第133集


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TRA-netの皆様へ

○○と申します。
出身大学は○○医科大学で、○○先生の後輩です。
TRA-netはInterventionについて活発に意見交換をされていると聞き、登録をお願いし
ました。
よろしくお願いします。

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○○です。

このメーリングリストの方の何人が伊勢志摩ライブに行かれていたか分かりませんが、
あの日の夕方に加藤先生がされていたmid LAD CTO in
grafted caseの心臓CTです。



あのときLADがgraftで吊り上っているんじゃないかって手技の途中で議論になって、最
初に用意された心臓CTでははっきりその部分が描出されず
「心臓CTではみえないんじゃないの?」っていう意見に対し僕は「見えるでしょう」と
言っていた、その証拠写真です。西川先生のご厚意でDICOM
データを頂けたので手持ちのソフトでslab MIPを作ると添付ファイルのようにきれいに
描出されているのが分かります。自分でワイヤを操作してい
ないので確定的なことは言えませんが画像からはCTOはgraftのdistalのみ、septalから
先と思われます。

皆さん、slab MIPを是非活用しましょう。簡単ですし。もうすぐZIOソフトというとこ
ろからすごく使いやすいソフトも出せるはずです。。。興味
がある方がおられたら言ってください。

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○○です。

伊勢志摩ライブでの加藤先生の症例の心臓CTの話の追加です。

あの症例、CTチェックしてたら思い出しましたがproximal entranceがStentから出てい
たseptalからでアンギオでは判断に迷う症例だったです。こ
れもCTでちゃんと見えていました。添付画像を見てください。LADはstentの最後のスト
ラットぐらいでjailされていて、septalからLADが出ていて
graftですごく上に引き上げられています。さらにはLADからgraftまではsmall channel
が残っていたようで造影剤が描出されています。これなら
graftまではcoated wireで進みそうだ、なんて思います。実際にはこの症例は自分では
していませんし、手技の途中で帰らなくてはならなくて見て
ないのでさっぱり分かりませんが。。。

ということでした。やっぱ心臓CTはみえるんですよ。ちゃんと画像処理をすれば。



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○○です。

師走のお忙しいところ恐縮ですが、是非とも先生方のご意見をお聞かせ下さい。
PCI for CTO 治療後、3ヶ月後に再閉塞し、どのように対応するか、です。

・64歳女性:ハキハキとした元気なおばさんです
・高血圧症、高脂血症、糖尿病(HbA1c 8.3%)
・H7年 PCI for RCA (CTO) failure
・同年 CABG x 4(LITA-LAD、SVG-#4AV、SVG-Dx-OM). ただし、SVG-RCAは術後 
造影で既に完全閉塞

近医通院中であったが、昨年暮れ頃からCCS-2程度のAPが出現。労作による再 
現性あり。本年7月に冠動脈造影を施行。
・RCA total(Fig 1)
・LMT total(Fig 2)
・LITA-LAD patent (Fig 3)
・SVG-Dx-OM patent (Fig 4)
・SVG-RCA 起始部 total
グラフトから造影されるnative coronaryは全て枯枝状で、どの領域で虚血が 
でてもおかしくない所見と考えました。

・心エコー:basal inferior hypokinesis. その他全てnormal. EF=60%.
・ドブタミン負荷エコー:まず basal posterior に虚血が誘発。ただし、胸 
部不快のため low dose(peak HR 90まで)しか負荷できず。

後日、PCI for LMT-LAD施行(Fig 5, Fig 6, Fig 7)。
LADはびまん性に石灰化高度で、1.5mmバルーンの通過にも四苦八苦しました。 
最終的にLMTからCypher3.0x28mmを留置しましたが、1st septumから遠位は 
2.5mm POBAのみです。Major dissectionを残しましたが(Fig 7)、手技に長 
時間要していたこと、ステントdeliveryが極めて困難と考えられたことから、 
3ヶ月後にre-tryする方針とし終了しました。

3ヶ月後の造影ではCypherは開存していたものの(Fig 8)、1st septumから数 
mmすすんだ部位で完全閉塞していました(Fig 9)。ただし、閉塞長は短いこ 
とが予想されました(Fig 10)。

Follow-upの時期には私は大学病院から出ていたのですが、代わりに担当され 
た先生の判断はPCIではなくmedication follow-upでした。



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もし私が再度主治医をしていたならば、
・LAD-CTO に対しre-PCI
・次いで LCx-CTO に対しPCI
としていました。若年ですし、心機能良好ですし、バイパス後10年以上経過し 
ていますから、できる限りの血行再建に努めると思います。

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初期治療として私がPCIを選択したのは、患者さんの予後改善のためです。こ 
う言うと必ず「エビデンスはあるのか?」と聞かれるのですが、今回ような患 
者を対象とした臨床試験はないと思いますし、今回の患者さんの場合は in  
general なエビデンスを越えて、individual として血行再建治療が必要と考 
えています。あのグラフトだけで余生を過ごせというのは、あまりにあまりだ 
と感じるからです。
LCxに対する wiring は比較的容易と思います。というのも、LMT内はガイドワ 
イヤーの抵抗がありましたが、LAD-LCx分岐部から抵抗がグッと軽くなり、そ 
こからスルスルと LCx-CTO distal end まで容易に進んだからです(Fig 5)。 
Cypherストラット越しになりますが、一度はトライしてもいいのでは?と考え 
ています。

初期PCIで complete therapy できなかった私の未熟さを反省していますが、 
皆様ならどのように対応されるでしょうか?今回 CTO が再閉塞しましたが、 
LADはこのまま、あるいはLCxも手付かずでしょうか?どうか是非とも広くご意 
見をお聞かせ下さい。

最後になりますが、重いメール、たいへんな長文、誠に失礼いたしました。

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○○です。

大変な症例お疲れ様です。LITA-LADは、LADにdiffuseな狭窄はあるもの
の、このグラフとはおそらく生涯きれいに開存する可能性が高いので、
distal LADそのものにはあまり無理をする必要はないと思います。た
だ、1st majorからRCAへcollateralがでていますから、それを確保した
意味は大きいでしょう。

LCxは、先生のおっしゃるとおりの所見であれば、私もトライすると思
います。

その上で、何とかRCAのCTOを通して差し上げたいと思います。動画を
fullに見ないとコメントできませんが、こういうRCA近位部のCTOは、意
外にRV枝からわずかにcollateralが流れこんで、そこからdistalは実は
micro-channel、実質の閉塞長はおもったより短いなんていうこともあり
ます。で、この人のRCA CTOですが、レトロでやらないとあかないでしょ
う。 1st majorからレトロができる確信があれば、LCxのつぎにはこ
のPCIを試みたいです。distal のseptalからしか4PDにいけないのであ
れば、LITA越しはまず複雑な角度の問題で不可能でしょうから、レトロ
のルートを確保すると言う意味で、LAD distalを先にこころみても良い
と思います。

LITA-LADのみが開存している方は、心臓死にはなりにくいですが、
anginaの閾値はきわめて低くなり、それにともなってQOLが非常に低下し
ていることが少なくないです。ですから、PCIの適応は十分にあると思い
ます。

なお、ご本人にも、なんとしてもHbA1cをもっと下げるよう努力していた
だかないといけません。いくら循環器医が、血行再建をがんばっても、
HbA1c 8.3では、それが生きてきませんよね。

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○○です。
LADに対してのPCIによる血行再建が必要であったか?疑問がのこります。
LCX,RCAに対しては、CTO末梢がおおきければ、PCI必要と思います。
しかし、結果として、RCAへの1stsepからのコラテを確保したいたという事実は、○
○先生の指摘どうり意味が大変意味があると思います。
僕が主治医なら、現時点では、RCAのレトロするために、LADをこのように1stsep
まで、あけにいくということは、やっています。
○○先生と同意見で、LITAごしのsepの選択は可能ですが、末梢側のsepなので、通
過しにくいし、中枢側のsepのアプローチが難しいです。
あとは、LADのバイパスをきずつけるかも、しれないので、本末転倒になりかねない
ですから。

ですから、この3ヶ月後の結果では、LCXは、通常どうり治療して、RCAをレトロ
でやれるいい状況になっているので、絶対治療します。LADはいじりません。

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○○です。

最近、LADからRCAへのレトロは、1st septalより、少し末梢側のほう
が、分枝がすくなくワイヤリングしやすいのでは、と感じています。
Fielderが通ってしまえば、あとは、こういうケースはすぐにseptal
dilatationするので、あまりseptalそのものの大きさにこだわっていま
せん。確実にこの症例も1st septalからできればいいんですが。おそら
く、LCxとRCAは、stagedの手技でしょうから、先にLCxをやって、その
際、最後に1st septalにマイクロをいれて先端造影しておくと、次のス
トラテジーを立てやすいと思います。

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○○です。

○○先生、○○先生、ご多忙の所ご意見ありがとうございます。

> なお、ご本人にも、なんとしてもHbA1cをもっと下げるよう努
> 力していた
> だかないといけません。
CTOに対するPCI後に、インシュリン治療を導入しました。
SU剤最大量でコントロール不良にも関わらず、ずっと拒否されていたよ
うです。

> この3ヶ月後の結果では、LCXは、通常どうり治療して、RCAを
> レトロでやれるいい状況になっているので、絶対治療します。LAD
> はいじりません
LAD-CTO部とLITA吻合部の距離は、おそらく40mm以上あり
ます。また3ヶ月後造影でのCTO長は10mm程度です。
ですからLAD-CTO治療のためLITA吻合部を傷つける可能性
は極めて低いと思います。

LAD-CTOへの治療は、将来的な保険と、付加的な効果を期待しています。
LAD本管およびその分枝は全て枯枝状(びまん性狭窄)ですから、可能
な限り血液供給を増やすことによって、本来の血管内腔の拡大や血管新
生が期待できるのではないかと考えています。

RCA-CTOは治療できればそれに越したことはありませんが、これをレト
ロで治療できる医師は日本でも限られているように思います(とても全
ての病院で可能とは言い難いです)。それに対して、LADおよび
LCxへのPCIは、十分標準的なCTO治療だと思います。それ
ゆえに、今後同じような症例に日本中のどこで遭遇しても、LAD/
LCxに対する治療なら可能ですし、それにLADとLCxが開存
すれば患者さんへの予後には十分寄与するのではないかと考えています。

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○○です。

先生の書かれている中で僕には分からないところが何点かあります。

(1) 最初にLCXをjailしてCypherを入れたんですか?負荷エコーでbasal posteriorに虚
血が出るとのことですがその支配血管はdistal LCXですか?
distal RCAですか?
(2) この症例の治療適応を先生は長期予後と書かれていますがCCS2度の症状があるとい
うことは胸痛の除去も同様に重要な治療対象と考えるべき?
(3) LCXのwire crossが比較的容易と書かれていますがFig5のwire位置ではSVGにつなが
っているdiffuse diseased 14PLに本当に簡単にwire cross
できるでしょうか?Fig5のwire位置から先もかなり難しそうにも見えます。本当の
distalまでwireが進んだのであれば問題はないですが。
(4) このグラフトで生きていくのがあんまりと書かれていますが、SVGはdiseased SVG
なんでしょうか?そうでなければ現状ではそんなにあんまり
とは思えないのですが。。。LITAはしっかりしているし。。。
(5) 先生が書かれたLADの血行再建の意義は正しいのでしょうか?血液供給を増やすこ
とはいいことだと思いますがこの状況でnative LADをあける
ことがそれほど意義を持つでしょうか?distal vesselが悪いのであればsupply元が変
わるだけで状況は一緒、むしろstentingなどでside branch
occlusionをおこす方が嫌な感じもします。某心臓外科先生も言われていたLITAをつな
げば内皮細胞が移動?してfunctionalによくなるんだ、とい
うのと似てる感じがします。本当かどうかは知りませんがそんなことより必要な部分の
血流を確保する、という単純なことの方が真理のように思え
ます。

この症例が若年で胸部症状あり、および虚血が証明されている、とのことで血行再建を
すべきであることは同じ意見ですが、虚血の領域・症状から
RCAこそ開けなくてはならない対象なのではないでしょうか?LADをあけてもLCXあけて
も現状ではあまり意味があるようには思いにくいです。SVGに
病変があれば話は別ですが。

あと最初のメールに適応は「indivisualに」と書かれていてCTOをあける対象について
は「一般的には」と書かれていて何らかの矛盾を感じます。
症例はすべて「indivisual」に考えられるべきで、この症例は僕はRCAをいかに血行再
建するかを考える、そのためにseptalへの道を確保する、と
考えます。
当然静止画だけの情報なので情報の間違いによる僕の考えの間違いもおおいにあり得ま
すが、この情報からは上記の通り考えます。RCAの血行再建
ということで必要であればいつでもご連絡ください。
以上、失礼いっぱいのメールお許しを。

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○○です。

20代半ばの女性、最近急に血圧が高くなり近医受診。
腹部血管雑音を指摘され、当院にて先日MSCTを施行したところ添付のように右腎
動脈にFibromuscular Dysplasiaによると思われる高度な狭窄が見つかりました。
来週、PTAを予定しているのですが、恥ずかしながらFMDによる腎動脈狭窄に対す
る治療経験がありません。教科書的にはバルーンに対する反応はいいと書いてあ
るのですが、CTで見るかぎり思いっきりshrinkageしているように見えます。
果たして本当にバルーンで広がるのでしょうか?Ruptureのリスクは高いので
しょうか?
どなたかご経験のある方ご教授願います。



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若い方のFibromuscular Dysplasiaのようですから、原則はバルーンで、ステン
トは原則禁忌と思います。高安などでは高圧・長時間拡張を推奨する者もいます
が、レベルの高いエビデンスはありません。見せていただいた症例程度なら、多
くの放射線科医が何度も経験していると思います。金沢でしたら、○○大学の放
射線科の先生に相談されれば、豊富な経験をお持ちだと思います。破裂のリスク
はさほど高くないと思います。

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○○です。

○○先生、ご意見ありがとうございます。
> 以上、失礼いっぱいのメールお許しを。
いえいえ、むしろ PCI に積極的な先生方からの批判的意見も伺
いたいと思っていました。


> (1) 最初にLCXをjailしてCypherを入れたんです
> か?
はい、LCxはCypherでjailされています。
PCI 最初の目標はLMT --> LAD方向へのCTO開けでした。ガ
イドワイヤーがLCx方向へ容易にすすんでいった時は相当悩みま
したが、(PCI施行中は)LAD確保が first
priority と考え、予定どおりLAD方向へwiringしていきま
した。


> 負荷エコーでbasal posteriorに虚血が出るとのことですがそ
> の支配血管はdistal LCXですか?
> distal RCAですか?
distal LCxになります。ですから少なくともこの部位は虚血領域です。
ただしドブタミンは low dose までしか負荷できていません。
Peak HR 90/minに達した時点で、胸部圧迫感およびLCx領域の壁
運動が出現しましたので、その時点で負荷中止しています(LMT
total、RCA total がわかっていたので、無理はしませんでし
た)。それ以上はアンギオからの想像でしかありませんが、LAD
およびRCA領域も十分虚血が存在するアンギオ所見のように思え
ました。

PCI 3ヶ月後で mid LAD は閉塞してしまいましたが、患者さんの
AP閾値は随分と上がったそうです。baseline との違いを簡単に
述べますと:
・LMT-LAD proximal まで(1st major septum 数mm
先まで)開存
・LAD proximal から Dx が発生(ステント越しに)
・逆行性に(distal LADから)造影されていた 1st
major が順行性に造影される
・その1st major からRCAへcollateral
上記を考慮しますと、LCx以外にも虚血領域は存在していたもの
と考えています。


> (2) この症例の治療適応を先生は長期予後と書かれていますが
> CCS2度の症状があるということは胸痛の除去も同様に重要な治療対象
> と考えるべき?
もちろんです。
ただ若年であることを考えると、虚血解除+αを考慮する必要が
あるかと思っています。もし患者さんが80歳前後であったなら、
最初のPCIもしていなかったように思います(medication
follow のみ)。


> (3) LCXのwire crossが比較的容易と書かれていますが
> Fig5のwire位置ではSVGにつながっているdiffuse
> diseased 14PLに本当に簡単にwire cross
> できるでしょうか?Fig5のwire位置から先もかなり難し
> そうにも見えます。
LCxの入り口さえ間違わなければ、CTO distal end 近傍までは容
易と思います。
#14PL 吻合部手前は diffuse 90% ですが、#14と#15
(#13末梢)は近位部でつながっており、つまり分岐部がちょうど
CTO distal endです。ワイヤーはその1~2mm手前まで抵抗なくす
すみました(ほんのわずかに抵抗があがったところでwiringを止
めています)。


> (4) このグラフトで生きていくのがあんまりと書かれていますが、
> SVGはdiseased SVGなんでしょうか?LADをあけても
> LCXあけても現状ではあまり意味があるようには思いにくいです。
SVGはdiseasedではありません。しいていえば、吻合部が(角度
により)50%狭窄に見える程度です。
しかしながらグラフト術後11年経過していますから、今後も多少
心配ではあります。術後10年目ではきれいに開存していても、
20年目に(この患者さんでしたら73歳の時に)閉塞していること
はしばしば経験しますよね。ですから、手のつけようがある今のうちに
LCxを開けるのは意義があるのでは?と思っています。虚血が証明され
ている領域でもありますし。

「あんまり」というのは、「このグラフトがあんまり」という意味では
なく、「11年物グラフト2本だけで、それも吻合部以下枯
枝状なのに、血行再建なく余生20年以上過ごせというのはあんま
り」という意味です。


> (5) 先生が書かれたLADの血行再建の意義は正しいのでしょう
> か?血液供給を増やすことはいいことだと思いますがこの状況で
> native LADをあける
> ことがそれほど意義を持つでしょうか?
ここが一番批判されるべき点かと思っています。3ヶ月後造影の段階で
は、LADよりもLCx・RCAの方が意義は大きいと思い
ます。

私がLADを...というのは、将来的な保険の意味が大きいで
す(エビデンスがないと御批判をうけると思いますが)。
つまり、本患者さんにおいて、今後どのように冠動脈病変が進行するか
読めない、ということです。バイパス術後11年間、コントロール
不良ながらも、それなりの内服加療は受けておられました。にも関わら
ず、11年前は開存していた LMT・LAD・LCxす
べてが完全閉塞したわけですから、今後 medication を強化して
も、またどこかの部位で病変進行・狭窄しないか心配です。吻合部から
ネットワークがひろがってますが、その吻合部前後も結構細いですし...

これだけ重症になると定期的 follow-up がもちろん必要ですが
(PCI する・しないに関わらず)、治療可能なcriticalな
部位は今の間にできることならしてあげたい、と感じるんですよ。


> この症例が若年で胸部症状あり、および虚血が証明されている、との
> ことで血行再建をすべきであることは同じ意見ですが、虚血の領域・
> 症状から
> RCAこそ開けなくてはならない対象なのではないでしょうか?
私が RCA をLAD/LCxに次ぐ3番目のpriorityとした
理由は、
・11年前にすでにRCA#1 CTO
・11年前のグラフト術後造影で、すでに SVG-RCA 閉塞
・10年程は無症状でイベントなく経過
・LAD/LCx 領域の壁運動は正常なので、まずその確保を優先
・RCAに対する手技的難解度
です。もちろんRCAを開けることができるのならそれに越したこ
とはありません。


> あと最初のメールに適応は「indivisualに」と書かれていて
> CTOをあける対象については「一般的には」と書かれていて何らかの
> 矛盾を感じます。
> 症例はすべて「indivisual」に考えられるべきで、
おっしゃるとおりです。
全ての医療行為(PCI/CABG/medication含め)は標準化・普遍化
されるのが理想的ですし(当然時代によって変わっていくでしょう
が)、そのためにエビデンスが構築されていくのだと思います。でも実
際はそれらを土台に個々の患者さんの病態に則して対応しますよね。

本患者さんの場合、LMT total・RCA total であっても、
LITA・SVGが開存しているので、"教科書的" には血
行再建は不要でしょうし、PCI は予後を改善しません。私の周り
の医師達も同様の意見が多数を占めます。ただ本患者さん一個人におい
ては、PCI は必要と私は感じているのです。


> 当然静止画だけの情報なので
すいません。動画だととても重くて...  分かりにくい画像で恐
縮です。


> RCAの血行再建ということで必要であればいつでもご連絡ください。

誠にありがとうございます。現在大学病院に勤務しているスタッフに伝
えます。

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○○です。

当院も最近腎動脈の症例が多く、FMDも一例ですが経験していま
す。
その方は34歳男性、両側腎動脈狭窄でした。片方は解離ができて
しまい、やむなくパルマッツを入れました(バルーンが大きすぎまし
た)。もう片方は一年後にやりましたが、バルーンで簡単に広がりまし
た。降圧剤5剤から3剤に減ってます(残存腎機能が悪い
為)。

CTのスケールどおりなら、狭窄直後の部分ではなく、腎動脈が分岐して
いるあたりの血管径に合わせたバルーン(4-5mm?)を
nominal近くで使えばいいと思います。
近隣の病院(といっても小倉記念ですが)の話を聞いても、よほどオー
バーサイズのバルーンを使わなければ、ruptureのリスクは少な
いと思います。
CTで見る限り、distal embolismの可能性も低そうです。
心配ならIVUS guideでやってみてはいかがでしょうか。
stentを入れないつもりなら、TBAでできそうに思います。

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○○です。

皆さん、鎌倉ライブお疲れ様でした。
朝からの「TRIビア」は失敗でした。H教授のノリも今ひとつ。
ビールが入らないと普通の研究会です。来年は夕方に戻します。

Slender Clubは1号、2号、3号ともガンバッテいましたし、
引っかかりIVUSの抜き方も勉強になりました。
皆様、ありがとうございました。

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猛吹雪の青森より SLENDER2号○○です

鎌倉ライブお疲れ様でした。
ありがとうございました。
楽しい時間を過ごさせていただきました。

ポロシャツを販売いたしまして、なんか、高校・大学の頃の学祭のよう
で、疲れましたがおもしろかったです。
日頃、いい話をしてくださるメーカーさんが私たちに目を合わせないよ
うに逃げる姿も勉強になりました。
逆に一枚でも二枚でも、自腹でご協力してくださるメーカーさんには感
動いたしました。
人間ウォッチングには最高でした。

先生方にも、ヤクザにポロシャツを売って申し訳ありませんでした。
カツアゲでは無いのでご理解の程をお願いいたします、

H教授のご配慮で、SLENDERな発表がスライド1枚で終わらなかっ
たことを感謝しております。

コメ・コメも、私自身の努力不足で今ひとつ盛り上がりに欠けたように
も思います。
申し訳ございませんでした。

でも、とにかく楽しい時間でした。
ありがとうございました。

今後ともよろしくお願い申し上げます。

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○○です。

 若い女性のFMDは一例だけ経験があります。
本院放射線科で過去にBallooning されておりましたが、三ヶ月後に再狭窄に伴う血圧
の上昇を来たし、三剤併用でも血圧が180/100mmHgを下回れない状態でした。

 出産を希望され再治療行いましたが、ジャストサイズのバルーンを選択し、1分半程
度の拡張を二回繰り返して終了しました。
たった一例なのでコツも何もありませんが、背中の痛みを訴えられたら若干圧を下げて
拡張を続けたように記憶しています。

 ちなみにその方は治療後、妊娠され、全く降圧剤なしで110/70mmHg 程度の血圧とな
り、先月無事出産されました。

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○○です

ここで意見を聞かれ、discussionすることは決して悪いことではないと思います。
でも、ここの意見で自分の手技の方針を決められるようならば、
その程度でインターベンションをするべきではないと思います。
これは先生のご質問に対するだけでなく、他の先生の質問にも共通して言えることで
す。
このようなネットのもつ悪いことだけが表に出ているようで、
最近、とても気になっています。
決して○○先生や他の意見をひていするものではありませんので誤解なく願いま
す。

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○○です。

この患者さんでLAD再閉塞後も胸部症状が改善したとのことから考えれば1st septalか
らRCAへの血流の改善が最も効果があったのではないでしょう
か?ということはRCA領域の虚血が無視できないもしかすると最も重要なのではないか
と思います。だからSVG-LCXの血流から考えてもbasal
posteriorの虚血はRCA領域ではないか、と今でも思うのですが。。。basal posterior
の虚血領域がRCAの領域ということは本当にないですか?


> 本患者さんの場合、LMT total・RCA total であっても、
> LITA・SVGが開存しているので、"教科書的" には血
> 行再建は不要でしょうし、PCI は予後を改善しません。私の周り
> の医師達も同様の意見が多数を占めます。ただ本患者さん一個人におい
> ては、PCI は必要と私は感じているのです。
PCIが必要の理由が大事で、僕にとっては胸部症状、がこの症例で最も重要な血行再建
のための理由だと思われます。その次に無症候性であっても
虚血があること、が血行再建の理由となりうる要素でしょう。

ということからもなんとかRCAの血行再建をしてあげたいと思います。もちろんLCXも。

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○○です。

本日、FMD-PPI行いました。もしかしてステントの出番もあるかなと思いfemoral
approachで行ってます。
IVUS上はdistalで血管径5.5mm、proximalで4mm強、病変部では3mm強とCTよりは
だいぶ細く見えました。
4mmバルーンで低圧からインフレーションしたところ、2気圧くらいでフニャッと
拡がり8気圧まで加圧しました。
IVUS上では4mmジャストに拡がりわずかにintimal flapが見える程度でしたので
サイズアップもせずバルーンのみで終了しました。
というわけで意外とあっけなく拡張できました。

○○先生、○○先生、○○先生コメント参考になりました。ありがとうございました。



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○○です。

> basal posteriorの虚血領域がRCAの領域ということは本当にないですか?
LCx だそうです。エコー前のbaselineのアンギオ所見をもとにしての判断です 
から、多分間違いないと思います(大学のエコーチームはかなりしっかりして 
いるので信用できると思います)。
RCA領域である basal inferior はもともとhypokinesisですが(wall thining 
なし)、DSEでは先にLCx側の異常が出たようです。


> ということからもなんとかRCAの血行再建をしてあげたいと思います。もち 
> ろんLCXも。
そうですね。LCxはもちろんですが、RCAも意義が高いことがよくわかりまし 
た。ありがとうございます。

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○○です。

皆さま、鎌倉ライブお疲れさまでした。最後に合流できました。

ロシアは異常気象で日本と変わらず暖かく奇妙な天気でした。

二つの講演とPCIライブ、別なところでおまけの講演もしてきました。

ポロシャツもお土産としていただき2枚配ってきました。


無事帰国できてホッとしています。

ご配慮ありがとうございました。

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○○先生、ロシア出張お疲れさまでした。
○○の司会をさせていただいたにもかかわらず不完全な仕事に終わり反省しておりま
す。
○○先生、大変申し訳ありませんでした。
私はしらふでは単なるつまらない人間であることを再認識いたしました。
(今回アルコールによるpre-medicationの重要性が証明されました。)

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○○です。
大晦日ですが、出勤の先生方も多いことと推察します。小生
も日当直のため、病院で年越しです。

本年も、ネット上ならびに各地の学会・ライブ会場で、メンバーの皆様方に御指導御
助言、時には激励の御言葉を頂き、誠に有難うございました。個人的には激動の一年
間でしたが、お蔭様をもちまして、恙無く年末を迎えることが出来ました。

来年は当院にも64列MSCTが導入されることが、年末にほぼ確定しましたので、ますま
すマルチモダリティに対応できるように、勉強したいと思います。on-line 
off-lineともに、今後とも宜しく御願い申し上げます。それでは皆様、良い新年をお
迎え下さい。

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○○です。

今年1年間いろいろお世話になりました。
個人的にも激動の1年でしたが、まだまだ来年にも続きがありそうです。
最近投稿が少ないようですが、来年もまた、今年以上によろしくお願い申し上げ
ます。

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○○です

昨年はTRA-netの先生方に本当にお世話になりました。

radial & SLENDER魂で本年も頑張ります。

本年もよろしくお願い申し上げます。

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あけましておめでとうございます。
昨年はTRAの皆様に大変お世話になりありがとうございました。
私用でTRA大忘年会に出席できなかったためTRAの穴で皆様にお会いできることを楽し
みにしております。
今年もよろしくお願いいたします。

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TRA-netの皆様:
○○です。芋けんび食べながら当直中です。本年最初のPCI症例を待っております。
昨年中は本当にいろいろと勉強させていただき、誠にありがとうございました。
本年も宜しくお願いいたします。

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○○です

明けましておめでとうございます
皆さま 昨年は非常にお世話になりました
今年もSlender魂で精進いたします

ご指導の程よろしくお願いいたします

追伸:近トラブログの症例検討会に
Slender de CTOをアップしております
皆さまからのご批判、ご意見をお待ちしております

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○○です。

あけましておめでとうございます。旧年中は多々お世話になり、ありが
とうございました。来年もよろしくお願いします。

お蔭様で、TOPIC2006は成功裏に終了しました。厚く御礼申し上げます。
2007年に向けて新たな気持ちで、関係者一同プログラムを作成中です。
今年は、educationalかつbasicな企画を増やしました。PPIライブをもう
けるほか、毎年好評いただいているCTOセッションは2日間にわたり行い
ます。もちろん、TRIセッションも欠かせません。DESについては、有効
性・安全性などについて、ホットな(本音の)debateを企画していま
す。海外からは、big nameの先生方だけでなく、freshな先生方にもご参
加いただくことになっています。3月ころには2nd annoucementで詳細を
お知らせできればと思っています。本年も一層のご支援・ご協力をお願
いします。7月19日−21日で、場所は昨年と同様、セルリアンタワーで
す。カレンダーにしっかりマークしておいてください。

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あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。



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○○です。

カテーテルは、IkariでなくてもOKです。どのような種類でもOKです。また、アプ
ローチもTFIでもTRIでもどちらでもOKです。

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はじめまして、○○と申します。このたび、TRA-netに登録頂きありがとうございまし
た。
大学では、CCU,心カテ中心の臨床と心不全の研究などを行っておりました。
これから皆さんと新しい知見を共有させて頂くことを楽しみにしております。
個人的興味から、近々米国のpre-clinicalのdevice開発施設を見て来ようとしていま
す。今後ともよろしくお願い申し上げます。

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○○です。

 おかげさまで、熊トラ:トラの穴を無事終了することが出来ました。北海道、関東、
関西、九州一円から多数の先生に参加していただき感謝、感謝であります。特に人吉の
会場をまとめてくれた○○先生お疲れ様でした。おかげさまで有意義な勉強会となりま
した。また、お手伝いいただいた業者の皆様にも深ーく御礼申し上げます。

 今回は、ミニミニ・ライブ(八代市)とミニミニ・勉強会(人吉市)を半日で行う、
といった少々タイトな日程でしたが、みんなの協力のおかげで、予定した時間通りに進
行し、僕自身も楽しんで勉強することができました。(僕が術者の)何ちゃってライブ
は、我慢していただくとして、勉強会のレベルは高かったですね。日頃、勉強不足の僕
にとっては、結構考えさせられるものがありました。 

 二次会は人吉の“名物ぎょうざ”と“名物焼酎”を飲みながらの、いつものディープ
なトラ談義で話が盛り上がり、昭和レトロな(というか古ーい)ホテルでの宿泊は、耐
震強度も関係なし、でしたね。

 翌日(1/21)は、今回の目玉“球磨川急流下り”。これが寒かった!!辛かった!!水が
かかった!!北海道から参加された先生も、鼻水ジルジルでブルブル震えながらの球磨川
下りでした。な、なんと船頭さんが、途中で小便をもよおして、川に向かって立ち
(と、いうか座り)小便をする、といったハプニングはありましたが、1時間30分の川
下りは、まさに“トラの穴”の名にふさわしい鍛錬の場となりました。おーっ、それに
しても寒かった。

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○○です
熊トラには多数の先生方にご参加いただき,感謝申し上げます
また,当地のような田舎のまちでこのような研究会を企画していただいた
○○先生にも感謝申し上げます

「ガッツある若手ラディアリストを応援しよう!」というテーマでしたが,
症例提示では各先生とも工夫を重ねたテクニックをご発表いただき,
私は感心するばかりでした
二次会で伺った北海道の先生方のお話もとても興味深いものでした
改めて感謝申し上げます

人吉では2000円もしない本場の「球磨焼酎」が,横浜では8000円もすると伺いました
「球磨焼酎」をお求めの先生は,ぜひ人吉までおいでください
今回はご紹介できませんでしたが,おしゃれな温泉旅館もございます
夏は球磨川下り「急流コース」やラフティングもやっております
以上,観光情報でした

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○○です。
○○先生、○○先生大変お疲れ様でした。今回のトラの穴は非常に盛りだくさんで、ラ
イブも○○先生の冠動脈エコーも大変勉強になりました。焼酎も美味しかったしレク
も楽しかったです。球磨川くだりは寒かったのですが、帰ってくるとやはり札幌のほ
うが寒かったです。
○○先生との「電車でGo! in トラの穴」も、話題がDeepで、その昔「鉄」だった頃
の血が騒いでしまいました。
今度の九トラも楽しみにしております。

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○○です。

熊トラ、盛り上がったようですね。
今回はぜひ参加したかったのですが..
観光情報補足です。

私事ですが、今年1月7日に家族旅行で人吉温泉に一泊しま
した。
球磨川沿い、露天風呂付きの部屋で、人吉総合病院が一望できます。
(ということは病院から丸見え??なんでしょうか。○○先生)。
料理も美味しくて、残念ながら名物の餃子にはたどり着けませんでした。
人吉藩は江戸時代にお家騒動が絶えなかったらしく、いろんな逸話が残
されているんですね。
中でも「お下の乱(おしたのらん)」は有名で、江戸時代の10大
お家騒動にランクインしてました。歴史好きにはお勧めの場所です。
ちなみに、TVの水戸黄門では、黄門様ご一行は人吉になんと
6回も遠征しています。
皆さんもぜひ、人吉温泉を訪れてみてください。

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○○です
○○先生,コメントありがとうございました

今度いらっしゃるときはぜひ事前にご連絡ください
おいしい餃子を用意いたします!
しかし,黄門さまが6回も人吉にいらっしゃっていたとは知りませんでした・・・
人吉でロケもされたのでしょうか?

ロケといえば,本年公開予定の映画「北辰斜にさすところ」のロケが最近ありました
http://www.hokushin-naname.jp/
(何の関係もありませんが,人吉ネタということで紹介いたしました)

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○○です。

○○先生、○○先生、○○先生そのほか熊本の先生方お疲れ様でした。
ガッツある若手ラディアリストの一人として参加させていただき光栄です。
私のガッツは伝わったでしょうか?
正直、最近、腰をすえてTRAの方々と話す機会も少なかったのでとても楽しく時間を過
ごすことができました。
ライブではエコーがためになりました。もちろん、PCIの手技もすばらしかったです。

lectureも完成度が高く、僕たちだけで聞くのはもったいないくらいでした。
餃子はとりあえず、うまかったのでまた食べたいです。
今度、熊本へ行くときには黒亭ラーメンも寄って帰りたいです。

また、機会があれば参加させていただきたいと思います。
ありがとうございました。

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○○です。
イベント後のメーリングリストの活況にやや乗り遅れてしまいました。

八代のライブ、人吉での講演会ではいろいろと勉強になりました。料理
も焼酎も地元出身者としては大変懐かしい感じでした。企画していただ
いた○○先生と○○先生大変ありがとうございました。

さて、講演会の時に思ったのですが、名刺交換会も煩わしいので「参加
者リスト(コメント書き込み欄あり)」と「名札」を準備していただく
と良いなぁと思いました。
なかなか、人の名前が覚えられない自分が悪いのですが、せっかく集
まった会なので参加者リストを配布してもらうと良いなぁと感じました。
全くTRIとは関係ないのですが、少〜中人数の会で可能でしたら
ご検討ください。

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○○です。

76歳女性、透析中に血圧が下がり胸部不快感を訴え胸部誘導でSTが下がる患者さんで
す。
右手にシャント、左手に潰れたシャントなのでTRIは無理です。
全国の先生方、治療方針を是非よろしく!



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○○です。

両側大腿動脈アプローチ、septal channelがよさそうなので、レトロの
一手だと思います。レトロは、7Fr以上をいれたいですが、アンテは、
7Fr IM-SHか、入口部が狭ければ6Frでもよいでしょう。Fielder FCとか
が4PDまでいけば、最初から、septal dilatationして、とにかくOTW
balloonをRCAの遠位部冠動脈に持ち込むことに専念します。2.0mmくらい
がはいれば、RCAの走行はあまり屈曲してなさそうですから、anchorしな
がらConquest Proでcontrolled drillして、aorta(運がよければアンテ
のガイドカテ内に)抜けるでしょう。抜けなければ、適当な時点でCART
に移行します。 この手技をやるときは、MSCTのslub MIP画像が絶大な威
力を発揮します。あと、造影剤はそれなりに使うので、維持透析とPCI施
行日のタイミングは難しいでしょうね。前日にHDしておいて、翌朝から
PCI、終了直後にまたHDでしょうか。両側大腿動脈がまっすぐ(すくなく
ともアクセス可能)であることを祈ります。

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○○です。

 ○○先生、遅ればせながら明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願い
いたします。
 教授が悩まれるほどの症例なんだからやっぱり難しいです。 レトロに慣れた先生で
あれば、おそらく「何番目かの中隔枝を使ってワイヤー+バルーンで」って事になるん
でしょうが、、
 先生の施設って心外科はいつもOKなんでしたっけ?? 

 個人的には、未だレトロをやろうともしておらず、仮に必要であったときは外科の先
生に『別に患者さんの紹介ではないんだけれど、もし何かあったら…何とかしてくれま
すぅ〜』 なんて何時になく上目使いのお願いをして臨むことになると思います。

 個人的な技術の到達度からして、私にはレトロからのアプローチによるPCIを安全に
行えるほどの技量も統率力もないことから、アンテでPCIをします。
TRIは困難であることからは、Femoralから7FrのSAL1とマイクロカテーテルを用いて、
対側造影下にワイヤリングを進めます。
 勿論、対側造影は必要です。

 それで駄目なら… たとえ右一枝であってもそれで著明な症状と生活の上での制限が
出現しているのですからCABGを薦めます。

こんなんじゃ「へたれRadialistめ!!! 万死に値する!!!」と言われそうですが、ま
あ、僕の技量はそんなモンです。

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○○です。

○○先生ご無沙汰しています。世の平均より多少はたくさんレトロを
やってきましたが、合併症については、出現パターン・対応・防止法に
ついて、ある程度のコンセンサスができてきたと思います。実はシンガ
ポールライブに来ていますが、明日、その講演をします。よければ、何
かの機会にお話してもかまいません。面倒ですが、手順を省略しなけれ
ば、そんなに合併症ばかりということはありません。難しいのは、やは
り、ストラテジーをなかなか標準化しづらいことで、どうしても、どこ
かで力将棋(つまり何らかの乱戦模様)になってしまうことです。私個
人の印象ですが、アンテでfalseからのIVUS guided re-entryをやるより
は、レトロのほうがずっとやさしい(安全)でしょう。

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○○です。

○○先生いい事いってくれますね。

一見、レトロからのアプローチがよさそうに見える症例ですが、
本当に最初からレトロから攻めるべきなのか。
○○先生はそのあたりを悩まれて提示されたのではと察します。

レトロは戦略の一つとして持っておくべき
重要なテクニックと思いますが、
○○先生が仰られた理由から、
はじめからレトロは時期尚早と思います。
もっともあと1-2年もすれば、
このような考えは古いと言われるのかもしれませんが...

添付画像では右の造影がはっきりしないので
どのくらいの確率で成功するのか、なんともいえませんが
とにかく、私はまずはアンテ攻め。
ただし、右1枝に対するCABGの選択はないと思います。

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○○です。
○○先生ことしもよろしくです。
アンテからだと、カテーテルのバックアップをどのようにとるか?カテーテル形
状、ブランチへのアンカーもしくは、同軸アンカーなどでしょうか?ワイヤーが
通過したとしたら、デバイスの持込は可能なのか?石灰化はどうなのか?など色
々な問題がありそうですね。
このようなことを考えなくても、75%くらいはぐりぐりワイヤーまわせば、通
過すると思います。で、だめなら、前から、パラレルで、85%くらいの成功率
になるのではないでしょうか?あとは、IVUSガイド、STARを駆使して、だめな
ら、レトロですかね。

通常にやって、70%以上で成功しますから、普通にやって、だめなら、レトロ
で、日をあらためて、やりなおしで、CABGは避けれると思います。

ぼくなら、前からだと、カテーテルのバックアップ、ものの持ち込みのことを考
えると、ワイヤー通過したあとに、大変そうなので、やはり、最初からレトロで
やったほうが、はるかに楽なので、レトロからいくと思います。それも、
reverse CARTでいきますね

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○○です。

この症例こそRetroのメリットが最大限に活かせる症例だと思います。
RCA閉塞部の曲がりがそれほどないのでCTO distal endにFinecrossが進めばほぼ成功さ
せられるでしょうし、Finecrossのdeliverもかなり成功率が
高いと思われます。
Antegradeでスルッと通る場合もあるのでantegradeで始めると思いますがあまり粘らず
にretrogradeに移行すると思います。

Fielder FCとかX-tremeとかretrogradeをしやすいwireが出てきましたのでretrograde
の適応はさらに拡がると思います。

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○○です。
 左冠動脈に入っているのはガイドカテですか?何かされたのでしょうか?

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○○です。

ひとつ書き忘れていました。
この症例をantegradeからうまくいかなかったら是非second opinionというかsecond 
operatorを考えていただければ、と思います。だってこのRCA
だけどCABGって患者さんにとってどうでしょう?Retrogradeのいいところってsystemが
組めれば本当に100%近くwire crossできるってところですの
で。Retrograde systemが作れてwire crossできない可能性があるのはCTO部が異常に曲
がっている、つまりgraft部だったりRCAのとんでもない角度
のtortuousだったり、という場合だけだと思います。

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○○です。

テクニカルな意見ですが、私はFinecrossのままいろいろとレトロの手技
をやることには、あまり賛成できません。OTW balloonを遠位部冠動脈内
でanchorすれば別次元の安定感というか、サポートが得られます。その
ままCARTに移行することも可能でス。また、サポートが強化された
Fielder FCが登場してから、septal dilatatinoの成功率も上がりまし
た。Fiecrossを押し込むより、いわゆる“entire” septal dilatation
の成功率のほうが高いのではないでしょうか? 

レトロから、CTO自体へのデバイスの通過性ですが、やはり、Finecross
とOTW balloonではかなり違う印象があります。よって、私は、こうした
症例は、遠位部冠動脈にFielder FCとかがdeliveryで来た段階で、即、
Finecrossを抜去して、1.25mmバルーンで“entire” septal dilatation
をするようにしています。

そのあとですが、CART・Reverse CART・retrograde wire crossingのど
れにするかは、いろいろライブを見ている限りにおいては、オペレータ
の好みというか、得意・不得意が大きく影響していて、これでなくては
ならない、ということは無いようと考えています。私はConquest Proが
好きなので、 retrograde wire crossingに持ち込むことが多いです。

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古くからトラネットでお付き合いお方はご存知かと思いますが、
私は酔うと歯に衣をきせません。

アンテでもレトロでもどうでもいいのですが、
○○先生の言うように、
まずちょっとつついてアンテであけばそれが一番だと思います。
アンテも行わず、レトロから開始というのは
2007年1月25日現在、断固として反対です。
ゲッホ
これはゲップです。

レトロで開始して、結局アンテであけたなんてみっともないです。
以上。

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○○です。

Finecrossについては僕の意見はかなり異なります。実際OTW balloonも試しましたし
anchorも試しましたがwireの操作性、retroでのwireの操作性
はもとからかなり落ちてますのでそこでさらにOTWの操作性低下は僕としては耐えられ
ません。
先生が言われるとおりseptal dilatationは非常に重要です。僕なりにほぼ確立してき
たやり方は、retrogradeを大きなoptionの一つとして持つ
(これは加藤先生からの恩恵)、septal channelを使った時はballoon dilatationをか
なりしつこく行う(○○先生からの恩恵)、その後は
Finecrossを再度CTO distal endに持ち込みretrograde wiringを行う、多くの場合は
reverse CARTでwire crossを行う、ここではantegrade IVUS+
antegrade stentingが非常に有効、その後はantegrade GCまでFinecrossをあげて
Rotawireを使って一周させる、ここではantegrade GCの中で
anchorをする(○○先生の恩恵)、という手順です。

長くなってしまいましたが、、、結局やはりwire操作やwire一周においては絶対に
Finecrossですね。この間Ryujin1.25ですごくwire操作性が落ち
て全くダメでした。

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○○です。

レトロでのOTW balloonですが、私の表現が不足していたようで、すみま
せん。1.25mmのままでは、○○先生のおっしゃるとおり、操作性はよく
ありません。ですので、1.25mmによるseptal dilatationがうまく行け
ば、OCTによればおおよそ0.8mmのチャンネルができるそうなので、ただ
ちに2.0ないし2.5mmに入れ替えて、それでanchoringして、retrograde
wire crossingやCARTなど、その後の手技をしています。ですから、私の
先ほどのメールにある、安定感とか、サポートといった表現は、2.0ない
し2.5mmをanchorした状態と考えてください。私がFinecrossに懸念を示
すのは、septal dilatationをせずにFinecrossを押し込むと、不通過の
際、septalがkinkingしてruptureする危険性があるからです。

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○○です。
マニアの世界に入っていってますが、個人的には、finecrossの意見は○○先生
と同様です。
○○先生の懸念するseptal dilatationせずに、finecrossを押し込むと、septal
がキンクして、perforationするのは、ワイヤーのサポートがあがったフィル
ダーFCを使用すれば、すくなくなるのでは?
加藤先生の報告するそのような合併症は、ワイヤーのサポートの問題で、解決す
るような気がします。ですから、FCをつかった、レトロではさらに finecross
が有用になってくるような気がしますが、いかがでしょうか?

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○○です。

○○先生がおっしゃる点ですが、スペックをいろいろと調べてみまし
た。まず、視認できる最小のcollateralの径はおおよそ300um(0.3mm)と
言われています。Finecrossのentry profileは0.6mmです。これに対し
て、1.25mm OTW Ryujinは、entry profile 0.4mm かつ最大径0.67mmで
す。また、Fiecrossとちがい、手前から拡張することでFrictionを減ら
す事が可能です。pushabilityは、OTW Ryujin>Finecrossでしょう。以
上から、Finecrossを単純に押し込むより、1.25mm OTW Ryujinでentire
septal dilatationするほうがずっと通過しやすい、というのが私の結論
です。数日前にやった心尖部をまわるepicardial collateralでは、
Finecrossはある一点で完全に強い抵抗にあい不通過でしたが、OTW
Ryujin 2.0mmが容易にこれを通過しました。

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○○です。

全国の先生方、ご意見ありがとうございました。
まだ皆さんの意見を消化しきれていませんので、また小出しに質問させていただきま
す。


まず簡単な質問に返事です。

○○先生、透析患者でhigh-flowなので5Fでは写真にならず6Fのmulti-purposeで造
影しなおしています。
○○先生、僕はレトロなんてやったことありません。ところで心外って何ですか?

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○○です。

しつこくRetroネタで申し訳ありません。鬱陶しいと思われる方は読み飛ばしてくださ
い。

先ほども書いたとおりseptal channelの通過に関してのdilatationの重要性は非常に大
きいです。ただ僕はRyujinよりLacrosseを使うことが多く
て、septal dilatation後Finecrossを通過させます。
なぜFinecrossか、それはこれまでのsevere complicationがballoon shaftで起こって
いること、wire操作性は 2.5mm OTW balloonも使ったが
Finecrossの方がいいと感じられること、だからです。
Finecrossだと通過しないことはあっても破るリスクは低いでしょう、どう考えても。
それにseptal dilatation後はまず問題なく通過します。
Pushabilityは確かに負けるかもしれませんが全体のcrossabilityではRyujinが通過し
ないけどFinecrossが通過したって例は少なからずありますの
でむしろいいのではないでしょうか。

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○○先生、○○先生、○○先生、○○先生、いろいろとご意見ありがとうございまし
た。

一人でいろいろ悩むよりネットに流す方が早かったです。

この症例の造影をした時に右にガイドカテがちゃんとかかるかなあと思い、こんな症例
はレトロがいいのかなと漠然と考え症例提示させていただきました。もう一度悩みま
す。
技術的な問題で疑問がありましたらまた個人的にメールを出すかもしれません。
皆さまよろしくお願いします。

P.S. ところで○○先生・・・・・

僕が失敗したら先生が責任持って治してくれるということでよろしいでしょうか!

************************************

○○です.

○○先生,心外(しんげ)=心臓(血管)外科だと思います.ところで本題ですが,
septal
dilatationはRX,OTW本当はどちらがよいのでしょうか?以前ご高名な先生が,RXにて
septal dilatationしていて,ワイヤーがたわんでseptal branchをザックリ裂いた症
例を目の当たりにしました.如何なものでしょうか?

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心臓血管外科ですか、○○に来てすっかりそんな名前忘れていました。
不幸なことに私は今まで急性期に僕を助けてくれるような外科チームと働いたことがあ
りません。
当院に心臓外科はありませんが半径数キロ以内には優秀な外科チームが三個師団ほどい
ます。

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○○
レトロの合併症および危険なところは、ある程度、わかってきていますので、個
人では、安全にできると、思っています。ただ、アンテからのように、定石みた
い形が組めないので、気軽には手をださないほうがいいのも、事実です。
ただ、レトロという方法は、いままでのCTOの治療法を大きく変えた革命的な
方法であると思いますので、是非トラの先生は、オプションとして、手にいれた
ほうがいいと思います。
CTOの革命的な手技であるというニュアンスが、理解されますでしょうか?レ
トロからワイヤーが入れば、100%近い成功率が保障される。画期的な方法と
思います。

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皆さまに質問です

CTOでのレトロってFirst Choiceになるほど安全で確立された方法なんでしょうか?
私自身は初めからレトロでしたこともありませんし
ライブなどで見させて頂いても、アンテよりレトロが安全だなんて
到底思えないのですが・・・

CTOはあくまでもCTOですので患者さんの状態がPCI以前より悪くなるのは
どうなんでしょうか?

もちろんCTOを明けるのは患者さんの予後のために
あるいは症状がある場合は症状をとるためであるのだと思っていますので
いつも一生懸命治療はさせて頂いております

○○先生の症例は○○先生が言われるようにアンテ70-80%の成功が
予想されると私も思いますので、まずはアンテからします
だめなら、その後再度患者さんと相談してレトロからするか
安定しているのならMedical、あるいはCABGも考慮します

************************************

○○先生が仰るように画期的な方法です。
しかし、高名な先生がレトロを試みられ、
合併症で患者さんが亡くなったといった噂を耳にします。
手技的に随分と確立されてきたとはいっても、
First choiceとしてはまだまだではないでしょうか。

実際にどの程度の合併症が発生しているのかデータはあるのでしょうか?
ご存知の方がいらっしゃれば教えてください。

************************************

○○
僕の少ない50例の経験では、レトロによる合併症は経験がありません。ただ、
セプタルからのものの通過が、レトロ独特の合併症を生じる(septal
perforationや、intrahematomaなど)と感じて、いたので、それを避けるために
は、CART法のレトロからバルーンを(無理に)いれる手技がどうしても、そのよ
うな合併症を多くすると思い、ものの通過が悪ければ、reverse CARTで行なうよ
うにしています。そのために、セプタル関連の合併症がおきていないと思いま
す。ここのセプタル関連の合併症を少なくするために、フィルダーFCを加藤先生
は考え出し、セプタルダラテーションを提唱しています。そして、○○先生は、
エンタイアダイラテーションを提唱しています。僕と、○○先生は、アンカー法
を利用した、通過を提唱しています。
高名な先生の合併症がどのようなものだったのかは、不明ですが、すくなくと
も、セプタルがらみの合併症なのでしょうか?
僕が色々なところで、勉強したところでは、レトロ独特のおおきな合併症は、イ
ントラヘマトーマによるPCPSがはいった症例をみましたが、
○○先生がおっしゃるとうりのレトロはファーストチョイスにできる手技ではな
いですね。加藤先生もそのために、カートトレーナーコースという教育コースを
おこなっているのも、そのせいではないでしょうか?
いまから、JPICで勉強してきます。

************************************

○○先生

少ない?50例で合併症ゼロはすばらしいと思います。
自分の手技合併症の発生率を、ネットで胸張って
公言できる人はそんなにいないと思います。
でも、○○先生くらいの良好な数字をだすことは、
この手技を続ける最低条件だと思います。

我々一般レベルの医師にとって、
50例のレトロを経験するには
相当の年月を要すと思いますし、
learning curveの途中で
合併症ゼロの数字を出すのはかなり大変でしょうね。

************************************


加藤先生や光藤先生の話を個人的に聞くとやはり合併症としてはseptal branchの迂回
ルート絡みのものが多いようです。CARTの教育コースなどに参加された方なら合併
症の話なども聞かれているのではと思います。

合併症の話なんで言いにくいでしょうが○○先生以外でもご経験があれば教えて下さ
い。

(皆JPICで忙しいかな?)

************************************

○○です。

○○先生の合併症の話は、以前、先生がライブか何かで話していたのを聞いたことが
あります。ご自分の苦い経験をライブ等でオープンにすることはとても勇気のいるこ
とと思いながら拝聴していたのを覚えております。

質問ですが、septal perforationはそれほど重篤にならないにしても、
もっとdistalのAVにつながるあたりでperforationが起きる事はないのでしょうか?
free wall側から出血すると難儀そうですが...

************************************

○○です。

僕の30例弱の経験ではmajor 1 minor 1 です。
majorは去年の○○ライブでも出しましたがdonor側(CTOでない方)の血栓です。結
果的にこの方を失ってしまいました。この点だけを見ると大き
な問題と言えますし、ただこの症例以降血栓について非常に注意深く、本当に神経質
なぐらい注意深くACTチェックや10分ごとのdonorのsaline
flushingを行っています。これはあまりseptal perforationほど言われませんが実際
はこちらの方が大きなtroubleになると思います。でも、知っ
ていて対処していればほぼ確実に防げる合併症でもあります。現在は1時間後との
ACT、および10分ごとのsaline flushingはナースがタイマーをか
けて声かけをすることにしています。
Septal perforationはminor perforationは放っといてまず大丈夫で慢性期には
recoverしていますがある程度大きくて患者さんが痛みを訴えられて
いるものに関しては止血すべきと思われます。そのような大きめのperforationが1例
でした。Coilingして問題なく(coilingの手技自体に若干問題
はありましたが…)今もお元気でtarget lesionはきれいに血行再建できています。

あと問題はこれらの合併症が従来の合併症に加えて考えなくてはならない、という点
です。ですので現時点でdeviceが改良され、手技も洗練された
とはいえ誰でもが、○○先生などとは以前から話していましたが若い経験の浅い先生
が「今はレトロだ」と言って簡単に行うような手技ではないこ
とは確かだと思います。一方○○先生が書かれているようにレトロのシステムが組
めたら(僕としてはFinecrossかOTW balloonがCTO distal end
に進んだら)ほぼ100%の成功率でCTOが通ります。ですから誰でもではないですが、
誰かはできる、頼める人がいる、という状況を作るのは患者さ
んに対し大きなメリットになると思います。いくらある程度時間がかかったりコスト
がかかるとはいえ患者さん自身への侵襲度はCABGと比べると基
本的には非常に小さいと思います。翌日は少ししんどくても2日後にはまず普通に
なっておられるし退院もできますから。。。CABGでは無理ですよ
ね。

またまた長文で申し訳ありません。

************************************

○○です。

本当に苦い経験ですし、その患者さんのことは今でも夢に見ます。何とかできたんじゃ
ないかとか。。。だからこれからされる方は同じことを繰り
返さないように是非覚えて、間違いなく血栓予防とチェックをお願いします。
先生のご質問の点ですが、そのためなるべくproximalよりのchannelを使うことにして
いる、と思います。ただ現時点で僕の知る限りではseptal
channelでperforationしてtamponadeになって、という症例は聞いていません。もしど
なたかご経験ありもしくは聞いたことがある、ということが
あれば教えてください。

************************************

○○です。
セプタルの出血のヘマトーマで、いわゆる液なしタンポが生じたケースが去年の
KCJLでライブされたといううわさを聞いてます。
あと、京都の音羽の症例で、セプタルではないですが、アピカルのコラテラル
で、出血させてタンポになったらしいという噂をききました。
あと、セプタルをワイヤーを通過させるときに、ワイヤーをぐりぐりまわした
ら、ワイヤーがツイストして、抜けなくなって手術になったという噂をききました。
○○先生からは、セプタルに出血したら、胸痛しょうじたら、ちゃんととめたほ
うがいいと、教えてもらってます。
以上、自分の経験ではないですが、噂をもとに報告しました。

************************************

伊苅@東海大です

○○先生の仕切りは見事でした。現状の問題点がすっきりとした感があります。
1)レトロは新しい画期的な方法であり、今後も器具、技術、方法など研究の余地が
多分にあること
2)日本のトップオペレーターでも数十例の経験であり、合併症が皆無ではないこ
と。特にtransseptalの合併症、カテ内の血栓などは要注意。
3)したがって、CTO例という安定した患者に対する治療法としてはリスクを考慮す
ると一般的には現状の第一選択ではなく、PCI経験の少ない術者は慎重に対応すべき
こと。

PCI術者としては、安全に治療ができるということを症例ごとに十分に考えるという
ことが基本ですね。

私自身の現状は、光藤、斎藤、加藤先生らをお招きしtransseptalアプロー
チを実演していただきましたが、まだ、私自身がやるなら、transseptalアプローチ
は第一選択ではなく、アンテを第一選択としています。アンテで不通過のとき、CABG
とレトロによるPCIのrisk&benefitを考慮してPCIが良い症例のみに適応を考えていま
すが、実際はそういう症例は多くないです。しかし、レトロアプローチを否定してい
るわけではなく、腸骨動脈のCTOで相当数やっていますが、腸骨動脈のレトロは非常
に成績が良く第一選択です。

************************************

○○です。

いや、別に仕切ったつもりではなかったのですが...。
お褒めのお言葉をいただき驚きました。
○○先生もやられていないのもまた驚きでしたが....
先ほど伊丹空港でトラネットのメンバーで非常にご高名かつ
皆さんから慕われている先生とお会いしましたが、
同じようなご意見をいただき、
さらにまた驚きでした。

レトロは非常にすばらしい戦略ですので、
○○先生や○○先生のように良いとこ悪いとこわかった先生方に
早く手技を確率していただきたいです。

それでは、これらの意見を参考に、
そろそろ○○先生にも結果報告をお願いしたいと思います。

************************************

○○です。

○○先生が、素敵なまとめをしてくださいましたが、比較的、retroをた
くさんやっている人間からの擁護的意見ということで、長くなります
が、興味のない方は、何も読まずに削除してください。

>1)レトロは新しい画期的な方法であり、今後も器具、技術、方法な
ど研究の余地が多分にあること

やはり、遠位部冠動脈にOTW balloonがdeliveryできれば、(私は100%と
はいえませんが)95%以上の確率で成功が期待できる意味では画期的で
す。ただ、あまりにも長い閉塞は、CARTでも、reverse CARTでもつなが
りませんが、このあたりは、MSCTが発達・普及することで、事前にワイ
ヤリングの方向がわかるようになれば大きく変わると思います。透視で
石灰化が認識でき、遠位部冠動脈がtapered typeのCTOでは、trueの通過
は、Conquest Pro 8-20を用いてもかなり困難で、retro→CARTが唯一の
手段である場合も少なくありません。

私自身は、2006年の後半になり、@通過性にすぐれ、かつサポートが増
強された(別の言葉をつかえば、septalがたわみにくくなった)Fielder
FCやX-tremeがでたこと A“entire” septal dilatationの重要性が認
識された事 で安全性・成功率は明らかに向上したと考えています。

>2)・・・特にtransseptalの合併症、カテ内の血栓などは要注意。

transei septalの合併症は、上記の器具・技術の改善により激減した感
があります。また、septal ruptureが起こった場合の対応ですが、LV・
RVへのシャントは経過観察、心筋内の閉鎖腔への持続的出血は塞栓によ
る止血 という区分も最近確立されたものと考えます。カテ内の血栓で
すが、ACTの頻回チェックが何より大切で、先日の議論もあって、小生
は、ガイドカテが8Fr-8Frの場合は別途静脈シース、8Fr-7Frの場合は
7Fr側にも8Frシースを入れる ことを原則にして、術者がストレスを感
じることなく、とにかくACT採血を30分おきに最優先して行うようにして
います。幸い、私はまだ順行側の血栓症はありません。

>3) したがって、CTO例という安定した患者に対する治療法としては
リスクを考慮すると一般的には現状の第一選択ではなく、PCI経験の少な
い術者は慎重に対応すべきこと。

これには、異論が多少あります。私は、re-tryの経験もかなりあります
が、原則的に1回形成されたfalseへの順行性ルートが治癒することはあ
りませんので、re-tryの条件は悪化する事が殆どであり、改善している
事はきわめてまれです(massiveに形成された解離が、まれにantegrade
にre-entryしていることくらいでしょうか?)。また、オペレータがベ
ストの状態でPCIができるのは手技開始後2時間程度でしょう。anteで
やってうまくいかなければretroという意見もありますが、意外にその時
点では、透視時間も造影剤も消費してしまっている、という事態もある
でしょう。CTOで、順行性に成功しづらい病変形態は、閉塞長や石灰化、
近位部・遠位部断端の形態など、一定のコンセンサスができつつありま
すから、anteの条件がかなり悪く、retroの条件がよく、かつ術者の経
験・技術が一定のレベルにあれば、やはり初回PCIにおける最善の環境下
で、PCIの成功を企画するべきですから、retroを第一選択にしてよい時
代であると考えます。

ただ、多くの先生方が言われるように、複雑な手技で、一例一例のスト
ラテジーがかなり異なっているので、誰もがすぐにできる手技とも思え
ません。

@術者として、CTOの年間症例数がおおよそ50例以上あること
A(直接関係はありませんが、技術的には)parallel wire techniqueお
よびIVUSガイド下によるabrupt type CTO with side branchの穿通が、
それなりの成功率でできること
B(合併症への対応の意味で)冠動脈末梢の穿孔に対して、超選択的塞
栓術による止血が可能な事
Cseptal dilatationおよびCARTの手技を、間近で見学した経験があるこ


あたりが、この手技をはじめるにあたって必要とではないでしょうか?
 また、retroをはじめる際も、最初からseptal dilataionやCARTをやる
ことは難しいので、(成功率はreto-grade wire crossingやCARTには及
びませんが、合併症が少なく、比較的容易な)kissing wireからはじめ
られてはどうでしょうか? 

また、患者側の要因やシネアンジオ装置、診療放射線技師・臨床工学
師・看護師などのco-medicalを含めたチーム医療の総合力もとても大切
です。100kgを越える肥満体の方に、旧式のI.I.でこの手技をやれ、とい
われてもまず不可能です。デバイスのavailabilityもとても影響しま
す。

ということで、まとめますと、一定の条件下では、primary procedureと
しての妥当性が確立しかかってきた状況ではないでしょうか? 

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○○です。

RCAのCTO症例に対するPCIを昨日施行しました。
治療方針としては皆に相談する前から考えていたレトロから始めてダメならアンテで
す。

私の数少ない経験から生み出した”ライブオペレーターの心得”と同様に「他人の意見
を聞くふりして他人の意見を聞き流す」という戦略方針に従いました。(皆さん申し訳
ありません。)

結果としてはレトロでうまくいかずアンテで最終的には成功したです。

<手技概要>
左冠動脈にBL3.0ガイドカテでRyujin OTW 1.25mm、Fielderワイヤーでたくさんある
septal branchを探り始めました。何本もあるのに途中で先に進めずを繰り返しあき
らめかけたところで#4PDに抜けました。(ここまで約1時間半かかりました。)そこか
らワイヤーを#3に進めた後に中隔枝を1.25mmで低圧拡張してバルーンを進め閉塞部近く
まで持って行きMiracle 3G、Conquest Proでつつきましたが
歯がたちません。
右冠動脈はSAL1.0ガイドカテ、Finecrossを使いMiracle 3G、Conquest Proとも途中ま
でしかいかずConquest12が先に進みpseudoに入りました。レトロにワイヤーを残して
いたのでそれに向けて方向を何回か調整したところ最終的にtrueに抜けました。(アン
テで開始して30分弱でした。)後はFinecrossを通過させ柔らかいワイヤーに交換し1.
5mmで前拡張、バルーンをsize upして拡張した後DESを植え込みまし
た。
合計の手技時間は3時間半近くになりました。

<総括>
後から振り返れば対側造影を行いながら最初からアンテで行えば成功したように思いま
す。多分手技時間・造影剤とも少なくできたでしょう。(しかしレトロに残ったワイヤ
ーは灯台のようで位置把握には役立ちました。)
結果としてはアンテ派の○○先生の勝利です。
「レトロで開始して、結局アンテであけたなんてみっともないです。」という酔っ払い
の無責任な言動どおりになってとても悔しいです。

以上です。

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○○です。

自分自身がまだ数例の経験ですので、大きなことをいえませんが、○○先生のおっ
しゃるようにレトロアプローチを第一に考えたほうがよい症例が存在するということ
も事実だと思いますし私も同意します。症例による適応のばらつきが大きいことが話
を難解にしているのだと思います。(その点、腸骨はすべてレトロなのでシンプルで
す)

作業としては、造影所見からまず成功率の高さを3群に分類する。
1)retrograde > antegrade
2)retrograde = antegrade
3)retrograde < antegrade
2)3)は当然antegradeでいくでしょうが、1)の場合にさらにseptal arteryの状
況、症例の特異的な問題点などを評価した上でリスクが十分に少ないと判定されれば
レトロ第一選択も当然ありですね。

メールを書いているうちに○○先生から結果報告が入ってしまいました。
術前評価としては、この症例は1)だったということですね。それでレトロで開始し
結局アンテワイヤーが通過した。しかし、これは、目印のレトロワイヤーが役に立っ
たということでレトロの敗北なのか?レトロの勝利なのか?皆様の判定はどちらで
しょうか。

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○○です。

これは立派なRetrograde Kissing Wire Techniqueじゃないですか。
この症例を対側造影で行ったらすっと通っていたと思われるかもしれませんが、実際そ
うでしょうか?Retroのwireのmarkerの意味も、あとdistal
lumenを固定してpenetrationしやすいという点も僕はretrograde wireが入っていてこ
そ、の要素は少なからずあったと思います。
ですからこれは結果としてRetrograde Kissing Wire Techniqueで成功した一例、でい
いと思います。
「周囲からぐちゃぐちゃ言われながらいい部分だけを吸収し結果的にRetrograde 
Kissing Wire Techniqueで血行再建できた一例」ってな感じで症
例報告でしょうか?
酔っ払いの言ったとおり、ってのはRetro-systemを組もうと1時間以上頑張った挙句断
念しantegradeのみで15分で通過した、ってなやつです。

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○○です。

○○先生のおっしゃるとおり、これは立派なレトロの一例です。 レトロ
の技法を細分類すれば、1) kissing wire technique 2) retrograde
wire crossing technique 3) CART techniqueになるのは、ご存知の通り
です。最後は、どうやるにせよ、アンテからワイヤが行かない事には、
ステントがはいりません。(私の知る限り、レトロ経由でステントを入
れた、という症例は聞いていません)

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○○です。

○○先生がこの間言ってました。「○○、この間レトロのチャンネルからステントも入
れたぞ」って。僕もそれだけしか知りません。どんな太さの
チャンネルかも見てないので分かりませんが。。。

あと再分類のひとつにreverse CARTも入れておいてください。僕はとってはこれが一
番、です。

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全く同じ症例を二度する訳にはいかないのでなんとも言えませんが、アンテのみでいけ
たような気もするのですが・・・・・
(というのが私の正直な気持ちです。)
とりあえず先生の手を煩わすことはなくなりました。

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