺し直してadhoc PCIをした症例が1例だけあります。
無論そのまま右TRIでも成功してたのかもしれませんが、
 それと教えてほしいのですが、ガイディングカテをdeep seatingする時
バルンカテをガイドにされてますか、
要するにバルンをガイディング先端から出して行きますか?
それともガイドワイヤーのみでバルンはガイディングの中に引っ込めたまま
deep seatingされますか?
以前○○先生のカテラボでミニライブをされたとき
○○先生がガイドワイヤーのみでガイディングをdeepに持っていっても
平然とされておられました。恐くないですかと聞いても
“全然”といっていました。
○○先生の“手前にステントを置いたのは2/700のみ”と言われるのを
聞くと“経験かなー”と思うのですが、

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○○です。
春の立ち上げから、半年で50例TFIしました。何とかMACEもなくこなせました。最近、
小生もぼちぼちTRIはじめました。1.5人体制では圧迫がきついが主な理由ですが・・・
。TRFの出血のリスク(特に高齢女性)を考えても、世の中の流れは自然TRIに向くで
しょうし、まあぼちぼち・・・・。

さて、○○先生のご要望の大阪情報ですが、小生が春までいた○○
はPTCAは、な・な-んと6泊7日でした。日帰りをしている施設はほとんどないと思い
ます(あっても京都桂、成人病センター、滋賀などCCICグループくらいでしょう:こ
れだければ十分かもしれませんが)。少なくとも常識ではないと思います。関西はあっ
ちこっちにPTCAをしている施設があるので、当日何かあっても救急車に乗れば5分-10
分で最寄りのPTCA病院へ連れて行ってもらえますが、○○ではそうもいかな
いでしょう。それ以前に、本当に当日帰るのが患者にとってメリットなのでしょうか。
少なくとも小生は術翌日、穿刺部合併症がないことを確認して帰しています。まあ、し
ったかぶりしてるナースはどこに
もいますよね。


新庄はどうするんやろ。いいなーよそは魅力ある選手が育って・・・・・・・。

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お久しぶりです。○○です。
入院患者さん(紹介や救急)の増加に伴い仕方なく日帰りカテを始めました。
10月は救急車200台以上来てしまい
さらに紹介患者の増加に伴い360人/1ヶ月となってしまいました。
その中にはクモ膜下出血の患者、大腿骨頚部骨折の患者
心臓外科術後などが含まれるため循環器科の平均在院日数9日でも
病室が空かず、必要に迫られて一部限定で始めました。
今のところ事故はおこっていないです。

ラディアルの時と同じで、やればできるものですが、
無理はしたくないと思います。
可能な人と考えられる人限定でしています。

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○○です。
コンピュータトラブルで返事が遅くなってすみません。
うちの病院で、1日8例も緊急カテがあったら、実働Dr.3人では、とても数が足り
ません。
1ヶ月に8例のAMIが来たというのが事実ですが、うわさが回りまわって、1月が1
日になったのでしょう。私どもの心カテ施設も開設1年を過ぎ、心カテ数が、月間3
0−40例、インターベンションがその2/5をしめるようになりました。○○近辺
の中規模病院としては、まずまずの実績かと思います。
今月の急患は、心不全ばかりで、AMIが来ても、吐血していて、インターベンション
できなかったり、3枝閉塞の心原性ショック、3度房室ブロック合併、インターベン
ション後にVFの嵐と散々です。
遅ればせながら、当院でも、TRAを始めました。止血が楽であるし、患者さんに大変
好評です。多分、この方法が主流となっていくことは間違いないだろうと思います
が、幾つかの疑問も出てきました。以前、後輩Dr.の教育のお話が出ていましたが、
それ以前にNs.の教育上、インターベンション直後の患者が、のこのこ廊下を歩いて
いいのだろうか?(田舎のNs.は外見元気だと思いっきり看護の手抜きをします。
ベッド上安静でバルーンが入っているだけでNsの扱いが違います。)とくに、当院の
ように血管造影自体が初めてという施設では、インターベンションにまつわるトラブ
ルは、一通り経験させた後、TRAに移行するほうが学習効果があるように思います。
また、心臓外科の先生がlt. radial は、忌避するよう指示されるとのお話がありま
したが、腎機能低下例、その予備軍としての低心機能例では、透析シャント血管のこ
とを考えると、やはり、lt. radial は、忌避したほうがよいのでしょうか?

まだまだ、駆け出しで、わからないことばかりなので、いろいろとご教示くださると
幸甚です。

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○○です。
○○先生からご指摘いただいたのですが、改良版の4F変
形MITSUDO2-MTH(テルモ社製)についての説明を遅ればせながらさせていただきます

 まず、前回の4F変形MITSUDO2は、左手からのアプローチでも使用可能かどうか試し
てみましたが、予想通り、左入口部にはカテーテル先端が届かず、右手専用と判明し
ました。
 右TRAの1/4ぐらいの症例では、左造影に十分なエンゲージが出来なかったため、改
良として、カテの先端部をAL2型のように少し長めにデザインしました。
 実は、前のカテを量産していると、徐々に先端が短くなっていたので、それを補正
する事が難しく、どうせそのうち短くなるなら、と思い切って長くしてみたのです。
これで、身長145cmから180cmの患者さんに9割以上の確率(自験例では、36/38;94.7
%)で良好な造影ができました。
 操作のコツは、最初にカテーテルを体内に入れるときに左バルサルバに進めておけ
ば、容易に左に入れることが出来ます。左から右に変えるときには、少しカテーテル
を入れ気味にしてカテ先を浮かせておいて、時計回転方向に回します。ゆっくり回し
ている内にカテ先がはねて右に飛び込むことが多いようです。しかし、先端が長くな
った分、弁尖にひっかっかって跳ね上がってしまうことが以前よりも増えましたので
、2−3回跳ねたら、ガイドワイヤーを使って、右バルサルバに進めることにしてい
ます。ちょうどAL2を右に入れる時の感じです。
 先端が長い分、右には深く入りますが、たいていはco-axialにおさまります。
 右から左に入れるときは、反時計回転でゆっくり引き、大抵、簡単に左バルサスバ
に入ります。
 側孔が2ヶ開いているため、ウエッジすることはまずありません。
 診断カテーテルの中で、右のRadialアプローチ時に、試してみてください。

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○○です。
先日の飲み会に初参加させていただき、大いに刺激を受けました。
私は、TRI初心者なので、初歩的なことを教えてほしいのですが、皆さん、インター
ベンションの際のguiding catheterは何を使われることが多いのでしょうか?
1998頃の斎藤滋先生の論文では、初期には、back upの優れたvoda left、right
の使用が多かったが、Judkinsでも十分であり、最近では、その使用が増えていると
書いてありました。amplatzの使用が、左右とも2割程度でした。
TBI、TRIでは、右総頚動脈が後方に開口したり、subclavian loopがあるとカテーテ
ルのengageや、back upが悪くなることが経験されます。本日もJL4(ZumaII)使用し、
#6stenting行いましたが、途中で、engageがはずれてしまいました。proximal site
だったので、何とかねじ込み、終了できましたが、もっとback up supportの強いカ
テーテルを使うべきだったと反省しました。
そこで、教えてほしいのは、
(1)皆さん方のfirst choiceのguiding cath.は何ですか?
(2)血管走行にどのような所見がある場合、second choiceのguiding cath.(back up
supportの強いカテーテル)を選択するのでしょうか?
(3)Judkins以上、Amplatz未満のカテーテルって、やっぱりVodaですか?
(4)medikitのシースを使っていますが、シース圧が出ません。他社製も同様でしょう
か?

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> (2)血管走行にどのような所見がある場合、second choiceのguiding cath.(back up
> supportの強いカテーテル)を選択するのでしょうか?
もし、鎖骨下動脈などの高度の屈曲なら、しかたないのでアプローチをFemoralに変
えます。冠動脈入口部の起枝異常なら、アンプラッツで探るか、右ならMUTA(落合先
生作)を使うこともあります。

> (3)Judkins以上、Amplatz未満のカテーテルって、やっぱりVodaですか?
ジャドキンス、Cカーブ、Voda、アンプラッツの順でしょう。
Vodaは以前私も齋藤滋先生も良く使っていましたが、入れるときにカテ先がかなりジャ
ンプするので、入ったときにLMTにDissectionを2例作ったという齋藤先生の指摘で
止めました。Cカーブは各社出していると思いますが(名称は各社で異なります)こ
の方がLMTにも優しく、Deepにも入ります。

> (4)medikitのシースを使っていますが、シース圧が出ません。他社製も同様でしょう
> か?
Femoral用のシースなら外径を気にせずに作ってあるので、内腔にマージンがあって
圧が取れていました。6Fr.といっても実際には内腔6.2Fr.あります。しかし、
最近はここに目を付けた各社がガイドカテの内腔を大きくするのに6.2Fr.の内腔
を最大限に利用して作っています。だから、6Fr.ガイドカテは正確に言うと、6
Fr.シースに入るガイドカテで6.2Fr.ぐらいの外径です。
(だから、これを6Fr.2mm径として冠動脈径実測のキャリブレーションに用いる
のはチョット問題と思います)
ズーマ2も070インチの内腔を得るためには、ズルしているのです。
このようにガイドカテ側の問題もあるので、どの社のシースでも同じではないでしょ
うか。シース圧はTRI施設ではどこも取っていないと思いますよ。

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○○です。
back up の強いカテとは?
今年、現在までで約140例以上のPTCAを施行しています。
約6ヶ月で90例のPTCA施行していますが
TRI以外のPTCAは6例です。そのTRIでジャドキンス以外のカテを使用したのは
3例しかありません。回旋枝に対してのAL2が2症例、右の冠動脈に対してのキムニー
が1症例です。
右の症例でジャドキンスのJL4.0でエンゲージした症例があります。思った以上にバッ
クアップがとれるのです。
それ以外でバックアップが必要な症例はdeep engagi をしています。
僕はまずIVUSをもちいます。そのIVUSがクロスする症例は心配しませんが。
そうでなかった時はカテをdeep engagi しています。
今日も前下行枝の石灰化と蛇行があったため、mejor septal をこえるあたりまで
deep engagi してステントを留置しました。
右ではよく右室枝くらいまではdeep engagi します。
deep engagi できれば、ほとんどの症例でジャドキンスでのPTCA可能だと思います。
では、そのために中枢側に解離が生じたら?
ステントを留置します。だって末梢より容易に留置できます。
しかしそのような症例は2/700しか経験がありませんし、ガイドカテは特に先端が柔
らかく小細工ができるものを好んで使っています。

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○○です。
当院では、虚血のevidenceがあり、本人の希望があれば
原則的にadhoc PCIをすることにしています。
5Frを6Frシースにし直すとスパスムが増えることを
経験的に感じたので、虚血がevidenceされたら診断カテは
6Frシース・5Frカテを使うようにしています。
 右冠動脈は基本的にJudkins typeを使用し、
左冠動脈は診断カテ用のMPカテのengageのし具合によって
JudkinsまたはAL1.5~2.0を使用するようにしています。
診断カテは右TRA、右肘部右心カテなので、6Frでengageしない場合
肘部から7Fr.でし直す心構えでいます。
しかしながら運がいいことにそのような症例には出くわしていません。
弱気ですが無理と思ったら心外back upのある施設に送るようにしているのも
事実です。無理と思うのは年に1~2例程度です。
診断カテで腕頭動脈が蛇行していた症例の右冠動脈に対して
左橈骨動脈を刺し直してadhoc PCIをした症例が1例だけあります。
無論そのまま右TRIでも成功してたのかもしれませんが、
 それと教えてほしいのですが、ガイディングカテをdeep seatingする時
バルンカテをガイドにされてますか、
要するにバルンをガイディング先端から出して行きますか?
それともガイドワイヤーのみでバルンはガイディングの中に引っ込めたまま
deep seatingされますか?
以前○○先生のカテラボでミニライブをされたとき
○○先生がガイドワイヤーのみでガイディングをdeepに持っていっても
平然とされておられました。恐くないですかと聞いても
“全然”といっていました。
○○先生の“手前にステントを置いたのは2/700のみ”と言われるのを
聞くと“経験かなー”と思うのですが、
そんなことでビビッている自分が恥ずかしいのですが…
教えて下さい。


============= 第5集 ===============

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○○です。

昨日は5Fr.Direct Stentingをした後、次の症例がステント内再狭窄だったので、
調子に乗って5Fr.で3.5mm-10mmのカッティングバルーンを通そうとしたのですが、無
理でした。システムを6Fr.に切り替えて終了しましたが、5Fr.では3mmまで(過去に
経験あり)が限界のようです。

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○○です。

基本的にはdeep seating する時には必ず標的のcoronaryと
guid cath. がcoaxialになっている事を確認してから行うようにしています。
こんな時はguid wireのみで押していっても大丈夫と思いますが、
回旋枝と角度があわなかったり、前下行枝がLMTより急峻な角度ででてる時は
deep seating がうまくできず、無理に押し付けると解離を生じる事もありますので
バルーンをガイドにしてdeep seating するようにしています。
それでもうまくdeep seatingできず、ステントがdeliveryできない時には、
かなり勇気がいるのですが、ズーマ・(6Fr)で標的病変のブランチ
(LADならD1、LCXならOM)、にワイヤーをクロスさせバルーンをインフレーションし
て、カテを固定するとかなりのバックアップがとれますが、全く狭窄がない場所での
インフレーションですので良い方法かどうかはわかりません。
(2ワイヤー,2バルーン使用しますし!)
本日のPTCAでは#6に25〜50%狭窄があり標的病変は#7の99%狭窄でした。
石灰化も強くバルーンのクロスにもかなり難渋したためステントの時には
major sep.を越えるあたりまで deep seatingしました。
終了時心配だったので10分間のwaitして多方向から撮影しましたが、幸いにも解離は
生じていませんでした。将来このストレスで狭窄を作るかも知れませんが....

これは僕の考え方ですが、どんなサイズのガイドカテーテルを使用しても、どんな方
法でPTCA してもそれぞれにriskはあるのだから、これが良いではなく、いろんな方
法を把握して自分でチョイスして行く事が大切と思います。
意地でもTRI,5Frと決めつけるのではなく...
勇気あるデバイスの変更も大切だと思います。

***********************************

○○です。

ところで最近ガイドカテが話題ですが、自分は余り
deep engageをしない方です。確かにしてもそんなに
ビビルことはないのかもしれません。
(○○の時はルーチンカテ-6F-がズボッとはいることは
あったし、8Fもグイーッと入れてましたから)
と言うことで、私のお勧めは左はJudkins type
で良いと思うのですか右は熊中の斎藤太郎先生が作った
カーブです(cordis 6F 067)
左用もあって何れもJudkinsとAmplatzの中間ややJudkins寄り
といったところでしょうか?
deep engageなさらない御貴兄、是非御試しあれ。

最近めっきりカテ数が減ってしまい(背景人口が8万人
に減ってバタバタ企業が倒産してます。)町全体
の雰囲気も落ち込んでます(今年は鯛もイカも
釣れないし)情熱が消えてしまわない様にすることで
精一杯です。
○○先生は○○でガンガン!バリバリ!やって下さい
子供と一緒に風呂に入りながら応援してます!!行け〜
************************************

○○です。

guiding cath.に関する初心者的質問でしたが、諸施設でそれぞれ、選択が微妙に
違っており、興味深く拝見しました。
自分は、今まで、TFIで、診断カテでのjudkinsのengage不良例、屈曲病変、石灰化の
強い硬い病変には、amplatz、c curveを積極的に使ってきたので、TRIを始めて感じ
たのは、カテのinitial engage不良であり、その使用頻度が増えるなあということで
した。前回の質問に対しては、TFIよりもamplatzの使用が多いだとか、judkinsの代
わりにvodaやc curveが多いという答えを期待していたのですが、必ずしもそうでは
ないということがわかりました。
今までTFIで、自分が積み上げてきた安全確実な方法の延長路線で、TRIへ切り替えて
いくことが、まずは、第一と考えましたが、たしかに、deep engageというのは、TRI
に要する重要なテクニックのひとつのように思います。Trans radial研究会解散する
のでなく、機会があれば、このような実践レクチャーがあればいいのになあと残念に
思います。
TRI第2世代として、諸先輩に、TRI始めるにあたり、「ここが不安」「ここがわから
ない」という質問をぶつけていきますのでよろしくお願いします。

これは、TRIに関係なし。昨日の症例ですが、#6: 99%delay(cac++) #3-4AV:
99%delayのimpending MIで、ECG上、前壁OMIらしい。多分、RCAからLADへの
jeopadized collateralがあり、そのdonor arteryでの虚血が今回のイベントの
culplitと思われました。エコーでは、base付近を除いては、ほとんどakinesisで、
血圧は120/と保たれていましたが、肺水腫にて来院しました。とりあえず、IABPをい
れてから、interventionを行いましたが、どちらから手をつけるべきか悩みました。
先生方のご意見をお聞かせください。

***************************************

○○です。
春からPTCA100例目前です。Electiveは7割TRIとなりました。でも、左からしてます。
ごめんなさい。
さて、先日恐ろしいことがありました。
80歳 女性、AMIで#3にD-PTCAして、NIR SOX 3.0x16をおこうとして、6気圧で拡
張しました(末梢を4PDにつっこんだので低圧で試みました)。で、バルーンを回収
しようとしたところ、ステントから離れません。どんなにがんばってもGCが引き込ま
れるだけ、押してもGCが抜けるだけ。造影したところFLOWなし。SOXが広がってない
可能性を考えて10気圧で再拡張して何とか離れました。カタログには4-5気圧でソッ
クスがはずれるように書いてあり、バルーンのnominalは6気圧なので安心していたの
ですが、確かにステントのComplianceカーブは7気圧から記載しています。しかし、
何気圧であっても、SOX部分がふくらまなければバルーンとステントははずれません
よね(アンダーサイズの石灰化病変など)。にたようなこと経験ありますか?6気圧
でdeliverしようとした私が悪いのですが、6気圧ではいけないとはどこにも書いてま
せんよ。実際ステントを低圧でdeliverして、近位部を高圧で拡張する事なんてしょっ
ちゅ
うでしょう。患者はショックになりIABP入れるは、ゲロするは、糞するわで大変な修
羅場になりました。昨日IABP抜きました。不穏でトリップ中です。

***************************************

しばらく私のパソコンがダウンしていてご無沙汰しておりました。本日久しぶり
にメールをあけてみたらたくさんたまっておりました。○○先生のご指摘のようなケー
スが時にあることは聞いております。実は今日そういった症例を経験しました。LMT
に75%、LADjustでCTO、LCX#13に99%、RCAよりLADにcollateral+++がある80歳の女
性の例です。CTOは14年前のOMIらしいということでした。今回は回旋枝の心内膜下梗
塞(maxCK400)に対して、LCXのみをさわるということでインターベンションを始めま
した。GCはCordis6Fr.JL3.5STを使用。LMT入口部は6Fr.でwedgeし十数秒でショック
と徐脈になるため、PTCAガイドワイヤー(coice,transit,extrasuport3m)をうまく
使って入口部付近で操作しました。adante3.0*20とNIR Elite3.0*18はGCを入口部に
軽く押しつけるだけで割とすんなり病変に持っていくことができました。POBAの拡張
の結果より、ややoversizeでしたのでステントも6気圧で終わろうと考えました。と
ころがデフレ後バルーンを引こうとしたところステント内から1mmも引けずガイドカ
テが狭窄したLMT内に引っ張り込まれるではないですか。仕方なく8気圧で再拡張し、
今度はすんなりバルーンを引くことができました。
やはりこれはSOXの影響のようで、ポイントはバルーンがステント内から1mmも引
けない、もしくは押せないということとガイドカテが引き込まれるということでしょ
う。もともとNIRステントは4気圧くらいかけないとすんなりとは拡張しないものでし
たが、NIRSOXになって4気圧でも拡張までにかなり時間がかかるようになりました。
この傾向はNIREliteになってさらに強いようで、本日も4気圧では20秒近く待っても
バルーンが拡張せず、5気圧で初めて膨らみ始める有様でした。
今日の教訓としてNIREliteはオーバー目のステントは選びにくいということでし
た。特にdirect stenting中に「硬い!」と気づいた場合はある程度の覚悟が必要そう
です。今日の症例はステントのdistaledgeの解離に対しadante3.0mmの2気圧で押さえ
てまあまあのできになりました。LMTは傷ついていなさそうだったのでやはり拡張せ
ずに終わりました。みなさん気をつけましょう。

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○○です。
NIRはつらいです。今日は前回に懲りて10気圧かけたら、distalがしっかり割れてし
まいました。5分まって進行しないのでそこでやめました。NIR Eliteのバルーン
はsemi-compliantでquaterの調節は難しいし、Proxとdistalのギャップがあるときど
うしてますか?蛙を飲み込んだ蛇を目指すとえらい目に遭いそうですが・・・

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○○先生の、excitingな症例についてですが、まずは6気圧でもいいのではない
でしょうか?6気圧かければNIRでもたいていは問題なく開きます。どうしても圧をか
けたくなかったら、もう一回6気圧で拡張したり、少し長時間めにしたりと工夫でき
ると思います。(僕はステントの留置時は未だに60秒加圧しています。)それでだめ
なら高圧ですが、8気圧とかからではいかがでしょうか?
段差のある血管ですが、昔は、テーパーバルーンがはやりかけたことがありまし
たが、マーケティング上不利なのか、必要ないから廃(すた)れたのかわかりません
が、あまり見かけなくなってしまいました。(個人的には好きだったので、今で
もmarbinaとか使っています。)それで仕方がないので、ステントの場合、まず小さ
いほうに合わせて留置して、次にバルーンを引いて高圧で径をあわせにいくようにし
ています。このときのバルーンの位置は、ステントエッジのみ小さくまとめるように
しているので、シネを空うちしながら1〜2mmだけ引きます。そうすると、蛙を飲み込
んだ蛇状態ではなく、テーパーステント状態になります。
「径をあわせにいく」というフレーズで話がそれますが、仮に、見積もり2.75mm
強の血管があったとします。みなさんは、当然3mmステントをお入れになると思いま
すが、こういうときは、必ずpredilatationをする事にしています。思いの外硬かっ
た場合、directstentingで大きめの径のステントなら、高圧にしてオーバーサイズに
するのがはばかられるからです。2.75mmでpreをして、ステントは、nominalで拡げ、
ステント後は2.75mmの高圧か3mmステントバルーンで、コンプライアンス表をみなが
ら希望の径に持っていくようにしています。それで、バルーンのコンプライアンス表
と、自分の見積もりと、POBA後の結果がよく合う、自分が信頼できるバルーンという
のを持っております。(以前だったらcaripso、今はACSのsolarisやBostonのadante
です。今度、Bostonからnew balloonがでますが、コンプライアンス表だけ見て、密
かに期待しています。)このため、使っているバルーンのほとんどのコンプライアン
ス表をカテ室に並べて張っています。
長くなりましてすみません。

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○○です。

私はNIRは少ししか使いませんが、面白く読ませていただいています。
ステントを入れる時の血管径のミスマッチに関しては、私もdistal側の径に合わせた
ステントを使用し、nominalで拡張後、ステント3分の1ぐらい引いて、もう一回高
圧(12気圧ぐらい)拡張しています。diatal edgeにdissectionを作らないためと、
proxymal側をしっかり押さえつけるためです。

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○○です。

入会のご挨拶が遅れ申し訳ありません。このたび○○先生のご紹介
により入会させていただいた者です。
私は長いこと○○にていわゆるclassical interventionばかりの世
界で生きてきて、不満だらけでした。
このたび出身医局の○○大学に帰りましたが、これがまた大学病院に
ありがちの症例不足でフラストレーションが溜まるばかりです。
皆さんの興味ある話を聞きながら早くもっとカテのできる病院に行きたいなと
思う毎日です。どうぞよろしくお願いします。

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○○です

季節柄飲んで帰ってきたので、ご挨拶が遅くなり恐縮です。この度TRA-netに加えて
いただきました。私の所は、一応大学病院で、循環器グループは、有給者11名(うち
欠員1)・大学院生8名ですが、一般内科に供出している人たちなどを除くと、実質有
給者7名・大学院生4名でCCUとカテを運営しています。今年はインターベンションが
450例位ですが、○○に位置しているせいか、本当に苦しくならないと来院し
ない患者さんが多く、4割以上がAMIないしu-APの緊急例です。TRIは全症例の約7割で
す。どうぞよろしくお願いいたします。

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○○です。

TRAとは全然関係ありませんが、ダイエットの話題をひとつ提供します。

3食、均等にバランスよく食べ、カロリー制限し、ダイエットするのはとても難しい
と思います。インターベンションやってるような医者の中で、カロリー計算ができる
のはごくわずかでしょう。

そこで、ブックス法の提案です。朝、軽く食べます。例えば野菜ジュース1缶と果物
少々。ここが肝心ですが、昼、食べません。せいぜい、バナナ1本とかハーゲンダッ
ツ1個で頑張ります。腹が減ったら、水・ウーロン茶・無糖コーヒーなど、カロリー
の無いものでしのぎます。私は、長年の悲しいさがで、プロテクターをつけてPTCAを
始めてしまえば、空腹は気になりません。夜は、自由です。ビールのんで、好きなも
のを食べます。

1週間ずっとこれをやっていると、気が狂いそうになるので、私は週5日位にして、の
こり2日は普通に過ごしました。

私は、この方法で、半年で、10キロやせました。後輩の(消化器内科医ですが)、
やっぱり10キロやせました。興味のある方は是非、お試しを。
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○○です。
○○先生がうらやましいです。以前 勤めていた病院ではDirect or Rescue PTCA後、
15-30分waitしてました。その待ち時間でよくピザを食べてました。今でも、夜中の
緊急や空腹時のPTCAではピザが食べたくなります。腹減った状態でPTCAすると、イメー
ジ(II)がピザに見えたりします・・・・・?

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○○です。

ネット上で上司のゴマをするわけではありませんが、
さすが理論家の○○先生です。
しっかりとした論理に基づくダイエット、大切だとおもいます。

今日はクリスマスイブの前日ということで
t-PAの日になったのですが、
余りにも急に決定したため一緒に遊ぶ人がいなくて、
結局、家で酒飲んで酔っ払っています。
朝は冷凍庫にあったたこ焼き、昼からはチーズをつまみにし、ビールを飲んでいま
す。
太って当たり前です。でも気楽で良いです。
そろそろ日も暮れてきました。街に出ます。
明日もt-PA。今夜はゆっくりと楽しめそうです。

おっと、どんどん話がそれてしまいました。
TRAの話をしなければなりません。
○○先生のメールによると、
○○先生は右TRAの翌週に左TRIをされるようですね。
皆さんはどうされてます?
私はTRA翌日にTRIを試みたとき、
radialが触れにくくなっていて穿刺に失敗したケースが一例ありますが、
触れに問題なければ通常はまた右からやります。
それで困ったことはありません。
狭い間隔で2度radialを使うといけないんでしょうか?

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○○先生はじめまして。
○○といいます。愉快なメール読ませていただきました。
○○病院は田舎にありまして、ほぼクリスマス、ジングルベル感がゼロ状態の○○の町
です。昨日の当直などは、“鹿と間違われて猟銃で撃たれた患者”だとか“○○農業高
校生徒と○○工業高校生徒が神社の裏でけんかした打撲”だとか、田舎ならでは(笑)
の救急状態でした。とほほ。
ダイエット情報。田舎ならではの広大な土地がありまして、週に二、三回ジョギングし
ています。僕は二年前からジョギングをはじめたのですが、当初は500m程でダウンして
いました。現在はルーチンで5-6km走っています。はじめて半年位で5kgほどやせたので
すが、もともとあまり肉がついていないのでそれからは横ばいです。医者は、健康組と
不健康組にはっきりとわかれますね。
優秀なCardiologistでありながら、むしろ腰痛、肩痛、手のしびれ、などプロテクター
のside effectで、一線を退かれていかれる先生が多いので要注意です(激務で大病を
患われる先生もおられますが)。
さて、○○先生のメールで“t-PAの日”というのが、気になりました。これは、クリス
マスとかイベント事の時は、当直の先生にiv t-PA宜しく!緊急カテないもんね!状態
なのでしょうか。それであればうらやましい。
TRA翌日のTRIですが、うちはTRAを4Fr(ヘパリン2000、圧迫2時間、ラディスポ使用)
でやっていますが、翌日TRIをやってほとんど問題ないですよ。

そういえば、○○先生のとこはLVGを手打ちでやっているという噂を小耳にしました。
ほんとうでしょうか。
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○○です。

○○先生、レスポンスありがとうございます。
t−PAの日とは先生のご推察どおり、
緊急カテなしの当直まかせという意味です。
たまにはこんな日もないとやってられません。
もっとも我々の施設では、自主的にやっているon call体制であり、
勤務としての縛りはありませんので、
当番日であっても平気で飲みに出たりしています。
でも、先日酔っ払ったまま、100Km/hくらい出して病院に行く途中、
人をはねかけました。
もし本当にはねてたらお先真っ暗ですので思い出しただけでもぞっとします。

私たちは術者3人で当番制にしておりますので
1ヶ月に10日が待機日になります。
月に10日ぐらいで文句を言うななどと思われる方もいるかもしれませんが、
私自身、呼ばれて出て行くことは一向に構わないのですが、
それに対する適切な報酬が病院から支払われないことに
非常な不満を感じております。
待機は循環器グループの医師の善意に基づき、
自主的に行っていますので、報酬は0です。
緊急呼び出しは一回につき???円です。
3人呼び出しても???円になりません。
緊急カテ一回で100万位にはなるので、
自宅待機料も含めて、もっと出してくれても良いのではないかと思います。
でも、これは私たちのところだけでなく、
日本全国どこの病院でも似たような状況だと思いますがいかがでしょう?

TRAは4Fですか。細いですね。
私たちのデータでは、radialの術後閉塞は
術前の橈骨動脈径が平均1.9mmと圧倒的に細い血管に多く、
シース/橈骨動脈径比も1.4と、血管径に対して大き目のシースを使用すると閉塞が起き
るようです。
(非閉塞群は径が平均2.7mm、比が1.0)です。
4Frですと、シースの外径も2mm以下になるでしょうし、
術後閉塞も殆どないのではないですか?
でも造影性はいかがです?
術者が新米だったりすると、
十分に病変が造影されないまま
カテを終了することもあるのでは?

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○○です。

○○先生のメール楽しく読ませていただきました。私は、決して女にもてようと思っ
てダイエットしたのではありません。10kg落とすと、体は軽くなるし、服はイタリア
ンサイズが何でもぴったしだし、悪いことは何もありません。

さて、○○先生のメールにもあった、緊急PTCAに対する病院の対応はこれから非常に
重要な問題だと思います。夜中のPTCAですが、末梢かLMTか、堅気かもんもんか、病
院に行ってみるまではわかりません。まともな社会常識を持った患者さんには、わざ
わざ夜中にありがとう、と心から感謝されますし、充実感はあります。正直言って嫌
いではありません。齢40を超えていますが、今でも月10日、on callしています。

ただし、○○先生のメールにあるように、循環器内科医の善意に、一方的に病院がす
がる現状は、問題を多く抱えています。on call体制の構築、そして呼びだし、正当
な報酬を支払ってあたりまえです。こうしたことが全く配慮されていない現状では、
ときにt-PAの日、作って当然だと思います。診療報酬以外に、”循環器、いつでも緊
急対応OKです“、は病院にとって、大きなアピールなのですから。また、殆どの病院
で、給与は、役職・卒業年次・勤務年数などで機械的に決められていると思います。
私たちのように、患者の生死に直結し、売上も高く、激務(手術料収入は外科と同じ
かそれ以上でありながら、外来診療は一般内科と同じかそれ以上の数を要求されるわ
けですから)で、緊急が多い所と、患者の生死に殆ど関係なく、緊急も滅多にない、
某科の医者と、年さえ一緒なら給与が同じなのは理解を超えています。このことが、
効いてくるのが、次代を担う、若い先生方のこの業界への参入数です。私の知る限
り、大学病院で、intervention 志望の新入医局員は減少の一途をたどっ
ているようです。今、激務の割に報われることの少ない、産婦人科・小児科の先生方
の減少が問題になっていますが、これは対岸の火事ではありません。今までは、施設
が新しくできることで、早期に術者として一本立ちできることが、若い先生方のやる
気をうながしてきましたが、各地でほぼ施設が出揃った現状では、若いうちでの一本
立ちも難しくなってきました。

私は、このnetの参加者の中では、年も上のほうで、それなりに良い思いもしてきた
ほうでしょう。それでも10年を超えてon callに組み込まれているとこうした感情
を抱いてしまいます。何か、よい考えはありませんか? 特に、第一線の前線でがん
ばっていらっしゃる若手の先生方のご意見をお待ちしています。

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いよいよイブも終わりっす。○○です。
○○先生のおっしゃるように、4Fr(手打ち)は造影性が犠牲になります。たまたま、
うちのラボには二人しかCardiologistがおらず、技術もこなれており、年間カテ数も
550程度ですので、あれこれ工夫して頑張っています。将来4Frの時代が来ると信じて、
カテ業者とごちゃごちゃやっています。(○○先生のNEW Type4Fr共用良かったです
よ。是非皆さん使ってみてください。ちなみに私のTMカーブも来年Version upします。
乞うご期待。)

循環器内科医がいない時のAMIへの対応は、私も頭を痛めております。本音では、t-PA
の日というのに魅力を感じているのですが、実際は「他の当直医、当直内科医が許して
くれない」状態で、多分彼らはt-PA等使用したことがないと思います(とほほ。本当は
教育しなければいけないのでしょうが)。それで、現在は緊急は一日おきに二人で待機
しています。しかし、田舎で症例数も少なく、敷地内の官舎(内線で繋がれている)に
住んでることもあり、まっそれ程忙しくはないのですが、二日一回待機はちょっとスト
レスです。都会になれば、いろんな人が急患で来るでしょうし、それはそれで大変そう
ですね。

でも、うちなんかはまだ良いほうですよ。○○先生とことか、○○先生とことか、一年
365日、毎日一人待機状態みたいですから。上(下?笑)を見ればきりがないっすね。

給料はすくないっす。開業医の先生とまではいかないまでも、もうちょっと正当な報酬
が欲しいです。
「自分の妻がかわいそう」になりますネ。
ということで、Familinization(家族サービス)として年末、○○温泉にいってきま
す。一年間、放射線とプロテクターで痛めつけられた体をリフレッシュさせてきます。
温泉にはいってて、隣の爺さんがMIで倒れたら、○○病院に送ります。そのときは○○
先生、○○先生よろしく。

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○○です。

ダイエットの話となると割って入らねばなりません。
○○先生ご推薦の”BOOCSダイエット(九州大学の藤野先生の理論)”の本も、ちゃ
んと私の目の前にあります。
この方法も約1週間実践して確かに2kg痩せましたが、私は前からの悪い癖で、あら
ゆるダイエット法を検証して、本物かニセ物かを判断したらその方法を止めてしまい、
次の新しいダイエット法を探すという悪い趣味があります。
BOOCSダイエットは効果があると思いますし、夜の飲み会を断らなくて良い方法なの
で、現実的で継続可能な良い方法だと思います。

趣味のダイエットはもう100回以上経験しました。
そろそろダイエットの理論家ではなく、実践家にならねばなりません。

<追伸>
それにしてもテイエムオペラオーは凄い・・・・・・

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○○です。
○○先生、早速のご指名ありがとうございます。
大晦日は当直ですので是非カテに来てください。

温泉街の宿命ですが、MIもいろんな方がいらっしゃいます。
結構、お忍び系で胸痛出現される方もいるので
○○先生も十分注意されてくださいね。



============= 第6集 ===============

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○○です。

○○のど真ん中でも”t-PAの日”があるのには、嬉しくなってしまいます。
ところで、質問があります。
“t-PAの日”に以下の様な患者が来ました。どうします?

84歳男性、3時間前より持続する胸痛あり。
心電図上V2-V5でST上昇。

当直医(PTCAできない)はどういう選択をするのでしょうか?
t-PAは使いにくいし、かといって何もしないではかわいそうだし?ヨソにまわす?
それとも??????????

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○○です。
いつも楽しくmailを読ませていただいています。
先生からの高齢者に対するtPAの質問に対する答えは難しいですね。
個人的には
1.高齢である事 
2.発症から3時間経過している事
からtPAは使用しないと思います。
当直医がPTCAができない場合の選択はやはりPTCAの可能な近医に送るのがベタ
ーでしょう。但し○○先生のおられるような環境でどうするかはその場の患者
の状況によると思います。
また皆さんの意見を教えてください。

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○○です。

まだ自己紹介は済んでおりませんが、
実は○○の最後の良心と呼ばれております。
当直医は怖い○○先生には電話できないので、きっと私に電話します。
そしてかわいそうな当直医のために
私が出てきてPTCAをやって上げます。
というのは真っ赤な嘘です。
私は暇ならば出て行きますが、
t-PAと決まっている日は、私用があればそれを優先し、
基本的に連絡がついても断ると思います。
やりだすときりがありませんので。
私はそれで良いのではないかと思います。

現実的には、○○先生がおっしゃるような患者がきた場合、
当直医は手当たりしだいに電話をかけまくり人を集めるでしょう。
クリスマスというのに相手がいない暇な人間は必ずいます。
そういう医者と当直医でとりあえず助手の頭数は揃います。
あとは術者です。
術者がいないときはどうするか?
私にはわかりません。
それを考えるために当直医がいるのです。
当直医は悩み苦しみ成長していくものなのです。
ただ、当直医がメディカルに診ようと、他院にまわそうと、
そのときに取った判断に対しては文句はつけず、
責任は取ってあげたいと思います。

***********************************

○○です。
○○先生のご指名により意見をば言わせていただきます。
○○の方には信じられませんでしょうが、ここ○○は人口??万(周辺をあわせる
と??
万弱)で、カテの出来る施設がここだけです(一人勝ち状態)。隣のカテ病院は○○先
生のところで1時間かかります。この病院の心臓内科スタッフは私と3年目のレジデン
トだけです。オペレーターは私だけです。陸の孤島のようなところに閉じこめられ、
悶々とした日々を送ってます。
今春、○○に来たのがたしか3月27日だったと思います。3月29日頃、まだ辞令がでて
ないのに緊急カテをさせられました。それから今日までたぶん280日あります。その
間、
○○を離れたのは、義弟の結婚式1日、夏休み3日、この前の大学の同門会2日です。
6/280です。質問のその爺さんには運が悪かったとあきらめてもらい、ヘパリン・ニト
ロで寝ていて
もらいます。私が帰ってきたときに、運良く胸痛が持続していたり、虚血性ST上昇あっ
たり、心不全になっていたりして、何か理由があればカテをします。
でも、こんな環境にいるとどんどん馬鹿になります。来年は人数を増やしてもらって、
会合に行くぞ!!よろしくお願いします。

************************************

今日何回か文中に登場してきた、○○“最高の良心”、○○です。

さすが鉄腕・稲尾を生んだ九州の地です。○○先生のご努力、頭が下がります。

○○先生ご提示の症例ですが、私も、やっぱりその日は内科的治療です。確かにきり
が無いので、“t-PAの日”なら、悩まないと思います。いちばん困るのは、こうした
爺様ではなく、“t-PAの日”にやってきた、発症2時間でKillip 1度の前壁中隔梗
塞、STはI・L・前胸部でガバ上がり、ただし上半身一面には鮮やかな倶梨伽羅
紋々、左手第5指は末梢で欠損、護衛の怖いお兄様方が2・3人付き添いで・・・、
といった症例でしょう。

皆様、どうされますか? 私? 当直医が、病歴・血行動態・心電図所見でなく、
“身体所見”を正確に伝えてくれれば、もちろん小心者としてはカテしに行ってしま
います。後、怖いもん。どうしても無理なら、万難を排して、どこかに送ります。

夜間・休日の緊急、何らかの形で、きちんとした対応基準、決めてほしいですね。無
論、この前から言っている、待遇面でのバック・アップも含めてですが。

ところで、うちの病院ですが、“t-PAの日”はごくごく限られています。今年は、on
call 術者3人体制で、AMIとu-APで200件弱、緊急
ad-hoc PTCAをしました。○○先生も本当に頑張ってくださっています。皆様、誤解
なさいませんように。

***************************************

○○です。
平成7年よりたった一人しかいない状況でPTCA施行しています。
最悪に困った事は、残った先生で無理に施行し残念ながらなくしたケース
があります。
ここ3年はいない時には無理をせずIABP挿入しコールしてもらっています。
是が非でも駆け付けるまでは頑張ってもらっていますが、時折もうすぐつくのにと言
う時にうまく開いた事もままありますが、......
そう言えばここ5年で完全にフリーだった事はないです。
なれてしまっていると言えばそうなんでしょうが、呼ばれないのも寂し気がします。
これって病気なのでしょうか!!
今月も9日間呼び出しありの、当直は4日ありの全て年棒に含まれる生活なのです....

収入は大ければそれにこした事ないですが、緊急呼び出しもふくめ全くつきません。
契約どうりデス。
働きやすい環境と収入はリンクしないような気がしています。
まあこう言う人生でも良いかなあと思っていますが.....
こんな生活でも満足していますが、変なのでしょうか?
***************************************


○○です。○○先生のメールで思ったことです。もう一つ付き合ってくださ
い。

私が本格的にPTCAの術者を始めて、9年になります。術者を30例くらいやった時で
しょうか、当時の病院の状況もあり、上司に、“夜と日曜は好きにやってかまわない
!”と言われました。嬉しかったです。今から思うと、上司の先生は、随分と思い
切った勇断(蛮勇?)をして下さいました。もう、夜のAMI、自分が最後の防波堤で
す。ワイヤが通らなくても、解離ができても、誰も助けてくれません。それまでの助
手時代に培ったものを生かして、考えに考えてPTCAと取り組みました。多くのものを
学び、力がついたと実感しています。夜の独断を許してくれた上司の先生、心から感
謝です。

上の先生が後ろに控えている限り、本当の実力はつきません。限度を超えて間違った
ことをすれば怒られますし、ワイヤが通らなければ取り上げられますし、合併症の対
応も言われたとおりにすればOKなんですから。フロッピーのまま続けるか、インター
メディエイトに代えるか、自分の指で感じ、自分で決めてこそ身に付きます。○○先生
のご意見もごもっともですが、次代の術者を育てるためにも、これと思う素質を感じ
る先生には、私は早い段階で、夜間のAMI、独り立ちを許すべきだと思います。ただ
し、若い術者の先生が、手を出してよいのは、TIMI 1まで。仮に、ワイヤが通らなく
ても、それ以上は悪くならないんですから。TIMI 2は自信があるときのみ、なければ
IABPで翌日PTCA。TIMI 3は厳禁です(誤解の無いようにお願いします。私が術者な
ら、TIMI 3でも高度狭窄なら即PTCAです。)。また、u-APは失敗すればAMIになり、
かえって悪くしてしまうので、独り立ち術者になるのはAMIで経験を積んでからで
す。もちろん、結果の責任をとってあげるのは、上のものの当然の務めです。

***************************************


○○です

何時も楽しくメール拝見しています。私は平成9年卒で本格的にカテを始めて1年半ちょ
っとです。
幸いなことにうちのチーフの先生は最初からワイヤーを持たせてくれたんですが、○○
先生のメールにあるように、最初は後ろに上の先生がいるとどうしても「ま、とおらな
くても変わってもらえるし」という気持ちがどっかにあるような気がしましたが、
最近は後ろに先生がいてもやっぱり変わられると悔しいんで何とかしようと思ってい
るとこです。

うちは循環器スタッフは私を含めて3人ですが今度の一月は土日上の二人の先生が研
究会とかで自分一人待機の日があるようです。「はじめてのおつかい」状態でちょっ
とどきどきします。いきなりガイドカテから入らなかったらどうしよう、とかもおも
いますが、自分に任せてもらえるという責任感はなかなかよいです。

給料の話でてましたけど、私は平成9年卒、しかも○○病院なんで給料も最安値だと
おもいます。
私の循環器拘束は週3日+αですが田舎なんで時間外の緊急カテも月にひとけたで、
そんなにいそがしくないからかもしれませんが、別に生活は困らないし、好きなもの
も買えるし、カテも楽しいんで今のところ特に不満はありません。ただ、時間外の勤
務の評価がちゃんとしてもらえたら、とは確かに思います(これは循環器だけの問題
ではありませんが)。あと、年とったら体力的にきつそうだなーとはおもいますが・・


今年は暖冬の影響かなんかAMI少ないです。ほかの施設はどうなんでしょうか?

***************************************
**

○○です。

本日は2000年最後の当直ですが、みなさんのメールをフムフムとうなずきながら読ん
でいます。

私も若い人に比較的早くPTCAをさせる方です。
若い人にはいつもこう言っています。

PTCAで難しいのはElective PTCAであり、AMIのPTCAは怖くない。責任ある立場とし
ては、元気で歩いて来た患者が霊柩車で退院することが一番怖い。たとえ、お前
(PTCAに慣れていない初心者のオペレーター)しかいなくてもPTCAの適応あり
(TIMI0〜2など)と判断したら迷わずやれ。もし患者が死亡し霊柩車で帰っても心配
するな。お前は”自分ではなく、他のオペレーターだったら助かったんじゃないか?”
と自責の念にかられるかもしれないが、お前が悪いのではない、AMIが悪いのだ。もっ
と言えば、365日のうち数日しかない”オペレーター不在の日”にAMIになるほう
が悪い。人間いつAMIになるか、オペレーターがいる日かどうか、どこの病院に救急
車が搬送するか、冠動脈のどこが詰まるかなどを含め、すべてがその人の運命だ。
PTCAは何例やっても他人(上司)のストラテジーでやったら意味がない。そんなの
で100例やるより、自分のストラテジーで5例やったほうがずっと勉強になる。
AMIで他にオペレーターがいない時は大チャンスと思って、自分自身が考えに考え抜
いたストラテジーでやってみろ。

と割り切っています。
**************************************

○○です。
やっと今年11回目の忘年会が終わり、左手にできたマメをさすっているところです。
今年の忘年会一発芸のテーマはグラサン・バンダナ姿になんちゃって長渕剛。
忘年会の度にギター・ハーモニカを持ち出し、“ひょっとして道を誤った?”
と後悔しながらメールを呼んでいました。世紀末はちょっとはじけ過ぎてます。
今日は仕事納めの日。なんと午前中なのにメールの読み書きが可能です。
胼胝のせいで12月だけでradial artery穿刺に2回失敗(→TBA)しました。

【ここでERから電話】
94才女性、呼吸困難、徐脈を主訴に来院。
心電図;,接合部調律(HR:35)II,III,aVf:inverted T。
心エコー;下壁が僅かにhypokinesis,AR III°
家族の希望でe-CAG;#2:99% collate++、
direct stent:硬くて25%,
挿入したPMは抜けなさそう。
予定カテ2例終了して仕事納め?

余裕をかましていたら、AMIが入りました。
除夜の鐘を108回聞く迄油断禁物の様です。

ところで○○先生が私に振ってきたので等施設の紹介を兼ねてお答え致します。
当院は○○という
せりたった海岸線にしがみつくように立てられた195床の病院です。
一見リゾートホテル風(高い建物が他に何もない)です。
医療圏人口は多くて3万人程度です。こんなところにカテラボが
あっていいのかという感じです。高看校まで併設されています。
AMIのemergent PCIは年間20~30例です。
到着前死亡を除いたAMI罹病率は60例/100,000人ですので
AMIはすべてうちに来る計算です。○○先生とちがってうちは2人体制ですので
15日/月の1st callです。で学会の時などは2人とも抜けることがあります。
そんな時にもし湯治の爺さんがAMIで搬送された場合やはり送るという
選択肢を選ぶでしょう。3年半いて二人とも抜けるかもしれないという
肩の力を抜いたアバウトなやりかたで生命予後が変わったと思われる症例は
運がいいことにまだいません。
○○の様に1施設しかないところだと大変ですね。
私は比較的小規模の、カテ年間300前後の病院派遣が多いせいか
夜は自由に羽を延ばしても、冷えたことがないせいかあまり考えていません。
“俺がいればePCIして助かったのに”と感じた経験がありません。
なぜか至近距離にいるのでePCI係になることが多いのですが、
循環器内科の哀しきサガか、遠くへ旅行したこともありません。
街興し温泉を渡り歩いてそのコストパフォーマンスに“あ〜ぁ 幸せ”
と感じてしまいます。
**************************************

○○です。
○○先生お久しぶりです。TRA netも全国区になり大変にぎやかでいいこ
とです。

以前は少ない中でがんばっていたようですが、楽するために人を増やそ
うということで、拡大路線を目指しております。○○には医者はきわめて少ないので、
僕はそういうことでつり上げられてしまいました。
さて、みなさんに、メディキットのスリットシースの付属ワイ
ヤーの件で質問です。
スリットシースは当院のTRIで現在全例に使っております。このシースでのTRIが
いつからだったか正確に覚えていませんがおそらく100症例あまりやっていると思い
ます。この中で術後に2例、前腕部に血腫を作った人がいます。シースの先端より末
梢側と思われるそれも血管の走行とははずれたところに遅発性に徐々に作ってきまし
た。2例とも「とめたくん」にて圧迫止血し皮下出血以外の問題はありませんでした。
おそらくシース挿入時の付属ワイヤーによる小動脈の穿孔と思います。ワイヤーの形
状が先端がテーパーしておりかつ押しが強いためで、そんなに強く押したわけではな
いのですが、簡単に小さな枝に入ってしまうためではないかと思います。その後はな
るべく透視下にてワイヤーを進めるようにしていますが、いかんせん視野外で、これ
が割と面倒です。
みなさんの施設でそのようなご経験はありませんでしょうか?現在のシースに付
属したメディキットのワイヤーは青い親水性コーティングをしたものですが他によい
ものはあるでしょうか?ワイヤーだけでもテルモのが使えないかと思っています。

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○○です。

スリットシースについているワイヤーは私は操作性が良いので気に入っていますが、
やはり○○先生と同じように、手技終了後に肘付近に動脈出血性の血腫を作ったこと
が4−5例(サイドホールシースから通算すると2000例ぐらいのうち)あります。
血圧測定用のマンシェットを巻いて止血しました。
当院は必ず透視下でワイヤー操作をしていますが、それでも小さい枝に入ったときに
穿孔したようです。

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**
○○先生ありがとうございます。コイルワイヤーは側枝には入りにくそうですが、本
管を傷つけそうであまり気乗りしません。別に探してみます。それからワイヤーの太
さのばらつきですが、当院でも1例ありました。年明けに正式な報告が来るそうです
が、「親水性コーティングのむらをチェックできてなかった旨の報告」だそうです。

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**

○○です。

○○先生、お元気にされてるようで何よりです。
私もスリットシースのワイヤーで先日血腫を一例作りました。
ほんのちょっと抵抗を感じたので透視で見たら、
側枝に入っていました。
帰室後に上腕が膨らんできて、
弾性包帯でぐるぐる巻きに縛り、
事なきを得ました。
○○では、radialのスパスムはTRI導入期にはしばしば見ましたが、
最近は殆どありません。
スパスムの発生の大部分は、慣れ、
即ち、穿刺の上手い下手で決定するのではと考えております。
私は今年一年でTRIは100例前後やりましたが、
ワイヤーの穿孔とスパスムの発生率とを比べると、
おのおの1例ずつで変わりません。
合併症としての危険性から考えると、
テルモの6Frシースの少し長いのがあれば、
(ワイヤーが変更されないのなら)
メディキットのスリットシースは必要ないかなとも思っております。

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○○です。
今年TRIは140例ほど行っています。
○○先生の言われるようにスパスムスは、穿刺が最大限のファクターと思います。
今年は、まず経験を積ませようと若い(?)先生に穿刺をほぼ全例まかしています。
そのせいもあるかと思いますが、3例程スパスムスでTBIに変更しました。
診断カテをいれると6〜8%程度生じています。
昨年たった独り循環器を福岡でやっていた時は、110例のTRIでスパスムスが生じて
TBIに変更したのは皆無でした! 
診断カテ250例でシース抜去する時に4例生じましたが...
これも施設が成熟するためには仕方がないかなあ、と思っています。
今日もd-PTCAがありましたが、穿刺ができず僕に交代しました。
最近は3回さしても当たらなかったら変われと通達していますので!
スパスムスは幸い生じておらず、TRI(6Fr)でS-670 3.0×15mmを留置して無事終わ
りました。
皆さんの施設では、ラディアルの穿刺に関しては、若い先生にどんどんまかしていま
すか?
どのような教育をしていますか?
スパスムスがおこってから穿刺針を僕に渡されてもどうしろと言うのだ!!といつも
怒鳴りたいのをぐっと我慢しブラキアルに変更しています。
ちなみにスリットシースを一度も使用した事のない変わり者です!!(ゼオンのシース
です。)

何か良いアイデアがあったら教えて下さい

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============= 第7集 ===============

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○○病院○○と申します。

初めまして。

自己紹介をさせてください。
雪の深い、○○県○○市の病院に勤務しています。
平成11年度のPTCAの件数は155件でした。その内、7割がTRAです。
○○県はradialが多い地域です。全県でも、6割〜7割程度です。理由は、斉藤滋先生
が○○にいらっしゃる事がしばしばあり、影響を受けやすい医師が多いためか、はや
りものが好きな医師が多いためか、....よく解りません。
私の施設では、私が唯一の術者で有りながら、病院としては一番若造医師なので、先
輩に圧迫をお願いするのが心苦しいためもあり、なるべくradialからやっております。
5Frのガイドカテも4割程度使用しています。
患者さんへのウケも良く、「心カテを手からなら何回やっても良いけど、足からなら
二度と嫌だ」とごねる患者も多いです。「なぜ私は足からなんだ」と暴れる患者もい
ます。

某メーカーさんからの口コミでこのHome Pageを知りました。
是非、皆様のお仲間に入れてくだされば幸いです。
色々、教えてください。

よろしくお願いいたします。

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○○です。
○○先生のメールは唐辛子のようにピリッとしながらも
何故か切ない内容でいつも読ませてもらってます。

この会を通じて、いろんな先生達と
個人的なつながりも出来ました。ありがとうございます。
この他にも○○時代にできた友人、知人が全国各地に
居り、現在へき地勤務をしていますが色々面白い
話を聞くことが出来ます。
この会は年に数回飲み会(研究会?)
がありこれもまた楽しい時間が過ごせて、かつ有意義ですので
是非みなさん仕事が許せば参加致しましょう。

現在勤務している○○病院は背景人口は8万人で、この地区唯一のカテ施設がある
病院です。PCIは年間約180例ですが、やり尽くしたのか、
不況のための人口流出か、そろそろスタチンが効いてきたのかは
わかりませんが、少しずづ症例は減少しつつあります。

生まれて一度も○○へは行ったことがありませんが、○○はきっと
すごく寒いんでしょうね。
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○○です。

思い出しました。○○先生と○○に行ったときに飲んだ”ふぐ酒”を。
確か”魚正”という店で、その時女将が、”今日は○○病院さんのご予約ですから、
普段は一升しか出さないところを、今日は特別に二升出します”と言って、木のたら
いになみなみと酒を注いで来たのを覚えています。中で確かに焼きふぐが丸々一匹泳
いでいました。これはキョーレツですよ。
話のタネにみなさんも○○までいかが?

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○○です。

○○は、今朝−10℃でした。寒いです。しかも、○○の全国大会が有るとかで、市
内は警察やら右翼やらで大混乱です

田舎者の私には、メールの内容を見て、日本の広さを感じます。
子供の頃、親に「ふぐを食べてみたい」と言ったら、「ふぐは南の国の食べ物で○○
では食べられない。鱈(たら)を食べる方がよほどおいしいのだから、我慢しなさい」
と、だまされた記憶があります。
医者になって初めてふぐを食べたときは感動しました。
九州地方ではポピュラーな食べ物なのでしょうか?うらやましいです。

寒い日は、緊急カテが多い、○○からでした。

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○○です

先週ついに一人PTCAをやってしまいました。
先週末、上の先生が東京、福岡にいって、一人留守番、しかも金曜くらいから妙に冷
えこんでたんで、なんかきそうだなーとおもってたらやっぱりきました。
60才男性onset 4hのAMI。造影したらRCA#1totalでした。
入口部でもなく、分岐部でもなく上の先生とやったら楽勝で終わるような症例でした
が、一人(研修医の先生は2人いましたが)だったんで、ステントのサイズはこれで
いいだろうか、とか後拡張した方がいいんじゃないか、とかいろいろ考えてしまいま
した。
幸い、いまのとこ経過はいいです。

私自身は自分の患者さんはほぼ全例radial なんで、自分一人のときもradialでやっ
ちゃおう、と思ってたんですが、やっぱりfemoralからしてしまいました(radialは
おもいっきり触れてたんですが・・・)。

とりあえず、無事に終わってよかったです。

それでは。

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○○です。

○○先生、おめでとうございます。
どんどんやって下さい。
ところで、先月Power BookG3を買った○○先生、Power BookG4の発売を聞きショ
ックじゃない?

○○先生、ごくろうさまでした。
それにしても先生提示のシネにあった2.5mmのバルーンを拡張したままRCA#1〜#2
をゴシゴシ擦って血栓を飛ばそうとする手技にはビックリしました。
関西の先生の”あれじゃ内膜がズルムケますよね”というコメントにも大笑いしまし
た。
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○○です。

私はRescueは嫌いです。
6Frを使い慣れた人間にとって、
7Frに入れ替え、
さらに吸引なんて手技が面倒だと思います。
なお、コストパフォーマンスについてですが、
Rescueが通れば普通のステントは通りますので、
Rescueの後にdirect stentすれば
安くなる思います。

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○○です。

この小さ目(時にはjust size)のバルーンを、1〜2気圧の低圧で加圧
し、冠動脈内の血栓の破砕を試みる方法を、私は個人的には“お掃除”と呼んでいま
す。実際のところ結構破砕が可能です。

RCA#1〜#2の閉塞は困りますが、うまく
4AVのdistal emboliなんかにしてしまえば、まずヘパリン、抗血小板剤などで慢性期
はpatentです。証拠はありませんが、血栓どろどろの右冠動脈は、大体において血管
径も大きいので、そんなに内膜もはがれないんじゃないですか?

私も、個人的にはresucueの効果(とくに費用対効果)には懐疑的です。AMIの血栓対
策、やっぱり本命はReoproだと思っています。

○○先生、はじめての一人PTCA成功おめでとうございます。これからのインターベン
ション人生、山(成功)あり谷(合併症)ありだと思いますが、是非その感動を忘れ
ず、頑張ってください。ちなみに、私の○○年前、○○でのPTCA1例目は、素直な
LAD7、いまならステント入れて5分でおしまいですが、いきなりacute closure!結局
90%位にしてflowは得られたものの、それ以上解離から離脱できず、IABP挿入しまし
た。翌日2:1にするとSTが上がってしまい、そのまま緊急CABGになりました。幸いグ
ラフトも開存していて、患者さんは今でもお元気ですが・・・。随分と暗雲の立ち込
めたスタートでした。○○先生の幸福なスタートがうらやましい・・・

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○○です。

昨日のプロジェクトX(NHK)見ました?
須磨先生が天才心臓外科医と紹介された番組でしたね。
現在バチスタ手術は49例行ったと言っていましたが、初めめのふれこみの様にはあまり
拡がっていない感じですね。あんまり成績が良くないのでしょうか。

でも、あの番組を見たDCMの患者さんは、みなバチスタ術が救世主に見えるでしょ
うし、須磨先生が神様に見えるでしょうね。(そういう番組構成でした)
今日あたり須磨先生の病院に全国のDCM患者か
ら問い合わせが殺到しているかもしれません。

私の記憶では、バチスタ手術の第一号の直後の講演会に須磨先生が
登場されてこの話をされたのを覚えています。その時、術衣のまま馬に乗って登場す
るバチスタ先生の映像を見ました。

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○○です。
私は、12月に大阪であったRescueの講習会に行ってきました。
その中で興味深かったのが、長崎中央病院の先生が提示されていたaf thrombusによ
るAMIで、PTCAすることなく、Rescueの吸引だけで、責任動脈の十分な開存が得られ
たという症例でした。その先生によると、afを合併している症例では、血栓塞栓が少
なからずあり、Rescueは威力を発揮するとのことでした。そう言われてみれば、Paf
でフォロー中の患者のMIで血栓で苦労したことを思い出して、思わず、なるほどと
思ってしまいましたが、実際のところ、そんなに多いものなのでしょうか?
多分、東京での講習会でも話が出たことと思いますが、微小血栓を吸い上げること
で、no reflowが減っただとか、慢性期の壁運動が改善したという結果はまだでてい
ないということでした。吸い出した血栓の性状や、液のマクロファージの活性を調べ
るstudyなどは発展しそうでした。
早速、2例ほど使ってみましたが、1例は、最初の吸引後に、reperfusion VTが出
て、使い慣れないものをごそごそやっているのももどかしく、すぐに通常のインター
ベンションに切り替えてしまいました。(赤色血栓は吸引されていました。)迅速に
拡張ができないのは、欠点とも思えます。
コスト面は、懐疑的です。Bostonの担当者に確認したのですが、Rescueだけでセッ
ションを終わってしまった場合、PTCAとしての手技料は加算できないそうです。とな
ると、レセプトの厳しい、わが○○県では、guiding cath、wireなどもすべて引かれ
てしまう可能性があります。当分のところ、Rescue後には、baloonを1本使っておく
ほうが賢明のようです。

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○○です。
かなり遅いですが、tra-netのみなさま、あけましておめでとうございます。
○○先生、いつも刺激的な話題ありがとうございます。毎朝メールを開くのが楽
しみです。
Rescueは、当院でも2例行った以後は使っていません。血栓の多い病変では、そ
の後も話題には上りますが、私個人的には終わったはなしになっていました。が、そ
んなに使える場面があるのでしょうか?話によっては考え直してもいいなという気に
なりました。
ただ、冠動脈内に鋳型状にぴったりとくっついた血栓がずるずるとあの細いカテー
テル内を引かれていくようには思えません。実際はどんな形になってボトル内に引か
れてくるのでしょう。粉状か粒状でしょうか?うちの症例ではちっとも引けなかった
のです。手技の問題なのでしょうね。○○先生、そこのところはどうなんですか?
あんな単純な作りのデバイスが10年前から存在しても良さそうなのに今までなかっ
たというのは、できては消えていたのではないかと思うのですが・・・。

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○○です。

RESCUEの講習会で印象的だったのは、筑波メディカルセンターの先生の症例で、右冠
動脈の血栓吸引中に血栓がカテに詰まって吸引できなくなった時、カテを回収してフ
ラッシュしようとしたところ、血栓がカテの外側に着いたままでガイドカテ内に引き
込もうとしたときに血栓が脱落して、RCA1に血栓を落としたという症例です。
シネでも落とした血栓がハッキリ写っていました。
その先生は、ガイドカテがうまくエンゲージしていなかった場合、大動脈に血栓を落
としてしまい脳血栓をつくる危険性と、CXのAMIに対して血栓吸引をしているときに、
LMTに血栓を落としてしまい、それがLADに流れてしまう危険性を指摘されていました。

このシステムは血栓を破砕することなく、ほぼ原形のまま吸引するみたいなので、大
きい血栓や硬い血栓などは、カテに詰まってしまうようです。

ほとんどの症例はRCAに対してされていたようですが、RCAのワイヤーはほとんどRCA
の外側のカーブにそって入っているので、RCAが3.5mmも4.0mmもあれば、ワイヤーに
そった外側の血栓は吸引できても、同じところに有る内側の血栓は吸引出来ないよう
な印象でした。

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○○です。恭喜発財(コン・フェイ・ファッ・チョイ)! 農暦の、お正月お
めでとうございます。今週アジアでまともに仕事しているのは日本くらいのもので
しょう。
 
今日、私のradial人生で初めて、スリット・シースの意外な弱点を経験しました。症
例は小柄で肥満した70歳代の狭心症の女性、石灰化の強いLAD7に対する6Fr手ロー
タの症例です。診断カテは上腕から5Frで行われ、とめ太止血でOKでした。見るから
にヘマりそうで、大腿を穿刺する気にはなりません。 

radialの穿刺法は大多数の皆様と同じ20G静脈針で、シースは17cmスリットシースで
す。

radialは触れが微弱なものの手早く穿刺し、付属の
0.025ワイヤを進めていくと肘のあたりで弱い抵抗があり進みません。一旦
NTG/verapamilのカクテルを打った後、透視で見ると、肘のところでワイヤは外側に
曲がって小血管に入っており、何度トライしても上腕動脈にあがりません。ワイヤを
肘の手前でとどめ、スリットシースを数cm挿入し、まずradialをしっかり確保しまし
た。

造影してみると、radialは目の子で1.6〜1.8mmくらいと細く、肘のところで直角に曲
がり、上腕動脈に合流していました。メディキットの直の0.025ワイヤでつついてし
まった肘の付近の小動脈は、以前TRA-netで話題になったように、案の定、わずかに
穿孔していました(やはりワイヤは、できれば親水性コーティングのついた、0.025
のスプリングワイヤにするべきだと思います)。直の0.025ワイヤはどうしてもあが
りません。

そこで、0.025しか入らないダイレータを抜去し、ガイドカテを挿入する際に使う、
0.032のJスプリングワイヤに変更すると、すぐ屈曲を通過しました。しかし、この体
勢では、0.025対応のダイレータが入らないので、0.035用の6Frダイレータを1本あ
け、スリットシースを入れようとしましたが、手前約3cmくらいを残して強い抵抗を
感じ、全部は入りきりませんでした。スプリングワイヤは残したままにしました。入
りきらないシースの所についたスリットからは血液が滲んできていましたが、ガイド
を入れれば血は出なくなるだろうと考え、6Fr・EBU3.5を入れました。すんなり抵抗
無くガイドカテはradialを通過し、スリットからの血液も止まりました。

EBU3.5をLCAに挿入しました。インターベンションそのも
のは単純で、1.75mmでロータした後、S670を植え込み、ものの10分もかからず終了し
ました。

さあ、シース抜去ですが、案の定ものすごいスパスムです。うんとも、すんとも動き
ません。スリットシースだ、スパウターだ、ミリスロールだ、と思いました。しか
し、スリットの部分がradialに入りきっていないため、スパウターを入れても、薬液
は空しくスリットから体外に出て行くだけでした(勿論少量は作用しているのかもし
れませんが)。覚悟を決め、力いっぱい引っ張ったら、抜けましたが、シースは完全
に押しつぶされていました。アダプティーでとめた後、穿孔した肘近くの小動脈のあ
たりをガーゼタンポンで圧迫し、また右上腕全体も包帯ですこし強めに押さえまし
た。

幸い、夜帰るとき、患者さんの右腕は大丈夫のようでした。この症例、どうするべき
だったのでしょうか? シースが全部入りきらないところで、クロスオーバーするべ
きだったのでしょうか? スリットの一部が外に出ている時、スパスムが起こった
ら、薬をどう使えばよかったのでしょうか? どなたか、何か良い考えは浮かびませ
んか?

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○○です。

以前にも書きましたが、
TRI後のradial閉塞患者の穿刺部平均血管径は1.9mm、非閉塞群が2.7mmです。
それよりもやや近位部の血管系が目の子で1.6〜1.8mmくらいですと、
6Fシースの外径が2.6mmですので、
1.5倍くらいに血管を伸展させる必要があります。
すでに多少spasticな状態になっていることを考慮しても、
そのヒトのradialはTRIには細すぎるのだと思います。
即ち、はじめっから不適患者だったのだと思います。

では、どうやってそれを予測するか?それが問題です。
○○では何割かの症例にはradialエコーをやっていますが、
マンパワーの問題から全例にはできません。
現実的にはradialの触れ(血管の太さと脈の強さ)で決めるしかないと思います。
つまり術者の経験と勘に頼るしかないと思うのですが。
みなさんは多少触れが悪くても、TRA,TRIをされていますか?
○○先生、その症例のradialの触れはどうでした?

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○○です。

○○先生の症例の場合、当院なら穿刺後の025ワイヤーが上腕動脈合流部(肘部)を
通過しない時点で穿刺針外筒から逆行性に造影して橈骨動脈の走行を確認します。
その時点で、
1,橈骨動脈が異常に細ければTRAを諦めます。
2,025ワイヤーではセレクションできない場合も、TRAを諦めます。別のワイヤー
(035)でセレクションできても、当院には035対応のメディキットのダイレーターを
置いていません。
このように、当院では結構アッサリとTRAを諦めることがあります。シースを入れる
前ならアダプティで軽く止めてからそのままTBAへ同じ道具で移行できるからです。
しかも、橈骨動脈に異常がある人にTRIをしても、次回のCAGなどは同じ側からはTRA
しません。ですから、患者さんにも納得させやすいと思っています。

しかし、TRA続行を試み、シース挿入をしたがシースが全部入らなかった場合は、私
も同じ結果になったでしょう。スリットは15個入っていますが、その全部が挿入でき
なかった時には、スパウターを使用しても一部は外に漏れるでしょう。でも少しは効
いているかもしれません。
バルボーの発表では”つぶれたシース”を見たことがありますが、私自身はそこまで
凄いスパスムを見たことがありません(スパスム経験は60-70例ありますが)。

“こぶとりじいさん”ならぬ”小太りばあさん”はTRAにとってはハイリスクです。

さて、この症例を元に皆さんに問題を作りました。

”70歳の小太り女性で、ワイヤーセレクションが難しかったので造影したところ、
radialは2mm未満と細く、しかも肘のところで直角に曲がり上腕動脈に合流していた
が、なんとか手技は完了できた。しかしシース抜去時に強いスパスムがあった”
という症例のFollow upCAGをする時、

<A>穿刺可能なら再び右TRAを試みる
<B>右は初めから回避するが、左TRAは初回なので試みる
<C>左右のTRAを初めから回避する

皆さんならどうします?
○○先生、○○先生あたりは、<B>、もしかしたら<A>かな?

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○○です。

はっきりとしたデータはありませんが、
右が2mm以下の時に左も2mm以下とは限りません。
したがって、次回までに左のradialエコーをとって、
OKならばTRAを行います、と言いたいところですが、
エコーをとるのが面倒なので、足からやると思います。
したがって答えはCです。

これがTRAではなくTRIならば話は異なります。
ヘパリンの量も多いですので、足からですと止血が困難です。
エコーをとってから左TRIを行います。
エコーがなければ、触れの良さなどから
経験的に判断し、可及的にTRIを選択します。

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○○です。
まずは患者さんの意見を重視します。シースを抜く時の痛みはもう嫌だと言われてい
るならば<C>を、TRAを希望されるならば<A>です。左のTRAは基本的にはしてお
りませんので最初から選択肢としては入っていません!

ところで今TRAの完遂率と言うデーターを出しています。カテーテルを施行した患者
さんの何%がTRAでいけたのか、なぜTRAを避けたのか、避けた症例の共通点は?
基礎疾患も含め、血管の解剖学的因子、術者因子などなどです。
これによりはじめてTRAを施行される先生の指標になりはしないかと考えています。
ちなみに当院では全症例の86%強がTRAです。
詳しい話はまたいずれ!!

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○○です。
○○先生の症例を読んでいるときに、何かウチのやりかたと違うものを感じていまし
たが、それが何かがやっとわかりました。

それは、<診断造影がTBAで、インターベンションのみTRI>というところだったよう
です。ウチでは診断造影は原則としてTRAで、5Fr.ですから、橈骨動脈の異常
があればその時に解ります。それによってはTRIを回避したりしています。おなじ合
併症でも診断造影で解ればシースサイズによっては軽くて済むかもしれません。
はじめから6Fr.でなく、5Fr.を一度その患者で経験しているところが、”シー
スが変形するほどの重症スパスムを見たことがない”理由かもしれません。
(ただしACSでは、初めから6Fr.を挿入しています)

**************************************

tra-netの皆さん!眠いのを我慢して今日も頑張って広げていますか。
○○です。

さて○○先生からの問題ですが
○○ではTRAは4Frでやっているのでスパズムは皆無です。なのでTRIでスパズムおこっ
てもTRAではスパズム起こんないのでお答えは<A>なのですが、再度6FrTRIするとなると
(といっても現在は5Frがマイブームなんですが)左からいくでしょう(Radial Echoは
しません。すんません。)といったところで、お答えは<B>です。ただし、左手からや
るとなると患者さんに覆い被さるようにしてカテを扱はないといけないので、放射線は
浴びるは、疲れるは、で個人的にはあまり好みません。ということで、あらかじめ患者
さんと話して右TBAというのも結構ありです。それでは答えは<C>になってしまいます。
なんじゃこりゃ。

**************************************

○○です。

当院ではほぼ全例に橈骨動脈エコーを行ってます。
一人の決まったソノグラファーが行っているのですが
おっしゃる通り血管閉塞、スパスム発生はより小さい
橈骨動脈で起きる様です。但し昔当院でデータを出した時には
有意差がなく、穿刺の問題や圧迫の方法もTRA開始初期には
特に関与していた様におもいます。

このソノグラファーは橈骨、尺骨動脈径、
flow patternを調べて
<橈骨動脈アプローチはやめたほうがいい!>または
<やって大丈夫!>と事前に言ってきます。
Allen testがOKでも尺骨動脈がおかしかったり、
橈骨動脈は破格であったりと、結構当たります。
おかげで最近は血管系のトラブルは経験しておりません。

ですから、○○先生が出された70才の女性は
○○病院に来れば○○さんにエコーをしてもらって
<OK!>と言ってくれたらTRI、そうじゃなければ
TFIと言うことになります。因に当院ではTFI後の圧迫止血に
"femostop"を使っており、この<疲れと情けを知らない万力>
のお陰でTFIの止血にも苦労してません。<使い方に慣れてくれば
折檻度は随分低くなります>

**************************************
○○です。
メーリングリストの皆さんの活発な意見交換を励みにTRAとTRIを頑張っています。

当院では、個性豊かな3人のインターベンショニストがいて、左右のTRI,TBI,TFIを
縦横無尽に繰り広げております。従って、TRIで問題あった症例では、TBIかTFIを
選択することになると思います。個人的には、Lt.Radial Aはグラフト用にとって
おきたいところです。   4F-TRAならば、右でも左でも積極的にしています。
CAGのあとにPTCAがあるなら、答えはC。CAGだけならBでしょうか。

LITAの造影時に、Rt-TRAではどうしていますか?4FのYumikoカテは、いかがですか?

**************************************


============= 第8集 ===============

**************************************
○○です。
こちらは、毎日、雪、ユキ、ゆき、雪です。

○○のラディアリストは、根性なしなので、ちょいとトラブルとすぐ、「はい、パン
ツ脱がせて」と、言ってfemoralを刺してしまいます。穿刺側と対側の手に血管確保
をしているので、対側のradialはちょいと刺しにくいのもあります。

昨日、TRAでひさびさに厳しいスパズムに出会いました。シースを無理矢理抜いたら、
シースの長さが2倍に延びてしまいました。
寒い廊下で長時間待たせて置いたのがスパズムの原因の一つであったと考えておりま
す。

**************************************

○○です。

○○先生は小郡出身ですか。
いい町ですよね。
叔母が住んでいるので、小さい頃から良く遊びに行きました。
博多に近いのに、緑が多く、九州各地へのアクセスも良く、大好きな町です。
今でも年に1回は行きます。

実は、小郡には知る人ぞ知る美味い水があるんです。
日清製粉の正田さんも飲んでいると言う湧き水です。
夏の朝に早起きして、近くの透析病院でポリタンクを沢山貰い、
車で15分くらいのドライブをして山に登るんですが、
まわりは田んぼや畑ばっかりで、最高に気持ちがいいんです。
是非一度ためされてください。
私は持ってきたポリタンクに湧き水を汲み、宅急便で東京に送っていますが、
熊本だったら車で運べるからいいですね。羨ましいです。
去年は忙しくて行かなかったので、今年こそは行くつもりです。

**************************************
○○です。

私の拙いケースを皆さんに積極的に御討論いただいてとてもうれしく思います。どう
もありがとうございました。これだけ本音オンリーの活発な討論は、学会でもなかな
かお目にかかれませんね。

○○先生から、radialの触れに関するご質問がありましたが、もとの原稿にも書いた
ように、触知可能なものの、かなり微弱でした。すぐに穿刺に成功した時は、“最近
なかなか好調じゃん!”と愚かにもほくそえんだ次第です。○○先生のご意見も極め
て明快で、説得力に富みます。ただ、025ワイヤーはちょっと屈曲があるとすぐあが
らないので、Jワイヤーを使って、私としてはもうすこし粘りたかったんです。ま
た、今までの経験では、radialは、この症例くらい細くても、すべて大丈夫でした。
いずれにせよ、大変参考になりました。また、○○先生のご研究の結果、楽しみにして
います。

さて、ご提示のケースですが、左TRAか、右TBAのどちらかを選択します。患者さんの
希望に従えばよろしいかと思います。また、○○先生の意見で、<これがTRAではな
くTRIならば話は異なります。ヘパリンの量も多いですので、足からですと止血が困
難です。エコーをとってから左TRIを行います。エコーがなければ、触れの良さなど
から経験的に判断し、可及的にTRIを選択します>とありました。

Barbeau先生のデータで、カテ後のradial 閉塞率はヘパリン
使用量と密接に関係するので、私はTRAでもTRIでも、150IU/kg使っています。

**************************************

○○です。

本日以下のような症例に出くわしました。
69M,6カ月前でかいLAD#6にs670 3.0/15挿入。
6カ月後昨日readmillにて虚血性陰性。
本日右TRAにて橈骨動脈をふれたところ殆ど触れない。
消毒・ドレープをかけたあとなのでそのまま穿刺しました。5Fr17cm“スリットシー
ス”は
抵抗なく入りCAGしたところステントの手前エッジに90%の再狭窄。adhocの為
はいるかなーと思いながら6Frシースに交換したけど意外にもスムーズに入りました。
balloonだけでPCIは完了し、シース抜けるかなーと思ったけど意外にスムーズに抜けま

た。
みなさんのメールを読みながら圧迫解除後の橈骨動脈の触れを確認したら、
穿刺時に比較して良く触れていました。
speculationですが、TRA後pulselessとなる場所が症例により違うのかと考えました。
則ちこの症例では前回穿刺部のみのなんらかの器質的閉塞が6カ月間持続し、
本日5Frシース挿入時にあたかも橈骨動脈“PTA”をした状態だったのでは…
穿刺部の中枢側、末梢側をもっと触知すべきだったかも知れませんし…
radialエコーをしてらっしゃる先生方はpulselessとなる狭窄/閉塞部位について
お詳しいのかと思いますがいかがでしょうか?教えて下さい。
つまり○○はなんとか触れれば懲りずに<A>をし、穿刺にしくじったら右TBAで
す。
腕頭動脈が高度に屈曲してたら、
大腿圧迫は下手な上、嫌いなのでCABGのcandidateでなければ<B>です。

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○○です。

○○でエコーによる橈骨動脈のフォローアップを受けた連続95例においてのデータで
す。
閉塞は6例(6.3%)で認められ、その閉塞部位は穿刺部、
および穿刺部より3,4,5,7,10cm近位側でした。

○○先生の症例の閉塞部位はきっと穿刺部より近位にあり、
穿刺部位で感じた拍動は、
palmar archからの逆行性の側副血流を感じたものと推察されます。
TRI後に触れが良くなったのは、フォガティーをされたためでしょう。

TRA、TRIの既往のある患者の橈骨動脈の拍動が微弱な場合、
必ずしも橈骨動脈狭窄を示唆するものではありません。
橈骨動脈はすでに閉塞しており、
微弱な脈は側副路からの逆行性フローによる可能性もあります。
逆アレンテストにより鑑別可能だと思います。

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○○です。

呪われているのか、今日も珍しいスパスムの症例がありました。昨日胸痛で入院した
32歳の女性、これといった冠危険因子はありません。心電図上、前胸部誘導でT波が
陰転化、CKが数百まであがり、エコーではantero-septalがhypokinesisと、どう見て
も心内膜下梗塞です。触れの良好な右radialで始めました。まずpig-tailでLVG、
seg. 2,3がhypokinesisでした。nitorol ic後の右冠動脈は狭窄なし。ここまでは全
くスムースでしたが、5Fr JR3.5を抜こうとしたあたりから患者さんが強い痛みを訴
え始めました。カテを5Fr JL3.5に変更しようとしたところ右肘付近で強い抵抗があ
り、入りません。シースから造影してみると、radial近位部からbrachial arteryに
かけて、な、な、なんとsubtotalになっていました。NTGをシースから打ち、5分くら
い待ってみたところ、90%位に改善しましたが、依然スパスムはとれません。当然右
brachialは穿刺できず、右femoralからカテを続けました。左冠動脈にも狭窄は無
く、遷延したスパスムによって心内膜下梗塞を起こしたものと判断しました。この後
もう一度造影してみると75%位になっていました。なお、“17cmスリットシース”はま

たく抵抗無く抜去できました。

radialからbrachialにおよぶスパスムを生じた症例ですが、皆様同様の経験はお持ち
ですか?

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○○です。
私も「32才女性美人独身MR OPE前」の患者さん(カテ前より極度の興奮)に、4Frであ
りながらすごいSPASMが起こって、シースが半分しか入らず、ますます患者さんが興奮
し、結局左心カテ断念。といったことがあります。シースはエイヤっとぬいちゃったん
ですが。若い女性美人独身でカテ前、ガーっト 興奮されているときは、要注意です。

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○○です。

○○先生、はじめまして。小郡relatedな先生にお会いできて嬉しいです。残念なが
ら、小郡市にあった実家は現在熊本市へ一家揃って転居し、現在は小郡には足場があ
りません。でも今度捜してみます、おいしい水と赤垣…。

さてスレッドの本題からそれますが、お許しください。
○○先生のような症例、僕も昨年夏に2例ほど経験があります。そのうち1例は70歳台男
性で、長年のIHD歴があります。右palmar archからの逆行性の側副血流を触れつつ、
橈骨動脈を穿刺、ワイヤーは何とか上がったので、穿刺針の外套を注意深く挿入して
造影、穿刺部位の近傍での亜完全閉塞を認めましたが、シース(6Fr.)は挿入可能でし
た。抜去もeasyでした。しかし残念ながら、術後しばらくたって再度閉塞してしま
い、以前より触れが悪くなったため、その後はTRIは諦め上腕からのアプローチで
す。背景にDM, ASOがありatherosclerotic susceptibilityが高そうな症例です。こ
の方の場合は、患者様の希望があったのと、ASOのためTFI不適と考えたため、粘った
ケースです。

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○○です。
○○先生resありがとうございます。大変勉強になりました。

当院では症例が少なく暇な為全例にエルゴノビン負荷による
冠攣縮誘発負荷テスト(右4分・左4分)をしてます。だから術前に橈骨動脈スパスム予

はしません。 
要するに前回橈骨動脈スパスムがTRAを邪魔した場合、follow up CAGはTRAを断念し
多少触れていればそれが逆行性であれ穿刺してみる。スパスム=follow up時狭窄/閉

とも
限らない。という判断でよろしいでしょうか?ちょっと飛んじゃってますが…
○○先生曰くの、念のため穿刺時025ワイヤーに抵抗を感じた時、穿刺針外套で造影を

ることを怠ってはいけないですよね。

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○○です。
最近盛り上がってますね。2日メールをみなかったらいっぱいでした。

○○先生質問です。
ヘパリンはTRAでも、普通の男なら一万単位いっているのですか?ノボヘパリンかそ
こら辺の普通のヘパリンですか?投与ルートは動注ですか?シース挿入前ですか?カ
クテルしているのですか?

○○先生の問題ですが

”70歳の小太り女性で、ワイヤーセレクションが難しかったので造影したところ、
radialは2mm未満と細く、しかも肘のところで直角に曲がり上腕動脈に合流していた
が、なんとか手技は完了できた。しかしシース抜去時に強いスパスムがあった”
という症例のFollow upCAGをする時、

<A>穿刺可能なら再び右TRAを試みる
<B>右は初めから回避するが、左TRAは初回なので試みる
<C>左右のTRAを初めから回避する

左radialが多いです。理由は?右の腕頭のキンクが嫌い(左は
滅多にない)?220?のlong wireを使っているので、一度aortic rootまで入れたら、
そんなに時間かからない?ジャドキンスを使ってますが足と同じ感覚でいけるので操
作時間は短い(透視時間は右からいくより少ないはず)?研修医・レジデントの教育
(足からの手技に類似している)などです。ただ、将来透析になりそうな人(DMで
蛋白尿ありなど)はしてません。バイパスに関しては、はじめに心外の先生と話をし
てOKだったので、気にしてません。普通にRA使ってますが、術後確認造影10例以上あ
りますが、少なくとも閉塞はしてません。TRIになると、左だったら、患者の股の辺
に操作部がくるので結構やりやすいです。でも、最近Tra-netみて高血圧のひどくな
い人は右からやってますが、腕頭のキンクに当たるとしばらく左が続きます。

で、私は、左TRAしてて問題症例だったら、カテ前診察でいけそうなら、術前にア
タP/ペンタして緊張とって、左TRA再チャレンジします(ただし、最初からカクテル
入れて4Fでするでしょう)。術前回診で前回のいやな思い出が蘇ってきたら、右TRA
してみるかもしれません(この辺気分です)。下の人間の体調が良さそうで、その日
のカテ件数が少なければ、TFA?(それはないかな)。気分屋さんなのでしょうか?A
→B→Cの順番です。

やっぱりいきたくなってきました。AMIになる人が悪いのです。状況が許せば、ハウ
ステンボスいきます。面倒みてやってください。
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○○です。○○先生にお返事申し上げます。

前にも書きましたが、ウチは○○で若い先生が多く、ターンオーヴァーも早い関
係上、診断カテは原則TFAかTBAです。TRAになるのは、患者さんが特に希望される
ケース以外は、u-APでPTCAスタンバイで造影したが、病変がないか、バイパスに回す
かで、結局TRIでなく、TRAで終わっちゃう、という症例が殆どです。

ただPTCAになるケースの方が圧倒的に多いので、シースは6Frを入れてしまっていま
す。5FrでTRAして、PTCAなら6Frに入れ替えることはしていません。そのため、ヘパ
リンは150U/kg打っています。普通の男なら1万ですね。ヘパリンは、そこら辺の普通
のものです。長年の習性で、シース挿入後、ちょっと手が熱くなるけど我慢してと一
声かけて、シースから動注です。カクテルは025ワイヤが入った段階で静脈針外筒を
進め、そこからNIT/verapamil各1ccからなるカクテルを打っています。

○○先生、おっしゃるとおりです。そんな日に○○でAMIになる人が運が無いんで
す。一人の術者にすべてのAMIをまかせる病院・行政の問題です。是非、ハウステン
ボスへいらしてください。きっと何かを学ばれるわけですから、今度はそれを糧にし
た先生の手技で、助かる患者さん、安全に手技を受けられた患者さんがきっとでてく
るはずですもん。

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○○です。
○○先生ありがとうございました。こんな暖かい言葉、この一年聞いたことがありま
せんでした。病院からも、大学からも(おっと・・・・)。○○先生 オフレコで。

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○○です。
最近、メールが活発で、毎日チェックしないとすごくたまってしまいます。

さて、左橈骨動脈アプローチの際、当院ではまず術者が患者さんの
左に立ち、穿刺を行いシースを入れます。その後患者さんの右側
(いつもの場所)に回ってきて、患者さんにはシースの入った左手を
正中臍下に動かしてもらってそれからTRA,TRIをしています。
患者さんの左腕は随分わきをしめる格好になり、バスタオルなどを
左上腕の下に置き、きつくない様にしています。

なにか患者さんの左腕をうまく保持できる様な方法、工夫をされていたら
お教え下さい。また、以上の方法はいささかめんどくさいのですが
もっとスムーズな手技方法はどのようなものでしょうか?

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○○です。

私も、左手からのTRA,TRIの時は同じような手順になってしまいます。
慣れると、もっとスピィーディーな方法があるのでしょうか。

最近のメールをみていて、診断カテに、TRAで、4Fを使っている施設が
増えていることは心強い限りなのですが、以前から気になっている
ことがあります。
QCAはどうされてますか?

4Fカテーテルでキャリブレーションすると、血管サイズの計測値に結構
誤差が大きくなるような気がしています。フィリップスの装置に付いて
いるQCAにはちゃんと4Fの選択項があるのですが、5F以上と違って、
血管径の実測サイズには、信頼性が高いとは言い難いようです。
おそらく、キャリブレーションに必要なだけの濃度差が得られないのだと
思っていますが、解決策の糸口が未だ掴めません。
フォローアップ時のQCAについて、なにか良い方法はありませんか?

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○○です。
左アプローチについて、ウチは、なにも考えてません。きおつけの姿勢で術者がよっ
こいしょしてます。最近妙にきついのはこの姿勢と放射線のせいでしょうか。軽いプ
ロテクターが好きなので技師用の0.25mmの軽いのを使ってましたが、最近0.35mmにか
えました。余計にきついです。幸い、○○先生直伝のジョギングで腰・肩は大丈夫で
すが。
先日、久しぶりに右radialでやったら、機械の置き場所に困りました
施設それぞれ自由にやっていて、これでないといかんというみょうちくりんなロジッ
クを振り回す人もいないしいいね、○○先生!

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○○です。
一連の左橈骨アプローチについての話は興味を持ってmailをみていました。
○○先生が述べられているように、(これまでの経験から)個人的には左から
のアプローチが好きですね。患者さんの左手はまっすぐ伸ばしたままで手台を
入れておいて、術者が患者さんをまたぐ形でやっています。
○○に帰ってからは、(郷にいれば郷に従えで)右から行ってみると
確かに穿刺その他いい点もあるのですが、私にとって患者さんの右手の位置が
すごく低い位置にあるようで(=私の胴が長い)カテ操作については楽ではな
い気がします。いつも猫背になりながら、カテをしていて左よりむしろ右で行
ったほうが腰が痛くなる気がします。椅子にでも座ってやりたい気になります。

そこで皆様に質問なのですが、
湘南の斉藤先生が以前言われていたsitting position TRI (TRA)をされている
方はおられますか?経験があったら教えてください。

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○○です。

最近大雪が関東でも降ったと、ニュースの冒頭でツルツル滑る交通人を大写しにして
報道していますが、○○や○○の人から見ればバカみたいでしょうね。日頃の備え
が出来ていないという恥を堂々とさらしているようなものです。
九州人は割り切っています。雪が5cmも積もろうもんなら、”今日は仕事休めないか
なあ”と画策したりします。年に1-2回の事ですから。

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○○です。○○は今日も吹雪です。

○○先生、貴重なご経験を御紹介いただきましてありがとうございます。

まず、緊急のPTCAはAMIでもUAPでも、手からでも足からでも、術後の安静の意味も含
めて(患者さんや御家族に重症感を御理解していただく意味もあり?)翌朝まではパ
ンツ無し、尿バルーン挿入しております。

さて、electiveなものや、ad hocに関しては...。
何かあったら、やはりスタッフがすかさずパンツを脱がし、おい布に孔を開け、消毒
して大腿静脈を刺すようにしています。それまでは、bradycardiaやComplete AV
blockには胸部殴打や硫アトなどでしのいで、何とかなると思います。アクシデント
ですから予期しないものなので、どこまでとんでもないことになるのかは、誰も予測
できないのですが、血管にのみ捕らわれることなく、モニターや患者のバイタルに気
を付けながら、手元を動かすように勤めております。
スパズムを誘発するときは、大腿は剃毛だけして、パンツをはいたまま、カテ室に来
ます。パンツをおろしていただいて、大腿から静脈にアプローチし、橈骨から動脈に
アプローチします。終わった後は、シースを抜いて2分間くらい大腿を圧迫して、問
題なければパンツをはいて車椅子で帰ります。もちろん、正中などがブリブリした静
脈であれば、そこからペーシングカテを入れることもやっています。

当科は、「内科」で、脳梗塞も、胃潰瘍も、肺癌も、なんでもやらなければいけない
のです。病院・病棟の一部は長期療養型ベッドで、寝たきりの方々が余生を過ごして
おります。循環器部門は内科のお仕事の一部なので、病棟には忙しいと、不評です。
赤字の私立病院で、看護婦の時間外手当などは当然ありません。
私は、この病院に来てまだ2年に満たないのですが、私以前は「1週間に2件から3件も
心カテをやって大変だ。入退院の手間を考えると、心カテだけでも入院は1週間以上
にして欲しい。」と、看護婦やスタッフにいわれていたらしいです。私が来てから、
検査は1日6件平均、心カテは一泊二日でPTCAは二泊三日になってしまったので、皆様
からひんしゅくを買いました。「radialでやると、こんなにスムースに仕事が運ぶの
だよ」と、言いくるめて件数を伸ばし今に至ります。
さらに、私の持ち時間は午後1時から4時までの3時間。この間に、入退室から心カテ、
PTCAを全部含めて平均6件終わらなければいけないので、私も頑張りますが、入れ替
えなどの手間も合わせると、スタッフも大変のようです。
病院医師の中で一番若造の私は、圧迫をしばしば先輩にお願いしなけれないけないの
ですが、その際には非常に気を遣い、なるべく圧迫のいらないradial approachを心
がけております。
こんな事情も含め、多少の省略には目をつぶらないと、なかなか仕事ができないので
す。少し悪いとは思いながらも、大きなトラブルの可能性が低いことに対しては省略
しないと、仕事が滞ってしまう事情も解っていただければと思います。

○○先生のご意見はもっともなのですが、私の方針としては、「何かあったらパンツ
を脱がす」で、もう少し頑張ってみたいと考えております。逆に、ちょいと何かあり
そうなときには、すぐに「パンツを脱がす」のが基本だと思っております。

すみません、長くなって...。

過去に3ヶ月ごとに剃毛された患者さんからは、「銭湯に行けない」「生えてきた頃
にまた剃られて、さみしい」「彼女から毛シラミに感染したのかと、いじめられた」
「夫婦生活(その患者は浮気生活だったのですが)に支障がある」といった苦情もで
ますので、剃毛もあまり好きではないです。なるべく刺さないときには剃毛もしない
こともサービスにしています。
患者さんの奥様から「自分も剃られた」と、言われたこともありました。「あまり、
普通と違うことをやって心拍数を上げすぎないように」としか、言えませんでした。
お下品ですみません。

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○○です。○○先生のメールにあるように、たった数センチ
の“大雪”で大騒ぎでした。数年前の“大雪”の時は、翌日凍結した路面をなめきっ
て運転した結果、国道○○号のガードレールに自爆してしまいました。車は保険で大し
たことなかったのですが、翌年、長年築いてきた無事故割引がなくなった自動車保険
の請求書を見て、眼が点になったのを今でも覚えております。

さて、○○先生の“本音”あふれるお返事、ありがとうございました。この“本音”
が、Tra-netの醍醐味です。手技時間もさることながら、病院スタッフの意識改革、
本当に大変だと思います。病院それぞれのいろいろな事情の上で、ベストを尽くすの
が一番です。私の所では、“剃毛”に関する苦情は、患者さん本人からも、ましてや
奥様からもいただいたことはありません。「何かあったらパンツを脱がす」で、どんな
様子
か、また是非お教えください。

この所、左radialも話題になっていますが、私のところも穿刺後、左腕を体に乗せて
行っています。私の個人的意見は、左radialからのRCAのPCIは良いのですが、LCAへ
のPCIは、時にガイドカテが対側大動脈にあたっておらず、バックアップが不足した
り、一度外れたカテを再挿入しにくかったりで、時にtrickyだと思っています。今日
は、wide QRS・救急車内CPAの患者が救命救急センターの方に搬送されてきました。
たまたま、外科医が数人いて、全く触れない大腿動脈を穿刺するよりはと、あっとい
う間に、右大腿静脈・左大腿動脈をカット・ダウンしPCPS挿入、同時にカットダウン
した左radialからカテやってくれ、と呼ばれました。LMTの完全閉塞で、Y stent
を作りましたが、CK18,000で、厳しい状況です。カットダウンでやったTRIは私が始
めて?

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○○です。

やっぱりパンツは自分の手で脱がしてみたい。

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○○です。

さて4FのQCAですが、QCAを専門にされている
愛知の尾崎先生から5F以下のカテーテルは製品のムラがあり
QCAには適さない、と言われたことがありました。
(数年前の話ですが)当時、QCAを使ったstudyの際
使用したカテーテルの先端を切って保存しておき
計測器で1本1本径を測定してたくらいですから。
また、この時キャリブレーションとしてカテーテルを測定する時
造影剤がないっていない状態<empty cath.>でするように
言われてました。

その後QCAをやっていて(off line)、小さいカテの場合
造影剤が入った状態をキャリブレーションに用いる
様にしています。(少し大き目にでますが)
5Fはキャリブレーションの際個々であまりpixel sizeに
大きな違いは生じない様です。4Fは余りわかりませんが...

あと非常に初歩的な質問で申し訳ないのですが
右橈骨approach時のLAD,LCX,RCA、左橈骨の時の
LAD,LCX.RCAそれぞれへの御使用ガイディングカテーテルを
教えて頂けないでしょうか?

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○○です

週末、メールをあけなかったら、37通もたまっていました。
全部読むのに1時間かかってしまい、今週から、毎日チェックすることにしました。
育ってきた病院環境が異なると、それぞれカテーテルのselection、approachの方法
が異なり、大変面白く、拝見しています。
○○先生、小さな新年会参加予定ですが、うちの若いのを2人ほど連れて行っ
ていいでしょうか?若い連中は、なかなか他施設の先生方と交流する機会がありませ
んのでよい機会だと思っています。

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○○です

本音続出のTra-netがあまりに面白いので、毎日睡眠不足気味で、外来診療にも難渋
しているこの頃です。今、酒飲んで帰ってきたので、先程は、空のメールを誤って送
信してしまい、失礼しました。

行きがかり上、何か送信しないといけません。○○先生から、ガイディングに関して
のお問い合わせですが、私は、同軸挿入・strong
back-up大好き人間なので、カテの挙動の予測が困難で、deep engagementのできない
Amplatzが大嫌いです。生理的に受け付けないのです。まず、Amplatzを如何にして使
わないですむか、というところから、選択は始まっています。極論すれば、豊満なタ
イプが好きか、細身の女性が好きかと同じで、100%好みの問題です。どういう趣味・
嗜好になるかは、術者1人1人の、これまでの経験に基づくもので、痛い思いをした
理由がことなれば、選択基準は違ってくるのが当然です。

私が、唯一Amplatzを積極的に使うのは、anterior take-offのRCAおよび
posterior high take-offのLCAです。右橈骨approach時のLAD,LCXはEBUないしM
L、RCAはMAC, IM, Champ, or MR, 左橈骨approach時のLADはJL、LCXはEBU, RCAは
JR・Champ・MACなどを原則的に選択しています。左橈骨approachからのRCAは、
back-up重視で、裏技好みなら、Voda Right-2なんていうのもあります。これが意外
に入るんです。昨日のメールでも書きましたが、今一番Trickyだと思っているのは、
左橈骨approach時のLCAへのインターベンションです。

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============= 第9集 ===============

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はじめまして。○○です。この度は入会をご許可いただきありがとうござい
ます。医師3年目に一年間、当院にレジデントで来て、その後2年間は、大学で、不整
脈の
アブレーションばっかりしていましたが、また舞い戻って来ることができ、○○
先生のもとで intervention をさせていただきはじめて3年目です。

当院では、毎年循環器研究室に配属になったばかりの3年目のレジデントが、全くの
シロウト状態でやってきて、年間500例ほどの診断カテをこなしていきます。その
ため、診断カテは全て、右の brachial approach としています。(Sones の時代か
らずっと右手ばっかりで、当然のように、右心カテも右肘からがルーチンです。)
うちがレジデントの教育のための病院である限り TRAを中心とする気はない、とボス
は言っています。

intervention は、特別の理由がない限り、femoral approach です。radial は透析
や将来のバイパスのために残しておきたいとか、femoral からの方が、IABP がすぐ
入る、とかいろいろ理由はあるようですが、TRI はいろいろ難しそうで、Guidingの
使い方(deep seatingなどのこと?)やその他、TFI とは別物と考えた方がよさそう
だ、というのがうちのボスの考えのようです。○○先生自身は、元来、新しいものに
すぐ手を出したがる御方で興味はあるようですが、「ここが、若い医者に教えなが
らintervention をさせる施設である限り TRI はない、自分がチーフとなる病院に行っ
たときには、好きなようにしろ」と言われてます。

ということで、まだ、TRI は一回もしたことないのですが、、、(すいません)
radialist の皆様のご意見をぜひおきかせいただきたいと思い、入会させていただき
ました。

よろしくお願い申し上げます。 

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皆さんお疲れ様。○○です。
今日は、日曜日。95才のお爺さんのCOMPLETE AV BLOCKと戦っていました。とりあえず
内頚からtemporaryいれてsedationして寝てもらっています。電話で○○先生と話した
ところ、“ちゃちゃちゃっとPermanentいれちゃえば。”とのこと。
とりあえず早々に、Permanentいれちゃいますが、術後、おもいやられます。

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○○です.
久しぶりに書き込みます.忙しさのあまりROMしてました.
YUMIKOカテは数回使ったことがあります.
全部右橈骨動脈からLITA造影ですが,以外と簡単に入ったように記憶しています.
Learning curveはけっこうきついとのことですが,偶然でラッキーだったのでしょう
か?

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○○です。

私もいつぞやのマニアックカンファレンスに参加させていただいたので、YUMIKO
LITA Cath.の感動は、鮮明に覚えております。地元に帰ってから、YUMKO LITAが手に
入らないものか業者さんに効いたところ「無理!」とあっさりお返事をいただいてがっ
かりしたものです。
今では、右橈骨動脈アプローチの場合には、ジャドキンスの右をA Valveで反転させ
て、無理矢理、左の鎖骨下までガイドワイヤーを入れて、ジャドキンスを進め、LITA
を造影しています。

皆さんに、お聞きしたいのですが、LITAを使うCABGをやる前でも、多くの外科医の先
生は「LITAの造影などいらない、enhance CTでLITAが有るのが解ればいい」と、おっ
しゃっているという話を聞いたことが有るのですが、本当でしょうか?

実は、LITAを上記の方法で造影して、他施設の外科にCABGを依頼したときに「そこま
で、無理に造影しなくて良いよ」と、笑われてしまったもので....。

現在は一生懸命撮っていますが、術前のLITA造影は世間一般では行われているのでしょ
うか?また、是非必要なのでしょうか?
先生方、どうなさっているのか教えてください。

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○○です。

私もLITAの術前造影は必要ないと、他院の心臓外科医から聞いたことがあります。
心臓外科がある病院の先生方、院内の外科に紹介する時どうしていますか?

それと、○○先生で思い出しました。
例のパンツ(剃毛)の話に逆戻りですが、去年末、私の親戚がUAPになり、地元の病院
(TRAはしていない)に緊急入院しました。
症状からVSAと思われ、翌日心カテをFよりしたのですが、後で、
“自分の部屋は女性4人部屋で、全員心カテを受けたか受ける予定の人だった。心カ
テで何が一番イヤかというと、あの剃毛が一番イヤだと全員言っていた。女はいくつ
になっても恥ずかしかとやもんねえ・・・・・・・・。あんたのところは手首からし
てくれるとやろ。遠かばってん行けば良かった。”としみじみ言っていたのが印象的
でした。

**************************************

○○です.
2, 3年前だったと思うんですが,東京女子医?の遠藤先生が大分に来られて講演され
た時の話です.
遠藤先生曰く,CABG症例はすべて右も左もITAは造影させているとのことでした.
一つには造影術者のテクニックの向上のためと言っていたように記憶しています.
私が今まで居た○○の施設では大抵,左は造影していましたが,心臓血管外科の医者
はあればありがたいが,なければなくてもかまわないと言っておりました.
これが実際のところではないのでしょうか.

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○○です。
皆様お疲れ様です。サマリー書きなどの雑務でまだ病棟にいます。詰め所の隅でこっ
そりNote PCからPHS C@rd H'' でメール送ってます。

さて○○先生のお尋ねの件ですが、当院では最近は術前のIMA造影は全く行なってい
ません。
以前研修医で当院へ赴任していたとき(先代の部長の時代)には、LMTや3VD見たら、
LIMAだけはその場で造影していました。ただしこの頃はFからだったので、時間もか
からず、技術的にも簡単でした。最近TRA比率の高い当院では、時間が限られるせい
もありますが、残念ながら術前はYumiko カテの登場の機会はありません。術後は左
TRAのことが多いです。RIMA/LIMAの場合は…。(黙)

**************************************
○○です。

先日AMI発症2日目のパンペリの緊急手術について
久しぶり夜通し手術室で外科Dr.のメスさばきを見てました。
外科Dr.がもてる訳がつくづくわかります。
カッコイイの一言に尽きます。目が・・になりました。
透析無尿の患者さんに使用した造影剤の影響で
胆のう造影状態となり、たまたま慢性胆のう炎があった為
胆汁がしみだした???とのコメントでした。
来院時PTCA後すぐ透析したのですが…
まーでも無事手術は終了しことなきを得ました。

○○先生、初めまして。
○○には5年程前、先輩を訪ねゴルフしに行ったことがあります。
夏泊GC(日本も開催されたことがあるらしい)のロッジに泊まり、翌日プレーでした。
気温30度なのにその先輩は“アッツー”と大汗をかいておられたのが
印象的でした。でもその先輩は冬九州に来た時“さむ〜”ともいってましたが…
日本はやはりそんなに広くなさそうです。今後とも宜しくお願いします。

お尋ねの件ですが、循環器内科医がLITAを造影するのは単なる小手試しであり
心外Dr.はLITA造影があってもなくてもよいというのが本音ではないでしょうか。
違うカテーテルとさらなる時間をかけてまで造影は必要無いと心外Dr.はよくいいま
す。
当院ではmultipurpose(MP)5Fr・TRAでの造影が殆どです。
MPを右cusp上で前向きにcoil upしGWを左鎖骨下動脈末梢にselectし、
その後カテを鎖骨下動脈まで押して、カテ先を抜かないように
counterに引き抜くと取りあえずすぐ鎖骨下動脈末梢にMPカテが入っていきます。
そこで循環器内科として手技に満足し、selectiveに造影はしないのです。
時間もさほどかからないし、新しいカテを出さずとも済むというのはいかがですか?
私も実を言うと以前はITA専用カテを使用していて、この頃始めたことですが。

**************************************
みなさま、いろいろご意見ありがとうございます。

○○先生、初めまして。よろしくお願いいたします。
○○は、夏の30℃は「あつーい!」です。
今日は、少し日が差して暖かく、−2℃です。昨日までは、帰宅する夜中は−8℃くら
いでした。
家の中は、暖房をガンガンつけて、半袖で冷たいビールを飲むくらいにしています。
ですから、南の地方に私たちが行くと、妙に寒く感じるのかもしれないです。

当院外科に、改めてLITA造影について聞いてみましたが、「やってもらった方が助か
るが、どうしても仕方がなければ別にいらない」と、よく解らない回答が帰ってきま
した。結局、いらないと言うことなのでしょうか...。
うつせないと思われたり、手を抜いていると思われるのがしゃくなので、とりあえず
撮し続けようと考えていますが..。

**************************************

○○です。
うちの心外のチーフは私より10歳くらい年上です。心外へ症例を回さなければならな
いばならないので基本的に多枝病変で、type B2 or Cがあればバイパスにしています
(その結果、PTCA:CABG 2:1程度です)。でも、時々、そんな症例でもPTCA します。
後で「何でオペじゃないの?」と言われたときに、一応オペを考えた証拠としてLITA
とってます。私が以前いた○○では、バイパス例にLITAとってなかったら、カテを
理解してないだの、虚血の理解が足りないだの、人格まで云々かんぬん言われました。
治療方針考えながらカテしている証拠としてのLITA造影が必要でした。でも、○○地
方の大きな病院ではLITA写すときに、apoらしたという噂を聞きました。無理しても
ショウもないんで、いらないかもしれませんね。うちも心外と相談します。

**************************************

○○です。

昨日は当直で、22時に下壁梗塞のTRI1人、夜中の2時にcomplete AV blockが1人と結
構忙しく、さっき帰ってきたら2日でメールが13本、相変わらずの盛り上がりで、眠
気もどこかにとんでいってしまいました。

さて、“術前の LITA 造影”ですが、ウチも、CABGになりそうな人は原則とっていま
す。選択的に移すかどうかは時間との兼ね合いで、入りにくかったら、血圧計のマン
シェットで上腕を圧迫し、LITAの付近で造影剤を流すようにしています。これで、
graftableかどうかは、十分にわかります。ただ、取らなかったからといって、心臓
外科の先生は、何もおっしゃいません。気にせずオペしてくださいます。

某病院のように、LITAを撮らなかったからといって、人格の否定なんかは決してしま
せんが、“これがCABGになりそうかどうか、若い先生だけのカテの時でも考えながら
手技をさせる”、という意味で、有意義な方針だと思います。私の“生きがい”は、
そうしてLITAが写されてきた症例に、TRIすることです? この2日で2例、radialか
らLMTでkissingしました。車椅子で病棟に帰室できる姿を見るのは最高です。

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○○です

以前バイパスに送った症例でLITAが左 Femoral A.に入っていた症例が有りました。
バイパスに送る前にFemoralを触れておかなかったのがいけないのですが、LITAの造
影を見た心臓外科医がこれはおかしいと考えLt. Femoral A.のPTAを先に行ってくれ
ました、左脚がねくっちゃう所でした。造影しておいて良かったねと慰められまし
た(@@)"

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○○です。

たびたび恐縮です。自分の症例ではありませんが、数年前、ある研究会で、○○先生
と同様の症例をみたことを思い出しました。3枝・ASOで、確か両側の腸骨動脈が閉塞
していたと記憶していますが、LITA・RITAから、それぞれ下肢へ、みごとな
collateralが発達していました。グラフトにしていたら、と考えるだけで、ぞっとす
るようなケースでした。私も、この所怠りがちですが、TRAでも、術前、Femoralを触
れるのは大切です。勉強になりました。ありがとうございました。

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○○です。

先日は、有意義な第6回TRA研究会に参加でき、楽しいひと時を過ごせました。
今度のハウステンボスが楽しみです。

○○先生にお尋ねします。
昨年、○○病院に初めて伺った際に教えてもらったのですが、6Fr.ZumaII.TRIで
direct stentを試みて、病変部をstentが通過しなかった際に、stentはその場に置い
といて、balloonを先行させて、拡張させることができるとお聞きしたように思いま
す。(聞き違いだったらすみません。)
先日の釜山ライブの際にも、6Fr.TRIでkissing stentをキムニー先生がされたとのお
話だったと思います。
先日、LAD石灰化、蛇行の強い病変に、floppy wireを通していたのですが、あまり
に、形が悪いので、もう一本support wireを入れ、two wire にしたところ、
adante3mmがすんなり通過し、拡張できました(M字形でした)。seg6-7proxにかけて
dissectionを生じてしまったため、S670 3.5を置きにいったところ、M字の底の部分
で、stent edgeがひっかかってしまって先に進みません。先生のお話を思い出して、
もう一度、バルーンで、底の部分を高圧拡張しようと、もう一本のwireから、バルー
ンを上げようとしたところ、カテ内の抵抗が強く、結局断念してしまいました。じゃ
あ、逆の順番(バルーン先行、ステント後攻)ならできるかと試してみましたが、や
はり上がりませんでした。
どうやって、ステントを先行させたままで、バルーンを病変部まで持っていくのか、
コツがあれば教えてください。

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○○です。
忙しくてメールチェックしてなかったらとんでもない数のメールが来ていて吃驚して
います。
現在月約60症例の心臓カテーテル検査と20〜25症例のPCIを3人の循環器医でこなし、
かつ、お互い週5日の外来のルーチンのため目の廻る忙しさになっています。
こんな状態なのに3月からは2人になるため現在賢明に人員確保に奔走しています。
ところで最近、造影に難渋している症例があります。
LITA,RITA,GEAはyumiko catheで造影できているのですが、Off-CABGでSVGを用いた場
合、on-pumpのときよりかなり高位置にグラフトを吻合してあるのです。
そのため右TRAで造影できず、結局femoral より刺し直して行っています。
特に腕頭動脈がかなり蛇行し左よりにかいこうしている時は全く歯がたちません!
そう言う時に何かアイデアがあったら教えてください。

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> LITA,RITA,GEAはyumiko catheで造影できているのですが、Off-CABGでSVGを用いた場
> 合、on-pumpのときよりかなり高位置にグラフトを吻合してあるのです。

当院にはまだ心臓外科がなくOPEは○○病院の○○先生にお願いしています。当
然off pumpで動脈graftを多用してもらっているのですが、大体4〜5本つないでもらっ
ています。free radial, SVGとも普通のRadial curve(左右共用というやつかな)で造
影出来てます。以前1例だけ背の低いおばあちんのSVGをNo-truque curveで造影し
て上手くいったことが有ります。

> 特に腕頭動脈がかなり蛇行し左よりにかいこうしている時は全く歯がたちません!

このような場合Guid wireが上行大動脈に入っていれば、60cm 長の ultra long
sheath をそーっと入れて造影しています。

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○○です。

○○先生のメールで、“Kissingも含めスタンバイのため、7Frとしています”とあり
ました。rescueは7Frでは無理ですが(実は、rescueの1例目の時、“7Frお願い、”
と言ったものの、看護婦さんがいつもの調子で6Frをあけてしまったため、試してみ
ました)、ご経験済みの先生も多いかと思いますが、Zumaの登場以来、Kissingも6Fr
で十分対応可能です。Adante、Viva、Arashi、Aerocrossでしたら、3.5・3.25の
kissingが可能です。2本とも同じ種類のバルーンにすると、時にどっちがどっちかわ
からなくなるので、今は、種類を代えて選ぶようにしています。

Medtronicのnews letterにも書いたことなので、ご覧になった先生方もいらっしゃる
とは思いますが、それなりにぎりぎりではあるため、
1)LAD/LCxはEBU、RCAはMACなど、バックアップの強い形状の方が楽、
2)原則、ガイドカテ内で2つのバルーンのマーカーを合わせてから、冠動脈内へ持
ち込む、
3)5FrPCIのステント植え込みと同様、バルーンを入れる際の、airの引き込みに注
意(Yコネからの血液の逆流を確認すれば十分です)、
などの留意点があります。

Kissingなるが故に、7Frを選択するのは、個人的には、non-protected LMTの
bifurcationです。理由は、1)しばしば、4mmないしそれ以上のバルーンが、LMT-LAD
方向に必要なこと、2)、4mmのステントバルーンをkissingの片割れに使えば、コスト
的にも有利なこと、3)さすがに、血行動態的に余裕がない場合が少なくないので、
ぎりぎりの組み合わせは避けたいこと、4)LMT入口部を含むステントのpositioningな
らSLの方がEBUよりも楽なものの、LMT-LCx方向へのステントの持込には、しばしば、
それなりのバックアップは欲しいので、両者を勘案すれば7Frが好ましいこと、など
があります。

私は、branch保存派で、kissing大好き人間なので、Zumaがでるまでは、すこしでも
kissingの可能性があると結構7Frにしていましたが、こう割り切ってしまえば、大抵
6Frで可能です。

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○○です。○○先生のおっしゃられるとおりです。
今後の課題として、(1)6Frのkissing、(2)5Frのstenting、(3)AMI時のradial
approachがありますが、院内でのコンセンサスをえるためにもう少しかかりそうです。

話は変わりますが、AMI時の血栓処理に対し、PITというのがありますが、みなさんお
使いでしょうか。proUKなどを病変に噴霧するシステムですが、期待以上の結果が得
られています。特に拡張病変内の多量の血栓で、「こりゃ苦労しそうだ。」と思うよ
うな病変で、PIT終了後血栓がすっかりなくなっていて、末梢の血栓性閉塞や、スロー
フローもないといったことを経験することがあります。ちなみに、最近のではJapan
Circulation Journal 2月号に熊本中央病院の斉藤太郎先生がかかれていました。み
なさんいかがでしょう。

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○○です。
昨日ラディアルより、右冠動脈#1の慢性完全閉塞のPCI施行しました。
ワイヤーはなんとかクロスしたのですが、バルーンが閉塞部を全く通過しませんでし
た。閉塞長は約35mm、そのちょうど2/3から進みませんでした。
まず当然のように閉塞部までカテをディープエンゲージしてもダメ
ガイドカテをジャドキンスよりアンプラッツに変更してもダメ、
仕方ないのでシースを6Frより7Frに変更して 7Frアンプラッツに変更しても全く通過
できず終了しました。(シースを抜く時にはスパスムスが当然のように生じました
が....)
ちなみにバルーンはアダンテ1.5mm、インターパスも用いました。
また閉塞前には全くブランチはなく、入口部は7Frのガイドでウェッジしてしまうく
らいの大きさです。

このような症例のときの先生方はどうしていますか?

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○○です

皆さん、緊急が多いのか、ここ数日、少しTra-netは静かでしたね。メールがない
と、自分のパソコンに何かトラブルが起きたのではないかと、逆に、心配になってし
まうくらいです。

○○先生の症例ですが、バックアップがしっかりとれ、ワイヤが通っているのに、バ
ルーンが通過しない場合は、施設基準の問題はありますが、使うことができるなら
ば、やはりfirst choiceはロータでしょう。おそらく、pin pointの表在性calc.に
よってバルーンが通らないのだと思います。1.5mmのOTWのバルーン(私は先端の柔ら
かいNinjaが好みですが、)を思いっきりCTOに押し付けた後、0.014のワイヤを抜去
して、rotafloppyでrecrossして、1.5か1.75mmのburrでabltationします。アンギオ
で、deep calc.まではっきり見える症例は別ですが、大抵、一度burrが通ってしまえ
ばバルーンはindentationなく広がりますし、ステントを入れればきれいな仕上がり
が期待できると思います。

ロータが施設基準の関係で使えない場合は、1)私は、個人的な嗜好で、Amplatzを信
用していないので、適当なlong-tipカテに変更して、思いっきり、そのtipを突っ込
む、2)Amplatzが好きな先生でしたら、AL1の代わりに、AL1.5ないしAL2.0をこじ入れ
る、3)femoralを穿刺し、8Frを使う、4)wireは一旦通っているので2本目のワイヤを
通し、“穴”を少しでも大きくする(病変に2本目のワイヤを通す際は、ワイヤを少
し乱暴に操作し、少しでも穴を大きくする)、5)Adanteはとてもよいバルーンです
が、pushabilityは別にして、先端が最も柔らかい、Shierra1.5-15mmを試してみる、
6)モノレールとOTWは、tipの柔軟性が微妙に異なるので、OTWに代える、などが考え
られるオプションでしょう。右冠動脈#1の慢性完全閉塞は、long-tipカテを使う
と、右冠動脈が、伸ばされて、時にtrue lumenの選択が困難になることがあります。
いかにAmplatz嫌いな私でも、Amplatzにすることが少なくありません(Amplatzは、
#1の肩をこえた後の、冠動脈の屈曲に、long-tipカテほど影響を与えません。
long-tipカテは、冠動脈に挿入しただけで、#2あたりまで、屈曲を伸ばすことがあり
ます。これが、長所といえば長所ですが。)。

現実的には、ロータが使えなければ、4)か5)かな、と思います。

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○○です。

TRIを始める際に、心配だったことのひとつに、ステントが脱落したら、回収が難し
いのではないかということでした。最近のステントは、ほとんど脱落することがない
ので、この半年以上あのスネアを使うことはなく、忘れていたのですが、subclavian
loopや、上腕の動脈蛇行内で、脱落したステントが引っかかってしまったらどうした
らよいのでしょう?
以前、1)その部分で拡張してしまう、2)何とか上腕よりdistalに引き込んで、血
管外科に依頼して、除去してもらうという方法があると聞きました。私自身は、TRI
でのステント脱落の経験がなく、スネアの有効性、TFIとの処理の違いについて、ど
なたか、ご教示いただければ、幸いです。(まとまった意見がでてくれば、TRIの巻
に載せてくれると、初心者の先生は、安心すると思います。)
もうひとつ、AMIのときのTRIで、reperfusion VT/VFが出たとき、cardioversionをか
ける際に、右手の固定をどうされていますか?結構、暴れる人がいて、ひじを曲げ
ちゃう人がいませんか?

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○○です。

私も最後にスネアを出したのは、2年前で、CTO/TFIの症例でした。PSSの時代は、当
時の術者なら皆経験していることですが、数例、豪快に下肢にむけてすっ飛ばしまし
た。ムンテラがしっかりっていたせいか、勿論それで、“とらぶった”ケースはあり
ませんが(実害も文献の報告とおり、ゼロです)。

○○先生のご質問へのお答えですが、少々、厳しいことを申し上げれば、subclavian
loopや、上腕の動脈蛇行内で、ステントをひっかからせては、そもそもいけないんで
す。標的病変へ入らなければ、今のステントでしたら、GC内に回収するか、手前に
植え込むかのどちらかです。例えば、LAD入口部病変で、万一、LMTへ植え込むのがは
ばかられるようなケースは、ステントを持ち込めるかどうか、前拡張の段階で十分に
吟味しなくてはなりません。私はたったこれだけのことのために、EBUを持ち出し、
前拡張のバルーンをアンカーにしてdeep engageしたこともあります。

LMTに入れたところで、LAD/LCXでkissingしてしまえば終わりなので、ある種の割り
切りは必要です。これは、ステント脱落よりもっと恐ろしい、LAD→LMTへの逆行性解
離のmanagementで必要なことです。

私自身は経験はありませんが、某外国のTRI大好き人間に言わせれば、いざという時
は、radialに植え込んでしまうのが、一番簡明なようです。どこへいったかわからな
いのが、一番困るようですが。

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○○です。

基本的に○○先生に意見に賛成です。ステント不通過の時には私は、
<1,ガイドカテへの回収が最優先>
そのためには、ステント挿入の時にはガイドカテをdeepに入れる、内腔のなるべく大
きいガイドカテを使用する、ガイドカテの中に引き込むときステントがずれないかど
うかを確認するために”見えるステント”をなるべく使用する、ということを心がけ
ています。これなら脱落まではしません。

<2,回収時にステントのストラットがひっかかって、ステントがチョットずれた時

ちょっとずれたのが確認できることが大事です。その時は、ガイドカテへの回収はひ
とまず断念します。次の手は、ステントを冠動脈内に出したままバルーンで追い越し
てプレをする方法ですが、ちょっと難しい場合があるので、病変部の手前でステント
を広げるという方法が一般的でしょう。手前で広げる方がトラブルは少ないと思いま
す。そのためには、左冠動脈の症例ならステントを挿入する時に必ずガイドカテの先
端がLMTを越えてLADかCXまで(あるいは近くまで)入っていることがむしろ安全です。
それなら、ステントを拡張してもLMTにかかることはありません。

私のTRIのやり方は、上記のようにステント不通過の場合を第一に考えた手技、道具
選びをしています。今の時代、ステントさえ通れば大けがはしません。それが通過し
ない時にどう対応するかが大事だと思います。
以前私はTRIで、サンバリライにシャッツを乗せ替えて100例以上植え込みましたが、
数例通過せず脱落した経験からこのように思うようになりました。
脱落した後、スネアなどでつかんでも、ステントストラットがささくれていたら、強
く引いても6Fr.ガイドカテの中には収まりません。それどころか強く引けば引くほど
どんどんステントが原形をとどめないほど変形します。
その場合、ガイドカテと一緒になんとか橈骨動脈まで引いてきて、可能ならそこで広
げる(1例経験あり)、広げられない状況なら形成外科を呼んで橈骨動脈から取りだ
してもらう(1例経験あり、カテ室で40分ぐらいで終わった)という方法でしょう。
最悪、橈骨動脈が閉塞しても臨床症状はありません。
しかし、上のような経験も○○先生と同じで、すべてシャッツの時代の経験で、ズー
マ2やS670が出たあとは、スネアを出すようなことは一度もありません。

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○○です。

ちょっと前の○○先生のメールにありましたが、血栓溶解療法に使うPITの件です。
齋藤太郎先生が研究されているのは知っていますが、あれは一緒に開発された?自動
注入機とのセットでないと使えないものなのでしょうか?
それとも手打ちで血栓溶解剤を注入できるものなのでしょうか。

もっとも、長い時間をかけて注入しないと効果がないものであれば、現実的には手打
ちは無理でしょうが・・・・・・

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○○です。

○○先生、○○先生ご返答ありがとうございました。
今のステントは、脱落することがなく、わたしの心配が杞憂に終わることを祈るので
すが、最終の選択肢を知っているといないでは、トラブルの頻度が違ってきます。二
人のご返答は大変参考になりました。
ステントのdelieryができるか否かの吟味についてですが、最近のバルーンは屈曲病
変にも追従が良く、何の抵抗もなくするすると病変を通過し、「これなら大丈夫や
ろ」の判断が難しいときがあります。わたしは、不安なとき、、最終の前拡張バルー
ンに高圧拡張用のmetroやLTXを使って、通過性を確認することがあります。通過しな
い場合は、deep engage、2 wire、バルーンの変更を試みます。特に、metroは、これ
が通らなくても、S670が通過した例が2例ありました。以来、metroが通りさえすれ
ば、S670は、通るものと思っています。メーカーには、「これ以上通過性をよくする
な」といったところ、「そんなこと言われたのは、初めてだ」と反論されてしまいま
した。擬似ステントとして、これらのバルーンを使うことも、ひとつの方法です。

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○○です。

TRA-netに参加させていただきました。平成10年に○○病院の○○先生の元でTRIを少
しかじったことがあります。最近はfemoral 7Frを用いてPCIを専門にしています。最近
はTRAを細々とやってます。
少しピントがずれてるかも知れませんが、宜しくお願いします。

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○○です。
○○先生ご無沙汰しております。お元気でしょうか?
○○もTRIをはじめるという噂が聞こえてきましたが、進捗状況は如何でしょ
うか。

さて○○先生ご指摘の

>もうひとつ、AMIのときのTRIで、reperfusion VT/VFが出たとき、
>cardioversionをかける際に、右手の固定をどうされていますか?
>結構、暴れる人がいて、ひじを曲げちゃう人がいませんか?

についてですが、確かに肘を曲げちゃう人が殆どですが、ある程度術者が左手で患者
様の右手首を押さえられれば、あまり問題ないような気がします。バルーンカテが
通った状態では、Zuma2といえど少々の屈曲ではキンクしにくいと思っています。(肘
関節を完全に屈曲した場合は…、折れるかも知れません。) あとシーツがずれると
術野が不潔になることが最大の問題でしょうか?

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============= 第10集 ===============

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○○です。

最近、PIT中毒の私ですが、みなさんにも是非試してほしいと思っています。

PITのdrug deriveryの方法は間歇的な高圧注入です。といってもカテーテルのルー
メンは非常に小さいため冠動脈を傷つけるようなjetではなく、シャワーみたいなも
のです。ルーメンの工夫で、カテの先端から中枢までどの穴からも均等に噴霧(私の
イメージでは)できるようになっているようです。うちではこれを約10分で終わらせ
ています。これを手打ちでやるとかなりの抵抗を感じますので、ちょっとつらいかな
と思います。1ccのロック付きの注射器と一方向弁でセットを作って、かつ勤勉であ
ればやれるのかもしれません。

PITは、通常のPTCAのセット(7Fr!)に加え、derivery cathと接続のキットと噴
霧器が要ります。当院ではCathのみ購入していて、その他は無料でおいてもらってい
ます。(もしかしたら施設限定かもしれませんが、交渉次第と思います。)Cath
はUltraFuse 2cmか3cm ( Boston )でOTWです。償還価格7〜8万円位になると思います。

当院でのAMI時のシステムは、今のところfemoral 7Fr.となっており、その点で
はPITの導入には抵抗がありませんでした。さらに、完全閉塞で末梢が見えないとき
は(ほとんどがそうなのでしょうが)OTW balloonの1.5mmでまず拡張するというもの
で、かなりの慎重派の方でしょう。PITをするようになってからOTW balloon
がultrafuse cathで代用するようになり、balloon1本節約でき、他のデバイスが使い
やすくなりました。また、AMIではPITをする事によってバルーン拡張なしにステント
をおくことが多くなりました。もちろん血栓で泥沼と言うことも少なくなったと思い
ます。脂肪塞栓までは防げませんが。もともと私はemergent PTCAに先だって、可能
な限り血栓溶解剤(トロンボリーゼ1500〜6000単位)を使用しており(8年くらい前、
○○病院の○○先生のしたで働いていましたので、その影響で)、それがさら
にlocal deriveryを可能にしたものということで積極的に使用しています。

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○○です。
僕もPITカテを使用していますが、6F radialより使用しています。
僕の施設では、当然PCIを最優先して、血栓でno reflow (特に右冠動脈ですが....)
の時にシグマート、ワソランでも no reflowが続いた時に使用しています。
現在まで(H12.6.1〜H13.1.31まで)49例心筋梗塞のうち右冠動脈11例中3例に使用し
ています。
結果はは全例で良い結果を得られました。
しかし radialのシースはぬけないは、手技時間が長いはで苦労しました。(通常
はAMIは30分程度で終わるのに100分程度かかるは、出血で苦労し、
挙げ句の果てに1例は radial閉塞しました。)
radialからのPCIを中心でやる施設では少しためらうストラテジーと思いますが、
PITを行える準備があるかないかでは大きな違いがあるような気もしています。
今PITを深部静脈血栓症を中心に使用しています。冠動脈以外の使用にも大きな広が
りがあるdeviceと感じています。

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こんばんは。○○です。
私の施設ではPITは使用していませんが、先日ある座談会の席で○○先生が「PITを使用
し始めて、AMIでは造影上No flowやSlow flowを全く経験しなくなった。」「一例も無
い」とおっしゃられていました。

実際、各施設ともAcute Coronary Syndromeに対してのNo reflow phenomenonには、打
つ手が無いといった感じで、○○先生は“PITじゃ。血栓が問題なんじゃ。”とおっし
ゃっておられ、○○先生は“シグマートじゃ。Ca流入が問題なんじゃ。”と言われ、平
行線をたどっていました。
○○以外でも、PITは使われているのですね。驚きました。

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○○です。
僕自身PITは使用したことがなく、詳しく文献も読んだことはなく
教えてほしいのですが、slow flowやno reflowがPIT+ステントにより
AMIカテ終了時に解決できていたとしても、慢性期予後や
左室造影上充分にsalvageされたと感じることができるのでしょうか?

近頃AMIに対してetPA(クリアクター)20,000単位/KgをERで投与し
その他ヘパリン・ニトロール・パナルジン・バファリン少量を前投与し
カテ室造影時にけっこうな割り合いでTIMI 1にしろ再灌流していて、
directステントしやすいなと感じているのですが、
ドカンと解けて末梢に大きな塞栓を起こしているケースの割り合いも
多いように思いました。『more thrombi,less stenosis』の真理で、
決まってすることはステントバルン(それがφ3.5であっても)
low pressureでの“お掃除”とワソランorシグマートです。
悩んでやるのではなく、積極的にやれば1時間以内で終わると
思うのですが…、翌日確認カテをした症例には当然slow flowはありません。
no reflowに対するお掃除に関してデータは持ち合わせていませんが、
機械的合併症や死亡もいないと思います。
ただ慢性期の左室造影は貴兄方が懸念の通りとなります。
しかし退院後に患者にdisadvantageを感じたこともありません。

ここで僕が知りたいのはPITを導入して慢性期のカテで
“salvageしたのだ!”と言えるような左室造影が多いのであれば
AMIは右肘部7Frで入ろうかとも思うのですがいかがでしょうか?
もっとも管先生が言われるようにデカい右冠動脈と
superdominant LADの一部だとは思うのですが。

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○○です。

PITが、7Fr useというのは僕の勘違いだったようです。○○先生のところでは、6F
radialより使用されているとのことでした。当院で使用しているUltraFuse cath
( Boston )は最小ガイドカテーテル内径が0.072inc.の表示があり、6Fr.ZOOMA 2の内
径が0.070inc.であること、一度6Fr.でやろうとしてうまくいかなかった経験があり
ました。もしかしたらPITに使える他のカテーテルがありますでしょうか?

○○先生のおっしゃる「LVGの改善に対する疑問」は、私もそう思います。

11年くらい前、○○病院に勤務している頃、まだPTCAを緊急ではやっ
てなかった時代。私は、せっせとウロキナーゼによるPTCR(冠注)をやっていました。
一緒にダイビングに行こうという先輩の一言で、
沖縄であった循病の地方会に演題をでっち上げ、「AMIにおける再かん流療法」とい
う発表をしました。PTCRの成功とは、PTCR前にTIMI 2より(?)悪い例(自然再疎通は
含めない)から、カテが終わるときにTIMI 3が得られていること、かつ慢性期に
もTIMI 3が維持されていることと考え、データを出してみました。そうするとPTCRの
成功率がなんと50%ちょうどだった(症例は50例前後だったような)のです。急性期
のみのデータで出すと7割くらい成功だったように記憶しています。PTCRをしてうま
くいったと喜んでいると、胸痛の再発がはっきりしないまま、慢性期にはいつの間に
か詰まっていてがっかりしたという症例がちらほらあったり、その逆(急性期不通過
で、慢性期に通っている)もあり、悲しい発表になってしまいました。LVG解析も加
えてみましたが、来院時間も短くperfectに成功したと思うような症例で
もdyskinesisだったりと、自分たちのやっていることの不確実さに驚くばかりでした。
救いだったのは、このころに始めた、PTCRに引き続くPTCA 8例では全例成功例で、す
べてLVGが良かったことでした。このときより血栓溶解療法は持続的な効果が得られ
にくいと感じるようになりました。

と、長い前置きすみません。今でもそう思っていて、tPAやProUKがでた今でも血
栓溶解療法はその場しのぎの効果しかない、LVGだって改善しないと思ってます。PIT
だってPTCA,stentingをうまくやるためのアイテムと考えています。おそらくPITをし
たことによって慢性期のLVGを改善したと言うほどのdataはなかなかでにくいのでは
ないかと思います。

PITの絶大な効果が実感されるのは、○○先生がご指摘のように、巨大に拡張し
たRCAやLAD中枢側の多量血栓です。いきなりバルーンにて拡げにいって餅のような血
栓の泥沼に陥ってしまったことはありませんか?僕がPIT中毒になった原因の一つに、
やはりRCAの拡張性病変で、shock,徐脈、VTを繰り返す症例がありました。そのころ
は、PITを半信半疑で使っていた頃で、セッティングにも時間がかかり、次にVTがき
たら戻らないかもしれない、それまでとろとろとPITの用意ができるものかと思い
balloonにて拡張した途端、outputが限りなくゼロになってしまい、PCPSを持ち出す
間もなく為すすべもなかったことがありました。こんな経験の後は、僕はしばらく悪
夢にうなされます。逆にLAD justの拡張性病変の閉塞と思いきや、PITをする事によっ
て、Seg 7の25%狭窄(plaque ruptureのみ)になってしまったこともありました。
不必要な長いバルーンで病変以外を傷つけたり、アンダーサイズのステントをおいて
しまってpost balloonが必要になる確率は少なくなり、血栓が処理されて、血管の情
報が増えることで、引き続くdirect(?) stentingをする機会が増えました。このとき
のProUKの量は少ないためコストはむしろ抑えられ、今のところ出血性合併症は全く
見られていません。

また、カテ終了時にslow flowはあってはならないと思いますので、かなり長時
間ポンピングで粘ります。しかし、最近はポンピング自体おこなうことはまれです。

もちろん血栓の少ない病変にはPITはおこないません。が、

当院の決まり事としてAMI時のbare wireは禁止、完全閉塞時に1.5mm OTW
balloonを使いwiringすることになっており、個人的にはOTWのballoonがすごくもっ
たいなく感じており、安いUltraFuse cathでtransit likeな使い方をして、ついで
にPITをというようなこともあります。トロンボリーゼは冠注の標準6000単位の1/4か
ら1/2量使います。また、PITがなくても可能な限りPTCA前に少量でPTCRをやるという
のが個人的なstrategyであり、これにマッチするPITを歓迎しています。

**************************************

○○です。
○○県のTRIはうちと、ごく数施設で支えている現状ですね、majorityな○○市内の
病院がすべてTFIですので…。radialist.comを御参照いただければ、少なくとも当院
のTRI比率の高さは納得(??)いただけると…、なんちゃって。

さて、当院ではTRA/TRIの際の橈骨動脈のスパスムが、これまで何故か少なかったの
で、特にカクテルは使用した経験がありません。(試みにニトロールは使用しました
が) しかしやはり数例苦い経験があります。そこで今後のために教えていただきた
いのですが、各施設でこれはオススメという、カクテルメニューがありましたら御教
授頂けませんでしょうか?

初歩的な質問で恐縮ですが、宜しければお教えください。

**************************************

○○です。
○○先生。丁寧なご教示ありがとうございます。
先生の苦悩の歴史、経験の蓄積にチョー感動しております。
謝恩会ごときでほくそ笑んでいる自分が阿呆に思えてきました。

特に血管炎の既往でもあるかのようなwash outの悪ーいRCAの
AMI血栓ネトネトは幾例も経験しましたが、PTCA/ステント、本幹末梢迄のballooning
tPA(グルトパ)、PM、それとIABPで救命可能ではあったのですが、
PCPSの間もなく…の患者さんのようなcaseはいいことに経験したことがありません。
もし経験したら考えが変わるかもしれません。
先生のように双方をされてる先生方のほうに説得力があると考えます。

**************************************

○○です。
ただいま、驚異的な症例数の増加により、少し睡眠不足の日が続いてます。
2月は現在まで28例のPCI施行しました。
特に2月の土日は全てAMI呼び出しと言う有り様です。(しかしなぜかほくそ笑んでい
ます。)
17日は当直で一睡もできず、18日に(当直空けにもかかわらず!)2例のAMI!!
部下二人は、病院旅行中、結局一人でPCI施行しました。
内緒の話ですが○○病院に昨日当直に行って、AMI!!
TRIしてしまいました。
僕が行く先行く先にAMIという気がしています。
このような事ですので、24日についてはtPAの日にしました。
今年初めてゆっくりできる日を作ろうと思い........
飲めや騒げの一日になる事を楽しみにしています。

ところでPITですけど、症例全てを調べました。なんと一例はガイダー6Fr
で行っていました。
6Fr対応のカテあるとおもいます!!
詳細はテンボスの飲み会で!!

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○○です。

PITの件楽しく拝見しています。
今週末に早速デモをしに業者に来て頂く様にしました。
目新しいのに直ぐ飛びつく性格なもので...(妻は別)

橈骨エコーを測り続けている検査の人から
事前のエコーで橈骨-尺骨の血管径、フローパターン
の違いから橈骨動脈の走行異常など、橈骨がカテに
適しているかどうか判断ができそう、との報告を受けました。
まだ詳しく聞いてませんが、データを出してもらう様にしました。

また、シースを川澄化学社製で、ヌルヌルがコーティングされた
物を使ってます。橈骨に入れる時も、抜く時も<ヌポッ>と
してて、思わずセクハラ用語を使ってしまいそうです。
止血も小さいトメ太を使っていて手首に<ピッタリ>フィット
して、フェンディのロゴを入れたらきっとお洒落!
と言うことで、本年に入り(tra-netの盛んな話題に順相関して)
TRIが急増してます。
ガイドワイヤーは○○病院カテ室紹介で<使ってるワイヤー
ネオソフト>と書いてあり、いつも<パンにはやっぱり...>
と口ずさみながらPCIをしています。

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○○です。

当院ではカクテルは全く使用していません。
スタディ用にワソランとNTGのカクテルを数百人に使用しましたが、評判が悪いので
す。注入するなら穿刺針の外筒から注入しないと、シースを入れた後では意味がない
と思いますが、PHの関係?で患者さんにかなりの橈骨動脈痛(灼熱感)があります。

TRAを導入した初期の頃は、spasmが5〜8%ありましたが、Learning curveが進む
に連れて、現在では2%以下となっています。だから、そんなに苦痛を伴うものな
ら100人の内98人には不要なので止めることにしました。
spasmが起こった時だけ解除して抜けば良いのです。
(スミマセン、○○先生のところはゼオンシースでしたね。)

・・・・・・・・と思っています。

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○○です。

以前、○○先生にお尋ねしたステントをGCより出しておいて、バルーンが追い越せる
かという件について、私も体外実験を行ってみました。

GC: Zuma2 6Fr、Guidant 7Fr JL4
Stent: S670, ML
Baloon: Adante, Viva, Photon(OTW)
GCは、真直ぐそのまま、TRI模擬カーブ、TFI模擬カーブの3通りをつけてみました。

結果:
(1)Zuma2 6Fr使用時
ステントはどちらであっても、monorail baloonは通すことができます。Vivaのほう
がシャフトが小さい分、抵抗は、少なめ。OTWは、あたりまえのことながら、シャフ
トが太く、まったく通りません。GCは真直ぐだと抵抗はないのですが、TRI、TFIカー
ブでは、ジャドキンスの最後の2つのカーブを越えるときの抵抗はかなり強く、GCの
形状を微妙に変える場合がありそうです。これが体内の場合、冠動脈から、engageが
外れる可能性もありうると思われました。TRIとTFIカーブの間には、特に差はないよ
うに感じました。また、バルーンは、リラップしたバルーンのほうが、未使用のもの
より抵抗が強く、チップの損傷が1例ありました。おそらく、先行したステントのGW
ルーメンの出口で傷ついたのではないかと思います。
(2)7FrGC使用時
これは、まったくストレスありません。ただし、OTWはとおりません。

考察:
(1)なぜ、自験例では、バルーンが通らなかったのか?
冠動脈の蛇行が強かったため、second wireを使用したのですが、その際に、bare
wireで上げました。どうもそれが、失敗の元のようです。おそらく、GC内で、1周か
2周、先行したステントのシャフトに絡んでいるか、少なくとも、シャフトに対し、
平行ではなく入っていたのでしょう。そのため、後攻バルーンは、先行したステント
と平行に入ることができず抵抗増大したものと思われます。また、造影剤、血液によ
る粘度増加も抵抗を増大させる要因でしょう。
(2)対策
対策としては、後攻バルーンは、必ず、バルーン先導で、GWは、あとから挿入するこ
と、GC内を生食でよくフラッシュしておくこと、できれば未使用バルーン、最低リ
ラップしたバルーンを使用することだと考えました。こういったトラブルに巻き込ま
れたとき、操作性は、明らかに7Frのほうが優れていました。
(3)問題点
冠動脈にバルーンに通すことができた場合も、ステントとバルーンを同時操作できる
だけの十分な冠動脈径があることが条件になります。目的どおり、標的病変を拡張し
えたとしても、開いてしまったバルーンがステントより、proximalに引き込めない可
能性もありますので、抵抗の強い場合は、絶対に無理して、バルーンをねじ込まない
ほうが良いということでしょう。
また、後攻バルーンのチップ損傷は、病変通過の妨げ、GWのバルーン先端部不通過、
最悪の場合、損傷したチップがちぎれて冠動脈塞栓も考えられます。

以上が、実験レポートですが、これを試すのは、6Frでも可能ですが、7Fr.PCIのほう
がより安全ということだと思います。

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○○病院です

今頃はtra-netの先生方はハウステンボスで2次会中でしょう。後ろ髪引かれる思いで
さっき帰ってきました。

でも、今日のハウステンボスはほんとびっくりするくらい参加者多かったですねー。
私は地元なんでうちの医局の同世代の先生(4−5年目、femoral onlyの施設の先生)
も結構きてましたが、みんな、TRA,TRIにはかなり興味があったようです
うちはまあまあradialからやってるほうなので、あとからいろいろと質問されました。
そういう意味でも今回の会は非常に有意義だったと思います。

僕的には、○○先生を始め、○○先生、○○先生等普段net上でしかみたことがない
(読んだことがない?)先生方と実際にお会いして、ちょこっと話もできて、
大変excitingでした。
ぜひまたこういう機会があればなーと思います。

それでは。

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○○です。

○○先生、昨日はお疲れ様でした。
型にはまらないオープンな雰囲気がとてもよかった研究会でした。
九州の全域からあれだけの数のドクターが集まるなんてすごい会だと驚きました。
○○先生の人柄、そしてTRIの魅力無くしてこの会の成功は無かったと思います。
それにしても○○先生のギターとピアノと歌声、最高でした。
あのビデオは今後全世界に発信されることと思います。
記念すべき2・24です。

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○○です

ハウステンボスでのシンポジウム(歴史上は、“2.24事件” と呼ばれていくそうで
すが)、大成功おめでとうございます。私自身、大変良い勉強をさせていただきまし
た。また、日ごろネット上で激論を交わしている先生方とお顔を合わせ、さらに議論
を深めてゆくのはとても楽しいものでした。私の参加が、シンポジウムやこのネット
の少しでもお役にたっていましたら、無上の喜びです。

野球選手は、若手・ベテランを問わず、技術論を夜の更けるまでdiscussionできる人
が伸びるといわれいてます。ただ、練習です、根性です、という人はダメなんだそう
です。このネットのナンバーは、皆“とんでもない技術おタク”です。その上、その
技術を自己の感覚にとどめず、何とか他人に伝達するため、文章にしますから、一段
とその過程で考え、技術も洗練されていくと思います。皆さん、他人の技術でも、感
情的に批判されず、良いものは良いものとして取り入れる姿勢が素晴らしいと思いま
す。

○○先生、余計なことかもしれませんが、どうみたって明らかにお仕事のされすぎでは
ありませんか? お体ご自愛ください。先生だけのお体ではありませんもん。私、本
当に心配です。

○○先生、パキスタン報告待っています。1都市いや、1トラブル・1レポート厳守
で、お願いします。楽しみにしていない先生は皆無でしょうから。

来年の2.24は木曜日、2.26なら土曜日です。場所は、ハウステンボスでよいんです
が、日を優先して木曜にするか、参加者の便を優先して、なお日柄(?)の良い土曜
にするか問題ですが、私個人は、土曜なら参加します。木曜日もなるべく参加します
(なんのこっちゃ)。

2.24夜、ハウステンボスにて

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○○です。

このところ、何回か、バルーンによるステントの追い越しが議論されていました。15
年程前、私が○○で、ウチの御大の助手をしていた時代のkissing techniqueは恐ろ
しいものでした。何せ、8FrのガイドにOTWバルーンが1本しか入らないわけですか
ら、両足刺しし、8Frのガイドを2本LMTに入れ、1本のバルーンでLAD、もう1本でD1
というものでした。ステントなしなので、dissectionは残り、10000単位/dayのヘパ
リンが落ちる中、夜遅くまで両足押さえた悪夢があります。カテ・カンファで、御大
が、“これはkissingだ!”とおっしゃられると、我々兵隊からは、“エーッ!本当
にkissingなんですか???”という悲鳴がよくあがったものでした。

さて、“追い越し”も、この昔の方法を応用してはどうでしょう? どうも○○先生
の実験でも、6Frではスムースにはいかないようですよね。左radialでも、Femoralで
も穿刺して、6ないし5Frガイドをもう1本入れ、そこからwireringして、バルーンで
追い越すのはどうでしょう?

私もやったことはなく机上の空論かもしれませんが、こっちのほうが、安全・確実そ
うな気がしません?

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○○です。
イヤー楽しかったです。勉強になりました。
○○先生、先生ががんばられる限りがんばります。tPAは使ってありましたか?うち
は、
75歳女性が下壁で来てましたが、ブロック・右室梗塞ともなく血行動態(といっても
血圧と尿量)も安定している様なので、予定通りヘパリンだけで寝ていました。
Radial PITしようかな?と思ってますが、出血は止まりませんか?管先生、教えてく
ださい。

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○○です。
ハウステンボスで斉藤滋先生がTransradialとTransbrachialは別物と言われたことの
意味は何なのでしょうか?懇親会などで質問された方や意味の分かった方は教えてく
ださい。

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○○です。

直接齋藤先生に伺ったわけではありませんが、
TRIは基本的に6Fなのに対し、
TBIは7,8Fも使用可能なので、
(subclavianからaortaへの進入角度の違いを除けば)
ガイドカテやディバイスの選択などは、
TRIよりもTFIに同じである、という意味ではないかと考えます。
無論、TBIでも6Fを使用すれば、TFIよりもむしろTRIに近いと思いますが...。

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みなさまお疲れさまでした。楽しいひとときを過ごさせていただいた坂井先生と、
回を盛り上げていただいたみなさまに感謝します。家族一同満足感に浸っておりまし
た。
今日は朝一から、竜宮城から帰った浦島太郎状態で現実の忙しさに引き戻されて
しまいました。忙しくてメールを開いたのみにしておりましたが、ハウステンボス以
前に書いたメールをコピーして送ってみたら今日は送れていました。

○○先生のご質問ですが、私、斉藤先生に質問しました。Transfemoral
とTransbrachialは同質のもので、Transradialは全く別物とはっきりおっしゃいまし
た。道具の選択もstrategyもなによりその精神から違うと言うことでした。具体的に
はわからなかったのですが、この時はじめて、斉藤滋先生が本音でradialistである
ことを実感しました。やや釈然としない私はまだradialistの発展途上だからではな
いかと感じました。と、何か禅問答みたいなのですが、○○先生も私同様もっ
とradialist道(どう)に精進いたしませう。

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○○です。

私が思うに、Trans-brachialも、Trans-femoral同様、穿刺部合併症はそれなりに起
こり、まれに正中神経損傷が問題になります。これに対し、Trans-radialは、穿刺部
合併症が皆無といえるので、そこが違うのではないでしょうか?

ただ、Trans-radialのlearning curveの中で、自分がもっとも頭を使ったのは、腕頭
動脈から上行大動脈に入れたカテさばきだと思います。この点では、私はやっぱり
Trans-radialは、Trans-brachialに近いように感じられます。○○のレジデント時代
に、cut downを含んだSones法を伝承した最後の世代ですが、このカテ操作に慣れて
いたことが、後日Trans-radialに惹かれていった原動力のようでした。

また、今日は、LAD入口部の99%狭窄で、その後、約50mmにわたってdiffuseに高度石
灰化がある84歳、頭がしっかりしていてCABG拒否の、u-APのお婆さんにRota-stentし
ました。radialが触れず、6Fr Femoralでやりましたが、これもradialistとして、
6Frに慣れているからこそ、6Frでできるのだと思います。Trans-femoralにも、
“radialist精神”は息づくとも思えます。

技術論が多いTra-net ですが、時に、こうした禅問答も楽しいものです。

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日曜日より2例の緊急を含め本日6例のPTCAを施行しました。
うちは全例ステント留置で無事に終わりました。
PITを使用してラディスポ、アダプティーでバンドを緩める時に出血をする事があり、
そのために再度バンドを閉め直した時に閉塞する事があったので、現在はそう言う症
例に関してはとめたクンでじっくりと止血するようにしています。下手すると50mg程
度で6時間圧迫となります。
ブラキアル使用のとめたで十分です。これで止血するようになってからこまる事はな
くなりました。
患者さんを助けるために我々は存在するのだからやっぱり今まで通りに頑張ろうと思
います。
TRA netの皆さんこれからもよろしく!!

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○○です。

お蔭様で、○○のTRIも、LMT にRotaした後、S670でT stentを作り、無事に終わ
りました。その後、送別会があったのですが、CCUの中堅の看護婦さんから、「私た
ち、看護婦は、先生のアートのようなPTCAのお手伝いは、直接、何もできなかったの
ですが、他の病院で、手術しかない、いや、何もやりようがない、と言われ、絶望し
ていた患者さんたちが、先生のPTCA、しかも楽な“radial”で治っていく姿をみるこ
とは、私たちの最大の喜びであり、誇りでした。みんな、そう思っています。長い
間、お疲れ様でした。」といわれました。医者になってから、一番幸福に感じた瞬間
でした。

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○○です。

いましがた当直明けで帰ってきて
メールを確認したら、案の定いっぱいでした。

ハウステンボスは本当に楽しい時間でした。
オランダの町並みといつもの面子との
妙なミスマッチで不思議な雰囲気を覚えました。

皆さん本当にお疲れ様でした。
さて、そろそろ眠ろうか〜

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